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安倍首相の危うさは、米軍は常に日本の味方をしてくれるはずだと思い込んでいるところにある。
「米艦が攻撃されている時、自衛艦が傍観しているようでは、同盟は成り立たない」と国会で繰り返し、集団的自衛権容認の閣議決定に前のめりになっているのは、そのためである。 しかし、米軍は常に日本の味方というわけではない。 北朝鮮という冷戦の遺物と対峙する時、日本の味方になることは100%間違いない。 だが、仮に、尖閣で険悪化している中国軍と自衛隊が交戦した場合、米軍が日本側に立って参戦する可能性はせいぜい20%であろう。 万が一にも、独島(竹島)で争う韓国と戦端を開いた場合はゼロである。ばかりか、朝鮮戦争を共に戦った韓国の側に立つことも十分にありうる。 むしろ、オバマ政権は安倍政権が歴史認識問題で韓中両国を無用に刺激し、地域で争いの火種を作ることを警戒している。 靖国参拝問題で安倍政権に厳しい警告を送り、河野談話や村山談話の見直しをしないように促しているのもそのためである。 つまり、オバマ政権は自衛隊に米軍の補完部隊としての役割向上を期待している。その限りで集団的自衛権は歓迎すべきものであるが、安倍政権がそれを口実に韓中と引き起こす紛争に巻き込もうとすることには否定的である。 ここに、安倍的集団的自衛権のジレンマがある。 安倍首相と有識者安保懇のブレーンたちは誤解しているが、オバマ政権に米国への核攻撃を公言している対北朝鮮以外に、アジアで軍事力を行使する意思はない。 イラク、アフガンから兵力を撤収している米国は「アジアに軸足を移す」(クリントン国務長官2011年11月)とし、地域で急台頭する中国を牽制しているが、その狙いはあくまでも、TPP交渉など米国に経済的利益をもたらす地域の安定である。 実際、ハーグ核サミットでの米中首脳会談でもオバマ大統領は「習近平主席と新たな二国間関係を強めていくことで合意している」と述べ、習主席は「新型大国関係を築く声明を称賛する」とエールを交わしている。 そうした流れに抗い、中国包囲網構築へと対抗意識を剥き出しにしているのが安倍氏とその支持層である。 戦後レジームのチェンジを標榜し、極東軍事裁判を否定する歴史観を隠そうとせず、軍事体制整備に邁進する安倍首相の姿は、米国の目に次第に異様に映り、米メデイアに時代錯誤の覇権主義を疑う声も出始めた。 安倍氏は日本が、戦前肯定的な歴史観に固執するほど多くの米国人に「リメンバー、パールハーバー」の記憶を呼び起こさせる米国の旧敵国であることを忘れているのではないか。 それは韓中のみならず、米国からも背を向かれるベクトルとして作用し、日本を自ら孤立化させていることに、いい加減気付いてよい頃である。 思うに、戦後世代の安倍氏と取り巻きたちは、歴史の断片を切り取った都合のいい情報をたらい回しするだけで、本当の歴史を知らない。 その好例が、ハルビン駅に建造された安重根記念館問題である。菅官房長官は「安は伊藤博文を暗殺したテロリスト」と反発したが、安は韓中日が協力して西洋帝国主義に対抗する東洋平和論の提唱者であり、朝鮮統監の伊藤を裏切者と誅殺した義士と韓国、中国で尊敬されている。 このギャップが安倍氏らの壁である。 |
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2014年03月25日
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