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横田めぐみら日本人拉致被害者に対する北朝鮮の再調査報告が遅れていると問題になっているが、真相は別のところにある。
以前も指摘したが、北朝鮮の再調査報告書はとうに出来上がっており、日本政府側が「意に沿うものでない」として、受け取りを拒否しているのが真相である。「あれでは到底、『全員生存、全員帰国』を求める家族会を納得させられない」と日本外務省もお手上げ、というのが実情なのだ。 不明な真相を明らかにするのが再調査の常識であり、前もって条件を付けるのも談合紛いのおかしな話だが、常識が常識でなくなっているジレンマが日本政府にはある。 拉致問題で一躍注目され、「全員生存、全員帰国」を公約にして首相にまで駆け上がった安倍氏は、常日頃から胸にブルーバッジを付けてアピールしているだけに、今さら変えることが出来ない。さる9月の拉致問題集会にも参加し、「解決への信念は揺るがない」と繰り返している。菅官房長官も10月5日の記者会見で、「被害者全員の早期帰国に政府として全力で取り組んでいる」と述べている。 10年以上も流通している空手形のようなものである。 先の内閣改造ではまたまた交代した新任の拉致問題担当相が「早期解決」と新手形を振りだしたが、さすがに家族会から「兼任とは何だ。やる気があるのか」と怒りが噴出した。高齢化した横田夫妻ら家族会メンバーが亡くなるのを待っている、との批判の声まで出ている。 家族会支援団体を自称する「救う会」会長の西岡力氏らが安倍寄りで家族会をなだめ、まとめようとしている。 だが、横田夫妻が住む地方組織の「救う会」神奈川や同徳島が、特定の政治勢力に偏らず人道主義の原点に戻り、拉致問題と共に日本人遺骨収集、日本人妻一時帰国等も進めるべきだと主張し始めた。拉致問題の全容を解明する上でも有益であると思われたが、「全員生存、全員帰国」路線の西岡会長が除名の強権をふるい、紛糾している。 そうした中、有田芳生参院議員が今月27日から訪朝する。拉致被害者再調査の現状を聴取するために宋イルホ朝日国交正常化交渉担当大使らと面会するという。遺骨収集民間団体の顧問をしている有田議員は、遺骨埋葬地への訪問も予定している。 既に出来上がっているであろう北朝鮮の再調査報告書を全面公表する事が出来れば、真相究明への大きな一歩となる。領分を侵される日本外務省は嫌な顔をするであろうが、国政調査権の一環と考えれば何の問題もない。 膠着した現状に焦り、拉致問題にかこつけて北朝鮮への武力干渉を正当化する過激な動きが一部で露骨化しているだけに、有田訪朝は新たな試みとして注目される。 |
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2015年10月22日
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