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14日の南北実務協議で開城工団の正常化で合意した。
単なる再開ではなく、再発防止を文書にして確約し、発展的な正常化の出発点に据えたのは歓迎できる。 双方が互いに歩みよった結果であるが、文書を誠実に履行し、南北関係発展に繋げられるかが今後の課題である。 共同文書は五項目合意の第1に「通行制限や労働者撤収などによる中断が再発しないよう、情勢の影響を受けずに運営する」と明示した。 これが北朝鮮が4月3日以降一方的な強行措置で工団操業を中断させたことを指すことは明らかであり、金正恩政権がそれを認めたことは、再発防止策として有効である。 韓国側が再発防止の主体を「双方」として金正恩政権の責任を必要以上に追求しない柔軟性を見せたことは、朴槿恵大統領の韓半島信頼プロセスの幅を示すものであり、今後の展開に期待を持たせる。 それに対しては韓国内に生ぬるい、甘やかすなとの批判の声もあるが、総じて評価する声が多い。 今後の課題はやはり一にも二にも金正恩政権が合意を遵守することである。 何かの見返りを求めて政治的に利用し、同様な事態が再発するような事があれば、開城工団はなくなるものと心得る必要がある。 今さら綺麗事を言っても始まらない。 金正恩政権がギリギリのタイミングで再発防止に同意したのは、経済が困窮し、工団再開による韓国の支援が欲しかったからである。 2月の核実験と核・経済並進路線による過激な対決路線により海外の制裁圧力が一段と強まり、食糧、原油などの戦略資源を海外に頼る北朝鮮経済は立ち行かなくなっている。 今年上半期の対中輸出は15・9億ドルと前年比マイナス14%と激減した。食糧がマイナス64%と落ち込み、6月の原油輸入は0であった。 中国の金融制裁と外貨枯渇で買えなくなっているのである。 対中輸出は13・6億ドルと6%増えたが、貿易赤字は2・2億ドル。前年の5・5億ドルより減ったとは言え、対中累積債務は巨額である。 中国は支援的な信用供与を中止し、現金決済に切り替えているとみられる。 再言するまでもなく、中国は核放棄の実行を迫って圧力をかけているのである。 こうした状況下で、金正恩政権としては韓国に頼るしかなくなっている。 核保有に威信をかけた金正恩第1書記としては、いきなりの核放棄は政権の存亡に関わる。 朴槿恵大統領は北の政治的な不安定化は得策でないと判断し、対話を通して信頼を積み上げ、核廃棄・改革開放へと誘導しようとしているとみられる。 金正恩政権もしたたかに巻き返しを図ろうが、状況は極めて厳しい。 韓国世論はいつになく金政権に厳しい目を向けており、朴槿恵大統領の忍耐にも自ずと限度があることを知らねばならない。 韓国経済にとって開城工団は南北の和解や統一を踏まえた長期的な投資としてはメリットがあるが、中短期的には造成費用、電気、水道の負担など大幅な持ち出しである。北の40倍という経済規模からして、北朝鮮が外貨獲得源と切実に感じているほどのメリットは全くない。 金政権は今後、核放棄と改革開放に向かって、言葉ではなく、具体的な行動で真正性が一々検証されることになる。 核一つで劣勢が挽回できるなどと考えるのは、国民を疲弊させるだけの無謀な博打である。 6・15共同宣言も北朝鮮の非核化が前提になっており、それなくしては絵に描いた餅でしかないことを知らなければならない。 開城操業再開は、そのための第一歩である。 合意文書にあるように国際的な協約や取り決めを守って信用回復に努めなければならない。 それを大きく立ち後れた経済再建に繋げる事ができるか、そこに一重に金正恩政権の未来がかかっている。 |
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2013年08月16日
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