|
中井洽元拉致問題担当相が今週末にもモンゴルで北朝鮮高官と極秘接触するという。
国際社会では多元外交は当たり前。口先ばかりで何もしてこなかった安倍政権以降の停滞を打ち破る良い機会だろう。
産経新聞が例のごとく揚げ足取りをしているが、安明進・元工作員の捏造情報垂れ流しと相まって、そうした後ろ向きの姿勢が拉致問題解決を妨げてきたことをそろそろ自覚する時期である。
その産経が「複数の政府高官」(大体想像はつくが)の垂れ込みで報じたところによると「日本人妻の帰国問題に絞って協議する方針」「中井氏側は野田佳彦首相に極秘接触する旨を伝え、了承を得た」という。
拉致問題一辺倒で失敗してきた安倍政権を反面教師にし、対北朝鮮が以降の幅を広げる試みは評価できる。日本人妻問題は重要な人道問題である。それをとっかかりに日朝交渉を動かし、拉致問題解決につなげていくのが合理的かつ現実的であろう。
朝米協議で進展が見られる中、日本外交が北のウラン濃縮活動一時停止など核問題解決で存在感を高めるためにも北とのチャンネルを保持することは有効である。
中井氏は17、18日の日程でモンゴルに渡航する方向で最終調整しており、交渉相手は宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使とみられる。
中井氏は1月9、10にも野田首相の事前了承を得た上で瀋陽で宋氏と極秘接触した。中井氏は08年8月を最後に中断している日朝協議の再開と拉致問題の再調査開始を求めた。今回は議題を「日本人妻の帰国問題」に絞り、具体的成果を図る。
北朝鮮は瀋陽会談直後の1月11、13日に労働新聞に09年に一時帰国した日本人妻の手記を掲載してシグナルを送っている。
北が求める食糧支援と絡めれば進展が期待できよう。それが外交である。
産経新聞は「このままでは拉致問題が置き去りにされる懸念もある」と水を差すが、寝ぼけているのではないか。安倍政権時から置き去りにされたまま8年も経過している現実を直視すべきである。
また、「北朝鮮による政府内の攪乱工作との見方もある」と言うが、そうした他愛のない謀略説がこれまで対北外交の足を引っ張り、拉致問題を膠着させてきたことをいい加減理解すべきであろう。
大震災・放射能問題・債務危機・貿易赤字拡大等々日本の厳しい現状は善隣外交復活を求めている。
産経のように南京大虐殺否定で中国、従軍慰安婦否定で韓国を怒らせ、拉致捏造報道で北朝鮮を挑発する喧嘩外交は百害無益である。
|