河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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ソウル中央地裁が19日、サムスン電子のイ・ジェヨン副社長に対する逮捕状の請求を棄却した。
朴槿恵大統領に対するいわゆる秘密疑惑を捜査する特別検察官が贈賄や横領の容疑で請求し、疑惑解明の核心部分と意気込んでいただけに、その影響は計り知れない。
捜査は振り出しに戻り、憲法裁判所による大統領の弾劾判断にも影響を与えるのは必至である。

同地裁は逮捕状請求棄却理由について、「拘束の事由と必要性、相当性を認定することは難しい」とした。
事実無根と容疑を全面否認してきたイ副会長の弁護団の主張に沿ったものであり、噂と伝聞に踊らされた特検の捜査の杜撰さが改めて明らかになった。

特検が想定した贈収賄容疑の構図は以下のようなものである。
サムスングループの中核企業であるサムスン物産と第一毛織が2015年7月に合併案を決議した際、大株主の政府機関「国民年金公団」が賛成票を投じた。朴大統領が働きかけ、見返りに崔順実らに資金提供させたというものである。

この構図は臆測の域を出ない噂や伝聞で組み立てられたもので、何一つ物証がない。すなわち、妄想の類いでしかなく、日本でなら立件できる代物ではない。
いみじくもソウル中央地裁によってそれを指摘されたが、一連のロウソクデモを「民心」と早とちりし、迎合的に迷走した特検の在り方が問われることになろう。

そもそも国民年金公団が賛成票を投じたのは、外資系の投資ファンドによるサムスンへの経営権干渉を排する国益上の判断から成されたもので、特定個人の私益とは無縁である。
そうした初歩的な知見もなく、政経癒着なる感情論に惑わされて捜査権を濫用し、経済に無用な混乱を引き起こす特検の責任が問われなければならないだろう。

私が当初から熱病と指摘しているように、秘線疑惑なるものは次期大統領選挙絡みの政治的謀略に一部国民が乗せられてしまった虚妄のスキャンダル騒動である。
その証拠に、疑惑の発端となったタブレットPCの実態すら不明である。崔被告は自分のものではないと否認し、弁護人から盗難品との主張が出されているが、特検はまともに反論できないでいる。
その他のあれやこれやの疑惑も取って付けたようなもので、要するに、噂や伝聞のレベルでしかない。

その類いの事が大統領弾劾にまで発展するのは、権力欲に目が眩んだ党派闘争で亡国に転げ落ちた過去の悪弊が払拭されていないことを物語る。
今また、党派闘争的な大統領弾劾の混乱の中、中国、日本との間に暗雲が垂れ込め、トランプ大統領が誕生する米国との関係も心許なくなっている。

統治機能の回復が急務である。今回の地裁決定は熱病を冷ますきっかけとなるであろうし、また、そうあらねばならない。
韓国人は愚かではない。1月7日のデモ参加者数は弾劾反対派が賛成派を上回り、弾劾反対世論が強まりつつある。
憲法裁判所が弾劾デモ参加者最大32万の極端な世論に惑わされず、法治主義の原則と証拠に基づく理性的な判断をすることを望みたい。

過日の講演でも指摘し、好反応を得たが、THAAD問題をはじめとする現在の外交・安保上の難局を乗り切れる外交手腕を有する人物は、地域のキーパーソンである習近平主席と7回の首脳会談を重ね、個人的な信頼関係を築いている朴槿恵大統領しかいない。

付け足しだが、トランプ大統領の就任が数時間後に迫り、どのような政策を出すか注目されるが、ツイッターの呟きを見ていると、あるパターンがあり、方向性が見えてくる。
結論をかいつまんで言うと、対外的には最大貿易相手国である中国との協商を軸にドル高元高へと誘導し、全体的には『二人のプリンスと中国共産党』で予測した通りに米中新型大国関係構築へと向かおう。

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