河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

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今月中に開催される全国人民大会で、西側が目を凝らしている習近平政権の全貌が明らかになろうが、輪郭を描写するのはそれほど難しくない。
既に中国共産党第9期中央委員会第3回全体会議が先月25日、「国家主席と副主席の任期は連続二期を越えられない」との中国憲法79条第3項を撤廃する改正案を公表した。
習近平は昨年10月の党大会で総書記2期目に入り、全人大で国家主席2期に再選されるが、その全人代での憲法改正による任期上限撤廃で、2期目の終わる2023年以降も国家主席続投が可能となる。
党規約には総書記の任期制限がなく、「党大会時に68歳以上は引退」との慣例があるのみである。従って、総書記が兼任する慣例の国家主席の任期上限撤廃は事実上の最高権力職である総書記3期以降への布石と理解してよかろう。

日韓米など西側のメデイアはほとんどが驚きの論調で伝えるが、2年前に上梓した『二人のプリンスと中国共産党』で指摘した通り、トウ小平主導の改革開放政策が予定したシナリオに沿ったものであり、ようやく改革開放政策後の戦略的な目標が見えてきたということになる。
西側では大方が、中国の改革開放政策は市場経済を導入し、いずれ資本主義化していくと見なしていたが、資本の側に立った希望的な観測の域を出ない。
経済的な停滞から来る焦りから文化大革命という無謀な実験に踏み出した毛沢東時代の苦い教訓を踏まえ、市場経済を利用して低い生産力を高め、社会主義体制に相応しいレベルにまで高める生産力理論がトウ小平の改革開放政策の本質である。ようやく習近平の代になって世界第二位の経済大国に成長し、一位の米国をも追い越す展望が立ち、いよいよ本領発揮というわけである。

その原点回帰の思想的政治的政策が腐敗撲滅闘争である。西側では専ら権力闘争と解釈していたが、それでは事態の本質がますます見えなくなる。
私は前掲書で「反腐敗闘争の本質は、市場経済化の悪しき副産物である党政軍幹部の汚職腐敗摘発と共に思想的堕落を一掃する純化路線」と書いたが、的を射ていたことになる。

それは今後とも揺らぐことなく、党中央規律検査委員会書記として反腐敗闘争を陣頭指揮した盟友・王岐山への厚遇が習の並々ならぬ覚悟を如実に物語っている。
王は党幹部定年慣例により党大会で政治局常務委員から外れたが、今年1月に全人代代表に選ばれている。国家副主席に就任し、党員以外の公職者も対象として反腐敗闘争をより強力に押し進めるため新設された国家監察委員会トップとして、習と再びタッグを組むことであろう。
習指導部は今年1月下旬からマフィアなど犯罪集団を掃討する「掃黒除悪」作戦を全国で一斉に始めたが、彼らを背後で操る地方高官ら「保護傘」を摘発し、反社会主義的な要素を社会末端から除去することに狙いがある。

それと裏腹の関係であるが、市場経済化で力を持ちすぎ、格差拡大の要因となっている急造資本家への締め付けも進んでいる。最近、中国民間企業1、2位の安邦や大連万達集団トップが捜査対象となっているのもその現れである。
ウオール街の巨大資本家が裏からホワイトハウスに影響力を行使する米国と決定的に異なる点である。

習が長期政権にこだわる理由について毛沢東時代への回帰、個人独裁、皇帝指向、権力欲等々の見方が日本のマスコミに飛び交うが、どれも本質からずれている。
習は総書記就任直後の新指導部披露宴で「清らかな香りが世に満ちればよい」との趣旨の詩を引用して心境を明かし、国家主席就任直後に会談した外国要人には「強いリーダーシップがなければこの国は変えられない。私は統治システムを変えたい」と所信を率直に語っている。
文化大革命で辛酸を舐め、復活した現実的な理想主義者である習が強力なリーダーシップで目指すものとは何か?

それを端的に示すものが、憲法改正案前文である。「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」と指導思想を明記し、2035年までに「社会主義の現代化」を実現し、建国100年の49年頃に世界最高水準の「社会主義現代化強国」を目指すとロードマップを明確にした。
それが“習近平の夢”であるが、無論、独裁(プロレタリア独裁)に目的がある訳ではない。憲法第1条は「中国共産党による指導は中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴」と定めるが、万人が自由、平等な社会主義・共産主義社会実現のために共産党が存在する。そのトップが習であり、反腐敗闘争はそれを阻む思想的政治的要素の除去に究極的な目的がある。

注目すべきは、「人類運命共同体の構築を進める」と新たに書き加えられることである。
人類社会が全体として搾取と抑圧のない地上の楽園である社会主義・共産主義社会建設がマルクスの目指したものであるが、その原点を再確認したと言えよう。中国が率先垂範して社会主義・共産主義社会に突入し、

世界の指導者は高齢化し、中国も長寿化に向かっている。68歳定年制は陳腐なものになりつつある。
建国100年の年に習は96歳となる。そこまで長寿を望んでいるかは定かでないが、死後も見据えていることは間違いない。

1991年のソ連崩壊で社会主義と資本主義の体制競争に決着がついたと考えている人には青天の霹靂であるが、格差拡大で米国をはじめとする資本主義体制が根底から揺らんでいる今、愚直に格差ゼロの社会を目指す習の歴史的実験に関心を示す人が増えている。
第2の体制競争の始まりである。

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