河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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韓国国家情報院は24日、国会に07年の南北首脳会談議事録を提出したが、その中で盧武鉉大統領が金正日国防委員長に「日本は朝日国交正常化に際して100億ドルで解決したいと考えているようだ」と伝え、「10兆ウォンにもならない額だ。5年以内に準備できる」と述べていた事が明らかになった。
ノ・ムヒョン大統領は韓国単独で十分に北朝鮮経済再建は可能との自信を示したのである。

北朝鮮が今も履行を強く求める二つの首脳会談で交わされた南北経済協力案、すなわち、6・15合意と10・4合意は、世界有数の経済大国に成長した韓国の実力に裏付けられている。
その構図は現在も何ら変わることはない。
韓国経済の四〇分の一で、済州島程度のGNP の北朝鮮経済浮揚はそれほど難しくない。ポスコ一社だけでインドに100億ドル近い投資をして総合製鉄コンビナートを建設している。同規模の総合製鉄基地を南浦か清津に造るだけで北朝鮮経済は一新するだろう。

しかし、二つの南北首脳合意は1992年の南北非核化宣言など一連の協定に基づいている。
北朝鮮が同宣言を一方的に破棄し、核兵器開発を公然と進めている以上、国際法上は失効したも同然である。
つまり、北朝鮮が核廃棄をしない限り、韓国の経済協力を得ることは不可能となる。

公開された機密文書からは、もう一つ北朝鮮の重大な欠陥が見えてくる。
金正日委員長は「開城工団は市場経済を北に広める」と述べ、外資導入に臆病であったことである。
今年4月に北朝鮮が開城工団の労働者を撤収し、工団を閉鎖に追い込んだ背景には、市場経済へのアレルギーがあったことがうかがわれる。

しかし、それでは北朝鮮経済再建は永遠に夢である。
北朝鮮は中国国境の黄金坪島に敷地面積において開城工団を上回る工業団地を中国の全面支援で造成中である。
開城工団閉鎖を見ている中国企業は慎重にならざるをえないが、何年後に仮に進出したとしても、開城工団以上に貪欲に利潤を追及しようとするであろう。
それを保護する中国政府と北朝鮮政府の間に新たな紛争が勃発する可能性もある。

北朝鮮はいわゆる並進路線で軍事に偏重した第1次7ヵ年計画(1961年〜1970年)を最後に、中長期的な経済計画を立てられないでいる。不利な経済統計も隠された。
「先建設後統一」を標榜して外資導入輸出振興に資源を選択、集中した朴正煕政権との経済競争に押され始めた頃のことである。

まともに経済計画を立てられないのだから、経済が発展するわけがない。
原因は色々あるが、軍事優先の非合理的な経済運営システムと資本、技術の不足が大きい。

経済改革が必須であったが、市場経済社会を知らない金正日委員長にはそもそも荷の重い課題であった。
その意味でスイスで生活した経験のある金正恩第1書記には新たなリーダーシップが期待されたのだが、核武装にずれてしまったのは甚だ残念である。

だが、今からでも遅くない。核廃棄を約して韓国と和解し、政治的な野心を封印して素直に経済協力を求めるべきである。
そうして半世紀ぶりの5ヵ年計画を立て、再出発を図るのが北朝鮮国民のためにベストの選択となる。

教育が普及して人材があまりあり、資源も豊かであり、経済が発展しない方が不思議である。
まず一人あたりGNP 1000ドルで国民にテレビ、冷蔵庫、洗濯機を行き渡らせ、次はマイカーの4000ドル台を目指す。
そうすれば、国を捨てる脱北者は放っておいても激減し、政治も安定しよう。

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