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自信満々に人工衛星打ち上げを予告し、多くの海外メディアを発射場に招待しておきながら、みっともない結果となった。 |
北朝鮮核・ミサイル・ロケット
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田中防衛相が先月30日に北朝鮮人工衛星打上ロケットに対して破壊措置命令、いわゆる迎撃命令を出したが、現場指揮官の運用次第で北との偶発戦争を引き起こしかねない危険な盲点があることに誰も気付いていない。 |
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今日の労働新聞一面トップに、北朝鮮が来月「12日から16日」に人工衛星を打ち上げると発表した朝鮮宇宙空間技術委員会スポークスマン談話を掲載。 |
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北朝鮮にとって核は安全保障の核であり、数少ない外交カードの一つでもある。 |
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これも情報を積極開示して相手を交渉の場に誘う金正恩一流の情報戦略である。
北朝鮮がウラン型原爆を保有している可能性を自ら明らかにし、日米韓は虚をつかれ、半パニック状態である。今朝の新聞各紙は一面トップに「北、ウラン濃縮の新施設」「北朝鮮の核新段階」との見出しを掲げ、「米政府には想定外」「オバマ政権は『待ち』の姿勢を続けるのは困難になった」「日本政府は深刻に受け止めている」と伝えている。
私が前回指摘したように、根拠なき楽観論と無為無策のつけがいっきょに回ってきたと言えよう。
各紙が「遠心分離器2000基」と報じたのは、最近訪朝したヘッカー米スタンフォード大教授が20日に同大ホームページに公表した報告書が基になっている。
そこには「寧辺の軽水炉建設現場とウラン濃縮施設に案内され、高所から見ると、1000基以上の分離基が整然と設置されていた」と衝撃的な事実が紹介されている。北朝鮮側からは「遠心分離器は2000基以上。09年4月に着工して数日前に完成した。現在濃縮をしている」と説明されたという。
北朝鮮の説明に嘘はあるまい。この期に及んで疑うものは、自身の不明を恥じるしかなかろう。
『金正恩、鮮烈デビュー北朝鮮の改革開放が始まった』(エコノミスト11月9日号)で「金正恩は大胆かつ柔軟な情報公開で米国を対話の場に誘っている」と指摘したように、北朝鮮は金正日総書記の秘密主義から脱皮し、より合理的な情報戦略を展開している。それも読まず、理解していない頑迷な外交官や記者はもう退場した方が良かろう。
西洋の教養を受けた金正恩は冷徹なパワーポリティックスの信奉者と思われる。
可能な限り情報を公開し、余計な邪推や憶測、誤解を省いてストレートに米側と交渉しようという姿勢が一貫している。
米日韓の待ちの「戦略的忍耐」は、北朝鮮自壊に密かに期待する棚からぼた餅式の無責任論である。
時間は北朝鮮核ミサイル開発に拍車をかけているのが現実である。北朝鮮は世界最大クラスのウラン埋蔵量を有し、パキスタン、インドに勝るとも劣らない質量ともに優秀な科学技術陣を有している事実を直視しなければならない。
幻想は一切捨て、核弾頭装備のICBMや潜水艦が公開され、北朝鮮がさらに交渉のハードルを上げる前に対話に応じ、歯止めをかける方が賢明である。
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