河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

小泉・・・→安倍晋三

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 総選挙は残り2日だが、各紙の終盤世論調査による議席数は民主党300前後、自民党100+αで一致しており、自民党の歴史的惨敗は不可避となった。
 本ブログが昨年9月4日に連続コラム「自民党解党の勧め」を開始した当初は、多くの人に笑われた。その意味では先見の明があったことになるが、1年後にここまで自民党が凋落するとは想定外であった。地殻変動が起きているのであろう。
 http://blogs.yahoo.co.jp/lifeartinstitute/34081862.html

 自民党敗北の最大の要因は、自民党長期政権が制度疲労を起こしたことにある。
 借金をしまくって公共事業を起こし、高度成長を支えてきた土建国家は、今や巨額の累積財政赤字に押し潰されようとしている。
  
 それを人々の目にはっきりと示したのが、安倍、福田、麻生という、土建国家の申し子のような坊ちゃん首相が三代続いたことである。
 麻生首相が「責任力」や「自立」を強調するたびに、「あんたにだけは言われたくない」と多くの人が思ったことであろう。

 土建国家は政官財癒着の利権国家であり、官僚は天下りで、政治家は資金管理団体・後援会の世襲で私腹を肥やしてきた。自民党は世襲議員が「次は私が総理よ、大臣よ」とポストを猟官する私物集団化しており、その典型が麻生首相らに他ならない。
 それを国民に見抜かれ、露出すれば露出するほど反感を買い、票を失うKY党総裁をいただいている滑稽な集団が、今の自民党である。いまだにその自覚がないのは、政党として終わったということか。

 麻生首相にも、勝算が全くなかったわけではあるまい。「北朝鮮の危機」を絶叫しているのはそれをうかがわせる。「金正日さん、ミサイルでもぶっ放してくれ」と密かに願っているのではないか。
 確かに、北朝鮮がミサイルでも発射したら状況は一変する。年金・医療など社会福祉に比べてずっと低い外交安保への関心がぐっと高まり、“強硬派”の麻生株が跳ね上がったかもしれない。
 だが、金正日は麻生より一枚も、二枚も上手であった。麻生の最後の望みに応えなかったばかりか、逆に、米国、韓国への対話攻勢で揺さぶってきた。

 それにしても、今回の総選挙は4年前の郵政選挙と正反対の結果になりそうである。この大揺れは小選挙区制をとっている国でも珍しい。
 日本が転換期に入っていることを物語るものであろう。

 冷戦終了で社会党が衰退に向かい、一人我が世の春を謳歌してきた自民党の沈没がいよいよ始まったことで、いわゆる55年体制は名実ともに幕を下ろす。それは明治維新以来の官僚国家の終焉の始まりとなろう。
 官僚におんぶに抱っこされてきた自民党は生き残れるか、焦点はそこに移りつつある。

 総選挙の最大の争点は、年金・医療・教育・雇用など破綻に瀕した国民生活の再建だが、財政難のため、民主党も財源確保に苦労している。
 放漫財政で今日の窮状をもたらした自民党が民主党を「バラマキ」と批判するのは天に唾するようなものだが、比較的明快なのが、軍事費縮減などで5兆円と弾く共産党だ。
 軍事費縮減には、「北朝鮮の脅威」を口実にミサイル防衛・イージス艦などに国費を浪費してきた自民党の逆を行かねばならず、日朝対話の再開が不可欠だが、民主党にそれができるか。

 民主党の最大の関門は、自民党ではなく、事実上自衛隊の統帥権を握る米軍である。
 民主党優勢と見た在日米軍トップのライス司令官は28日、日本記者クラブで記者会見し、日米地位協定の改定や米軍再編見直しを盛り込んだ民主党のマニフェストを批判した。
 「米国は日本を守ると誓約しているが、日本は憲法によって米国を守ることが認められていない。日本が同盟関係に貢献する一つの方法が駐留経費の支援だ」と「思いやり予算」削減に反対し、日米地位協定についても「見直しの必要はない」と、述べた。
 他方で、「核の傘」を含む米国の抑止力について「今日も強力に機能しており、日本が独自に核を保有する理由はない」と述べた。一見して日本国内の「独自核武装論」を牽制しているようだが、実は、「米国の『核の傘』なくして、北朝鮮の核の脅威を防げない。言うことを聞け」と婉曲に恫喝しているのである。
 
 米国が岸信介、緒方竹虎らA級戦犯を恩赦する代わりにCIAのスパイに仕立て上げ、自民党を作らせた史実が解禁された米公文書で明らかになっているが、傀儡のDNAを受け継いだ自民党は、そうした恫喝にすぐ縮み上がる。
 河野太郎・衆院外務委員長(麻生派)は「核密約は存在した。虚偽答弁は認められない」と身内の麻生内閣に対して宣告したが、その真意を「北朝鮮の核をどう抑止するか議論しなければならない時に『密約はありませんでした』では話が前に進まないんです。日本も核を持たなければ駄目かも含めてフリーに議論しようということです」と語っている。
 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090727dde012010017000c.html

 こうした圧力や対米依存のジレンマから脱するには、北朝鮮との対話再開で自ら脅威の解消に努めるしかない。
 だが、北朝鮮が核保有してしまっただけに、容易ではない。核軍縮の理念を明確に掲げ、北朝鮮が脅威と考え、核開発の理由の一つにしている米軍の「核の傘」にも「非核3原則に違反する」として撤去を求めるくらいの覚悟がなければ、難しいだろう。
 北朝鮮は日本との敵対を望んでおらず、次期新政権の出方次第である。

 一ヶ月ほどで誕生するであろう鳩山新首相が、その覚悟を試されるのはそう遠くないように思える。
 中国政府は28日、ワシントンで開かれた米中戦略・経済対話後の記者会見で、オバマ米大統領が年内に中国を訪問すると発表したが、外交上手の中国が、米大統領が北朝鮮と目と鼻の先に来た絶好の機会を見逃すはずがない。オバマ大統領も朝鮮戦争(1950年〜53年)休戦日の27日、ホワイトハウスなど国家機関に米軍戦死者の弔旗を掲げるKorean War Veterans Recognition Actに署名しており、北朝鮮、中国との間で休戦協定を平和協定に変える新たな対話の枠組みが浮上している。
 
 情勢の動きは急であり、狭い一国の範囲で考えていると取り残される。中華人民共和国建国60周年記念式に合わせた首脳外交が北京を舞台に華々しく展開される可能性がある。
 鳩山新首相には、安倍ー福田ー麻生政権のようにこせこせと北朝鮮を牽制する小人外交ではなく、アジア重視と善隣友好の大局的視点から臨んでもらいたい。

 日本外務省はラクイラ・サミットで「日米首脳会談があった」とするが、米側は「なかった」と否定している。
 会議前後の2回の立ち話を「成果」として誇張したわけだが、オバマ大統領の麻生首相に対する、腫れ物に触るかのようなそっけない態度は、サミットのニュース画像からもうかがえる。
 サルコジ・フランス大統領らとはにこやかに談笑しているのに、麻生首相とは申し訳程度に挨拶を交わすだけで、視線はほとんど無視している。いつも片隅で、一人でニコニコして首脳らとの記念写真におさまる麻生首相が、気の毒に思えてくるくらいだ。
 
 麻生首相は今年2月下旬、往復20時間以上もかけて訪米したにもかかわらず、オバマ新大統領との会談は1時間程度で、昼食も共同会見もなかった。
 新大統領の施政方針演説の日に急遽、割り込んだためスケジュールの調整がつかなかった、と説明されたが、トータルで25分の「2回目の首脳会談」をみると、そんな単純な話ではないことが容易にわかる。
 オバマ大統領は、偏狭な思惑で話す麻生首相との会談を嫌ったのであろう。

 麻生首相はサミット閉幕後の記者会見で「G8の文書は包括的解決を目指す日本にとり評価できる内容だ。北朝鮮に対し安保理決議違反の行為は対価を伴うことをはっきり理解させる必要がある」と成果を強調したが、額面通りに受け取る向きはほとんどない。
 麻生寄りの産経新聞(7・9)すら「麻生首相、外交舞台でも悪戦苦闘 各国首脳見限る?」と以下のように伝えている。
 
 「麻生首相が、外交舞台でこれまでにない劣勢に立たされている。主な首脳との個別会談が設定できず、国内政局に振り回されている首相を各国首脳が見限っているとの指摘もあり、首相は悪戦苦闘している。
 日米首脳『会談』は、サミット会場で突然にあっけなく始まった。日本側は、北朝鮮問題を中心に意見交換しようと1時間ほどの空白がある9日夕に開催しようと調整していた。『やるならきちんとした形だろう』(政府筋)という見方もあった。しかし、8日夜のワーキング・ディナー開始前に、オバマ大統領が通訳を従え、おもむろに資料を取り出して『ここでやりましょう』と持ちかけて始まったという。結局、会議の前後を使った計25分間、『立ち話』的な会談にとどまった。しかも、米側は『(正式な)会談はなかった』と説明している。
 8日のG8会合では北朝鮮問題に言及した。首脳宣言には1874号の制裁規定の『完全な実施の重要性』、拉致問題への取り組みを促す文言も盛り込まれた。ただ、会議で北朝鮮問題を真剣に話したのは麻生首相だけ。他の首脳にとって最大の関心事はイラン問題で、北朝鮮問題は地域情勢の中の最初に扱われ、麻生首相とのズレを感じさせた。首相同行筋からも『首相が会議についていけているのか心配だ』との声が出ている。
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090709/plc0907092102009-n1.htm

 保守系の産経新聞が心配するほど、麻生首相は浮き上がっていたということである。イタリア現地メディアも麻生の名を報じたのはほとんど見当たらず、知名度では胡錦涛主席や金正日総書記の足元にも及ばない。
 落ち目になるととたんに掌を返すのが政治の世界であるからわからないでもないが、いくら退陣秒読みとは言え、日本の首相がここまで無視されたことはあるまい。
 
 発信力やコミュニケーション能力不足といった個人的な資質もあるが、問題意識が一人違う方向を向いているからであろう。
 サミットの中心議題は温暖化問題、金融危機、核軍縮、イラン問題などである。もともと優先順位がそれほど高くない北朝鮮問題を強引に中心議題に持ち上げようとする腹の底が、見透かされているのである。

 安倍政権以来、胸に例のブルーリボンバッジを付けた日本首相は、サミットなど国際会議となるとところ構わず「包括的な解決」と称して「拉致・核・ミサイル」問題を持ち出した。
 だが、自らは北朝鮮との対話に真剣に応じようとせず自助努力を伴わない姿勢は、自国のことしか考えないエゴ外交と顰蹙を買っている。国内の人気取りと政権浮揚に利用する政局外交との厳しい見方も広がっているが、オバマ政権も例外ではなかろう。

 拉致問題を理由に日本は、6か国協議で合意した北朝鮮への原油支援を拒否して会議の進行を遅らせ、他方で米国にはテロ支援国家指定解除反対や核施設無能力化の文書検証などを求めて、結果的に二度の核実験の口実を与え、北朝鮮を核保有国にしてしまった。
 しかも、その拉致問題では、「安倍の嘘」で意図的に解決を妨げ、北朝鮮との対決を煽ってきたとの指摘が出ている。
 前国務次官補のヒル・駐イラク大使はそのことを熟知しており、オバマ政権にも引き継がれていよう。

 オバマ大統領が麻生首相との会談に消極的なのは、ブッシュ前大統領のように不用意に「拉致を忘れない」といった言質をとられ、対北朝鮮外交の足枷になるのを避けるためと思われる。
 家族会が訪米しても会おうとせず、訪日したクリントン国務長官が「個人的に」と断って面談に応じたのはそのためであろう。

 「外交の麻生」と言っても、つまるところは、安倍政権以来の谷内政府代表(前外務事務次官)ー薮中外務事務次官ー斎木アジア大洋州局長らの外務官僚の掌で踊っているだけに過ぎない。
 彼らネオコンの影響を受けたラインの対北朝鮮外交は、オバマ政権から今、明白に、レッドカードを突きつけられつつあると言えよう。
 米国のアジア外交の軸は確実に中国へと移っているが、それを早めているのが、自民党と外務官僚が癒着した拉致外交、政局外交なのである。

 秦剛・中国外務省スポークスマンは昨日、「北朝鮮への支援を中断する考えはない」と明言したが、麻生首相はさぞかし落胆したことだろう。
 16日の党首討論の時間切れ寸前、郵政人事迷走などをつかれしどろもどろの麻生首相は「北朝鮮が・・・」とあらぬ方向にふり、「何を唐突に」と鳩山代表にあしらわれたが、延命に必死の本人の意識では最後の切り札であった。

 北朝鮮船舶への貨物検査に海上自衛隊まで投入する“戦闘的な”特別措置法政府原案を提示したのも、「北朝鮮包囲網」を総選挙の争点にし、劣勢を逆転しようとの目論見から来るが、中国一抜けで危うさだけが際立ち、逆効果になりそうだ。
 日本だけが北朝鮮との対話チャンネルがなく、制裁・圧力で突出し、気がついてみたら、一人、北朝鮮の核ミサイルの標的、という事態もありうる。

 日本のメディアは何故か報じていないようだが、秦剛スポークスマンは昨日の定例会見で、記者の質問に、「北朝鮮と関連した一連の措置は、北の民生と正常な経済貿易行為に影響を与えてはならない」と言明し、「国連安保理決議1874号もそう規定している」と述べた。
 さらに、「中国には『氷凍三尺,非一日之寒』との言葉がある。北の問題を解決するには忍耐と相互信頼、問題を解決する熱意が必要だ」と、対話による平和的な解決を強調した。
 http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2009/06/25/0511000000AKR20090625184400083.HTML

 秦剛発言は、中国が北朝鮮への輸送管を閉め、石油供給を止める制裁に乗り出すとの一部の報道を意識し、間接的に否定したと解釈されている。
 私が以前から指摘していることだが、朝中間の経済的社会的なつながりは一朝にして切れるほど軟弱なものではない。北朝鮮にとって中国が歴史的現実的に表で、日本は裏の一部でしかない。
 石油に関しても両国は05年12月に「北朝鮮海域での油田の共同開発に関する協定」に調印し、「数年内に油が噴き出す」との情報もある(『証言』第四章「タングステン、マグねサイトから石油まで」参照)。 

 麻生首相の誤算は、北朝鮮の第2次核実験に対する政府の強硬策が、06年10月の第1次核実験時に安倍元首相主導で進めた強硬パフォーマンスのような共感を呼び起こさず、支持率回復につながらなかったことである。
 外交を政局や人気取りに利用する下心が見透かされたこと、さらに、そうした制裁・圧力に偏重した“強硬姿勢”が北朝鮮を核武装に追いやり、いたちごっこのように核危機を高めてきた危うさに、多くの国民が気付いたことが、その背景にある。

 無駄を重ねて財政赤字を膨らませている景気対策、郵政人事などなど、麻生首相のビジョン不在、見識やコミュニケーション能力の欠如、短慮は今や覆うべくもない。
 リーダーの器にあらざる人物が、日本と地域の安全保障に関わる北朝鮮問題に責任者として関わり、事態を必要以上に複雑にしてしまったことは不幸なことと言わねばならない。

 次期政権を狙う民主党は安倍政権以来の負の遺産を清算しなければならないが、言葉で言うほど簡単ではあるまい。
 民主党内にも、安倍ー麻生のジャパニーズ・ネオコン的なマイナス要素が潜んでいるからである。

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 国連安保理非難決議から麻生政権が強く求める強制貨物検査(臨検)などが中ロの反対で事実上、削除される見込みだ。
 「骨抜きになる」「実効性が失われる」と悔しがるメディアが少なくないのは大いなる誤解であり、日本の平和と安全にとってもその方が良かったのである。
 臨検重視は、ウィルスの何たるかを把握せず、無謀な水際作戦で国内での感染爆発を許してしまった新型インフルエンザ対策と似たところがあるが(日本の感染者500人超に対して、冷静に対応した韓国は50人余)、麻生政権はすべからく人気取りのパフォーマンスに流れ、腰が据わっていない。

 前回も指摘したように、「拉致被害者5人の一時帰国の約束はなかった」(安倍官房副長官=当時)と嘘をついて国民を騙して誕生した安倍政権以降、北朝鮮との対決を煽りながら、安倍−福田−麻生と自民党政権延命に利用し、他方で、9条改悪・敵基地攻撃・核武装という三点セットの軍拡路線にのめり込んできた。
 だが、麻生首相が世論誘導役と頼む拉致被害者家族会については「右派が率いている」(蓮池透・前家族会事務局長)との批判が内部から上がっており、安倍元首相関連のもう一つの大嘘である「横田めぐみの偽遺骨鑑定」も「外務省も生きていないことは知っている」(田原総一郎)と暴露されている。
 嘘から始まった自民党政権の対北朝鮮強硬路線が暴走を重ね、日朝開戦という悪夢が正夢になる前に、発想の転換が必要である。

 その意味で、次期首相最有力候補の鳩山民主党代表が核武装を明確に否定したことは評価に値するものであり、来たる総選挙の対立軸になりうる。
 それに対して、「自らを縛る」「抑止感覚が欠如している」との批判があるが、「核には核」の小冷戦思考では北朝鮮の土俵に乗せられ、自滅するだけである。

 のみならず、それはオバマ大統領が就任早々プラハで核廃絶を呼びかけた流れにも沿い、ややもたついている米朝間で日本が新たな外交的なイニシアチブを発揮する可能性をも開く。
 
 二言するまでもなく、核実験は許されないことであり、北朝鮮への制裁決議は一罰百戒のためにも必要である。だが、それでもって問題が解決するとするのは幻想であり、その根源を絶たなければならない。
 制裁・圧力偏重が北朝鮮の反発を招き、事態を複雑にするだけであることは、ブッシュ政権前期の国連無視の攻撃的なネオコン路線が北朝鮮の核実験を招いたことからも明らかである。

 その反省から出発したはずのオバマ政権は、北朝鮮核問題が核開発疑惑から核放棄に変わった新局面に対応し切れないでいるが、問題の本質が、北朝鮮の安全保障を脅かす実体を解消することにあることに変わりはない。
 実体解消とは、北朝鮮にソ連崩壊で失った「核の傘」に代わるものを提供することであり、具体的には、自力の核保有か、「核の傘」を不要にするしかない。
 
 北朝鮮は、対米対話の主導権を握るために誇張した言い方で危機拡大を利用する側面はあるが、暴走しているわけではない。前もって外務省声明を出すなど通米正面突破戦略に沿った有言実行で、相手側が予測し、対応する余地を意識的に与えている。
 資源や市場確保のための領土拡大野心がない分、カシミールの帰属を巡って争うインド、パキスタンや、パレスチナ問題を抱えたイスラエルよりも扱いやすい。

 すでに核保有国化した北朝鮮の核廃棄には最低でも数年掛かるであろうが、その影響を受ける日本が、「核の傘」を不要にする国際環境整備に向け、米朝の間で被爆国としての立場から核廃絶の大義を高く掲げて仲裁役を担うことは、まだ死文化していない日朝ピョンヤン宣言に照らしても十分に可能であると考える。
 次期政権にはそれを期待したい。

 鳩山代表への期待感は、先の訪韓での李明博大統領との会談での次の言葉にも力付けられる。
 「政治の信頼回復と、新しいアジア重視の外交をつくりあげていくために政権交代が必要だと申し上げた。現政権との違いは、過去の歴史を直視する勇気をもっていることです。そのことによって未来に大きな扉を開くことができる。過去のない未来はあり得ない。そのことに関して、李大統領からは、新しい日韓関係に対する期待感表明があった。過去に対してしっかりと見つめる勇気に対して、理解を示して頂いた。」
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=16157

 実は、安倍政権以降の日朝対立の背景には、歴史認識問題がある。安倍、麻生、中川昭一のジャパニーズネオコン御三家とそれに連なるグループは、戦前のアジア侵略や朝鮮植民地支配を正当化し、その謝罪と賠償を求める北朝鮮側と激しく対立している。
 その溝を超えなければ、日朝和解はなく、核・ミサイル・拉致問題解決もないだろう。


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