|
オバマ大統領は17日、テレビを通して「50年余の(キューバ)孤立政策は機能しなかった。新しいアプローチをする時だ」と述べ、キューバと国交正常化する意向を明らかにした。ケリー国務長官が交渉を進め、数ヵ月内にハバナの米大使館を再開させるという。
キューバは1962年に米ソがあわや核戦争かと緊張した「キューバ危機」以来、北朝鮮とも特別な関係にある。金正恩政権の核・経済並進路線の原型である金日成の並進路線もそれを名分にしていた。 数少ない反米の盟友であったハバナの方針転換は、ピョンヤンに計り知れない衝撃を与えている。 米政府高官はキューバとの秘密交渉は昨年6月から、ローズ大統領副補佐官らがカナダなどでキューバ側と秘密接触した。 フランシスコ・ローマ法王が政治犯交換などで米・キューバ首脳の間に入って和解を斡旋したことも明らかになっている。 最終的にはオバマ大統領が16日にカストロ国家評議会議長と1時間近く電話会談し、渡航制限緩和、送金上限額引き上げ、輸出入緩和で合意した上で、両首脳が国民に向かって同時発表した。 オバマ大統領がキューバへの孤立化政策の失敗を認めたのは、キューバがベネズエラ、ボリビアなど米国の裏庭である中南米諸国の左傾化の拠点となり、中国の影響力まで浸透している現実を踏まえ、流れを変える狙いがあったとみられる。 就任直後からキューバとの関係改善を目指しており、任期2年を残した現在が最後のチャンスと判断したのであろう。移民政策を見直していることもあり、関与外交政策の成果として後世に名を残す思惑もあったとみられる。 共和党や200万人のキューバ系には独裁的なカストロ政権を承認することに反対する声も根強いが、米世論は6割が関係正常化を支持し、米経済界も歓迎していることがオバマ大統領を強気にしている。 他方のカストロ国家評議会議長は国交正常化に伴い、外資導入のための市場開放は積極的に進めるが、社会主義体制は維持すると再三、言明している。 「米国の制裁がキューバに人的、経済的に甚大な損害を与えてきた」と率直に述べている。原油安で深刻な打撃を受けているベネズエラからの格安の原油供給が先細りしており、米国の一日も早い制裁解除が不可欠であった。 中国に倣った改革開放政策で経済再生を図ろうということである。 オバマ政権はほぼ同時期、北朝鮮に対しても水面下の接触を試みている。 先月初めのクラッパー国家情報局長がオバマ大統領の特使として訪朝したのがそれである。北朝鮮に拘束されていた米国人二人が釈放されるなど、一定の進展もあった。 しかし、キューバとのような劇的な進展はなかった。 核問題での距離が埋まらなかったからである。 キューバはミサイル基地建設問題で米国と激しく対立したが、建設を諦めたことが結果的に幸いした。反対に、北朝鮮は2つの並進路線で対米軍事対決路線に突き進んだことで、抜き差しならぬ対立に陥ってしまったのである。 それに、国連総会での北朝鮮人権非難決議採択、『ジ・インタビュー』に絡むサイバーテロ問題まで加わり、朝米関係改善の展望は全く立たなくなった。 米国の対北朝鮮世論は極度に悪化しており、北朝鮮が大きく歩み寄ってこない限り、オバマ大統領も手の打ちようがない。 しかし、金正恩政権が崩壊し、北朝鮮が混乱状態に陥ることは、韓国も米国も中国もロシアも日本も望んでいない。 金正恩政権が孤立状況を打破しようと柔軟な路線に転換する可能性がある。それに反対する守旧勢力との軋轢が強まる事態も十分にありうる。 そうした具体的な状況を踏まえ、北朝鮮を軟着陸へと誘導することが現実的な課題として浮上している。 |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2014年12月19日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]





