河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

在日・マイノリティー・差別

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 市場のグローバル化とともに進行している先進国における絶対的貧困化の原因は、一つは、国際金融資本の跳梁である。
 その典型が、ヘッジファンドなど米資本を中心とする国際的な投機的資本である。

 他の一つは、それに迎合する国家権力(超大国・米国と一連の追随国)である、
 いわゆるレガノミックスに始まる新自由主義経済が市場経済のグローバル化に乗って拡散し、規制緩和という聞こえのよいスローガンとともに国境を超えた労働力と資源の収奪と搾取を可能にしたのだ。

 ならば、これを阻止し、人々の暮らしを守るにはどうしたら良いのか?

 資本が儲け=利潤を貪欲に追求するのは、本性的なものである。
 投資家は儲かりさえすれば、食糧や資源を買い占め、派遣などの低賃金システムを作り上げ、平気で人々を苦しめる。

 それを防ぐには、資本主義制度をなくすか、抑制するしかない。
 社会主義、共産主義はそれを目指したが、盟主のソ連邦が自滅し、残る中国、北朝鮮、ベトナム、キューバは悪戦苦闘中である。

 残る希望は、資本主義諸国の民主主義システムと人々の覚醒と自覚であるが、リーマンショックで否応なしに目を覚まされるまで、新自由主義経済バブルに酔っていたように、いかにも心許ない。
 かすかな希望は、オバマ次期大統領だ。黒人大統領はそれだけで劇的で、大きなチェンジを期待させるが、どうだろう。最悪のブッシュよりましかもしれないが、疲弊しきった米社会にそれだけの自浄能力が残されているたろうか。

 貧困のグローバル化を防ぐには、世界的な左翼・リベラルの復興・復権しかなかろう。
 労働者派遣法に対峙して労働者の生存権を守る労働三権が資本主義国の憲法に登場したのは、もともとロシア革命の波及を恐れてワイマール憲法に規定されたのが始まりである。

 ソ連邦崩壊でライバルが消えた資本主義諸国の支配層は、誰憚ることなく勤労大衆への収奪と搾取が可能になったと、驕っている。
 それが根本的な誤り、と気付かせる必要がある。

 その契機となるのが、ブラジル、アルゼンチンなど中南米に次々に誕生している左翼政権が、その契機となる可能性がある。
 日本に於ける自民党政権崩壊の予兆は、そうした世界史的な動きと、あるいは連動しているのかもしれない。

 市場のグローバル化の背後で進行しているのは、豊かなはずだった先進国における絶対的貧困の再現である。
 だが、為政者ですらその事に気付いていない。日比谷公園の年越し派遣村に関して坂本総務政務官が「本当に真面目に働こうとしている人たちか」と発言して顰蹙を買ったが、麻生首相もハローワークで同様な食言をしている。
 事態は彼らの理解能力を遥かに超えており、自民党保守政権の限界を如実に物語る。

 日本に絶対的貧困を復活させた元凶が99年の労働者派遣法だが、御手洗キャノン会長=経団連会長は「グローバルな競争力強化のために必要だ」として、偽装請負まで合法化することを求めている。
 彼の言う“規制緩和と労働改革”は憲法が規定する労働三権の骨抜きであり、資本の側から自民党の改憲論を強力にバックアップしている。

 キャノンの台頭は、03年以降の見せかけの好景気の縮図と言えよう。
 生産拠点を中国などに移転せず、リストラもしない。社員を大切にし、日本型雇用を守っている、と御手洗経営は一時はもてはやされ、経団連会長に推されたが、その実、社内では早くから、低賃金の下請社員を自社工場で大量に働かせる偽装請負をしていた。

 要するに、国内工場で中国に負けない低賃金システムを作り上げていたのである。
 それがやがて一つのモデルとなり、派遣、期間契約社員などの非正規雇用を製造業に呼び込んでいく。
キャノンがCCDといった特殊半導体を用いてデジタルカメラ市場を開拓した功績は大だが、その果実を従業員に満遍なく還元しなかった歪な経営は、指弾されるべきである。

 キャノンから見えてくるのは、国際競争力の名分の下で、労働者の賃金が限りなく発展途上国の低賃金に近付いていく現実である。
 すなわち、貧困のグローバル化である。
 東京のど真中で、北朝鮮やその他発展途上国におけると同様の困窮現象が起きているのは、決して偶然ではない。

 米金融資本を中心とした市場のグローバル化はリーマン破綻で矛盾を露呈したが、その背後で進行しているもう一つの深刻な現象については、意外と見逃されている。
 貧困のグローバル化である。

 豊かな国のはずだった日本でも、昨年来、派遣切りや期間労働契約中途打ち切りなどで数千、数万の人々がいきなり住む所を失い、食うや食わずで寒風吹きすさぶ路頭をさ迷う事態となった。
 それは氷山の一角であり、明日は我が身と不安を募らせる国民は少なくない。

 一生懸命働いても満足に食えず、働く場所さえない絶対的貧困問題が再現したのである。
 多くの低開発国や、或いは、昨今マスコミを賑わしてきた北朝鮮などでよく見られる悲惨な状況が、何故、時計の針を三、四十年巻き戻したように姿を表し、東京のど真中の日比谷公園テント村に、難民さながらに人々が群れるのか。
 それは、高度成長により国民総中流化を実現し、貧困問題を解決したかに見えた自民党長期政権の破綻と欺瞞性を如実に示している。

 その象徴が、労働者派遣法だ。
 それにより、かつては暴力団の資金源となるとして禁止されていた手配士によるピンハネ行為が合法化され、派遣、契約社員、偽装請負と名を変えて、奴隷労働の代名詞であった蟹工船や蛸部屋が全国津々浦々の企業に出現したのである。
 代表格が偽装請負で業績を伸ばしたキャノンで、功労者である御手洗前社長は、自民党最大の支持団体である経団連会長となり、今も、憲法が規定する労働三権を骨抜きにする“労働改革”の旗を振っている。

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 最初に手を挙げた福岡だったら、オリンピックも悪くなかったのだが、地方荒廃と東京一極集中を助長する東京オリンピックなどは、百害無益である。
 それともう一つ、慎太郎トンビが得意の後出しジャンケンでかっさらった東京オリンピック招致運動には、結果的に、ワンマントンビが大号令した杜撰なバラマキ経営で都税1000億円超を不良債権化した新銀行東京を巡る薄汚い利権の闇から、人々の目をそらすことになる。

 それが隠された悪知恵、と言っても的外れではなかろう。
 「夢がある」「日本を元気にする」などと乗せられ、能天気にはしゃいでいる場合ではない。

 石原銀行は、都知事二選の集票スローガンであった。
 同様に、東京オリンピック招致は三選のキャッチコピーで、しかも、都政私物化批判を交わし、破綻が表面化しつつあった石原銀行問題から都民の目をそらす狙いがあった。

 この構図は今も変わらないが、少なからぬからぬ都民がまだ騙されている。
 私も都民だが、石原都政が始まってからの都民は、六本木ヒルズが象徴するように、エゴ的かつ享楽的になり、質がかなり悪くなった。

 噴飯ものなのは、石原トンビが、石原銀行破綻の責任を他に押し付け、逃げ回っていることである。
 昨年末の国会委員会でも参考人招致されながら、あれやこれやの口実をつけ、応じなかった。

 石原銀行には多数の不正融資が発覚し、逮捕者まで出している。長男の石原伸晃代議士の秘書による口利きなど、石原ファミリーの関与も指摘されている。
 先頃、金融庁までが東京都庁との不透明な関係を挙げて杜撰な経営改善指導をしたが、石原知事は都民並びに国民に全て明らかにする説明責任がある。

 ことは金融秩序の根幹を揺るがしかねない重大問題である。
 参考人招致に応じない以上、証人喚問をして解明する必要があろう。

 石原知事が東京オリンピック招致を真面目に考えているなら、石原銀行破綻に対する自身の責任をまず明らかにすべきは当然のことである。
 自身の言動に責任を負わない人物が、何を言っても信用されない。

 悪知恵トンビの狙いを暴くことは、それほど難しくはない。
 東京オリンピックムードを煽って石原銀行不祥事に蓋をし、与党不利が伝えられる都議選を挽回し、あわよくば、その余勢を駆って総選挙の流れを変えようということであろう。

 それにより、石原ファミリーによる都政の私物化は完成し、国政でも伸晃首相の目が出てくるというわけである。
 超党的なオリンピック招致活動がぞろ始まり、野党の民主党議員まで巻き込もうとしているが、巧妙な翼賛運動に乗せられないように要注意である。

 石原親子が縄張りとする葉山のヨットハーバー管理事務所に押しかけ、因縁をつけて脅し、市管理から息のかかった民間管理とし、事実上ファミリー御用達とするために圧力をかけているとの記事(週刊現代)は目にしたが、派遣切りされた労働者らのために何かしたとのニュースは、耳にしたことがない。
 東京都庁に、腐臭漂う貴族趣味の特権階級は不要である。
 日本再生は、首都東京からクリーンにすることから始まる。

 中国の外国債買い上げに、外交的な思惑が潜む危険性はある。昨年、コスタリカの国債3億ドル購入は、台湾と断交した見返りであった。
 しかし、その面だけに目を奪われ、臆病風をふかしていると本筋を見失うだろう。

 米国債の大量購入は相互依存性を深める経済関係をベースに、戦略的な互恵関係を構築する思考回路から生まれたところに、本質的な意味がある。
 日中間にも同様な物質経済的な条件が醸成されつつあり、残るは時間と主体的な意識=政策選択の問題とみられる。

 中国にとって日本経済の発展は自国経済発展の必要条件であり、日本の財政破綻はそのシナリオを狂わせる。従って、時には支援という政策的判断が働く局面も考えられよう。
 日本としても、特に反中愛国派がこだわるメンツといったメンタルな部分を除けば、紐付きでない限り、中国による日本国債購入を、歓迎こそすれ、拒む理由はなかろう。

 とは言え、誰が国債を買うにしろ、すでにカウントダウンは始まっており、日本が国債依存体質から脱し、累積赤字を減少させなければ、いずれ破綻は必至である。
 消費税率を上げ、国民に負担を転嫁するのは最後の、更なる景気後退を引き起こすリスクを伴う手段であり、その前に、政策的な創造力を駆使する必要がある。

 第一は無駄を徹底的に省き、限られた財源を選択と集中で有効活用することだが、これが、既得権益や旧思考が障害となってなかなか難しい。
 無駄な公共事業や天下り、埋蔵金などなど議論百出しているが、意外と見逃されているのが、私が以前から提唱している“北朝鮮コスト”である。

 イージス艦やミサイル防衛システムなど「北朝鮮の脅威」に対抗するとしてこれまで数兆円の費用が投じられてきたが、見方によっては、全くの無駄、田母神前空幕長のような軍事オタクの馬鹿高い玩具代とも言えよう。
 異論もあろうが、いずれにしても外交力を高め、北朝鮮と友好関係を結べば不必要となる部分である。
 大統領の訪朝直前までいっていたクリントン元政権の外交スタッフが横滑りするオバマ政権誕生で米朝関係が劇的に進展することが十分に予想される状況であり、日本も空気を先読みした戦略を立てる時期に来ている。

 さらに言えば、日本にとって必要なことは、北朝鮮を含む近隣諸国とwinwinの関係を構築することである。
 日本がいまだにそうした隣人を持てないことが、不必要に緊張を高めて外交的軍事的な負担を増大させ、経済的なチャンスをみずみず失う一因となっている。
 それについては近著『証言』に詳しいので、参考にして頂きたい。


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