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朝日新聞が今朝一面トップで「韓国哨戒艦『魚雷で沈没』国際調査団発表へ」と報じ、「韓国政府当局者」の話として、軍民合同調査団は「魚雷による沈没」との最終報告書を20日に発表するが、「北朝鮮関与は明記されない見通し」と伝えた。
その上で、「決定的な証拠がなくとも(李明博大統領が談話で)政治的に『北朝鮮の犯行』と結論付けた場合、・・・日米両国は韓国と共同歩調を取る見通し」とした。
朝日新聞はいつから、お上の“お達し”だけを無批判に伝える官報に堕したのか。
韓国では、民軍合同調査団委員が「浅い砂地で座礁した後、米艦と衝突した海難事故」と公言したことに、国防部当局が解任を求め、野党の反発を招いている。
4月7日にKBSが9時の特集で「謎の第3ブイ なぜ?」と米潜水艦沈没疑惑を報じ、これも政府から封殺され、言論弾圧かと批判の声が上がっている。
そうしたことを黙殺し、「(李大統領の)政治的結論に日本政府が共同歩調を取る見通し」と報じることが、果たして客観的な報道と言えるのだろうか、疑問である。
他方、共同通信が「6か国協議消息筋」の話として、「金正日総書記が胡錦涛主席との会談で『天安沈没とは何の関連もない』と述べた」と伝えた。
胡主席は「客観的で科学的な証拠」を求めており、北朝鮮関与を証明する物的な証拠もなく、李大統領が「政治的な結論」を出したところで受け入れる可能性はゼロに近い。
李大統領はやや感情的になっているようだ。調査団が調査に着手したばかりの今月初め、対国民談話を発表しようとし、急遽、4日の全軍主要指揮官会議主宰に変更し、「断固たる措置を取る」と檄を飛ばしている。結論が先にありきで前のめりになっており、ある意味で危険である。
昨年の再補選で惨敗したトラウマから、政権の中間評価となる6月の統一地方選で頭が一杯との見方もあるが、冷静さに欠けることは否定できない。 それに無批判に共鳴してしまうのは、日本のメディアにも拉致問題以降、対北悪感情が蔓延していることがあるとみられる。
その典型が産経新聞である。
「北朝鮮の犯行の可能性が高いが、米軍による誤爆・謀略など逆に“米国犯人”説がしきりに流布されている。軍当局はこまめに反論・説明を繰り返しているが、社会のウワサ体質に頭が痛い」と、在野の批判を「うわさ」と侮蔑し、軍当局におもねる御用主義的権威主義的な姿勢は、ジャーナリストとしての根本的な資質を疑わせる。
産経新聞のダブルスタンダードは、折り紙付である。
韓国では政府べったり、日本では「うわさ」をしきりに流して鳩山政権を攻撃してきた。北朝鮮問題でも安明進・元工作員らの「うわさ」を垂れ流してきたことは衆知のことである。
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天安艦沈没事件検証
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哨戒艦・天安沈没事件を調査している民軍合同調査団委員が、「浅い砂地で座礁した後、米艦と衝突した海難事故」と明かした。
これに対して韓国国防部当局が同委員の解任を求め、“第二のKBS特集「謎の第3ブイ なぜ?」封殺か”と批判の声が上がりそうである。
軍当局を困惑させる証言をしたのは、有力なインターネットメディアのサプライズ代表で、民主党推薦で調査委員になったシン・サンチョル氏。
今月4日、平和放送ラジオとのインタビューで「白翎(ペンニョン)島付近の浅瀬の砂浜で座礁し、脱出した後、米軍艦と思われる船舶と衝突した海難事故だ」と述べ、事故直後に有力視されていた衝突説が改めて浮上してきた。
調査団が二度のブリーフィングで北朝鮮による魚雷攻撃を臭わせる「外部の衝撃」説を発表し、世論が北朝鮮関与説に流れていた後であり、軍当局は衝撃を受けた。
対応に苦慮した国防部としては20日に予定される調査結果公表前に処理する必要があると判断したのであろう、シン調査委員の交代を議会に正式要請した。
14日付の中央日報によると、、ウォン・テジェ国防省スポークスマンは13日、「国防部はシン・サンチョル委員の専門性の不足を指摘した。シン氏は調査団の会議に一度しか参加せず、調査委員の職務にふさわしくない行動をした」と、国会に事実上の更迭要請をしたことを明らかにした。
これに対して民主党スポークスマンは「調査団の活動が1週間ほどしか残っていないので、交代は難しい。シン委員が公明正大に活動するように監督する」と述べ、更迭には反対した。
合同調査団が現場海域で収集したとされる火薬成分やアルミ片から科学的に北朝鮮関与を証明するのは難しい、というのが大方の見方である。
いわゆる総合的な判断で北朝鮮関与と結論付け、国連制裁に持ち込もうとする強硬派の動きがあるが、「客観的な証明」を要求している中国などを説得するのは困難である。
他方で、韓国軍は重要なことを隠しているとの疑惑がネットを中心に強まっている。
「演習中の米韓のレーダー、ソナーを潜り抜けた神業的な北朝鮮潜水艇の犯行」という無理なストーリーを作り上げなくとも、当初噂されていた衝突説の方がはるかに合理性がある。
シン調査委員の証言は軍当局にとって目の上のたんこぶになったと言える。
天安の艦首と艦尾が発見された海域の中間にある第三ブイに沈んでいることがほぼ確実な物体Xは何か?
米原潜かイージス艦、韓国潜水艦か様々な推測が可能だが、その正体を明らかにすることが真相解明の必要十分条件であることは間違いない。
いずれにしても太陽政策以前に戻ってしまったような今回の事態は、李政権発足時からある程度予想されたことで、南北の政治的な未熟と新たな課題をはっきりと物語っている。
重ねて言うが、「南北には長い分断下で別々のナショナリズムが生じ、相互対立の一因となっている。それを止揚する対策が必要である」(「ナショナリズムを超える南北関係と統一論試論」『朝鮮半島の和解・協力10年−金大中・盧武鉉政権の対北朝鮮政策の評価』所収)。
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(韓米合同軍事演習・キー・リゾルブに参加した米原潜コロンビア号。5月3日現在、真珠湾海軍基地に未帰還。自主民報・ネットhttp://www.jajuminbo.net/sub_read.html?uid=5838§ion=sc2§ion2=)) |
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衆愚的なポピュリズムは、「嘘も百回つけば真実になる」とのナチス式の扇動宣伝工作に乗せられることから始まる。旧日本軍大本営の「鬼畜米英」もその類である。
現時点で、天安艦沈没が北朝鮮のよるものと断定するような報道は、その苦い歴史的な教訓を思い起こさせる。この事件は扇動に乗せられ易いか、それとも、冷静な判断が出来るかが試される試金石と言える。
天下分け目の政治決戦である統一地方選挙が一ヵ月後に迫った韓国では、情報戦が一段と熱を帯び、与党ハンナラ党幹部が「北風」を吹かせようと北朝鮮関与を決め付け、「新たな次元の挑発」「国防白書の主敵概念復活」を声高に叫んでいる。
他方の民主党など野党は「北の関与と決まったわけではない」とし、沈没までの空白の通信記録などの情報開示を求めている。
熾烈化する情報戦にメディアまでが巻き込まれている。
代表例が東亜日報で、6日、「関係者」の話として、哨戒艦の沈没原因を調べている韓国軍・民間合同調査団が沈没海域から回収したアルミニウム片について「魚雷の破片だとする結論を出した」、「哨戒艦の煙突からは、魚雷用の火薬成分も検出された」と伝え、さらに、「米韓両政府は魚雷攻撃をしたのは北朝鮮だとみている」とも付け加えた。
同記事は日本でも産経、読売などが「哨戒艦沈没、魚雷攻撃の可能性強まる」と報じた。
しかし、韓国国防部スポークスマンは6日、「火薬成分が検出されたという一部マスコミの報道は事実と異なっている」、「発見されたアルミニウムの部分が魚雷の残骸であるかどうかなど明確に結論を下されたことはない」と否定した。
パクチョンイ調査団団長(陸軍中将)も「火薬成分が検出されたと報告を受けたことがない」と述べ、「マスコミの想像力はあまりにも行き過ぎている」と皮肉った。 http://www.cbs.co.kr/nocut/show.asp?idx=1466244&NewsCategoryCD=60100000 客観的に検証されていない段階での断定的な物言いには、デマゴーグを疑う方が賢明である。
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