河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

東北関東大震災・原発事故

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石原都知事が唐突に辞任したが、大きな政治的な流れとしては、保守勢力が首都東京という牙城を明け渡したも同然であり、その意味は小さくない。
リベラル、革新勢力が統一候補を出して勝利する事が出来れば、日本の政治の流れが変わる可能性がある。

辞任自体は十分に予想されたことであった。尖閣購入騒ぎで尖閣問題に火を付け、丹羽大使が指摘するように、日中国交正常化40年の努力を水泡に帰しめた石原氏の罪は大きい。
安保もさることながら、中国市場を失いつつある日本経済は深刻な石原不況に沈みつつある。
石原氏が都知事を辞任したくらいで償えることではないが、一つの区切りにはなる。

もっとも能天気な石原氏にはそんな愁傷な意識はない。
個人的な事情から、すなわち、自民党総裁選で思わぬ敗北を喫した伸晃氏ら息子らの立つ瀬を考えて新党結成という大博打に打って出たのであろう。

しかし、彼は大きな誤算をしてしまった。
自分にカリスマ的人気があると思い込み、電撃辞任によって世間の注目を集めて第三極の指導権を一挙に握ろうとしたのだが、世間はそうそう老人の我儘を聞いてはくれない。

薩長連合を引き合いに出して、政策すっ飛ばしの大連合を呼び掛けたが、期待した橋下大阪市長からさえ袖にされ、まともに相手にするのはほとんどいない。
そもそも薩長連合は政治的な私心のない坂本龍馬だからなし得たのであり、権力欲剥き出し老人に乗ってくる愚か者はいまい。
石原氏も、都知事を離れてしまえば、ただの80の変わり者老人でしかないことをそろそろ感じていることだろう。

振り返れば、日本の異常な保守化は唐突な石原都知事出現から始まったと言っても過言ではない。
石原自ら退いたことはある意味で象徴的である。
リベラル、革新が生活再建、脱原発をスローガンに統一候補を立てれば、年内に予定される都知事選挙で勝利することは十分に可能である。
それは完全に行き詰まった保守政治を転換させ、日本政治に新たな活力を呼び戻す大きな契機になるであろう。

 中西輝政氏ら京大右派グループにつながる佐伯啓思京大教授が昨日の毎日夕刊インタビュー記事「日本よ!」で「原発に『近代主義の象徴』を見る。脱ではなく、減原発を支持する」と紹介され、「理由は安全保障に尽きます。国際情勢がどう動くか分かりませんから、国家として核抑止という選択肢は放棄すべきでない」と主張している。
 福島原発事故を引き起こした原発ムラの余韻を引きずった物言いには違和感を覚える。

 原発を「(科学万能の)近代主義の象徴」とするのは詭弁ではないか。チェルノブイリ原発事故で人類はむしろ原発の不完全性を痛感させられたからである。
 その後も原発安全神話が横行し、原発増設とプルサーマル計画や再処理工場建設に血眼になった原子力ムラの前近代的な体質こそ問題にすべきであろう。
 地震火山大国に54もの原発を乱造した狂気は、近代主義の名を借りた神風特攻隊思想ではなかったか。

 ただし、佐伯氏のように安全保障の観点から考えれば、原発乱造はそれなりに論理が通っている。
 敵の侵略という危険と秤にかければ、原発の方がまだリスクが少ないというわけである。
 しかし、それも幻想であったことが福島の惨事で明らかになった。そこで、減原発とトーンダウンしたのであろうが、無責任の謗りを免れまい。

 問題は、安保絡みの原発推進のネットワークがこの国には政界、官界、財界、学界、言論界にわたって張り巡らされているようにみえることである。
 これは極めて危険なことである。

 重大な危機が今もそこにある。
 福島原発2号機が6日、注水変更後に20度上昇し、73・1度になった。80度を超えると冷温停止状態が壊れ、圧力容器の底に熔け落ちている核燃料が再臨界→核爆発する危険性がある。中を見れないので何が起きるか誰も責任を持って言えない。
 この危機を収束させ、さらに、他の地域で二度と起こさないことが日本最大の喫緊の課題であることは二言を待たない。
 同時に、絶対安全と国民を欺き、福島原発を造った中曽根元首相らの責任を明らかにし、再発防止の社会的なシステムを作り上げる必要がある。
 この期に及んでも、安保云々と見えない仮想敵(北朝鮮を想定するなら的外れである)を持ち出し、核抑止の必要を説いて問題を情緒的にぼかし、原発惨事の責任を曖昧にすることは許されまい。

 市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」が9日、東京での条例制定請求に必要な署名数を超える約25万人分を集めたと発表した。大坂はすでに達成している。
 これに対して石原慎太郎知事は10日の定例記者会見で、「条例を作れるわけがないし、作るつもりもない」と拒否の姿勢を明らかにした。
 中曽根元首相を師と仰ぐ石原氏は「原発恐怖はひ弱な情念 」と述べ、石原新党基本政策草案では「憲法9条改正と軍隊保有」「防衛産業育成」を前面に出し、核武装も示唆している。
 同案は政策ブレーンが作ったと言われるが、佐伯氏の発言がそれと脈絡を一にしているのは偶然ではなかろう。

 脱原発投票で生活の安全と政治を市民の手に取り戻す動きが活発化しているが、それを阻む陰のネッワークも活動を活発化させており、前途は楽観できない。

 債務危機、原発放射能危機等々保守が作った未曾有の国難を保守結集で解決?しようと八十の老人たちが立ち上がった。
 韓国人が腹を抱えて笑う究極のお笑いの裏ネタは橋下だが、さあどうなる。

 老骨に鞭打って立ち上がった石原慎太郎、亀井静香、平沼赳夫三氏は自民党福田派の残党で、口先は改革だが、出自も現住所もれっきとした保守。いずれも新井将敬と因縁があり、私が『代議士の自決』で散々批判した人物たちである。
 保守改革派のホープであった新井が抹殺され、その原因を作った石原氏が現役であることに、現在の日本保守政治の病弊が見える。

 彼らの狙いははっきりしている。先のない老人たちが人気絶頂の橋下氏を人寄せパンダにして最後の一花咲かそうとしているのである。
 野田首相は「シロアリが橋下氏ににたかっている」と皮肉り、橋下も「シロアリに食われないように頑張る」と答えているから、見ている人は見ている。

 問題は、日本の中に終わった老人たちにすがろうとする情緒がまだあるということである。
 石原氏は「中曽根氏からグレート・マウスになれと言われた」と指南役が中曽根元首相であることを明かしているが、その中曽根氏はフクシマ原発を造った張本人。論理的にはこの類の人たちが支持されるのはありえないことなのだが、たとえ国民の一割、二割とはいえ、そうでない情緒を持った人たちがいるというのは、驚きを越え、もの悲しさすら覚える。
 作家の丸山健二氏は「日本人は涙に流れる情緒で物事を曖昧にするから、いつまでも事を解決できない。疑問をぶつける勇気を持て」と苦言を呈しているが、全く同感である。

 昨日の毎日夕刊で私も学生時代に著書を勉強させていただいた国際政治学者の坂本義和・東大名誉教授がフクシマの放射能汚染が日本一国の問題ではなく、東アジア、ひいては地球規模の存亡にかかわる災害であるとして、「震災を解決するのは日本一国だけでの再生は難しい。国家を超えた連帯が必要」と新ルネサンスを呼び掛けている。
 これも同感である。

 とは言え、変革の兆しが全くないわけではない。
 日本の保守勢力は米国を真似た保守二大政党によるまやかしの政権交代でガス抜きをする小選挙区制を導入したが、民主党政権はその限界を示している。だからといって自民党回帰では脳がなく、この国は本当に終わる。
 現下のかすかな希望は恐らく橋下氏である。彼が被差別部落出身の原点を忘れなければ、改革者、さらに、革命家にもなりうる。
 だが、単なる体制内改革を目指すなら、野中広務元自民党幹事長で終わるだろう。
 老人たちをどうあやし、取り込まれるのではなく、取り組むことが出来るか、政治手腕が問われる。

 昨年の貿易収支が赤字に転落し、1000兆円に迫る日本の債務危機は破綻のカウントダウンが始まった。それは構造的なものであり、ケインズが債務危機を予測できなかった時点でマルクスの恐慌論に屈したと、私は考えている。
 マルクスが予言したとおり、日米は革命で体制転換しない限り、現在の危機から脱出することは難しいだろう。
 かつて左右のバネが適度に働いて日本の活力源となった。池田政権の所得倍増政策に左のバネが呑まれたことから日本の劣化が始まったと言えよう。
 高度成長時代は永遠に終わったのにまだその幻影に浸り、老人たちにすがるのは笑えない喜劇である。

 救世主は国民一人ひとりである。
 他にすがる限り、あり地獄から脱することは出来ない。

 政治資金規制法は20万円以上の献金については企業名を明記することを定めているが、東電がそれに反して自民党有力議員に違法に献金している疑惑が明らかになった。今になっても原発推進を進めようとしている連中は紐付きと思って間違いあるまい。
 複数に分けてパーティー券などを購入し、隠す巧妙な手口だが、実質的な違法行為に当たる。
 
 長年の癒着が無謀な原発建設→人類史上最悪のフクシマ原発三基の水素爆発・放射能汚染に繋がった。
 日本滅亡、人類滅亡すら憂慮されるこの負の連鎖を断ち切るために、検察への告訴など司法判断を仰ぐ必要があろう。

 だが、裁判所には自ずと限界がある。
 政官業の根深い癒着を断つには、市民自ら行動する直接民主主義しかあるまい。

 東京と大阪で俳優の山本太郎氏らが中心になって、原発の賛否を問う住民投票条例制定の直接請求が12月から始まる。
 東京21万4200人、大阪4万2600人の署名が日本と人類を原発の危機から救う大きな流れを起こすかもしれない。

 それは他面で抵抗勢力との闘いでもある。
 川内原発3号機増設計画のある鹿児島県出水市が「脱原発命の闘争」上映のため市民交流センターの使用を仮予約した市民団体を不許可にした。佐賀県知事らが絡んだやらせシンポと同じ構図である。
 検察告訴、デモなどを交えて断ち切ろう。

 GNPの二倍近い900兆円という世界最悪の累積赤字に苦しむ日本の財政は、震災・原発事故復興費用が重なり、3年内にデフォールトに直面する可能性が一段と高まった。
 景気の劇的な回復による税収増と60%台の消費税増税があればなんとかなると言われているが、両方とも現実的には難しい。

 となると、選択肢は限られてくる。歳出の大幅カットしかないが、様々な既得権益と衝突し、何を残し、切り落とすかと、血みどろの闘争が不可避となる。
 資本主義のモデル国家イギリスでの大暴動は、大英図書館で書き上げられた資本論の最終章を彷彿させる。格差拡大の必然的な結論、すなわち、富裕層と貧困層の階級闘争の激化である。
 ケインズ流の財政投融資で延命してきた資本主義は、階級矛盾を糊塗できない慢性的な財政赤字なる墓穴を掘ってしまったのである。
 http://blogs.yahoo.co.jp/lifeartinstitute/43243492.html

 その蟻地獄から抜け出す劇薬的な処方は、おそらく原理的には二つだ。
 一つは領土問題で争う中国、韓国、ロシアのいずれかに戦争を仕掛け、準戦時体制を敷いて国債償還をストップさせ、個人資産を凍結し、事実上、財政赤字をチャラにしてしまうのである。
 戦争に勝てば、相手国から賠償という巨大な臨時収入が得られる。靖国を参拝するいわゆる大東亜戦争肯定派は往々にして、昔の夢もう一度と、その種の発想に陥りやすい。ウルルン島に乗り込もうとして入国拒否された三匹はその種の単細胞系である。

 もう一つは、共産革命で一挙に資本主義システムを葬り、財政赤字すべてを個人資産1400兆円で補填することである。
 同時に、エネルギー・物資を無駄遣いする高消費高成長社会に終止符を打ち、生活中心の安定社会を目指す。脱原発も共産党政権なら十分に可能だ。

 一昔前なら、米国に首根っこを握られていた日本における共産革命は政治物理的に不可能であった。
 しかし、自分の尻に火が付いた米国には、もはや田中角栄らを追い落としたような政治工作をする余力はない。仮に米国から経済制裁を受けたとしてもその影響は限定的で、むしろ中国、ブラジルなどが歓迎して輸出市場が拡大する可能性がある。

 無論、上記二つは現時点では極端なケースである。
 しかし、代案がなければ、状況の悪化とともに徐々に現実性が増すことは否定できない。
 巨大地震、ツナミではないが、あらゆるケースを想定して備える激動の時代に入りつつあることだけは間違いない。

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