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前日の新民主政治連合党大会で選出された文在寅新代表が9日、国立墓地の顕忠院に眠る朴正煕元大統領の墓に参拝した。 朴正煕政権と激しく対立した民主化運動の流れを受け継ぐ野党代表として初めてのことで、その意義は決して小さくない。 墓参には文喜相前非常対策委員長、禹潤根院内代表ら4名の議員が同行した。 文代表は金大中、李承晩、朴元大統領の順で参拝を終えた後、「朴元大統領に対しては、過ちを批判する声も多いが、功労を肯定する声も多い。国民統合に必要なことである」と参拝の意義を語った。 前日には「過ちはあるが、功労がさらに多い」と、基本的に肯定する姿勢を示した。 韓国民の意識の変化を考えれば、責任ある野党代表として当然のことである。 朴正煕元大統領が世界最貧国であった韓国近代化の礎を築き、世界屈指の経済大国へと導いたことは、否定できない歴史的な事実となっている。 民主化運動弾圧など負の側面も少なくないが、いっぺんに果実を享受することは出来ない。 「額に汗して働け。自由にものを言うのはそれからだ」と檄を飛ばした剛直な軍人大統領の言葉に、嘘はなかった。 それを実感したからこそ、韓国民の中で朴正煕への肯定的評価が否定を上回っているのである。 朴槿恵政権の支持率が30%台で低迷しているにもかかわらず、新民連の支持率が伸びず、党勢が分裂含みで低迷しているのも理由がある。民主化運動時代の殻から脱皮できず、何を目指しているのか理念やビジョンが明確でなく、南北対話を含む外交安保政策が事あるごとにブレることに不信感を持たれているのである。 その殻を破るには、一般国民と韓国のアイデンテイテイーに対する認識を共有することが不可欠であり、朴正煕時代への評価はその根幹をなす。 韓国政界では朴槿恵大統領の公約である「増税なき福祉」が争点に浮上している。 朴槿恵政権の支持率低迷の原因の1つであるが、野党の支持率も伸びない。責任ある代案を示すことが出来ず、民主化運動時代を引きずった空虚な観念論争や派閥争いに明け暮れているからに他ならない。 韓国の今年の経済成長率はIMFから3・7%と、円安ウオン高を仕掛けてくる日本の0・6%を遥に上回ると予想される。貿易、経常収支いずれも大幅黒字を更新中であり、マクロ経済的には順調である。 しかし、その裏で経済格差が広がり、深刻な社会問題化している。 先進国病と言うべきこの難題に正面から取り組んでこそ、野党は真に地に足のついた政党に生まれ変われる。与党との論戦も活性化され、政治が国民の日常に近付き、青年層の政治離れを克服することも出来よう。 朴正煕評価の一般化による国民統合の重要な効果は、もう1つある。 私がかねてから指摘していることであるが、とかく不毛な色付き論争に流れがちな対北朝鮮政策を地に足がついたものにしよう。 |
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2015年02月09日
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