河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

在日・マイノリティー・差別

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 最近、田中角栄が人気だが、苦しいときの神頼み、の面がある。
 投機的なファンドが横行する極端な信用膨張がはじけ、過剰生産に陥った世界的な資本主義経済システムを再生するには、恐慌と言う暴力的な方法で生産調整するか、大規模な財政出動で有効需要を喚起するしかない。第二の角栄待望論も、その脈絡から出ている。

 だが、角栄が日本列島改造論で全国に高速道路、新幹線を造り、経済を活性化させた夢の再現は難しい。と言うよりも、財政破綻という悪夢になる危険性すらある。角栄が国債を乱発し、強引に大規模公共工事を起こした付けが、膨大な財政赤字となってのし掛かっているからである。
 財政出動の緊急性は誰もが認めながら、どこか腰が引け、財源を巡って与野党巻き込んだ激しい論戦が巻き起こっているのは、そのために他ならない。

 財源不足を国債=借金で補おうとしても、リスクが年毎に高まる国債を、誰がいつまで買ってくれるか、と誰もが密かに恐れている。
 愛国心に訴えながら、その時を引き延ばすのも自ずと限界がある。

 その意味で、中国による日本国債の買い占めは、時間の問題とも言えよう。
 こうした見方はまだ誰もが示しておらず、大方は「ありえない」と拒絶反応を起こすが、実は、少し前まで米国も同様であった。

 しかし、今や外貨準備が1兆9000億ドルと世界一となった中国は、今年9月末で5850億ドルの米国債を所有し、日本を抜いて最大の債権国となった。つまり、日本に次ぐ累積赤字を抱える米国の財政赤字を埋め合わせているのである。
 オバマ次期大統領は6日、50年代以降最大の投資規模となる「経済回復計画」を発表した。総額5000億ドルの経済対策を準備していると伝えられるが、中国の米国債購入額とほぼ一致する。

 同じことが日本で起きないと、誰も保証できない。
 狭量な愛国心に凝り固まった人々には不快なことかもしれないが、それは中長期的には、日本経済にとっても決して悪いとは言えないのである。

 中川秀直元自民党幹事長が「なし崩し的な歳出削減枠の撤廃は、日本経済全体の沈没につながる」と、麻生首相が09年度予算編成で示した大幅財政出動の景気対策に反対の声をあげている。
 麻生発言は、歳出に上限を設ける概算要求基準を事実上取り払い、財政再建路線を転換させるというものだ。小泉構造改革路線の柱だった基礎的財政収支の11年黒字化目標も先送りされ、一体、小泉政権は何のために存在したのか、という話になる。
 中川氏が「日本沈没」まで口にし、景気対策が自民党を二分する権力闘争に発展しつつあるのは、窮すれば鈍すとの言葉があるように、財政事情が極限まで悪化していることを物語る。

 雇用情勢が急速に悪化するなど、眼前に広がるのは、百年に一度の危機と言われる世界的な金融危機である。それを乗り切るには大規模な財政出動、金利政策が必要との認識は、先のサミットでも確認されている。
 しかし、麻生政権は定額給付金でもたつき、二次補正予算をいまだに出さず、口ばかりで何もしていない。
 9月以降、輸出や国内消費が急速に落ち込み、貿易赤字、倒産、失業と実体経済が揺らぎ始めており、事態は“麻生不況”から日本型恐慌に発展する様相を帯び始めている。

 何故肝心なときにもたつくのか?
 一つは、支持率急落でレームダック化した麻生首相が「政局より景気」と、景気を人質にして解散を先伸ばし、政治空白を引き起こしているからである。
 さらに、より根元的には、財源難という現実的で厳しい問題がある。

 一般国民は財務官僚らの数字会わせに誤魔化されやすいが、長い自民党政権下で、道路・橋などの公共事業に偏重した政府予算は、借金で何とかやりくりしてきた。
 今年度の政府支出(一般会計総額)は83兆円を超えるが、収入(税収)は47兆円程度で、残り30兆円+αは借金、つまり赤字国債である。
 小泉政権下では国債発行額を30兆円以内とする財政規律を立てようと努力して来たが、来年度からはそれもなくなる。

 個人の家計に置き換えると、給料だけでは食えないから、借金で補う、とまあ、そんな杜撰なことをやっているわけである。
 一年、二年ならともかく、半世紀もやって来たから、借金はつもり積もり、利子が日額300億円ペースで膨らみ、年末には900兆円に迫る勢いだ。
 今や新規国債のかなりの部分が、利払いで消えている末期的状況である。
 年金崩壊、医療保険崩壊、社会保障崩壊などはすべてそこに起因する。

 で、問題はいつまで借金出来るか、つまり、国債が発行出来るかに掛かってくる。

 国債が売れなくなった時、日本は終わる。財政は破綻し、日本国が保証する円は紙屑となるのである。
 そのリスクを背負いながらの赤字国債増発となるが、銀行・保険など機関投資家は9・15リーマン破綻以降の金融危機で日ごとに余裕がなくなっており、誰が、いつまで買ってくれるだろうか。

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 世論の形勢不利とみて総選挙を先送りした麻生首相は急遽、金融機関への予防的公的資金注入を可能にする金融機能強化法復活を持ち出したが、経営責任を不問としていることから、杜撰な経営で破綻に直面している新銀行東京の救済が隠れた目的ではないかと問題化している。
 実際、その可能性は決して低くない。

 新銀行東京には現在、行員が暴力団舎弟企業とみられるソフトウェア開発会社に融資した5000万円が全額焦げ付き、詐欺の容疑で警察の手が入っている。
 改竄した決算報告書で審査をすり抜ける手口が横行していたとの疑惑もあり、経営責任が問われるのは必至だ。
 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081028k0000m040019000c.html

 同行は石原知事が二選時の公約に掲げ、05年4月に都が1000億円を出資して強引に設立したため“石原銀行”と呼ばれているが、無担保無保証融資と甘い審査で不良債権が膨らみ、08年3月決算は累積赤字が出資額と同額の1000億円に達した。
 民間ならとっくに倒産だが、経営責任を不問にしたまま、同月末の都議会本会議で自民、公明両党の賛成67、民主、共産などの反対55で400億円追加出資案が可決され、延命した。
 
 そこに司直の手が入り、改めて杜撰な経営の実態が明らかになった。
 逮捕された元行員による不正行為は氷山の一角で、甘い審査が横行した背景には、都議会議員や国会議員による500余件もの口利きがあったと指摘されている。
 石原知事の長男の石原伸晃・自民党政調会長(当時。現在自民党幹事長代理)の私設秘書(31)が「決算書類の改竄を知った上でブローカーの仲介を引き受け、同党都議に融資の口利きを依頼していた」ことも明らかになっている。
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081017-OYT1T00869.htm?from=rss&ref=newsrss

 石原知事は元行員が逮捕されたことに「元行員の行為だが、旧経営陣にも責任がある」と、相も変わらず他人事のように言い逃れをしているが、大前研一氏ら専門家の反対を押し切って独断的に銀行を設立した責任は免れない。
 石原与党の自公議員に「必ず再建する」と泣きついて400億円追加出資案を認めてもらったが、石原銀行は現在、事実上、再建不能状態である。関西の在日実業家に買い取ってもらうとの噂もあったが、全てご破算になったとみられる。

 このような不透明な銀行に、金融機能強化法の口実でさらに公的資金を投入するのは、ざるに水を注ぐも同然である。
 そればかりか、経営責任を不問に付すことで不正行為を隠蔽する危険性がある。 
 
 それに対して民主党は29日、政府提出の金融機能強化法改正案に対する6項目の修正要求をまとめ、与党に申し入れた。
 金融危機と関係なく、経営方針などから経営悪化した金融機関については「モラルハザードにつながる」として、経営責任を明確化するように求め、杜撰な融資で経営難に陥った新銀行東京については、「地方公共団体が支配株主となっている金融機関は対象としないことを明確にする」として、事実上対象から外すよう求めたが、至極当然のことである。

 与党側は農林中金や新銀行東京を別扱いすることに難色を示しているが、そこにある思惑が透けて見える。
 “石原銀行”がこのまま倒産すれば、石原知事は言うまでもなく、400億円の追加出資を決めた都議会自公の責任も問われる。不正口利きも明らかになり、来夏の都議選惨敗は確実だ。来年にずれ込む総選挙にも少なからず影響を与えよう。
 自公与党にそれを避けたいとの思惑が働いたと考えても少しも不思議ではない。

 徹底的な審議が不可欠だが、必要に応じて、石原知事の参考人召致乃至は証人喚問も検討すべきではないか。

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 あばら屋の住民が、オリンピックでもう一度夢をみようなどと音頭をとったら、人はどう思うだろう。
 その滑稽なピエロが、石原慎太郎東京都知事である。

 石原さんの知事としての資質を疑わせる新たな疑惑として浮上したのが、外見だけは立派だが、実際は水漏れがひどく、あばら屋同然の都庁問題である。
 最近明らかになったことだが、ここ10年間で大々的な補修をしないと、内部が腐食して崩れる恐れがある。ところがなんと、費用が1300億円にも達するというから尋常ではない。

 まだ築17年しか経っていない。建てたのは鈴木で、青島を経て現知事に至る。
 石原さんの責任逃れは新東京銀行問題で証明済みだ。今回も住んでいるだけだと言い逃れるつもりだろうが、世間には通じまい。民間への売却に反対し、豪華な知事室に居座り続けた期間は1番長い。なにを今更ということになる。

 ましてや、さらなる金食い虫の東京オリンピックなど、まさに憤飯もの。都民の懐をあてにするのも、いい加減にしろと怒りが沸き上がろう。
 提灯持の副知事は「平成のミカドの成熟したオリンピック」とかなんとか訳の分かんないことを言っているが、天皇まで利用する魂胆だけは伝わってくる。

 その前に、新東京銀行問題は慎太郎の命取りになりそうな雲行だ。
 昨日の読売朝刊が1面トップで報じていたが、一千億円もの不良債権には自民公明都議の口利きでブローカーが暗躍していたと言う。慎太郎ファミリー企業との関連を指摘する声もある。
 金融庁が検査中だが、石原知事が涙を浮かべながら自公議員に400億円もの緊急融資を認めてもらった理由を徹底的に暴いてもらいたい。

 情報開示度全国最低クラス、知事・議員報酬全国断トツ1位、格差最悪の東京には、腐敗臭フンプンである。
 オリンピックはそれに葢をするためでなく、きれいになってからの方がよかろう。

 かつてジプシーともボヘミアンとも呼ばれ、自由なさすらいの民と唱われたこともある人々、今はロマ人と言われる人々が、EU統合の陰で、新たな差別に苦しんでいると言う。
 窮すれば鈍すと言うように、景気後退局面に入ったEUの陰の部分だが、日本も他山の石とすべきだろう。

 特に酷いのが、イタリアだ。7月下旬、不法移民による犯罪の刑期を一般市民より長くする治安対策法案を可決したという。法の下の平等も何もあったものではない。
 右派が移民排斥感情を煽って支持を伸ばし、一部ではロマ人を標的にした暴力事件も起きている。
 フランスのサルコジ政権も、不法滞在者の強制退去に乗り出した。

 ロマ人らの不法滞在者と在日は異なるが、景気後退や閉塞的な社会状況で、マイノリティーに不満の捌け口が向けられるのは共通している。
 右翼政治家がそれにつけこむのも、毎度見飽きた光景である。

 昨今の日本の特徴は、拉致問題でやたら反北朝鮮感情を煽ることにある。
 さすがに安倍前政権時のような常軌を逸したものは影を潜めたが、右翼紙誌などに焼けボックリのように姿を現すのは困ったものである。

 一部では、在日朝鮮人への迫害を強める動きもある。
 北朝鮮への制裁の効果が見えないため、はらいせ、もしくは、みせしめ、と言うわけである。

 さらに、ことさら拉致被害感情を高揚させ、過去の植民地支配や強制連行、従軍慰安婦問題への加害者責任や謝罪を曖昧にする狙いもあろう。
 加害者が被害者を装い、開き直ることは街の暴力団がよくやる手だが、道徳的退廃は極まったと言うべきだろう。


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