河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

在日・マイノリティー・差別

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 在日の元総合格闘家として知られる前田日明(あきら)(50)が、来夏の参院選比例代表に民主党公認で出馬するという。
 帰化した在日は係累も含めれば数百万に達する。それを政治的に結集できれば閉塞状況にあえぐ日本社会を活性化させる大きな力となろう。
 前田氏には先輩格の新井将敬の果たせなかった夢実現へと力を発揮してもらいたい。

 前田という名は今回初めて知ったが、1977年に新日本プロレスからデビューし、現在は総合格闘技「THE OUTSIDER」などをプロデュースしている。在日韓国人であることを公表し、日本国籍を取得しているという。
 8月の衆院選で民主党候補の応援演説を行っているというから、参院選出馬は前から考えていたのであろう。

 政治信条など詳しいことは分からないが、在日を公表して立候補することに意味がある。
 先駆者の新井は、『代議士の自決ー新井将敬の真実』に詳しいように、1983年に東京2区から田中角栄のバックで自民党から出馬し、当選確実とされていたが、対立候補の石原慎太郎の公設第一秘書が新井の選挙ポスターに「北朝鮮から帰化」との黒シールを貼り、現行犯逮捕されるなどの妨害を受け、落選する。石原は「秘書が勝手にやった」と逃げたが、ほとぼりがさめた頃「帰化人は政治家になるべきでない」と雑誌で公言している。
 新井は在日を公言して1986年の衆院選で当選した。後援会会長は現首相の鳩山由紀夫の父・威一郎であった。由紀夫は新井の選挙区内の田園調布に住んでいたが、同年、北海道から出馬し当選する。新井と由紀夫は東大工学部同窓でもあり、懇意にしていた。

 新井は以後、同選挙区の石原との宿命的対決を繰り返しながら、4連続回当選する。90年後半に自民党改革派のホープとして注目され、現民主党幹事長の小沢一郎が自民党を割り、細川連立政権を樹立する口火を切った。自らも離党して新進党東京都連幹事長を務めるが、挫折し、自民党に復党する。
 その後は自民党内でいじめに遭い、借名口座による株取引、日興証券への利益供与要求などという罰金50万円程度の形式罪で検察、マスコミの執拗な追及を受け、衆議院本会議で逮捕許諾の議決をする直前の1998年2月19日に品川のホテルで「死をもって無実を証明する」と言い残して首吊り自殺をする。
 日本人一般の常識からすれば「なんでその程度のことで自殺を?」となるが、在日特有の一徹さがある新井は持論の「政治的な死」に基づく自決を決行したのであった。

 改革派のホープであった新井を眩しく見ていた凡庸な安倍晋三がその後首相になり、政界同期の鳩山由紀夫が現首相であるから、東大ー大蔵省から嘱望されて政界に転じた新井も早まらずに生きていたら、首相になれた可能性が素質的には十二分にあった。
 在日初の首相が誕生していたら、日本はもっとオープンで活性化されていたであろうし、少なくとも、安倍・麻生太郎・中川昭一の閉じこもり症坊ちゃんトリオがここまで排外的、閉塞的にしてしまうこともなかったに違いない。

 前田は新井のような秀才型ではないが、新井に欠けていた逞しさがあるように見受けられる。
 新井の果たせなかった夢実現に一歩でも近づき、後に続く後輩の範になってもらいたい。
 在日が日本社会で政治的な発言力を有することは、在日にとっても日本社会にとっても有益なことである。

 昨年度に学校を病気休職した教職員は8578人(全体の0・94%)のうち、63%に当たる5400人を精神疾患が占め、いずれも昭和54年の調査開始以降、過去最高となったことが文部科学省の調査で分かった。精神疾患を理由とする休職は16年連続の増加という。
 自民党長期政権下の教育右傾化と教員いじめが要因と思われる。

 調査対象は公立小中学校と高校の教職員ら計約91万6千人で、教員の精神疾患について各教育委員会は(1)生徒指導や教育内容への変化に対応できない(2)教員同士のコミュニケーションが減少し、相談相手がいない(3)多忙によるストレス(4)保護者や地域の期待や要望が多様化し、対応が困難−などを挙げている。
 年代別では50代以上が36・8%で最も多く、40代の36・1%、30代の20・6%が続いた。教員全体の年齢構成比では50代以上は32%、40代は36%で、50代以上で発症比率が高い。

 ベテラン教員の発症比率が高いという、先進国では異例の状況は、教育現場に異変が起きたことをうかがわせる。
 安倍政権下で憲法違反の疑いがある、戦前の教育勅語を真似た教育基本法改悪が強行されるなど、憲法空洞化、反動化現象が教育現場を混乱させたことが大きいだろう。
 自民党文教族と文部官僚による日教組への締め付けなどがそれに拍車をかけたとみられる。

 そうした中、文科省検定課や、東京都、杉並区、横浜市などの教育委員会が「新しい教科書を作る会」と結託し、アジア諸国を敵対視するトンデモ教科書を教育現場に押し付けるという異常事態が起きている。
 特に、石原ワンマン都政下では東京都教育委員会が極端に右傾化し、日の丸、君が代を教育現場で強制的に使用させ、反対する教員を排除する物理的な手段まで講じている。

 先進国ではありえない一連の異常事態は自民党長期政権の腐敗の産物であり、政権交代で正常化する段階にきた。
 自民党は政権から排除されたが、それと長く癒着してきた文部官僚、文部官僚出向組が牛耳る教育委員会の大掃除はこれからである。

 教育先進国のフィンランドでは文部省や教育委員会などはなく、学校の教育現場にヒト、モノを集中させている。参考にすべきではないか。
 教育現場に余計な指示や命令を出す中間物を除去し、教員がゆとりをもって子供の教育にあたれる環境を整備すべきであろう。 

 東京オリンピック招致運動は、石原慎太郎氏が知事選で公約にぶち上げ、先に手を挙げていた福岡から後出しじゃんけんでかっさらい、150億円以上の巨費を掛けて強引に進めてきた、慎太郎による慎太郎のための慎太郎のお祭り騒ぎであった。
 なりふり構わずにカネをばら撒いた割には、都民がしらけ、全く盛り上がらなかったのは当然のことであった。都民の一人である私も、「他にもっとやることがあるだろう」という声は聞いても、オリンピック招致に賛成する声を周囲で一度も聞いたことがない。

 10月26日からの都議会では石原知事の責任問題が厳しく問われることになるが、当人は予防線のつもりか、早くも他人事のような逃げ口上を並べている。
 石原氏の独りよがりの産経コラム「日本よ 石原慎太郎 我、敗れたれども」(10・12)で招致失敗の理由について「自民党の総裁選挙みたいなもので、IOCにおける人事をふくめた派閥の角逐、その相剋が特定の人物を構えてことを進めてきた」とIOCの体質なるものを問題視している。
 勝手にやっておいて失敗すると他人に責任を転化するのはいつものパターンだが、リオデジャネイロなどからは非難の声が上がっており、東京のイメージを貶めた責任がさらに問われることになろう。

 東京の惨敗は当初から分かっていたことである。ビジョンや理念に欠けていたからだ。石原氏は環境、財政、コンパクト性など後付で色々持ち出したが、平和の祭典に相応しいキャッチフレーズが最初から欠けていた。
 出発が都知事再選の政治的な野心であったことが、最後まで響いたのである。

 そもそも石原氏はどの国のIOC委員の支援を当てにしていたのか。
 東京落選を朝鮮日報など韓国紙が「レイシスト(人種主義者)の敗北」と伝えたように、周辺アジア諸国に東京をまともに支援する国はほとんどなかった。福岡が名乗りを上げていたなら、韓国、中国なども諸手を挙げて協力したであろうが、石原慎太郎という名が出てからはすべて腰を引いてしまったのである。「南京虐殺はなかった」「従軍慰安婦は嘘だ」「関東大震災で朝鮮人虐殺はなかった」などと公言する人物が、アジアの支持を求めること自体が滑稽なことである。

 さらに、石原慎太郎氏には同じ旧東京二区で争った在日出身代議士の新井将敬を「帰化人は代議士になるべきでない」と排斥し、公設第一秘書に新井の選挙ポスターに「北朝鮮から帰化」のシールを貼らせた前科がある。栗本慎一郎に言わせると新井の自殺は「いじめ殺し」であるが、その先頭に立ったのが石原氏なのである。
 韓国紙が「レイシスト」と石原氏を批判するのは、それに対する謝罪を未だにしていない不誠実な態度を指している。

 石原氏はゼネコンぐるみでオリンピック景気を醸し出し、石原都政の世襲化を目論んでいたのであろう。あるいは心中、ナチ時代のベルリンの「民族の祭典」の再現を狙ったのかもしれないが、時代錯誤も甚だしい。
 築地移転、石原銀行問題などとあわせ徹底的に積年の膿を洗い出す必要がある。
 それが右翼ポピュリスト知事の下で堕落した東京再生の第一歩となろう。

 広島・長崎オリンピック招致には大賛成である。何よりも、核軍縮という時代精神に沿った大義名分がある。
 これにはアジア諸国も共鳴するのではないか。韓国の釜山市が立候補するとの情報があるが、広島・長崎には譲ってもらいたい。
 広島・長崎両市関係者には、北朝鮮で満足な治療も受けられずに放置されている元在日朝鮮人被爆者をも包摂する地域和合の人間性あるビジョンを打ち出してほしいものである。
   

 もともとは公費流用・都政私物化疑惑などで劣勢に陥った石原慎太郎の知事選での人気取りとして始まったいわく付の東京五輪招致だが、昨日の外国人記者会見での石原知事の一言で、風前のともし火となった。
 IOC評価委員会が現地調査を終えた直後の16日の記者会見で、英人記者に「朝鮮への過酷な植民地支配を否定していることに、韓国では東京オリンピック開催に反対する声があるが、どう思うか」と問われ、「欧州の植民地統治に比べ、日本の統治は公平で優しかったと故朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領から聞いた」と答えたのである。
 韓国メディアは一斉に「石原がまた妄言」と伝え、韓国票は確実に失った。もともと可能性の低い五輪招致は赤信号が点灯したと言えよう。
 http://news.kbs.co.kr/article/world/200904/20090417/1760441.html
 http://www.yonhapnews.co.kr/international/2009/04/17/0601010100AKR20090417052000073.HTML

 石原氏への韓国でのイメージは「人種差別や性差別的な発言を繰り返す」「日本の保守・右傾化を主導」というのが一般的である。今年1月にも「北朝鮮は中国に統合された方がよい」と情勢認識能力の欠落をうかがわせる発言をし、問題となった。
 石原氏もそうしたイメージが五輪招致にマイナスと心得て、記者の質問を「五輪招致と関係ないことを聞くな」と遮ったが、再度聞かれ、しぶしぶ答えた。

 いつものことだが、彼の卑しさは、問題を曖昧にしながら、他人に責任を巧妙にすりかえることだ。
 今回も「植民地統治がすべて正しかったとは言ったことはない」と逃げながら、「しかし」と続け、上記の発言を「朴大統領から直接聞いた」とし、「韓国のある種の人たちには朴元大統領の言葉は心情的に納得できないだろうし、特に若い世代には伝えにくいメッセージだ」とはぐらかした。

 一緒に聞いた第三者がいないので、朴元大統領が言ったか石原の虚言か証明する術はない。
 だが、朴正熙研究者として言わせてもらうならば、石原氏の言う意味で朴元大統領が日本の植民地支配を正当化したとは、理論的に考えにくい。

 今朝の毎日新聞コラム発信箱に「100年前の朝鮮報道」というのがある。
 「大阪毎日新聞特派員、高石真五郎がオランダ・ハーグから放ったスクープ記事は、一大センセーションを巻き起こした。1907年、韓国密使事件の始まりである。日露戦争の勝利を背景に、この2年前に結ばれた日韓協約で韓国の外交権は奪われていた。皇帝・高宗は日本の強圧による協約の無効をハーグ平和会議で訴えようと、3人の使節を派遣したのだった。
 ・・・密使を探しだし面会した唯一の日本人として、彼らが露英米仏に取り合ってもらえないことなどを連日報じる。・・・使節たちは高石を信頼し、内実を詳しく打ち明けていた。『赤心より国家の衰亡を憂ひ、進んで此(この)任に当れる如(ごと)き概あり』 立場は違っても、高石は使節への賛辞を惜しまなかった」
 http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/

 石原氏が本当に日本国家を憂う国士なら、密使らの気持ちが分からないはずがない。
 ユニークな国士であった朴元大統領は、分かっていたことであろう。

 石原氏は自分の正直な言葉で、特に公職の東京都知事として、朝鮮植民地支配をどう考えるか答えるべきであった。
 作家だからとフィクションを装ったようにごまかす言葉遣いは、自身の言葉の信憑性を疑わせるだけである。

 自ら招致委員長を務める東京五輪のキャッチフレーズを「環境」「平和」とするが、まともに受け取る人がどれだけいるであろうか。
 汚染物質が埋められた東京ガス跡地への築地魚市場移転などを強行し、何の環境か。日本の核武装を主張する人物が、平和を口にする資格があるだろうか。

 東京五輪には膨大な資金が投入され、政府が保証するというが、破綻寸前の財政を一層悪化させるだけである。
 3兆円の経済効果があるとバラ色の幻想をまくが、新銀行東京設立時にも景気良い言葉を連ね、1400億円もの焦げ付きを出しても、一切責任を負おうとしない。私財で少しでも補填するようにと住民監査請求が行われているが、それに答えるのが先であろう。

 その都度言葉をくるくると言い換えながら世論を惑わし、自己の利益を貪欲に追求する―残念ながら、石原氏にはそうしたイメージが付きまとう。
 東京五輪招致も、自己の失政を覆い隠し、東京を石原ファミリーの政治資産化しようとの石原氏の個人的な野心・欲望と無関係ではなかろう。

 それを目の当たりにしてきた東京都民は、オリンピック招致にはしらけている。
 不況対策など、東京には都民の生活を守るためにすべきことが山積している。石原オリンピックに浮かれている場合ではあるまい。

 先程、新報道2001で派遣労働の功罪について、人材派遣会社社長を交えて侃々諤々の議論を交わしていたが、肝心なことが抜けていた。
 意図的なのか、気付いていないのか不明だが、本質的なことが抜けている。派遣労働者にいくら実質賃金が渡り、人材派遣会社などにピンはねされている分が不透明なことだ。
 労働への対価が正当に評価されず、その過程で不正があったことが明らかにされなければいかなる論議も机上の空論でしかなくなる。

 労働派遣法は特定職務への需給調整策として99年に制定されたが、04年に製造現場への派遣労働が解禁されてから、違法派遣、偽装請負、日雇い派遣、登録派遣と世間の目を欺くように様々な形態を取りながら、今では大企業にまで波及している。
 現在では全就業者の三分の一以上が非正規雇用となり、派遣労働者は公称300万人という。その少なくない部分がまじめに働き、努力しても最低生活レベルをさまようワーキングプアであり、不況の深刻化の中で、雇用調整という名目で突然首を切られ、住む場所もなく、今日明日の食費にも困っている。
 元派遣労働者が餓死、というニュースまであった。
 
 事態がここまで悪化しているのに、件の侃々諤々の議論では、労働意欲が低い、キスルがない。雇用の流動化、国際競争力等々といった的外れの議論をとうとうと繰り返していた。
 一時は時代の寵児かのようにもてはやされた人材派遣会社社長は、人材派遣には二種類あり、まじめな会社は迷惑しているみたいなことをいっていたが、経営の透明性に関してはまったく口をつぐみ、他のゲストも触れることはなかった。
 派遣先からいくら支払いを受け、労働者に渡る分はいくらか。経費天引きなどはないのか、それをまず明らかにするべきであろう。
 
 聞くところでは、人材派遣会社には、労働者に渡る賃金以上の報酬を受け取っているのがあるという。
 グッドウィルを例に挙げるまでもなく、人材派遣会社が多くの利益をあげ、急成長すること自体が異常なのである。その分、労働者の手取りが減る、つまり、中間搾取され、労働力の健全な再生産を阻害しているからだ。

 派遣労働問題は、ハローワークを充実させるなど、国なり地方自治体の力でその種の非生産的な中間搾取をなくすとろに問題解決の出口がある。
 そのためには、人材派遣会社の経営透明化が必要不可欠である。

 労働者が十分に働ける環境なくして企業も、国の発展もありえない。
 ワーキングプアを生んだ現況である労働派遣法などは、雇用調整ではなく雇用崩壊をもたらすものであり、即刻廃止すべきである。
 人材派遣会社に頼る企業経営者は、モラル性に問題があるばかりか、経営者としての創造性や能力に欠けるというべきである。


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