|
イスラム国による日本人二人の人質事件は24日深夜、急展開した。フリージャーナリストの後藤健二氏の画像がネットに流され、手に持つ写真にもう一人の人質湯川遥菜氏と見られる人物が地面に横たわる姿が写っていた。
後藤氏は英語で、「遥菜さんが虐殺された写真だ。安倍よ、あなたが殺したのだ。人質をとった人々からの脅しを真剣に受け止めず、72時間以内に行動しなかった」と訴えた。 これについて安倍首相は25日深夜、「言語道断の許しがたい行為だ」と非難し、NHK番組で「痛恨の極みだ。信憑性は高い」と、殺害を認める発言をした。 どこか他人事に聞こえるのは、イスラム国を非難する割には、自身の行為に対する責任感が伝わって来ないからである。 テロ行為を繰り返すイスラム国が第一次的に非難されるべきは言うまでもない。 しかし、安倍首相に全く責任が無かったとは言えない。17日にエジプト大統領との会談で、「イスラム国対策として2億ドルを支援する」と約束している。 イスラム国が「イスラムの女子供を殺そうとしている」と安倍首相を名指し非難し、人質二人の殺害予告動画を流したのはその直後の20日であった。 これについて首相官邸は「全く予想できなかった」と述べているが、はたしてそうだろうか。 安倍首相は同年9月のエジプト大統領との会談で、「空爆でイスラム国壊滅」と述べている。遠いエジプトまで出掛けてそのような発言をすれば、相手側は挑発と受けとるであろう。 フランスでのテロ事件直後であり、西欧とイスラム圏との異常な緊張状態が醸し出され、日本には慎重な行動が求められていたのである。 私も安倍発言が報じられた18日、ツイッターに「バカな。部外者が首を突っ込むとイスラム圏の反発をくらい、過激派の標的になりかねない。大局から調整に動くべきで、安易すぎる」と書き込んだように、事件は十分に予測可能であった。 しかも、安倍首相の中東訪問前に既に二人が人質にとられ、民間人レベルで解放交渉が進展中であった。 それまでぶち壊した安倍首相の過失責任は免れまい。 おかしな事に、人質二人は自己責任とまるで突き放すような論調が一部で沸き上がっている。 自己責任とは自己の行為の過失に責任を負うことであり、安倍首相にも当然、それが訪われる。 でなければ、自己責任論は政権保身的な人質切り捨て論と変わらなくなる。 イスラム国は後藤氏解放の新たな交換条件として、ヨルダンで収監されているサジダ・リシャウイ死刑囚の釈放を求めている。 安倍首相が語る「国民を守る」が真実なら、人質解放に向けて責任ある対応をすべきである。 イスラム国非難に矛先を向け、報復感情を悪戯に煽るような体のよい責任回避はあってはならない。 ましてや、それをもって集団的自衛権行使に利用するようなことにでもなれば、日本まで泥沼の宗教戦争に巻き込まれることになりかねない。 日本は目先の利害でチョコチョコ動くのではなく、中国と共にキリスト教圏の西洋とイスラム圏の中東の歴史的な対立を解消する文明史的な大局から対するべきであろう。 |
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2015年01月26日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]





