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前回、日本経済は韓国よりやばい。金融危機が実体経済に及び、企業倒産、失業から始まる負のスパイラルが引き起こされ、世界最悪の財政赤字を抱える日本はどこまでもつか憂慮される、と書いたが、今やそれに異論を挟む能天気はいまい。
日本の悲劇は、初期対応が決定的に重要な時期に、拉致問題迷走の副産物のような無能な政権が居座り、成す術もなく時間を浪費していることである。麻生病院が救急患者をたらい回ししているようなものである。
国民は正直だ。20%台の支持率に沈んでいた李明博大統領は、金融危機への迅速な対応が評価され、30%台に戻してきた。
他方の麻生首相だが、定額給付金で二転三転し、解散・総選挙よりも景気対策、と急遽組んだ第二次補正予算もいまだに国会に出さず、政治空白と不作為による景気悪化を招いている。支持率は10%台に突入した。
ともに経済通を自認するが、裸一貫から韓国の高度成長を支えた現代建設というメジャー企業社長と、なんの苦労もなく我儘一杯育ち、飯塚市一帯のローカル企業で社長の真似をしていた者との違いだろう。
日毎に、加速度的に深刻度を増す日本の経済危機は、9月のリーマン破綻以降、直前まで史上最高の営業利益を謳歌しながら、いきなり下半期大幅赤字、通年でも赤字に転落したトヨタが象徴している。
日本経済の二本の基軸の一つであった自動車が突然斜陽産業化したことで、日本経済は底無し沼に沈み始めた。
もう一つの基軸である家電業界も、ソニーの苦境が物語るように、円高の逆風をもろに受け、ウォン安で輸出攻勢をかけるサムスンなど韓国企業により世界市場のシェアーを奪われている。
「日本の底力」などと言っても、それを引き出す具体策が伴わなければ、空威張りでしかない。
政治のトップがその空威張りをホテルのバーでくどくど繰り返しているのだから、日本はお先真っ暗だ。
派遣切り、中小企業見殺しの麻生不況が、来年には一層深刻化し、大企業倒産続出、大量の正社員首切りなどで失業率二桁台の大不況に発展する可能性は、やや誇張して言えば、分単位で高まっているとみるべきだろう。
問題は、日本に土壇場て踏ん張る余力が弱まっていることである。
09年度政府予算の財務省原案が昨日内示されたが、歳出総額88兆5千億余円のうち約37兆5千億円が国債と特別会計準備金いわゆる「埋蔵金」でまかなう。
つまり、国家予算の42%超が借金なのである。
しかも、その半分以上が、国債費として過去の借金の元利金返済に充てられる。
国債発行などと言うと騙されやすいが、借金で借金を払う末期的症状である。個人の家計なら、とうに夜逃げか一家心中となろう。
なんとか誤魔化しながらこれまでやって来たが、財政累積赤字が先進国最悪のGNPの150%(韓国40%前後)を超えており、そろそろ限界である。
この苦境を乗り切るほとんど唯一の方法は、予算編成を根本的に組み替え、非生産的な無駄を徹底的に無くし、選択と集中を効率的に行うことである。
自民党政権は社会保障費削減を図ったが、国民生活破壊は本末転倒、専用ジェット機でワシントンに飛び、支援を要請したビッグスリー経営陣と変わらない。
最低限、国庫を散々食い潰してきた道路をはじめとする族議員、世襲議員、天下り高級官僚、独立法人、癒着業界ら五賊の利権を断ち切ることが求められる。
さらに、「北朝鮮の脅威」を意図的に作り上げながら膨張してきた防衛費という名の軍事費5兆円超も合理的効率的に削減する必要がある。
その理由は『証言』に書いたが、北朝鮮との外交さえうまく行えば、防衛費半減は十分に可能であり、北朝鮮の資源開発に参加することで原材料確保に苦しむ日本の製造業にも新たな地平が開ける。
ただ、ブルーリボンバッチをお守りのようにつけている旧思考の麻生首相には難しいだろう。
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