河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

北朝鮮核・ミサイル・ロケット

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 北朝鮮が核実験の準備をしているとのニュースが飛び交い始めた。
 韓国政府筋は過去二回の核実験が行われた咸鏡北道豊渓里付近の核実験区域で土砂が積まれているのが偵察衛星で確認され、「実験がいつあってもおかしくない」とメディアに流している。
 
 しかし、どうだろう。ダボハゼでもあるまいに、土砂を見て「すわっ核実験か」と慌てるのはあまりに単純かつ短絡的であり、すでに情報戦で北朝鮮ペースにはまっている。
 大規模経済協力が進んでいる中国との関係を損ねてまで、北朝鮮が核実験に踏み切る理由はない。
 
 北朝鮮の新情報戦略を理解しないと的確な状況判断は難しいし、乗せられるだけである。
 私の見立てでは、北朝鮮は土砂を偵察衛星に写させて米国などにメッセージを送っているのであろう。
 
 同じことがすでにさる10月10日の軍事パレードで起きている。
 私は『エコノミスト』(11月9日号)の『北朝鮮の改革開放が始まった』で、最新ミサイルを登場させ、西側メディアに生中継させたことについて「金正恩の発想だ。米国に対し、戦争になれば高くつくぞと牽制しつつ、対話の場に誘った」と書いたが、それが北朝鮮の新情報戦略である。
 今回も、対話に応じないと核実験がありうると誘っているのである。
 
 それへの対処法だが、18日の日韓外務高官協議では「対話再開を焦る必要はない」で一致したようだが、実務レベルとはいえことなかれ主義に流れていないか。
 オバマ政権の「戦略的忍耐」に追随したようだが、これは何もしないということ、つまり、無為無策である。
 
 「戦略的忍耐」は北朝鮮の核保有を既成事実化し、核ミサイル開発に時間的余裕を与える側面がある。
 事実、北朝鮮の核・ミサイル能力は急速に進んでおり、軍事パレードで披露された最新核ミサイルを搭載した潜水艦登場も時間の問題とみられる。
 
 日韓には北朝鮮の核戦力は長崎型原爆レベルで、小型化を目指しているとの見方もある。
 しかし、北朝鮮がミサイル開発を支援していたパキスタンが核弾頭ミサイルを開発しているのに、それ以下と考えるのはあまりに楽観的にすぎないか。
 あるいは、それを認めると日本が莫大な資金を投じて建設しているMDが無用の長物となり、政治的な責任問題が浮上することへの懸念からあえて過小評価しているフシもある。
 
 見方を変えれば、北朝鮮が話し合おうと呼び掛けているのは、対応次第では好機となる。
 気休めや無為無策で時間を費消せず、知恵を絞るときだ。
 衝撃的なニュースが今朝、ワールドカップサッカーで沸いていた韓国社会を震撼させた。
 北朝鮮が1969年に米偵察機を撃墜した直後、ニクソン政権が目標を詳細に定めた報復的な核攻撃計画を立てていたことが公開された機密文書で明らかになったと、韓国KBSテレビが早朝ニュースで伝えたのだ。
 
 米偵察機撃撃墜事件は、1969年4月15日に北朝鮮から約130キロ離れた日本海上で、北朝鮮の戦闘機が米海軍のプロペラ式偵察機「EC121」を撃墜し、乗員31人を死亡させた。
 北朝鮮は同機が領空侵犯後、逃走したと主張し、米側と対立した。

 KBSによると、国防総省は広島に投下された20キロトン規模の戦術核兵器を含む対北朝鮮緊急攻撃計画を立て、6月25日にホワイトハウスに報告した。「フリーダムドロップ」と作戦名が付けられた計画は、3つの攻撃方法からなる。
 第1は、北朝鮮を懲罰するため、0・2〜10キロトンの破壊力を有する戦術核を北朝鮮の指揮統制センター、飛行団3か所、海軍基地など12か所以上を標的として投下する。
 第2は、70キロトンの核で16か所の飛行場を破壊し、空軍力を壊滅させる。
 第3は、10〜70キロトンの核で、北朝鮮の軍事力を無力化させる。
 さらに、全面戦争に発展し、米韓の犠牲者数は全兵力の10%以下となり、民間人犠牲者は100から数千人と予測している。
 同核攻撃計画は3か月後に作成された最終的な緊急時計画からは削除された、と機密文書には書かれているという。
 
 同事件自体は、ベトナム戦争で苦戦していたニクソン政権が朝鮮半島での全面戦争を回避し、外交的解決を選択したことで収束に向かった。
 だが、『米国の北朝鮮、中国核攻撃計画極秘文書公開』で指摘したように、韓国では少し前、朝鮮戦争停戦直後の1954年に米国が北朝鮮、中国への核攻撃計画を立てていた機密文書が知られていた。
 今回、1969年にも核攻撃を計画していたことが明らかになり、米国が核を単純にソ連=ロシアとの核抑止だけではなく、地域の紛争に使用する意図を持っており、それが北の同胞に向けられてきたことに衝撃が広がっている。
 
 実は、同様の計画が存在したことは、読売新聞が5月9日付で「米機撃墜でニクソン政権、北朝鮮空爆を検討」と伝えている。
 米国務省が4日に公表した69〜72年の米韓外交に関する機密文書に関連文書が含まれていたもので、大統領の指示のもと、キッシンジャー大統領補佐官が議長を務める「ワシントン特別行動グループ」内の「朝鮮作業部会」が上陸急襲の実行、選択的な空爆、海上封鎖などの対処方針を作り、それと並行して国家安全保障会議(NSC)などで報復措置を議論し、空軍施設空爆、軍用空港や発電所1か所への限定的空爆」を集中的に検討し、米中央情報局(CIA)が5発電所を爆撃対象として特定した。
 空爆では空母、グアムと沖縄の戦闘機が参加し、日本への通知について「30分あれば十分。だれが日本の首相かにより、決定すればよい」とされたという。
 
 読売記事は「当時の対処方針が明らかになったタイミングが天安沈没を巡って緊張が高まっている時期と重なったことは、北朝鮮が挑発行為をエスカレートすることを牽制する強い圧力になるとみられる」と書くが、「北朝鮮悪者論」の色眼鏡を掛け、視点が米国に偏りすぎていないか。
 米国が大規模地域紛争の発火点になる可能性も視野に入れ、その危険性を客観的、多角的に論じるべきであろう。
 
 しかも、読売記事が見逃した核攻撃計画「フリーダムドロップ」が北朝鮮空爆計画には含まれ、まかり間違えば日本を含む地域全体が核戦争に巻き込まれる危険性が存在していたのである。
 それは、平和ボケの日本では見えにくいことであるが、菅新首相まで口にしている「日米同盟によって日本の安全が保たれてきた」が、実は地獄と紙一重の神話でしかないことをはっきりと示している。
 
 「フリーダムドロップ」は過去の話ではない。
 天安艦沈没事件を利用して米国は横須賀基地の米空母まで動員して黄海で武力示威的な米韓軍事演習をする構えを見せているが、韓国ネット世論は「米国はまた核攻撃計画を立てているのではないか」と厳しい目を向けつつある。
 今はワールドカップで沸いているが、そのマグマが米国に向けて噴出した8年前の前例が再燃する可能性も十分にある。
 中国も米国の覇権主義を疑い、環球時報が社説で「米国は中国を潜在的な敵としており、中国は米空母の西海出現を受け入れることはできない」と反発し、人民日報(6月8日)などは韓国への経済報復を示唆している。
 
 それに比べ、自国が隣国の核攻撃計画の基地に度々利用され、今回もその可能性がある日本のメディアは鈍く、世論も鈍い。
 岡田外相が日米核密約を公開したまでは良かったが、朝鮮半島の現実認識が甘いため尻切れトンボ状態である。
 
 米国には黄色人種に原爆使用を躊躇わないぬぐえない前科がある。それを反省せず、あまつさえ「フリーダムドロップ」などと他を愚弄する勝手な理屈をつけ増長しているのは、皮肉な悲しい現象だが、被爆国の日本が米国にあまりにも従順であるためではないのかという根本的な疑念が湧く。
 日本人は、黄色人種としてのプライドを取り戻すべきである。日本人としてのプライドや未来もその中にある。
  『証言北ビジネス裏外交』の第五章幻の稲山経団連名誉会長訪朝計画「核の傘を失い、核開発へ動き出す」で「北朝鮮は『ソ連の核の傘』に不安を感じたことで、自前の核開発を加速化する」と書いたが、その傍証となる米CIAの極秘文書が56年ぶりに公開された。
 北朝鮮の核開発問題の本質を見据え、解決のシナリオを描く上で見逃せない。
 
 韓国のKBSが機密解除された同文書を単独入手し、次のように伝えた。
 朝鮮戦争停戦翌年の1954年3月に作成された文書は北朝鮮が再度南侵した場合、北朝鮮のみでなく、中国にも原子爆弾を投下する核反撃計画が含まれている。核攻撃目標は、吉林、瀋陽、青島、西安、天津など5か所。北朝鮮と隣接するか大規模な兵器倉庫のある都市である。
 同時に、中国の沿岸封鎖と台湾を前面に出した大規模な本土空襲、海南島占領計画も準備された。
 北朝鮮のみでなく、中国の共産政権まで転覆、交替させる狙いがあったと分析されている。
 キム・ドンギル北京大歴史学部教授は「文書は、米国が中国と核戦争を含む全面戦争に入ろうとしていたことを意味する」と述べた。
 米国はソ連の介入も想定したが、ソ連が米国との全面戦争を避けるため、最終的には中国までで譲歩し、北朝鮮は放棄すると判断していたとみられている。
 極秘計画樹立には国務省、国防総省、FBI、CIA、陸海空軍と合同参謀本部最高首脳が参加した。
 
 朝鮮戦争の最中、中国義勇軍参戦で窮地に陥ったマッカーサー国連軍総司令官が中国東北部への原爆投下を主張し、トルーマン大統領に解任されたことは知られている。
 しかし、その後も米国は核攻撃の計画を綿密に立てていたことが、今回の文書公開で明らかになったことになる。
 
 金日成と毛沢東はマッカーサーによる原爆投下計画を知っていたし、そのトラウマから、米国の核の脅威に対抗する手段を考えるようになる。
 最初に動いたのが毛沢東で、中ソ論争でソ連と対立する中、1964年に核実験を行った。
 金日成も1990年の韓ソ国交樹立でソ連の核の傘を失ったと判断し、中国に続く。
 ともに核実験に際して「米帝国主義の核の脅威に対抗する自衛的措置」と声明を発表しており、動機は全く同じである。
 
 事は単純な過去の話ではない。
 核脅迫を受けた側のトラウマは消えることはなく、特に北朝鮮、中国の軍部には今も警戒感が根強く残っている。
 歴史観のひ弱なオバマ政権はそれもわからず、天安艦沈没事件で中国と目と鼻の先の黄海で核空母まで動員した挑発的な大規模軍事演習を計画し、中国軍部から「我々を敵とみなすのか」と反発され、中止に追い込まれた。 
 
 北朝鮮の核開発について米日韓では「体制維持のため」と矮小化する見方が広く流されているが、反体制運動と安保問題を混同させる誤った見方であり、問題解決を妨げる危険なデマゴギーである。
 
 冒頭の『証言』で「米国が韓ソ国交樹立に対応して朝米の国交樹立を急ぐなど、しかるべき対策を取っていたら、その後の展開はかなり変わっていたであろうし、2006年10月の核実験強行はなかったと思われる」と指摘したが、それは現在でも基本的な認識として意味があるだろう。
 核保有国化した北朝鮮に核放棄を求めるには、北朝鮮と米日両国との関係正常化+αが必要である。
 αとは、米国が日韓に提供している「核の傘」に対応する措置であり、①日韓の「核の傘」放棄、②暫定的に北朝鮮に核保有を認める、③中国による北朝鮮への「核の傘」提供、のいずれかを意味する。
 
 ただし、事態は複雑化している。
 軍部に一定の睨みが利く金正日総書記が健在な内に交渉を進める必要がある。
 北朝鮮軍部は核廃棄に否定的であり、パキスタン方式を狙っている。ポスト金正日では誰が後継者になっても軍部への統制力は弱化し、それだけ核廃棄の道は遠のくと思われる。

 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が29日、北朝鮮外務省スポークスマンが27日に「今の事態を解決できる対話方式は別にある」と米朝直接対話を求めたことに対して「支持し、歓迎する」と述べた。「6か国協議は有効な方式だ」とする一方で、「必要に応じ別形式の対話が行われるべきだ。国連事務総長として訪朝する準備がある」と積極的な役割を果たす意向を示した。
 潘事務総長は「鼓舞的だ」と北朝鮮の提案を評価したが、事務総長側近は「米国と対立するのではない」と否定した。
 http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2009/07/30/0511000000AKR20090730025100072.HTML

 潘基文国連事務総長は、「6か国協議の枠内での対話」にこだわる米国に対して柔軟な対応を促したと言える。
 その間、国連代表部を通じたニューヨーク・チャンネルを通して米朝水面下接触が行われ、今月上旬に北朝鮮側は、朝中国境地帯で国境侵犯で拘留した米国人記者2人の釈放交渉のためにボスワース米特別代表、ソン・キム6か国協議米首席代表の訪朝を招請した。米側が「記者釈放問題と核交渉を絡めるべきではない」と、記者釈放と6か国協議復帰を頑なに求めたため、中断状態にある。
 申善虎(シン・ソンホ)北朝鮮国連大使が24日、「6か国協議は永遠に終わった」としながらも、「我々は共通の関心事に対するいかなる交渉にも反対しない」と呼びかけたのは、改めてボスワース米特別代表らの派遣を求めたものと解釈できる。

 そうした中、国連事務総長自ら側面支援に乗り出したことの意味は小さくない。
 潘国連事務総長は盧武鉉政権の外交通商相(外相)として太陽政策を推進したベテラン外交官出身で、北朝鮮に精通している。感情的に反発しがちで、北朝鮮と不毛の口合戦を繰り広げたクリントン米国務長官をどこまで説得できるか注目される。

 潘国連事務総長に劣らず、北朝鮮の何たるかを最も冷静に見据えている米国人が恐らく、パウエル元米国務長官であろう。
 28日放映のCNNテレビで、「(北朝鮮について)狂気の体制と言う人もいるが、私の経験の中で世界最強の交渉相手だ」と指摘し、「権力継承期に入っており、継承が終わるまで政策の大きな転換はない」と予測したが、正鵠を射ている。北朝鮮の「通米正面突破戦略」を看破していると言うべきだろう。
 表面的な現象ばかり追って右往左往している麻生首相、それを背後で操る無能な外務官僚は、爪の垢を煎じて飲むのがよかろう。

 制服トップの統合参謀本部議長からブッシュ政権の初代国務長官となったパウエル氏は、クリントン前政権の宥和政策継承をブッシュ大統領に進言してラムズフェルド国防長官らネオコンと衝突し、イラク戦での意見相違などもあって辞任した。パウエル氏の現実主義をブッシュ大統領が受け入れていたら、米朝関係はとっくに改善され、核問題も決着へと向かっていたことであろう。
 クリントン長官はもう少し冷静になるべきである。

 北朝鮮の宇宙空間技術委員会報道官は7日、通信試験衛星「光明星2号」打ち上げから一ヶ月を迎えて談話を発表し、所期の目的を達成したとして、本格的な実用衛星打上への強い意志を表明した。
 1967年の宇宙条約を名分にした北朝鮮の宇宙空間進出への動きは止まりそうもなく、ロケットの上空通過に神経を尖らせ、ミサイルだとして迎撃の構えを見せた日本は対応に苦慮しそうである。

 談話は要旨、次の通り。
 「衛星から送られてきた各種の計測資料を受信・分析した。公開した通信周波数帯域で正体不明の強い電波障害を受けたが、衛星観測と管制試験は正常に行われた。
 地上管制センターから送る指令により衛星の動きを変え、地上の複数地域に展開されている中継通信基地で衛星を通じた中継通信試験に成功した。470メガヘルツで送る『金日成将軍の歌』『金正日将軍の歌』の旋律と衛星資料に関する観測と、地上に展開した軌道追跡探知機により、衛星が正確に軌道に進入したことが確証された。
 わが科学者、技術者は総合的な衛星発射管制システム構築、衛星軌道進入、試験通信の目的を達成し、平和的な宇宙開発活動に向けた大きな一歩を踏み出した。」

 成功かどうかは検証の余地があるが、談話が北朝鮮の実用衛星開発への固い意志を表していることは間違いない。
 日本政府は「弾道ミサイル開発目的」と北朝鮮の平和的な衛星開発を全否定し、銀河2号を「弾道ミサイル」「テポドン2号」などと決め付けるが、それでは喧嘩を売るようなもので、対話は成立しない。
 銀河2号がミサイルに転用できることは否定しないが、即、ミサイルとするのは論理の飛躍であり、北朝鮮から「敵意」を疑われても仕方あるまい。

 何故なら、北朝鮮の宇宙空間技術委員会は2月24日に、試験通信衛星「光明星2号」を運搬ロケット「銀河2号」で打ち上げると発表し、さらに、発射に先立って「月その他の天体を含む宇宙空間の探査および利用における国家活動を律する原則に関する条約」(宇宙条約)と「宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約」(宇宙物体登録条約)に加盟(3月12日朝鮮中央通信)、国際民間航空機関(ICAO)と国際海事機関(IMO)に航空機と船舶の航行安全に必要な資料を通報している。
 宇宙条約に適っており、国際法上は何ら問題がない。
 http://archive.hp.infoseek.co.jp/law/1967T019.html

 また、実体問題としても、北朝鮮は先端技術開発と併せて宇宙空間進出に力を入れてきた経緯を無視できない。
 すなわち、金策工業総合大学機械科学技術大学宇宙航空工学科で専門家を育てて科学院宇宙技術研究所、宇宙空間技術委員会に送り込み、衛星管制総合指揮所、東海発射場などのシステムも備えている。
 日本のロケット開発システムに比べればかなり見劣りするが、世界的なレベルではそう低いほうではない。
 
 国際社会も、米国の航空宇宙専門誌・Spaceflight Nowが4月11日付の記事で「北朝鮮ロケット、予想された以上に遠距離飛行(North Korean rocket flew further than earlier thought)」としたように、ロケットと呼ぶのが多数派であり、中国やロシアは言うまでもなく、日本とともに反発した韓国でも「長距離ロケット」とするのが一般的である。
 4月13日の国連安全保障理事会公式会合でも「ミサイル発射」として日本が求めていた新非難決議採択を退け、法的拘束力がない議長声明で「4月5日の発射」と、ミサイルとの表現を削除した。

 銀河2号を「ミサイル」とするのは、国際法の論理や理論に矛盾しており、「ロケットが弾道ミサイルに転用される危険性がある」といった政治的なプロパガンダをしているのと変わらないのである。事実、北朝鮮はそれを「敵意」と受け取り、負の連鎖が起きている。
 日本ではそのことが十分に自覚されず、感情的に流れ、したがって、政治対話による解決という発想が政府にもマスコミにもなかなか出てこない。

 無論、北朝鮮側にも不透明かつ不可解な部分が少なくない。
 実験衛星打ち上げは成功と主張するが、国際機関がどこも確認していない。非科学的と言われても反論できまい。
 また、開発責任者が朱奎昌(チュ・ギュチャン)労働党軍需工業部第1副部長・国防委員となっているのも、軍事目的と疑われても仕方があるまい。

 実用衛星打ち上げは、北朝鮮にも認められた平和的な宇宙利用権である。
 同時に、応分の義務も負うことになる。閉鎖的・軍事偏重的なシステムを科学院を中心としたシステムに改め、可能な限り公開し、国際社会の理解を得るように努めるべきであろう。


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