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あら捜しか因縁付けの類の話で、対北朝鮮外交に意欲を見せていた前原外相が不本意な辞任に追い込まれた。
直接的には、弱体化した菅政権の足元を見透かした揺さぶりだが、問題を大げさにした背景には、拉致問題以来の在日朝鮮人への排斥感情がある。
昨日の朝日新聞の天声人語は「焼肉店の女主人も、よもや善意が足を引っ張るとは思わなかっただろう。・・・外相辞任という結果には、なぜか収まりの悪さが残る」と歯切れが悪い。
社説「外国人と政治献金」は「どうにももやもやが残る。まるで国家間の諜報を論じるようだ」と一歩踏み込んでいるが、社会風潮や世論に遠慮してか、やはり腰が引けている。
立小便も信号無視も違法であり、いくらでも個人攻撃の材料になりうる。
今回の前原氏の“政治献金”も形式上は違法だが、実害はない。
むしろ、内容的には美談に属する。
中学二年で父親を失い苦学していた前原氏を、近所の在日韓国人女性がみかねて少年時代から息子のように助けてきたという。
人情が希薄化している昨今、日本人が見てみぬふりをしていた隣人の助け合いを奇特な韓国人がしたわけであるが、それが人間として非難されるべきことであろうか。
母親が女手一つで苦労して育てた前原氏は一見クールだが、内面は人間関係に飢えた人情家だということだろう。
それを弱点と見るか人間的な魅力と見るか、見る人の人生観とも関連する。
西田参院議員は鬼の首でも取ったかのように、参院予算委員会で「外国人から5年間25万円の違法献金を受け取り、国益を損なった」と噛み付いた。 人情の何たるかを理解せず、何でも政争の具にする心無い行状というべきであろう。 産経新聞など一部メディアが待っていましたとばかりに前原叩きに同調しているのは、日本社会に外国人排斥の風潮、特に在日朝鮮人に対する敵愾心が台頭していることと関連している。
拉致問題以降、北朝鮮への腹いせに在日朝鮮人を迫害する傾向が露骨化しているが、脇の甘い前原氏はそれに巻き込まれてしまったようだ。
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在日・マイノリティー・差別
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石原慎太郎氏の人種差別は、ジェラシーと権力欲の裏返しの性癖のようである。
社民党党首の福島消費者・少子化担当相に対する「戸籍を証かせ」なる新たな差別発言は、1982年の「シール事件」で新井将敬の戸籍を不正に暴いた手口と全く変わらない。一種の病気ではないか。
何かと石原東京都知事を庇う産経新聞によると、23日の定例会見で福島・社民党党首が「帰化人発言は事実無根の差別発言」と撤回を求めたことに対し、「私は何も彼女を特定したわけじゃありません」と、発言の撤回を否定しながら次のように述べたという。
「日本と朝鮮の国々が合体したあの時の朝鮮半島の事情というのは、・・・朝鮮の国が議会で議決してね、日本を選んだというのはこれ歴史的事実でありますけど、朝鮮の人たちにしたら好ましくない、非常に鬱屈したものを与えたでしょう。そういう時代に生きた近い先祖を持った方々が日本にたくさんおられる。そういうものを反映した形で突然、今の与党が日本に永住している外国人に選挙権を与えるということは、私非常に危険だと思います。
福島さんが非常に不快な感じに言われるんだったら自分がそうでないということをね、自分の手で戸籍を証した方がいいんじゃないかと私は思いますけどね」
そう述べた上で福島氏が発言の撤回を求めていることに対して「私は何も彼女を特定したわけじゃありませんから。総論としてきたわけですから」と否定した。
いつものように弁明がましく話をあちこちに振り、自分勝手な理屈をこねながらの没論理的な発言だが、要するに言いたいことは、上に要約したことである。
韓国でもメディアが「右翼の人種主義者の石原がまた暴言」と伝え、外国人参政権問題が日本人の差別意識との関連で改めて注目されている。
前回指摘したように外国人参政権に反対する決議をした自治体は、韓国人観光客の誘致で少なからぬ影響を受けるだろう。
石原氏は「差別意識はない」と否定したが、一連の発言を差別と認識できないところに彼の差別意識の深い病巣がある。
差別の質の悪いのは、差別と知らず差別することである。一例として、石原氏は障害者に対して「彼らにも人格があるのかね」と、まるでモノを見るかのように蔑む発言をしたが、本人はいまだに差別発言とは思っていない。
特に、福島氏に対する「自分の手で戸籍を証した方ががいいんじゃないか」との発言は、石原氏の宿業みたいなものをうかがわせる。
石原氏は在日の新井の広報ポスターに「41年北朝鮮から帰化」とのシールを貼った「シール事件」で新井の除籍原本を不正に入手したとみられているが、福島氏への暴言はそれと全く同じ発想である。
以下は『代議士の自決ー新井将敬の真実』の「第一章石原慎太郎派の選挙妨害事件」のP23の抜粋である。
「除籍原本は、通常の戸籍謄本申請では出て来ない。
実際、問題の除籍原本をとったのは弁護士・小野孝徳氏であり、私の問いに小野氏は依頼があったことは認めている」
依頼主がシールを貼って現行犯逮捕された石原氏の公設第一秘書であり、石原氏が連帯責任を負うべきことは言うまでもない。
今や世界でも日本、韓国にしかない絶滅種の戸籍にこだわるのが二世代旧い石原氏らしいが、政治的な野心から手段を選ばず、他人の戸籍を暴こうとする習癖は終生直らないようである。
不思議なのは、日本のメディアがこうした重大な人種差別発言に見てみぬふりをし、中には「石原節」などと面白おかしく取り上げて助長していることである。欧米先進国ではありえないことである。
石原発言は、日本のメディアと社会の人権意識後退と歪んだ差別意識を映す鏡でもある。
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石原慎太郎・東京都知事が外国人参政権反対集会で「与党には親などが帰化した党首、幹部は多い」と発言したことに対して、社民党首の福島消費者相が「人種差別」と批判し、発言の撤回を求めた。
石原発言にまたかと顔をしかめた人は少なくあるまい。石原氏の人種差別意識は、新井将敬の広報ポスターに「41年北朝鮮から帰化」とシールを貼り付けた事件以来、つとに知られた事である。
石原氏は17日、都内で開かれた「全国地方議員決起集会」で、「与党には親などが帰化した党首、幹部は多い。先祖への義理立てか知らないが、日本の運命を左右する法律(外国人参政権)を作ろうとしている」と発言した。
これに対して福島消費者相は19日、国会内で記者会見し、「私のことを言っているのだと考えた。私も私の両親も帰化した者ではない。しかし、帰化した人は日本人であり、帰化した者ではない日本人と同等の権利・義務がある。石原氏のように、そのことを問題とすること自体、人種差別ではないか」と辛辣に批判した。
石原発言は悪意に満ちた事実誤認であり、故意的な人種差別発言である。
欧米なら主義主張を超えて猛烈な批判を浴びるところだが、日本のメディアは何故か寛容である。一部メディアは「石原ぶし」などと容認するかのような伝え方をするが、差別問題に対する日本社会の意識の後退がみてとれる。
4月からの高校無償化から朝鮮高校を除外し、国連人種差別撤廃委員会から「差別」と批判されたこととあわせ、内向きの島国意識が日本社会の劣化の一因となっていることをうかがわせる。
国士をきどった石原氏の人種差別意識は年季が入っており、確信犯に近い。
冒頭に述べたシール事件は、1982年に同選挙区であった旧東京2区に大蔵省出身の新井将敬が立候補することになり、広報ポスターを張り出したところ、5千枚とも言われた同ポスターの新井の顔上部にべったりと貼られた。
『代議士の自決』に詳しく書いておいたが、現行犯逮捕された犯人は石原代議士の公設第一秘書であった。石原氏は例のごとく「秘書が勝手にやった」と逃げたが、後にほとぼりがさめた頃、週刊誌で「帰化人は代議士になるべきでない」と、関与を事実上認めている。
新井は「田中角栄元首相の隠し玉」とか渡辺喜美・みんなの党代表の父親の「ミッチーの秘蔵っ子」と言われた有力候補であり、自民党内少数派閥の石原氏はジェラシーと脅威を感じ、嫌がらせをしたと言われる。
実際、旧東京2区で次第に新井に押され、小選挙区移行直前に「政界引退」を自ら公表した。ところが、新井自殺後、前言をいとも簡単に翻して東京都知事選に後出しジャンケンで出馬し、当選した。
こうした経緯から明らかなように、保身と権力欲から言辞をころころと変え、とりわけ人種差別発言で右派の支持を拡大するのが、石原氏の基本的な政治姿勢である。
今回の差別発言も外国人参政権反対運動にかこつけて自己の存在感を誇示し、立ち枯れ前にもう一花咲かせようとの欲心から出たものとみられる。
なお、老婆心から付け加えれば、外国人参政権に反対する地方自治体に対して韓国、中国など旅行者は「排外的で、危険」とのイメージを抱き、避けるとの見方も出ている。
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産経新聞をはじめとする保守系言論は夫婦別姓に頑なに反対しているが、滑稽なのは、それが日本の伝統文化であることに気付いていないことである。 |
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年末年始に住居がない失業者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」で当初利用者562人のうち200人以上が所在不明となっていると都が調査し、石原知事は「入所者のモラルの問題がある。『ごねれば言うことを聞く』とうそぶく。大きな反省の対象だ」と語り、規則違反者は強制退所にし、18日で派遣村の閉所を決めた。 |







