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在日の元総合格闘家として知られる前田日明(あきら)(50)が、来夏の参院選比例代表に民主党公認で出馬するという。
帰化した在日は係累も含めれば数百万に達する。それを政治的に結集できれば閉塞状況にあえぐ日本社会を活性化させる大きな力となろう。
前田氏には先輩格の新井将敬の果たせなかった夢実現へと力を発揮してもらいたい。
前田という名は今回初めて知ったが、1977年に新日本プロレスからデビューし、現在は総合格闘技「THE OUTSIDER」などをプロデュースしている。在日韓国人であることを公表し、日本国籍を取得しているという。
8月の衆院選で民主党候補の応援演説を行っているというから、参院選出馬は前から考えていたのであろう。
政治信条など詳しいことは分からないが、在日を公表して立候補することに意味がある。
先駆者の新井は、『代議士の自決ー新井将敬の真実』に詳しいように、1983年に東京2区から田中角栄のバックで自民党から出馬し、当選確実とされていたが、対立候補の石原慎太郎の公設第一秘書が新井の選挙ポスターに「北朝鮮から帰化」との黒シールを貼り、現行犯逮捕されるなどの妨害を受け、落選する。石原は「秘書が勝手にやった」と逃げたが、ほとぼりがさめた頃「帰化人は政治家になるべきでない」と雑誌で公言している。
新井は在日を公言して1986年の衆院選で当選した。後援会会長は現首相の鳩山由紀夫の父・威一郎であった。由紀夫は新井の選挙区内の田園調布に住んでいたが、同年、北海道から出馬し当選する。新井と由紀夫は東大工学部同窓でもあり、懇意にしていた。
新井は以後、同選挙区の石原との宿命的対決を繰り返しながら、4連続回当選する。90年後半に自民党改革派のホープとして注目され、現民主党幹事長の小沢一郎が自民党を割り、細川連立政権を樹立する口火を切った。自らも離党して新進党東京都連幹事長を務めるが、挫折し、自民党に復党する。
その後は自民党内でいじめに遭い、借名口座による株取引、日興証券への利益供与要求などという罰金50万円程度の形式罪で検察、マスコミの執拗な追及を受け、衆議院本会議で逮捕許諾の議決をする直前の1998年2月19日に品川のホテルで「死をもって無実を証明する」と言い残して首吊り自殺をする。
日本人一般の常識からすれば「なんでその程度のことで自殺を?」となるが、在日特有の一徹さがある新井は持論の「政治的な死」に基づく自決を決行したのであった。
改革派のホープであった新井を眩しく見ていた凡庸な安倍晋三がその後首相になり、政界同期の鳩山由紀夫が現首相であるから、東大ー大蔵省から嘱望されて政界に転じた新井も早まらずに生きていたら、首相になれた可能性が素質的には十二分にあった。
在日初の首相が誕生していたら、日本はもっとオープンで活性化されていたであろうし、少なくとも、安倍・麻生太郎・中川昭一の閉じこもり症坊ちゃんトリオがここまで排外的、閉塞的にしてしまうこともなかったに違いない。
前田は新井のような秀才型ではないが、新井に欠けていた逞しさがあるように見受けられる。
新井の果たせなかった夢実現に一歩でも近づき、後に続く後輩の範になってもらいたい。
在日が日本社会で政治的な発言力を有することは、在日にとっても日本社会にとっても有益なことである。
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