河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

ピリッと世評

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菅首相は理系出身だが、政治的な数合わせは児戯に等しい。
三分の二条項で予算関連法案を通そうと社民党に協力を求めておきながら、足元の造反で霧散する雲行きとなった。
初歩的な政治的算数もできないようでは首相の資質に欠ける。潔く退陣しかあるまい。

そもそもの失敗は、マスコミに煽られて、脱小沢といったバカな児戯にずれてしまったからである。
前にも指摘したように、小沢氏への強制起は無実になる可能性が百%近い。
それをどうのこうのとつつくのは、ポピュリズム的なイジメに近い。菅は意地悪そうにみえるとの声があるのはそのためである。

菅氏が‘どん菅’と揶揄されるのは、脱小沢で支持率が上がると思い込んだことにある。
確かに、各世論調査では小沢氏にけじめを求める声が圧倒的に多い。
だが、景気、雇用、年金など政策問題と比べると小沢問題は優先順位が格段に低い。

つまり、国民の大多数は、政策問題で民主党らしさを出すことを求めているのであり、それに比べれば小沢問題などどうでもいいのだ。
菅氏はそれを読み違え、政策は迷走しながら、ねちねちと小沢いじめをやるから、国民に見捨てられ、党内からも反発が起きる。

退陣しかあるまい。
間違っても解散総選挙などと腐れ自民党を喜ばす愚挙をすべきではない。

 麻生首相は派遣廃止に反対という。麻生グループ企業で派遣労働者を使っているから、それなりに理屈は合っている。
 奇妙なのは、電機連合委員長が派遣廃止に反対と述べたと報じられたことだ。「国際競争力を失う」のが理由と言うが、韓国では、そのように特定集団の利益しか考えないことを集団利己主義という。

 目先の利益確保に汲々として、結局自分の首を絞めていることがわからないのである。

 国際競争力を口実に偽装請負や派遣が導入され、中国などのレベルに賃金が切り下げられ、貧困がグローバル化していることは前回したが、電機連合委員長の発言は、組合までがその片棒を担いできたことを認めたようなものである。
 組合は正社員という特権集団の利益代弁者であり、非正規社員の低賃金労働の上に胡座をかいているというわけだ。

 昨年末に派遣打ち切りが社会問題化するまで大手企業の組合が見て見ぬふりをしてきたのは、そのためである。
 使い捨てのように寒空に放り出された派遣労働者が解雇撤回を求めて撒くビラを、ほとんどの正社員が受け取ろうともしない寒々とした光景が、全てを物語っている。

 電機連合委員長の悲哀は、働く仲間への裏切りだけにあるのではない。
 いずれ自分らも同じ境遇に陥ることが見えず、資本側に手を貸しているピエロの役割をしていることにある。
 既に正社員首切りが始まっているが、御用化した組合ではなす術がなかろう。

 多くの企業は、昨年3月決算で史上最高の利益を挙げている。その果実は投機的な投資家に吸い上げられたり、企業経営者の懐を潤した。
 それ自体が公平と正義に反する反道徳的なものである。

大企業も密かに人材派遣子会社を作って、巧妙に二重三重の搾取をしている。
 物のように労働者を扱い、ピンはねする人材派遣会社なる現代の手配士は、必要あるまい。人材派遣会社が儲かるということは、労働者の取り分が損なわれ、社会的には非生産的な部分に流れていることを意味する。

 さらに、企業の活力の基である良質な労働力の再生産の観点からも非効率的である。
 日本の強みは、高度に発達した教育システムと人材育成にあった。西郷、大久保ら明治維新の指導者たちは底辺の被差別武士層であったが、彼らが特権を廃して底辺の人材を発掘したことが日本近代化の原動力になった。戦後の奇跡的な復興もそれによる。

 貧困のグローバル化にともなう中流階級の没落と格差拡大、貧困の世襲化は、日本の本当の底力を根底から奪いつつある。
 安倍、麻生という世襲の漫画脳が政治のトップに立つなど、政治の劣化はすでに始まっているが、これが産業界、教育界に及ぶとき、日本は確実に没落し、アジアの辺境になるだろう。

玉城素氏を悼む

 年賀状を書いていると、頭の中で自然と一年を振り返っている。
 北朝鮮情勢に関していえば、宿敵の間柄とされてきた米国によるテロ支援国家指定解除がなされるなど、今年は分岐点と後世に記録されるであろう一年であった。

 そう思いながら、過去の年賀状を整理しているうちに、05年に送られてきた一枚の年賀状がある種の感慨を伴って目に入ってきた。
 今年9月14日に亡くなられた玉城素氏からのものであった。

 「降る雪に・・・」と年頭に詠んだ詩が刷られてあった。「元朝や」の文語体が玉城氏の内面をうかがわせるが、その左下に、次のような手書きが添えられていた。
 「金正日政権崩壊の足音が聞こえてくるようです。崖っ縁で『飛び込め』と命令している最高司令官はもうマンガです」

 周知のように、玉城氏は現代コリア研究所理事長として、日本における北朝鮮研究に大きな影響を与えてきた。
 その立場は、上述の手書きが物語るように金日成=金正日体制打倒を目指すもので、中国式の改革を手本にしたソフトランディングのシナリオを描く私とはかなり異なる。

 その玉城氏がどうして河信基に年賀状を、と驚く向きもあろうが、最初の出会いは、04年秋、玉城氏が主宰するNK会に私が講師として呼ばれたことに始まる。
 張成沢の失脚と復活について雑誌『正論』に書いた一文に目を留めてのことであるが、箱根で一泊しながらの講演とその後の質疑は、水と油のように立場が異なる人たちとのものであっただけに、久しぶりに対立セクトとの論争に明け暮れた学生時代を思い起こさせるスリリングで、知的な興奮に満ちた楽しい記憶として残っている。

 その晩、玉城氏から、一時は韓徳銖・朝鮮総聯議長の後継者と目され、後に対立して北朝鮮に帰国し、国家副主席となった金炳植(キム・ビョンシク)元朝鮮総連第一副議長と、東北大学同窓で懇意にしていたと聞かされ、その北朝鮮研究の背後に潜む歴史的な体験に持ち前の好奇心を刺激された。
 「私も実は、玉城先生の論文は朝鮮新報の記者時代から読んでいました。『反動的』と全く違う立場から批判的に見ていましたが、権力構図を内面から分析する方法論には学ぶところがありました」と率直に述べると、笑みを浮かべながらうなずいていた。

 すでに当時、癌の手術をしたということで、声は聞き取りにくいほど細くなっていたが、ある種の使命感から来ると思われる気力に、いささかの衰えも感じさせなかった。
 「NK会に参加させて頂きませんか」と申し込むと、快諾してくれた。

 その後、数回、定例会に参加し、全く異なる立場の意見を聞き、大いに参考になった。私も持論を展開し、激しい反論に遭ったこともあったが、本音で議論を闘わせる場は得がたいものであった。
 玉城氏の度量と見識がそれを可能にしたが、昨今、論壇がサロン化、形骸化しているだけに、今改めて氏の存在感を感じている。

 玉城氏の葬儀に駆けつけるべきところであったが、事後に新聞で知り、叶わなかった。
 ここに改めて、北朝鮮研究の方法論を教示していただいたことを感謝し、その死を心から悼む。 
  

 

 

 米下院が金融安定化法案を否決したが、ある意味では当然である。
 ニューヨーク証券市場のダウ平均株価は777ドルと、史上最大の下落幅を記録した。世界金融恐慌を心配する声もあるが、むしろ、株、不動産、投機などの不労所得で暴利を貪ぼる非正常、非道徳的なマネーゲーム時代の終焉を告げる福音とみなすべきであろう。

 リーマンなどの証券会社の実体は、中低所得層を食いものにした悪質な不動産会社でしかない。
 地価値上がりを信じ込ませて住宅ローンを組ませ、ローン債権を巧みに証券化して一般向けに売りさばく。

 典型的なハイリスク、ハイリターンの金融商品だが、「リスクも分散すればリスクでなくなる」というもっともらしい理屈を付けて顧客を誘う。
 今では簡単にインチキと見破れるだろうが、サブブライムローンが破綻する前は、最先端の金融工学理論としてハーバードなどのビジネススクールで盛んに教えられ、複数の債券とのバッケージとなった様々な金融派生商品、デリバティブとして市場の人気を集めた。
 サブブライムローン関連の不良債権額が膨らみ続けるのは、パッケージに組み込まれ癌細胞のように一般証券まで次々と侵食しているからで、資本主義金融システムを飲み込みかねない底なし沼と化している。

 知能犯的な詐欺商法であり、それに群がり、甘い汁を吸ってきた連中を公的資金で救済することなど、あってはならない重大なモラルハザードである。
 その意味で、米下院が金融安定化法案を否決したのは正しい。

 反対票を投じたのは与党共和党が多かったが、11月の下院選挙を控え、有権者の怒りを無視できなかったためであった。全てはブッシュ政権下で起きたことであるから、与党に当然怒りがぶつけられる。
 野党の民主党は、純粋に金融安定化の観点から是非を論じられるからやりやすい。

 金融安定化のためにある程度の公的資金投入はやむをえないとしても、最低限のケジメが必要であろう。
 ブッシュ政権の失政責任はいずれ有権者が審判を下すであろうが、当面、リーマンなど経営破綻した証券会社経営陣らに対して、詐欺、背任を視野に入れた責任追及は避けられまい。
 月30万件以上の住宅がローン不払いで差し押さえられ、膨大な数のホームレスが生まれているが、リーマン会長らの豪邸がそのままでは世論は納得しないだろう。
 また、その種の証券に手を出して膨大な不労所得を狙った連中も自己責任を負わせるべきで、保護する必要はなかろう。

 今回の金融危機をマネーゲームに終止符を打つ契機に出来るか、資本主義の運命が掛っている。
 不吉な兆候は、日銀総裁が「ドル市場は枯渇している」などと深夜に記者会見し、ドル資金供給枠拡大を発表するなど、米金融危機に過剰反応していることで、舵取りを誤ると共滅の坂を転げ落ちかねない。
 2兆ドルを超える世界最大の対外債務国である米国と、900兆円に迫る世界最大の財政赤字国である日本の緊急タッグが、事態の危うさ、深刻さを物語っている。

 金メダルしか眼中にないと豪語していた日本野球チームが、韓国に完敗し、銅メダルも取れなかった。
 総合力で上回っていただけに、これはもう立派な文化的な事件である。

 単行本の書き下し原稿の執筆に追われ、オリンピックどころではなかったが、ボルトと日韓戦だけは、執筆しながら観た。
 一言で言えば、日本チームには落ち着きが無かった。野球はピッチャーで決まると言うのに、バタバタと小刻に変える。

 家の土台をやたらいじくりまわすようなもので、チーム全体が浮足だっているような感じであった。
 定石通りに、先発がすいすいと投げていた韓国と対照的であった。時たま画面に映し出される韓国チームの監督は冷静沈着そのもので、相手の動揺を見通していたようにも思えた。決勝のキューバ戦でもそのスタイルを貫き、全勝で見事金メダルを手にした。

 日本はすでに戦略レベルで負けていると感じていたが、案の定、墓穴を掘る。前回打たれた岩瀬を投入し、失点を重ねるのである。
 投手を何人も出せば、確率的にリスクが増す。それに加えて調子の上がらない投手を出すのだから、勝てるわけがなかろう。

 それに対する星野監督の談がふるっている。「岩瀬を信頼していた」というものだが、これでは浪速節か浪曲の世界である。
 当たれば涙の美談だが、それが通じるほど国際試合は甘くない。

 冷静で厳しい用兵が求められる舞台に、日本的な情緒や精神論を不用意に持ち込んだのが、日本の敗因である。
 エースと期待されたダルビッシュが精彩を欠いていたのは、そのためであろう。

 そうした傾向は、女子マラソンや柔道など至るところに見られた。金メダル数でも韓国に及ばなかったのは偶然ではあるまい。
 上原が「韓国は国際規格のボールを国内リーグに取り入れている。日本も早くそうして欲しい」と語っていたが、島国の殻を破らないことには、日本浮上の道はない。

 しかし、ファン心理とは不思議なもので、少年時代から贔屓にしているライオンズの選手が出ると、韓国そっちのけで応援する自分がいるのに気付いた。
 GG佐藤の落球は残念だったが、気落ちせず、優勝に向けて頑張って欲しい。


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