河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

日本の外交・安全保障

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「南京大虐殺」が国連教育文化機関(ユネスコ)により世界記憶遺産に登録された事に、安倍政権が「国連分担金の支払いを止めるべきだ」と反発し、物議を醸しているが、折しもパリで開催中のユネスコ定例総会では日本のイメージを大きく損なう逆風が吹いている。
日本外務省が中国に反論するために9月末、ユネスコ世界記憶遺産国際諮問委員会に提出した専門家意見書に、あろうことか札付きの反中派学者の独断的な著書が不用意に引用されていたことが問題視されているのである。
馳浩文科相は5日、総会で「透明性の向上」を訴えたが、日本の不透明性が露になり、防戦一方となっている。

問題の専門家意見書は佐藤地ユネスコ日本代表部大使が自己の意見書とともに提出したもので、高橋史朗・明星大教授が作成した。
産経新聞などでかねてから「南京大虐殺」否定の論陣を張っていた高橋氏は「中国の申請資料だけでは真正性について判断できない」とし、「約100名の日本兵が大虐殺を否定する本を出している」と主張し、南京市にいた中国人女性の日記については「伝聞情報に依拠した記述ばかり」と否定している。
この御仁の不明は、加害者側の肩を持ち、被害者側の証言を軽視するという真相解明の基本さえ弁えていないことにある。産経紙面等での偏った言説とあわせ、犯行否定の加害者心理に感情移入しているのがありありである。

さらに笑止なことに、高橋某は南京大虐殺を否定する仲間の東中野修道・亜細亜大教授の著書を引用しながら、中国提出の写真の撮影時期に「関連性が疑われる」と重箱の隅をつつくように難癖をつける。
そのうえで、南京軍事法廷で30万大虐殺の責任を認め死刑になった谷寿夫中将の証言まで否定し、「南京城内に500メートル入ったところで移動を命じられ、虐殺は物理的に不可能であった」と強弁した。
独断もここまで高じると、バカ者と一喝したくなる。南京城内に侵入し、興奮した兵士たちが殺戮に走ったと現地指揮官が戦陣日記に記している。常識的に考えても、一遍の命令で全軍が統率できるわけがない。

安保法制案を合憲と言い張った三バカ憲法学者のように、この手の曲学阿世の輩はどこにもいるが、「外務省関係者は『高橋教授は保守派の中ではバランスの取れた研究者だ』と話している」(毎日新聞11月6日)と庇っているというから、呆れるしかない。
外務省が不見識、時代錯誤に憑かれているから、極端な人物がバランスがあるように映るのである。

問題の意見書については、日本に対する印象を悪化させている、ホロコーストを否定するのと同様のイメージを世界に与えているとの声が日本国内でも起きている。
孫崎亨元外務省情報局長は「日本が『シベリア抑留』を登録する一方、『南京大虐殺』を非難したのも、世界から『日本は自国の利益だけで行動し、普遍的な価値観を持たない』と冷笑されている」(毎日新聞同)と慨嘆する。
外務省は国連安全保障理事会常任理事会入りの目標を掲げ、安保法制などで軍事的存在感を高めようとしているが、その前に、第二次世界大戦の反省から生まれた国連の意義と役割について根本から再認識する必要がある。

ユネスコ世界記憶遺産には来年度、旧日本軍慰安婦も韓国、中国など共同で申請される。
安倍首相は朴槿恵大統領との会談で旧日本軍慰安婦問題の「早期解決」を約束したが、二言なきことを期待したい。
やはりインドネシアでオランダ人女性が慰安婦にされたオランダのテイマーマン外相は「日本軍による強制売春であることに何の疑いもない」と断言しているように、日本軍による強制があった事は国際常識である。
高橋、東中野、櫻井よしこ、西岡力ら産経言論人はそれをも否定するが、産経新聞社主であった鹿内信隆が自著で主計将校時代に慰安所を設置運営していたと明かしていることぐらいは知っておくべきである。
日本外務省は『南京大虐殺』と同じ過ちを犯す愚を繰り返すべきでない。
安倍首相が3日の衆院平和安全法制特別委員会で朝鮮半島有事で米艦が攻撃され、「先制攻撃と見なされる可能性が極めて高い」と述べ、集団的自衛権の行使可能な「存立危機事態」に該当すると主張した。

後述のように、北朝鮮による米艦攻撃の可能性は、イスラム過激派による日本テロの可能性より低い。
あり得ない事態を妄想して、安全保障を論じるほど危険なことはない。拉致問題以来の反北朝鮮感情を利用して、国民大多数が反対する安保法制案を強行採決しようとしているようだが、国民を愚弄する反民主主義的な愚行と言うしかない。

安倍首相は「潜水艇で特殊部隊を日本に派遣し、首都で大規模なテロを行うことも考え得る」とも述べているが、マンガチックな発想を国会の答弁で真面目顔で口にする事光景に、本当に一国の首相かと唖然とさせられる。
心酔しているという百田尚樹氏の荒唐無稽なフィクションの読みすぎではないか。

北朝鮮が拉致被害者らの再調査を約束してから4日で1年となるが、「もうしばらく時間がかかる」と日本側に通知し、今月中にも中国で日朝外務省局長級会議が再開されることになった。
北朝鮮の本音は日朝ピョンヤン宣言で定めた日本の経済協力を引き出すことにあり、虚勢を張った粗暴な言葉遣いはともかくとして、何の実益もない日本攻撃の意図などさらさらない。

北朝鮮にはもはや拉致被害者を隠す理由もメリットもない。早くこの問題をクリアして日朝国交正常化をしたがっている。
日本の一部には「拉致被害者が重要な情報を握っているので出せない」といったフィクションが流れているが、冷静になるべきである。
事態を悪戯に長引かせ、無責任な期待感ばかり抱かせて被害者家族を苦しめず、安保問題にまで波及させる愚に終止符を打つ時である。

そもそも金正恩政権には、安倍首相が頭で描いているような「存立危機事態」を引き起こす意思も能力もない。
経済破綻と深刻な食糧危機に直面し、冒険的な軍事行動を起こす余力は全くない。暴動と内乱の予防、対処に備えるのに手一杯の状況である。

矛盾は金正恩政権中枢部に及び、激しく揺れている。
金正恩発足後、僅か3年で李英ヨンホ総参謀長、張成沢国防副委員長、玄英哲人民武力相ら最高級幹部ら70人以上が粛清される異常事態である。

そうした中、労働党副部長を含む最高級幹部クラスの脱北が急増し、最近も朴スンウオン上将の韓国への亡命が報じられた。4月にモスクワで第三国の大使館に亡命し、韓国入りしたというが、事実であろう。
私が当初から経済性無視の杜撰な計画であると批判していた馬喰嶺スキー場建設で英雄称号を受け、国家勲章1級を授与されたが、同僚の馬園春国防委設計局長や玄人民武力相が相次いで粛清され、身の危険を感じたとみられる。
2000年に済州島で開催された南北国防相会談に次席代表として出席し、軍副総参謀長を歴任した重鎮格の将軍である。
このクラスが逃げ出すというのは、政権中枢部が疑心暗鬼に陥り、金正恩国防委員長の指導力が根底から揺らいでいる事を物語る。
恐怖政治で何とか持っているが、もはや先軍思想や先軍政治は名ばかりであり、金正恩国防委員張は裸の王様でしかない。

玄人民武力相の粛清は金国防委員長が演説していた会議で居眠りしていたのが不敬罪に問われたという他愛のないものだが、金委員長の「軽んじられている」という幹部らへの不信感と自信のなさが読み取れる。安倍首相とも似た世襲政治家特有のコンプレックスである。

居眠り問題で思い起こすのが、1981年の訪朝で最高人民会議を傍聴していた時の情景である。前列から5、6番目に座っていたが、ふと、居眠りしている人の姿が目についた。金日成主席が演説しているというのにである。
文化宮殿の広い場内を見渡すと、3分の1以上、いやもっといたかもしれない。主席壇でも副主席らが船を漕いでいた。
今でも印象に残っているが、仕事に熱心で疲れている証拠、と大目に見られていた。金日成もさして気にかけず、時折、代議員に質問を投げ掛け、冗談を交えて笑いを誘いながら盛り上げる余裕を見せていた。

ただ、前年の第6回党大会で後継者に決まった金正日書記は舞台裏でやきもきしていたようだ。後に、居眠りをしない闘争、なるものを呼び掛けていると知らされた。
しかし、たかが居眠りで幹部をとっちめることはなかった。むしろ、老幹部を大切にし、贈り物を欠かさず支持を求める奥ゆかしさもあった。
何の実績もない者が偉大な先代の跡目を継ぐ重さを心得ていたのである。

翻って金正恩にはそうした思慮や謙虚さがまるでない。張成沢ー金敬姫という金ファミリーの後見を自ら失い、全く余裕を失っているのである。虚勢を張り、力で押さえ付けようとすれば、自ずと結果は明らかである。
安倍首相も傲らず気負わず、相手を冷静に見て外交を進める必要がある。北朝鮮を出汁にして中国と事を構えようなどとゆめゆめ妄想してはならない。
イスラム国による日本人二人の人質事件は24日深夜、急展開した。フリージャーナリストの後藤健二氏の画像がネットに流され、手に持つ写真にもう一人の人質湯川遥菜氏と見られる人物が地面に横たわる姿が写っていた。
後藤氏は英語で、「遥菜さんが虐殺された写真だ。安倍よ、あなたが殺したのだ。人質をとった人々からの脅しを真剣に受け止めず、72時間以内に行動しなかった」と訴えた。

これについて安倍首相は25日深夜、「言語道断の許しがたい行為だ」と非難し、NHK番組で「痛恨の極みだ。信憑性は高い」と、殺害を認める発言をした。
どこか他人事に聞こえるのは、イスラム国を非難する割には、自身の行為に対する責任感が伝わって来ないからである。

テロ行為を繰り返すイスラム国が第一次的に非難されるべきは言うまでもない。
しかし、安倍首相に全く責任が無かったとは言えない。17日にエジプト大統領との会談で、「イスラム国対策として2億ドルを支援する」と約束している。
イスラム国が「イスラムの女子供を殺そうとしている」と安倍首相を名指し非難し、人質二人の殺害予告動画を流したのはその直後の20日であった。

これについて首相官邸は「全く予想できなかった」と述べているが、はたしてそうだろうか。
安倍首相は同年9月のエジプト大統領との会談で、「空爆でイスラム国壊滅」と述べている。遠いエジプトまで出掛けてそのような発言をすれば、相手側は挑発と受けとるであろう。
フランスでのテロ事件直後であり、西欧とイスラム圏との異常な緊張状態が醸し出され、日本には慎重な行動が求められていたのである。
私も安倍発言が報じられた18日、ツイッターに「バカな。部外者が首を突っ込むとイスラム圏の反発をくらい、過激派の標的になりかねない。大局から調整に動くべきで、安易すぎる」と書き込んだように、事件は十分に予測可能であった。

しかも、安倍首相の中東訪問前に既に二人が人質にとられ、民間人レベルで解放交渉が進展中であった。
それまでぶち壊した安倍首相の過失責任は免れまい。

おかしな事に、人質二人は自己責任とまるで突き放すような論調が一部で沸き上がっている。
自己責任とは自己の行為の過失に責任を負うことであり、安倍首相にも当然、それが訪われる。
でなければ、自己責任論は政権保身的な人質切り捨て論と変わらなくなる。

イスラム国は後藤氏解放の新たな交換条件として、ヨルダンで収監されているサジダ・リシャウイ死刑囚の釈放を求めている。
安倍首相が語る「国民を守る」が真実なら、人質解放に向けて責任ある対応をすべきである。
イスラム国非難に矛先を向け、報復感情を悪戯に煽るような体のよい責任回避はあってはならない。
ましてや、それをもって集団的自衛権行使に利用するようなことにでもなれば、日本まで泥沼の宗教戦争に巻き込まれることになりかねない。

日本は目先の利害でチョコチョコ動くのではなく、中国と共にキリスト教圏の西洋とイスラム圏の中東の歴史的な対立を解消する文明史的な大局から対するべきであろう。
安倍首相の危うさは、米軍は常に日本の味方をしてくれるはずだと思い込んでいるところにある。
「米艦が攻撃されている時、自衛艦が傍観しているようでは、同盟は成り立たない」と国会で繰り返し、集団的自衛権容認の閣議決定に前のめりになっているのは、そのためである。

しかし、米軍は常に日本の味方というわけではない。
北朝鮮という冷戦の遺物と対峙する時、日本の味方になることは100%間違いない。

だが、仮に、尖閣で険悪化している中国軍と自衛隊が交戦した場合、米軍が日本側に立って参戦する可能性はせいぜい20%であろう。
万が一にも、独島(竹島)で争う韓国と戦端を開いた場合はゼロである。ばかりか、朝鮮戦争を共に戦った韓国の側に立つことも十分にありうる。

むしろ、オバマ政権は安倍政権が歴史認識問題で韓中両国を無用に刺激し、地域で争いの火種を作ることを警戒している。
靖国参拝問題で安倍政権に厳しい警告を送り、河野談話や村山談話の見直しをしないように促しているのもそのためである。

つまり、オバマ政権は自衛隊に米軍の補完部隊としての役割向上を期待している。その限りで集団的自衛権は歓迎すべきものであるが、安倍政権がそれを口実に韓中と引き起こす紛争に巻き込もうとすることには否定的である。
ここに、安倍的集団的自衛権のジレンマがある。

安倍首相と有識者安保懇のブレーンたちは誤解しているが、オバマ政権に米国への核攻撃を公言している対北朝鮮以外に、アジアで軍事力を行使する意思はない。
イラク、アフガンから兵力を撤収している米国は「アジアに軸足を移す」(クリントン国務長官2011年11月)とし、地域で急台頭する中国を牽制しているが、その狙いはあくまでも、TPP交渉など米国に経済的利益をもたらす地域の安定である。
実際、ハーグ核サミットでの米中首脳会談でもオバマ大統領は「習近平主席と新たな二国間関係を強めていくことで合意している」と述べ、習主席は「新型大国関係を築く声明を称賛する」とエールを交わしている。

そうした流れに抗い、中国包囲網構築へと対抗意識を剥き出しにしているのが安倍氏とその支持層である。
戦後レジームのチェンジを標榜し、極東軍事裁判を否定する歴史観を隠そうとせず、軍事体制整備に邁進する安倍首相の姿は、米国の目に次第に異様に映り、米メデイアに時代錯誤の覇権主義を疑う声も出始めた。

安倍氏は日本が、戦前肯定的な歴史観に固執するほど多くの米国人に「リメンバー、パールハーバー」の記憶を呼び起こさせる米国の旧敵国であることを忘れているのではないか。
それは韓中のみならず、米国からも背を向かれるベクトルとして作用し、日本を自ら孤立化させていることに、いい加減気付いてよい頃である。

思うに、戦後世代の安倍氏と取り巻きたちは、歴史の断片を切り取った都合のいい情報をたらい回しするだけで、本当の歴史を知らない。
その好例が、ハルビン駅に建造された安重根記念館問題である。菅官房長官は「安は伊藤博文を暗殺したテロリスト」と反発したが、安は韓中日が協力して西洋帝国主義に対抗する東洋平和論の提唱者であり、朝鮮統監の伊藤を裏切者と誅殺した義士と韓国、中国で尊敬されている。
このギャップが安倍氏らの壁である。
歴史認識問題で躓いた安倍首相の外交的な孤立が深刻化している。
日本国内では13ヵ国を歴訪した地球儀外交と自画自賛しているが、一歩外に出ると全く正反対の声が聞こえてくる。
韓国、中国から門前払いを食らい、頼みの米国からも悪戯に地域の安定を乱していると胡散臭く見られ、日本の外交的な孤立は戦後最悪の状況と言っても過言ではない。

それを端的に示したのが、2日までブルネイで開かれた東南アジア諸国連合地域フォーラム閣僚会議における日本の存在感の薄さである。
岸田外相に精彩なく、米国のとりなしで韓国外相と安倍政権発足以来初の外相会談を30分ほど持つことができたが、歴史認識問題で釘を刺された。
中国外相とはすれ違っても目さえ合わさず、挨拶もなし。

対照的に、王毅・中国外相の存在感は際立っていた。米国、韓国、北朝鮮、ロシア、EU 、トルコなどと続けざまに2国間協議を開き、ASEAN との会議では南シナ海行動規範策定に向けた公式協議を9月に開催することで合意するなど、圧倒的な存在感を見せた。
これは海洋利権でASEANと共闘し、尖閣で対立する中国包囲網を作り上げようとしていた安倍外交が頓挫したことを意味する。

ここまで日中に差がついてしまったのは、周辺国全てと対立し、心許せる隣人がいないためにほかならない。
特に、韓国との関係疎遠化が大きなダメージとなっている。
閣僚会議直前、東アジアの経済大国の1つと一目おかれる韓国の朴槿恵大統領が米国に次ぐ訪問国に日本ではなく中国を選んだことはASEAN にも大きな波紋を引き起こし、日本離れと中国傾斜に弾みをつける結果になった。

安倍首相はロシアを中国包囲網に巻き込もうと対ロ交渉に力を入れようとしているが、これも絵に描いた餅である。
中国メディアは1日、房峰輝中国軍総参謀長とゲラシモフ・ロシア軍参謀総長が、中国海軍とロシア海軍が日本の目と鼻の先であるウラジオストク沖合で5日から12日まで合同軍事演習をすることで合意したと伝えた。
右傾化する安倍政権への警告との見方があるが、あながち的外れとも言えまい。

包囲網にはまっているのは逆に日本ということになるが、安倍首相が唯一頼りにする米国も議会が従軍慰安婦に公式に謝罪することを求める対日決議をし、オバマ大統領も先の日米首脳会談で安倍首相に注意を喚起している。
第一次安倍内閣時に安倍首相がブッシュ大統領に謝罪したことが明らかになっているが、事態は当時よりも険悪化し、元駐日大使らが公然と、誤った歴史認識が韓国との関係に亀裂を生じさせ、地域を不安定にさせていると安倍氏を批判しているほどだ。
国連規約人権委員会は7月、9月に従軍慰安婦問題を取り上げる予定であり、安倍首相への国際的批判は高まる一方である。

とりわけ、安倍首相が村山談話見直しに言及し、旧日本のアジアへの侵略行為や朝鮮への植民地支配を否定したことにワシントンは苛立ちを強めている。
安倍氏は日本の戦争責任を裁いた東京裁判に異を唱えたが、反省を自虐的と拒む歪んだ歴史観もさることながら、日本に対して厳しい目を向ける国際状況への認識が度し難いほどお粗末である。
日本の戦争責任を一から明らかにする第2の東京裁判開催を求める声が国際社会からわいてくる事態もあり得よう。

さすがに日本国内でも批判の声が高まっている。
田中均元外務審議官が国際会議に出ると日本の右傾化を批判する声が聞こえてくるようになったと毎日新聞インタビューで述べたのもその一つだが、安倍首相は早速フェイスブックで「外交を語る資格がない」とヘイトスピーチを煽る個人攻撃にすり替え、耳を傾けようとしない。
子供じみていると言えばそれまでであるが、来る参院選で優勢が予想されている自民党総裁・首相の発言となるとそうもいくまい。

安倍氏は内外の風当たりが強まるのを意識し、歴史認識問題を政治問題化すべきでないと交わしているが、国際社会ではすでに大きな政治問題化している。
安倍氏は日本を国際社会と対立して破滅的な戦争へと陥らせる過ちを二度と犯さないためにも、歴史観を隠さずに語り、国民の審判を仰ぐべきではないか。

歴史認識問題は安倍問題である。
一部の国粋的なグループに影響された安倍史観が国際社会における日本の道徳倫理的なイメージを大きく傷付けている。
さらに、経済的側面から見ても、世界最悪の財政赤字はますます膨らみ、貿易赤字急増で貿易立国の基盤が揺らぎ、財政規律無視のアベノミクスの足元を見たヘッジファンドに株価・国債金利乱高下を連日仕掛けられるなど不安定化する中、致命傷となりかねない外交的孤立を自ら招くのは愚の骨頂である。

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