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機動隊員が沖縄県民に向かって投げられた驚くべき暴言であるが、松井一郎大阪府知事が大阪府派遣の当該警官の不祥事に遺憾の意を表するかと思いきや、逆に「出張ご苦労様」と慰労しているのを見ると、根は深そうである。
別の大阪府警派遣の機動隊員は「黙れ、シナ人」とも叫んでおり、その種の排外主義的な情緒がかなり広がっていることが窺われる。 一連の暴言は米軍のヘリパッド移設工事が進む沖縄県東村高江の現場で抗議行動をする沖縄県民に向かって吐かれたもので、18日に配信されたネット動画には「どこつかんどるんじゃ、ボケ、土人が」とフェンスの反対側の市民らに毒づく二十代の機動隊員の顔がハッキリ映っている。 現場には東京、大阪など6都道府県から数百人の機動隊員が派遣され、米軍基地撤去運動をする市民らと睨み合い、テンションが高まっていた。 単に一、二の警察官の個人的感情ではなく、松井発言を見ても、根深い集団感情と思われる。 これに対して翁長沖縄県知事が19日の記者会見で、「県民に対する配慮が全くない。強い憤りを感じる」と抗議し、池田沖縄県警本部長に適切な指導を求める意向を示した。 沖縄県警は「不適切な発言」として「土人」暴言の隊員を大阪に帰任させ、別の隊員は前線警備から外したという。 問題は、府警最高責任者である松井知事の言行である。自分のツイッターに19日、「ネットでの映像を見ましたが、表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行しているのがわかりました。出張ご苦労様」と逆に激励しているのである。単なる表現の問題にすり替え、重大な差別発言であるとの意識が全く見られない。 大阪府トップの頭の中に、沖縄を同胞と見なさない差別意識がほとんど常態化していることが問題なのである。 沖縄は琉球という独自の文化を有した文化圏であり、明治2年(1872年)以降の沖縄処分で日本国に強制併合された歴史を知っていれば、「土人」などという無神経な言葉は出てこないはずである。1997年にいわゆる「アイヌ土人法」が差別的と廃止された経緯があり、尚更である。 かりにも府知事の要職にあり、その程度の歴史認識はあるはずである。その上で「ご苦労様」と慰労したとしたら、沖縄を見下す傲った政治意識の発露と見なすしかない。 菅官房長官は19日、「大変残念だ」としつつも、事の発端となった工事は「進めていく」と譲らなかった。 米軍基地の辺野古移設に反対するオール沖縄と日本政府が対立している事は周知のことであり、ヘリパッド移設工事反対運動もその中で起きている。 本土政府が沖縄が嫌がる事を押し付けるのは、琉球処分と根っ子で通じている。一般的に異文化圏を侵食するのを植民地主義と言うが、「土人」発言の背景にあるのはまさにそれではないか。 沖縄には怒りと反発が広がっている。 「本土から来た役人や警官は沖縄を土人と見下し、沖縄戦での日本兵による住民殺害や自決強要となった」(沖縄近代史家の伊佐真一)との声があり、沖縄独立論も再燃しているという。 私見であるが、泥沼化する前に沖縄独立県民投票を行ったらどうであろう。 『二人のプリンスと中国共産党』で指摘した事であるが、琉球は中国、日本、朝鮮と広く交易し、地域の平和と繁栄に貢献してきた歴史がある。新琉球国に尖閣をはじめとする東シナ海問題を平和的に解決することを期待することも出来よう。 |
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2016年10月20日
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