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野田政権が独島(竹島)の領有権を国際司法裁判所に提訴するという。
尖閣(釣魚島)も提訴しないと下心があると疑われ、韓国が応じる可能性は100%ない。 韓国の立場は「領有権問題は存在せず、実効支配を粛々と強化する」というものである。 日本も尖閣に対して同様の立場を取っている。 自国の利益のみ考え、他の主張に耳を傾けないようでは、永遠に事は解決しない。 誰が見ても事態の緊急性は、中国人が上陸し、その釈放を巡ってもめている尖閣の方が遥かに高い。「領有権問題は存在しない」などと寝惚けている場合ではない。 矛盾した行動の背後に、中国は大国だからなるべく避け、韓国に圧力をかけるといった姑息な考えがあるとしたら、逆効果になろう。 その種の下心はすぐ見抜かれ、韓国、中国共同で日本に圧力をかける事態を生むだろう。 北方四島も含めて提訴するのが、論理的戦略的に正しい。 自民党政権以来の狭い国益優先のナショナリズム外交が完全に破綻したことを知るべきである。 |
日本の外交・安全保障
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日本中が反対するオスプレイを野田政権が米国の言うとおりに配備しようとしている理由は、玄葉外相の「南西諸島での抑止力となる」との一言に凝縮されている。
自民党推薦で防衛相になった森本氏は「抑止機能が下がることが周りの国に分かるのは防ぎたい」と述べているが、いかにも防衛大出身者らしい。
自衛、自衛と中国侵略を拡大し、自滅した旧関東軍的発想であり、1980年代以降に伸してきた日本型ナショナリズムの亡霊と言うべきであろう。
この種の発想には、自衛、抑止と自己正当化の言葉を連ねる独善はあるが、中国が抑止ではなく、挑発と考えている可能性について考える余裕も、想像性もない。
内にこもる自閉型ナショナリズムの典型である。
オスプレイ配備騒動の背景には、言うまでもなく尖閣問題がある。
中国大使の丹羽氏はフィナンシャル・タイムズのインタビューで、石原慎太郎都知事が唐突に持ち出した尖閣諸島購入計画について「実行されれば日中関係に重大な危機をもたらすことになる」と批判した。
丹羽氏の言動を自民党は「国賊」と批判し、更迭を主張するが、選挙目当ての欲で目が曇っている。
丹羽氏の言うことに客観性がある。中国から見れば、石原氏らの行動は明らかな挑発である。中国ネット世論は中国が軍艦を島に派遣すべきであるとする強硬意見で沸騰している。
石原氏は「自衛隊駐屯」を口にしているが、そのような無責任な言動が中国を刺激し、日中軍事衝突を招くのである。
石原氏は新党に注目を集めるパフォーマンスのつもりで国内世論をあおろうとしているが、手前味噌の火遊びもほどほどにすべきである。
日中軍事衝突になったら、日本は終わりである。
それは沖縄を軍拡競争に巻き込み、ひいては中国市場から日本商品が閉め出される結果を招こう。
日本の貿易収支は昨年来入超幅が拡大し、一番のお得意先の中国市場を失えば立ち行かなくなる。韓国に市場を奪われ、日本は韓国を通して輸出する下請け国に転落しかねない。
それはGNPの二倍に達する膨大な累積債務を抱える日本の財政危機を一挙に噴き上がらせるだろう。
一部の能天気な人は個人金融資産が1500兆円あると開き直るが、妄想が過ぎるのではないか。資産に愛国主義があるわけではない。日本国債が暴落の気配を見せたら我先に売りに出すことは間違いない。
オスプレイ配備にこだわる人は、「米軍がいれば中国は手出しをしない」と、米軍をあてにしているのであるが、現実政治を読み違えた、深謀遠慮ならぬ浅謀短慮である。
世界は米、中二大大国のゲームの最中にあり、米国にとって日本が重要であるが、駒の一つでしかない。
中国が本気で怒ったら、米国も日本に譲歩を迫るしかないであろう。
日本にはまだ大国幻想が徘徊しているようであるが、日本はもはや大国ではない。
1980年代にJapanasNumber1のナショナリズムが台頭し、米国とともに日本が世界を仕切るかのような幻想が自民党を中心に広まり、軍事力強化と集団的自衛権容認論に向かったが、全てはバブル幻想と知るべきである。
客観的に世界を俯瞰すれば、日本はよくてイギリス、債務構造からすればイタリア、スペインのレベルである。
軍事力で周辺国に対抗しようとするのは時代錯誤であるばかりか、国民を危険に陥れる冒険である。
バブル安保観から脱却し、身の丈にあった中庸外交に回帰する必要があろう。
日本が目指すべきは生活大国であり、平和、民主国家である。それが中国、韓国、北朝鮮の範となり、東アジア共同体を創出する、遠いが確実な道である。
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米国との軍事協力をなし崩し的に進める野田政権に対して、中国が強烈な反応を見せ始めた。
北京での日中韓サミットで胡主席は李韓国大統領と個別会談しながら、野田首相とはなし。 韓国以下の扱いである。 その直後、中国外相は経団連会長との会談をキャンセル。事務次官が代わりに会ったが、メッセージが込められている。 過度の対米依存は日中経済関係に影響するということである。 松下政経塾中心の野田政権は米国中心の古い考えに安住し、肝心な点が見えていない。 中国経済は日本抜きでも韓国で間に合う。 松下はサムソンにすでに負けたが、他の分野でも日韓逆転が起きよう。 他方、日本経済は中国抜きではやっていけない。 新しい現実を踏まえた外交が必要である。 |
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日中韓サミット共同宣言では、日本が求めた対北朝鮮批判は含まれなかった。
無視されたと言っても過言ではないが、十分に予想されたことであった。 日本の発言力が低下したということである。 韓国の李明博大統領も無視されたが、こちらは任期がさして残っておらず、国内でも反対意見が強い事情がある。 野田政権もその点では似たり寄ったりだが、国内世論は対北強硬意見に傾いている。 それでも中国に無視されたのは、米国に近寄りすぎ、警戒されたのである。
逆に、尖閣問題では「核心的利益」と釘を刺されている。 中国は同盟国であり、外交上の「核心的利益」である北朝鮮問題を日本と真面目に論じるつもりはない。 米国と話し、米国を通して日本に回答するにちがいない。 米国を日本の目上の同盟者、つまり、親分と見なしているからである。 |
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公的メディアで憲法違反の言説を吐くことは常識的にはありえない。 |





