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日本政府は14日、北朝鮮との政府間協議を今月29日に北京で開催すると発表した。
あくまでも本題は終戦以前に北朝鮮で死亡した日本人戦没者の遺骨返還、遺族らの墓参問題であり、拉致問題はそれと切り離し、別途協議とすべきである。
藤村修官房長官は14日の記者会見で「日朝政府間協議を近いうちに再開するべく、予備協議を29日に北京で開催する」と表明し、「できるだけ速やかに本協議を行いたい」と述べた。
議題については予備協議で詰めるとした上で、「当然、拉致問題も含まれると考えている」と述べた。また、諸懸案として、北朝鮮への帰還事業で渡航した日本人妻の帰国、よど号ハイジャック事件実行犯らの引き渡し、特定失踪者の問題も挙げた。 北朝鮮側も日本の植民地賠償問題など、言いたいことが山ほどある。
双方が相手の意向を無視して駄々をこねたら、交渉は行き詰まる。理性的な対応を望みたい。
今回の交渉は日朝赤十字が今月9、10日に北京で協議を行い、遺骨返還や遺族の墓参問題に関する政府間協議の開催に向け努力していくことで一致したことから始まっており、原点を忘れないことである。
双方が交渉を地道に積み上げていけば、おのずと誤解も解け、他の議題解決の道も開けて来よう。
日朝政府間協議は08年8月以来である。日本側は北が誠意をもって応えないから破綻したと非難し、北も日本側の不誠意をなじる。
そもそも横田めぐみさんら拉致被害者について北は死亡したと小泉首相に正式通告して以来、一貫して死亡と譲らず、日本側は「生きている。全員返せ!」と言い張って譲らない。
日本側が今回また、功を焦って拉致問題を持ち出せば、またもめることは必定である。
それにより本題の日本人戦没者の遺骨返還、遺族らの墓参問題まで霧散させるようではあまりに知恵がない。
清津会など多くの遺族が遺骨返還、墓参を待ちわびている。彼らの悲願を砕くようなことがあれば、轟轟たる非難をまぬかれまい。
拉致問題は感情化し、日朝だけでは解決不可能である。
横田めぐみさんの遺骨を第三国の研究機関で再鑑定するなど、第三者を入れて解決するしか方法があるまい。
特定失踪者の問題などは日本側が国内の無数の失踪者を強引に北朝鮮と関連付けている実情から、北朝鮮の努力だけではどうしようもない面がある。
日本政府には「金正恩新体制となり、拉致問題に対する北朝鮮の態度が軟化するのではないか」と期待しているようだが、そうした根拠なき認識が誤りの元となる。「めぐみさんが金ファミリーの家庭教師をし、重要な秘密を握っているので出せない」といったフィクションは捨てるべきである。
拉致問題は駆け引きの類ではなく、事実認識の問題であることを踏まえて交渉に臨む必要があろう。
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2012年08月14日
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