河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

日本人拉致問題

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 旧態依然と「拉致の定義」などと言っている人は拉致問題を真面目に解決する気がないと理解した方がよかろう。『証言北ビジネス裏外交』で明らかにしたように、「全員生存全員奪還」などと北朝鮮に無理難題をふっかけ、日朝関係を悪化させて政権浮揚に悪用した安倍政権の負の遺産だからである。
 ブッシュ政権からも「拉致の定義」?といぶかられ、行き詰まって(下痢で病院に駆け込み)政権を投げ出したのは衆知のことである。

 すっかり日本外交のお荷物と化した感があるが、やはり自民党時代に作られた原発安全神話と共通の虚構性があるのは偶然ではあるまい。
 前者は安明進・元北朝鮮工作員、実は現役韓国情報部員の「横田めぐみらは生きている」といった捏造情報に基づいて作られ、後者も御用学者がデーターを恣意的に利用して人々を惑わせた。
 下心ある政治家、官僚がのっかかり、マスコミがはやし立てた構図も全く同じである。

 それを正すのは難しい。
 タブー化している上に、利権が二重三重に絡んで、反対意見や合理的な判断を妨げているからである。
 原発安全神話はフクシマを引き起こして木っ端微塵に吹き飛んだが、拉致神話でそのような愚が繰り返されてはならない。

 タブーと利権を排した徹底的な検証が必要である。事実に背を向けていてはいつまでも前に進めない。
 家族会にいたずらにおもねた感情論が冷静な検証を妨げてきた経緯を踏まえ、検証作業は家族会などとは距離を置き、客観性を保証する必要があろう。
 安明進の嘘を暴くべきは言うまでもない。

 制裁視野に再調査を求める?何をバカなことをと、良識ある人なら誰しも思うだろう。
 脅しをかけながら相手に何かを要求するのは昔から世をすねたアウトローの手口と決まっており、刑法上は脅迫罪として厳に戒められている。

 ところが、新聞倫理綱領に従うことを条件に再販制度などの特権を享受している産経新聞が社説で公然とそれを犯しているのだから、何をかいわんやである。
 質の悪いのは、何も知らない家族会をけしかけてこの種の暴言を流布し、世間の同情を買おうとしていることである。

 今日の「主張」で「北朝鮮が横田めぐみさんら日本人拉致被害者の再調査を約束しておきながら、それを一方的に先送りしたまま、3年たった」とオウム返しのように北朝鮮を非難しているが、事実に反する。
 北が再調査を福田政権と約束したのは、福田政権が制裁の一部解除を約したからだが、それを履行する前に退陣し、その後の政権にもその約束が引き継がれなかったからである。
 『証言北ビジネス裏外交』でも明らかなように、拉致被害者5人の一時帰国の約束も安倍氏らが「なかった」と嘘を言い張り、問題をこじらせた。同じ癖が再調査でも繰り返されたわけである。
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110906/plc11090603170005-n1.htm

 産経新聞が安明進・北朝鮮工作員、実は韓国情報部員の「横田めぐみさんらは生きている」といった偽情報を率先して垂れ流し、世論を欺いたことはこれまでも指摘してきた。
 それへの反省も自虐的と拒絶し、相変わらず虚偽の宣伝をしていることには、これが公器たる新聞かとあきれてしまう。

 この新聞が北朝鮮に直接取材したことはほとんどなく、推測と邪推で書いているに過ぎない。
 菅前首相が朝鮮学校無償化に向けた審査手続き再開を指示したことにも「拉致問題で日本が軟化したとの誤ったメッセージを送ることになりかねず」とお門違いのことを言って因縁をつけている。
 無償化と拉致問題は無関係であり、「誤ったメッセージ」云々は産経の妄想に過ぎない。

 飯塚家族会長はそのようなことをしきりに言っているが、行ったことも見たこともない北のことを知っているはずもない。知ったかぶりの西岡「救う会」会長らに言わされているに過ぎないが、世間をたぶらかす一種の謀略宣伝である。
 出鱈目でも何でも被害者が言えば世間の同情を買えると計算し、産経新聞などで喧伝して世論を誘導しようという使い古された手口である。

 「発足したばかりの野田佳彦政権に、拉致被害者家族会がいらだちや不安をつのらせている。拉致問題解決への明確な姿勢が見えないからだ」は破廉恥な問題の摩り替え、拉致問題を政局に悪用する企みの類である。
 拉致問題解決を妨げてきたのは、家族会を操りながら北朝鮮に無理難題をふっかけ、日朝間の無用な対立をあおってきた産経新聞にほかならない。 

 昨晩の日朝サッカーは色々な意味で楽しめた。
 双方の選手が最後までフェアプレーに全力を挙げたのは清々しかった。北朝鮮が負けたのは正直残念だったが、実力の差が出たと言うことで、むしろ健闘したと讃えるべきであろう。
 視聴率も高かったようだし、震災原発事故被害者を含めて日本中が興奮と感動に包まれたにちがいない。

 しかしその一方で、せっかくのサッカーを楽しめず、いじけた目を向けていた可哀想な人々が一部にいたことも事実である。
 北朝鮮チームの入国に反対したわがままなグループ、いわゆる「救う会」とそれに操られた家族会強硬派、及びその支持者たちである。糞味噌のように高校無償化を拉致問題と結び付け、理屈に合わないことをごり押しする癖がスポーツを楽しむ心のゆとりまで失わせ、社会をいたずらにぎすぎすさせているのは困ったものである。
 何か圧力団体になったかのように政権交代のたびに文句をつけているが、自分の立場を踏まえ、良識と冷静さを取り戻してほしいものである。

 余談だが、北チームのチョン・デセらと日本チームの李忠成の対決は面白かった。
 両方とも朝鮮学校に通った在日三世である。一世は複雑な思いで見つめたろうが、我々二世の多くは二人とも良くやったと讃えている。それが在日のあるべき姿なのである。

 肩肘張ることはない。日本チームの監督、コーチはイタリア人。選手にもブラジルからの帰化人もいる。
 ロシアのアイススケート代表チームに入りたくてロシア国籍を取得した日本人女性がいたが、自分の能力を生かせるチャンスはどんどん広げていくべきだろう。
 

 前回、家族会が抱える矛盾について指摘したところ、思いの外、大きな反響があり、アクセスは千を軽く超え、百を超える賛否両論が寄せられた。2チャンネルでも喧々諤々だそうだ。
 拉致事件がまだ風化していないことを確認できたのは同慶の至りだが、懸念したとおり、長い時間の経過が家族会幹部を含めた人々の記憶を曖昧にし、怨念にも似た思い込みに縛られている傾向が認められた。
 それが、拉致問題の解決を口では叫びながら、実際には解決を妨げる一因になっているのは皮肉である。原発安全神話ではないが、タブーや偏見を排した議論をさらに深め、不要な争いに終止符を打つ時期に来ているように思われる。
 http://blogs.yahoo.co.jp/lifeartinstitute/43297734.html
 
 最大の課題はやはり出発点、基本的な認識において、安明進・元北朝鮮工作員が撒いた偽情報の影響が色濃く残っていることである。
 「横田めぐみさんは生きている」が代表例であるが、それがベースになって安倍政権時代に「全員生存、全員奪還」路線となり、今も頑迷ないわゆる「対北朝鮮強硬派」の共通認識になっている。

 コメント等を見ても判るように、かれらは安が実は韓国情報員であり、覚醒剤密輸・使用で有罪判決を受けた後、「金ほしさから偽情報を売った」と告白したことは知らない。
 つまり、いまだに安の捏造情報に踊らされているのである。
 そこから、拉致問題とは何ら関係のない朝鮮高校を高校無償化の適用対象外にするように求める非常識が生まれる。また、サッカーと絡めて北朝鮮チームの入国に反対し、国際社会の顰蹙を買ってもいる。

 常軌を逸した現象の背後には、財政赤字、大震災、原発事故と沈没の瀬戸際にいる日本のせっぱづまった状況があるが、拉致問題を利用して狭量な反北朝鮮ナショナリズムを煽り、以って日本を団結させて国難を乗り切ろうと考えるのは、戦前式の自殺行為である。
 国粋的な政治的目的から意識的に拉致問題解決を妨げる「救う会」系もいれば、素朴に拉致被害者に同情し、騙されている人もいる。制御不能な原発を日本中に乱立させた原発安全神話のようなもので、一方向に走り出すと止まらない日本社会の特質みたいなものか透けて見えてくる。

 拉致から始まった日本外交の迷走は、遺憾なことに政権交代後も続いている。外交のフクシマが起きる前に暴走は止め、本来の軌道に回帰させねばならない。
 そのためには安明進問題の総括が必要である。

 日本の復興は経済的にも地政学的にも周辺国との善隣友好なくしては不可能である。
 その試金石となるのが拉致問題の理性的、常識的な解決である。

 某局のニュース番組を観ていたら、最後に「取材ジン・ネット」とテロップが出て、すっかり興醒めしてしまった。
 見入っていたニュースの信憑性にも疑問符が付いた。

 ほとんどの人は忘れてしまったかも知れないが、ジン・ネットは拉致問題に関する安明進・元北朝鮮工作員の偽情報を垂れ流した張本人である。
 ろくに検証もしないで視聴者を欺いた無責任さは、産経新聞と双璧である。

 『証言北ビジネス裏外交』などでも指摘したように、安明進は元北朝鮮工作員ではあるが、徹底した縦割り社会の北朝鮮において知り得た情報は限られている。
 彼はむしろ、韓国情報院の指示で朝中国境地帯に派遣され、麻薬密輸・服用で逮捕、有罪となったように、韓国情報機関とつながりを有し、対日情報工作を行ってきた。
 「横田めぐみらは生きている」と日本メディアが喜びそうな捏造情報を創作し、日本国民の中に反北朝鮮感情を拡散させたのである。

 その狙いははっきりしている。
 日朝ピョンヤン宣言に謳った日朝国交正常化を妨害することである。

 そうした諜報工作の片棒を担がされた高世仁氏のジン・ネットが何の反省もなく、反北朝鮮=民族排外主義的なフィルターのかかった情報を垂れ流し続けるのは、福島に原発を造った連中が「原発は安全です」と言っているようなものである。
 ジン・ネットが信頼を取り戻すには、何よりも過去の捏造情報の徹底した検証と反省が必要である。

 日本経済は長期低落の崩壊過程にある。米依存の戦後の終わりが始まっていると言ってもよかろう。米依存の裏には反共を接着剤にした戦前復古的な発想がある。
 そこから抜け出る道は世界の成長エンジンとなったアジアの活力を取り入れていくしかないが、拉致問題、歴史認識問題、領土問題などで戦前を引きずった驕った発想を根絶し、胸襟を開いて第二の開国をするくらいの気概と英知を示さないと、道を切り開くことは難しい。


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