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金正日国防委員長は2日の日本紙の首相動静蘭に目を凝らしたことであろう。
そこには「午後3時57分衆院の衛藤副議長」とある。野田首相が衛藤副議長に会ったのはわずか数分のことだが、会った事が確認されたことに意味がある。
衛藤征士郎衆院副議長は2日夜、都内で記者団に、自らが会長を務める超党派の「日朝国交正常化推進議員連盟」が北朝鮮訪問を計画していることを明らかにした。訪朝には民主、自民、社民党の議員約10人が参加する。
今月15日にピョンヤンで開かれるサッカーワールドカップ予選日本‐北朝鮮前観戦が名目だが、北朝鮮政府の正式の招待があれば8日に出発する予定という。
衛藤副議長は「日朝ピョンヤン宣言にのっとった形で日朝国交正常化を一歩でも二歩でも動かしたい。二重外交はしない」と訪朝の目的を述べ、「野田首相にも伝えた」と明らかにした。
「野田首相に伝えた」が注目である。
衆院副議長とは言え、野党である。北朝鮮は「交渉する以上は日本政府の責任ある人物」の立場であり、野田首相の意向を確認できなければ会ってもセレモニー以上の意味がないと考えている。
首相動静で衛藤氏と首相との接点が確認されたことになり、いずれ肯定的な返事が届くと読める。
08年の福田政権下で日朝間で約束された拉致被害者再調査を進める上では衛藤氏は適任者と言える。
福田政権時代に福田首相の側近として北朝鮮との間で拉致被害者再調査合意で一役買っており、それを進めるために一定の役割を果たすことが期待出来よう。
民主党は議員外交の活発化を党議しており、国内環境は良くなった。
国際的にも南北対話、朝米対話が進展しており、日本だけが取り残されるのはいわゆる国益にも反する。
私は08年1月、日朝交渉再開前に間接的に衛藤氏に「横田めぐみさんら8人の生存にこだわらず、生死を白紙にして厳正な調査をすれば交渉は進展する」と伝えた。
それさえ守られれば、拉致被害者の生死の真相解明と日朝交渉の進展は大いに期待できる。
それともう一つ、拉致問題を口実に日朝友好を阻もうとしてきた西岡力一派の「救う会」の妨害行動に注意することである。
予期したとおり、西岡一派の「救う会」は2日、衛藤訪朝に反対する緊急声明を全国協議会のホームページに掲載した。何も知らない家族会をだしに使っている構図は相変わらずである。一部マスコミは「救う会」を家族会の「支援組織」と枕詞のように紹介しているが、安明進捏造情報垂れ流以来の馴れ合い、一種の情報操作である。
北朝鮮は「5人生存8人死亡」と罪を認め解決に踏み出したが、8人は生きているとバカな因縁を付け、事態を日朝対立へとこじらせたのが西岡力一派。韓国ではサギクン=詐欺師と呼ばれている。
「死んだと誤魔化された横田夫妻」との安っぽい同情ストーリーを作り上げたのも西岡一派。北朝鮮はめぐさんら8人の死亡診断書や遺骨も渡した。日本の感覚からは不備が目に付くが、そのずさんさが北朝鮮なのである。
北朝鮮に行ったことも見たこともない西岡一派が又聞きと邪推で作り上げた妄想に縛られるのは、愚かなことである。
衛藤訪朝は、直接北朝鮮を観察し、具体的に交渉を進める外交の正道に戻る良い機会だ。
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