河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

ピリッと世評

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 日本人は米国人よりも米国好きらしい。ブッシュ大統領に対して好感を持つ人の割合が米国よりもかなり高いから、あながちジョークとばかり笑っていられない。
 ハリウッド映画、それにブッシュ大統領が横田めぐみの母親に会い、優しい言葉をかけたことなどが自由と人権を守る豊かな国の指導者というイメージを植えつけたと思われるが、実像とはかけ離れているのかもしれない。

 それを思わせるのが、米国の囚人数219万3798人という衝撃的な数字だ。
 ロンドン大学国際刑務所研究センターの統計だが、米国の人口は3億人強であるから、0・7%、1000人に7人が米全土の刑務所に収監されていることになる。
 人口比で欧州主要国の7〜8倍になる。米国がしばしば人権が侵害されていると批判している中国の150万人、ロシアの87万人より絶対数でかなり上回り、人口比でははるかに多い。
 果たしてこれで、自由と人権を守る豊かな国と言えるのだろうか。

 人権には、労働する権利、最低限度の文化的生活を受ける権利など生存権が含まれる。
 ニューヨークのライシャーズ刑務所は囚人の90%が黒人、ラテン系と言われ、膨大な囚人数には人種差別の臭いが漂う。
 そうした規準からすれば、米国は失格である。 

 米国では、豪壮な屋敷に住み、腹いっぱい好きなものを食べている人々がいる反面で、公園や道路などで寝泊まりしているホームレスが推計で75万4000人にも上る。あすにもホームレス化する予備軍はさらに一桁多い。
 ホームレスがすべて犯罪に走るわけではないが、全く無関係とは言えまい。囚人の多くは貧しい人々で、生活が苦しくて物を盗んだりするからだ。
 聖書にも殺すな、盗むなとあるように犯罪は許されないが、その犯罪が増えるのを知りながら手をこまねいているのも道義的に問題がある。政治的には怠慢、無能と言うべきであろう。

 米国の病理を物語るのは1990年代以降、囚人数が倍増していることだ。
 市場原理至上主義がはびこり、マネーゲームに長けた詐欺師まがいの人物らに富が集中し、社会格差が拡大していることが背景にある。それとともに、道徳が崩壊し、社会秩序が乱れている。
 イラクおよびアフガニスタンの退役軍人が推定1万人、ホームレス化しているのも象徴的だ。彼らは米帝国主義の海外進出の先兵となり、使い捨てられたのであろう。

 資本主義はカネオンリーで非人間的な社会システムだが、1917年のロシア革命後、それに対抗する形でドイツのワイマール憲法に生存権規定が現れ、英米などの資本主義国に伝播した。
 労働者など勤労大衆を引き付けるための防衛策であったのだが、1991年のソ連崩壊にともなう社会主義の退潮で、資本家階級はもう生存権は必要なくなったと判断したのであろう。
 米国をはじめとする資本主義諸国では生存権は次第に形骸化し、国際競争力強化の名目で企業はリオトラ、賃金カットなどを競っている。

 日本も他人事ではない。
 小泉=安倍政権になって市場原理が社会全体を覆い、ワーキングプアが再現し、ホームレスは約2万5300人と年々増え、自殺者が年3万人を超え、大企業でも偽装請負・ピンはねなどが公然と行われ、社会の倫理・道徳は乱れている。
  
 そろそろ米国幻想から覚め、それを反面教師とする智恵が必要な時に来ているのではないだろうか。

 また児童の列に乗用車が突っ込み、小学生が死傷した。どうしてこうも子供が犠牲になるのか。運転手の責任が大であることは言うまでもないが、よく見ると、行政の怠慢が透けてくる。
 何で田んぼのど真ん中の道を車だけが我が物顔で走り、冒険ごっこでもあるまいし、子供が端っこを危険を冒しながら歩かなくてはならないのだ。

 ふざけた事故は、20日午前7時20分ごろ、山形県南陽市赤湯の市道で集団登校中の小学校児童8人の列に乗用車が突っ込み、小5児童が脳挫傷で死亡、小6児童が足の骨を折る重傷を負った。
 児童は進行方向右側を1列で登校し、先頭を歩く小6児童に前から4番目にいた小5児童が話しかけようと前に出た瞬間に正面から車が突っ込み、二人をボンネットに乗せたまま中央線を越えて用水路に落ちた。
 会社員福岡某(50)の前方不注意だが、肺炎を患って高熱を出し、通勤前に寄った病院で服薬して意識が朦朧としていたという。それが事実なら酩酊運転と同じで、自動車運転過失致死傷容疑ではなく、危険運転致死傷罪もしくは未必の故意による殺人罪で処罰すべきであろう。

 とまあ、やや熱くなりながらテレビ画面を観ていたのだが、現場の状況を知って段々と別の怒りが湧いてきた。
 市道といっても、周りは一面田んぼだ。国道から約200メートル入ったところで、見通しの良い片側1車線の直線道路だが、歩道はなきにひとしかった。
 舗装はされているが、歩道は白線の外側に申し訳程度に付いているだけで、車が来ると触れそうになり、大人でも怖いと近所の住民が語っていた。その危険な道を児童らは毎朝、4キロ離れた学校まで集団登校しているという。
 運転手は突然、狭い歩道をはみ出すように子供が前に出てきたのでハンドルを切りそこなったとみられるが、起こるべくして起きた“事故”であった。

 このような人間無視のたわけた道路がどうして出来たかは、大体想像できる。
 中央・地方の政治家が国土交通省に働きかけて公共事業を引っ張り、ファミリー企業なり色の付いた企業が請け負って造るので、一車線、いや二車線と車道にはカネを掛けるが、歩道は付け足しで歩行者の安全は無視され、子供が犠牲になる。
 さらに、危険なことを知りながら放置してきた行政の責任も、この際問わないことには、いつまで経っても同様な悲惨な事故はなくならないだろう。

 幸いにして、住民意識の高い都会では地域住民の働きかけで少しずつ是正されつつあるが、地方は多くの危険道路が放置され、都会よりも事故の比率が高くなっている。
 豊かな田園地帯で子供が何故、車を避けようと田んぼに落ちそうになりながら通学しなくてはならないのか。崖にへばりついて歩くチベットなど辺境の子供たちと、どこが違うのか。
 怠慢な行政に全国いたるところで怒りをぶつけ、道路行政を車から人間中心に変える運動を展開しようではないか。

 遁走した無責任首相のお友達でつくる教育再生会議などの、現実離れの浮いた話などどうでもいい。
 日常から子供の危険を一つ一つなくし、社会全体で守り育てる環境を作ることが大切だろう。
 天下り官僚の餌代に年間数兆円も注いでいる独立行政法人を廃止し、海自がインド洋で米艦に毎年220億円も無料給油する無駄を省けば、危険道路はすぐにもなくすことが出来る。

 自分の言葉に責任を負わない人間が、何故こうも増えているのか。
 政治家の嘘はそれが彼らの商売と割り切ればそこそこ対応できるが、一般人の場合は取り返しの付かない不信感を残す。

 福岡市東区で昨年8月、RVが追突され海中に転落し、幼児3人が死亡した飲酒運転事故で、危険運転致死傷などの罪に問われた元同市職員の今林被告(23)に対する初の被告人質問が11日、福岡地裁で行われ、今林被告は「飲酒運転はもちろんですが、逃げたこと、救助しなかったことを後悔しています」と涙を流した。
 拘置所で3人の写真を見て「この無垢な笑顔を私が奪った、言いようのない気持ちでした」とうなだれたという。

 そこまでは何とか理解できる。
 泥酔して助けられなかったのは、十分にありうることである。
 それでもなお、「助けられなかった」と悔やむのは、人間として本当に反省の情があったからと考えられる。

 ところが、今林被告は「泥酔していた」との検察の起訴事実を「酔っていたわけではない」と否認し、「景色を眺めるようにして走っていた。RVに気付いて右にハンドルを切って、ブレーキを踏んだ」と、単なる脇見運転を主張したという。
 弁護側はアルコール検査時の数値も微酔で、正常な運転ができていたとし、法定刑の上限が軽い業務上過失致死傷罪の適用を求めた。
 事実に基づいて究明すればよいことだが、今林被告の証言は矛盾しないか。

 「酔っていない」としながら、「逃げたこと、救助しなかったことを後悔しています」というのはどういうことなのか。
 怖くて逃げたということもありうるが、責任逃れの偽証の疑いも捨てきれない。
 あえて言えば、涙を流したのは、自責の念ではなく、演技だったのではないか。

 「酔っていない」のが事実なら、助けられたのに助けなかったということになり、道徳的にはこれほど愚劣なことはない。
 それで刑が軽くなるようでは遺族はもちろん、社会も納得できないだろう。
 自動車による人身事故は必ずしも「事故」ではなく、往々にして「殺人」である。一罰百戒の警告の意味を込めて、検察は未必の故意による殺人罪を適用すべきではないか。

 亡くなった3児の両親に16日、女児が誕生し、両親は元気に泣き声を上げる女児を囲み、新たな命を授かった喜びに涙を流したという。
 3児を愛情を注いで育てた思いから、「愛子」と名付けたと3児の一周忌の会見で明らかにしたそうだが、癒せない悲しみと無念の思いが伝わってくる。
 それに応じた被告の責任が問われなければならない。  

イメージ 1

 ニューヨークタイムズに掲載された一枚の新婚夫婦の写真が、全米を泣かせた。
 結婚式は、人生の門出。こぼれる笑みを浮かべた至福の瞬間を記念写真に収めるのが普通だが、この写真は違う。新婦の表情は憂いに沈み、新郎の顔からは表情が失われている。
 全米が泣いたのは、その写真に米国の悲劇が凝縮されていたからである。

 二人が知り合い、恋に落ちたのは6年前であった。
 それから3年後、海兵隊員であるタイはイラクに派兵され、自爆テロに遭って全身に火傷を負う。19回の手術を経て一命は取り留めたが、耳、鼻、片方の視力と左手を失う。恋人に喜びや悲しみを伝える顔を永遠に失ってしまったのだ。

 しかし、ルネは彼の元を離れることはなかった。
 そうして昨年末に祝福の時を迎えたのだが、あの日々の表情を取り戻すことは出来なかった。

 写真はニーナ・ボーマンに今年の世界報道写真賞をもたらした。彼はイラク戦で傷ついた兵士たちを撮り、現在ニューヨークで写真展を開き、戦争の真実を訴えている。
 イラク戦ではすでに3700名以上の米兵が戦死しているが、タイのような負傷者はその数倍に達する。手足を失い、ベッドに横たわったままの兵士も少なくない。

 この写真を見て、青年の頃に観た「ジョニーは戦場に行った」を思い出した。
 ベトナム戦争で手足、顔すべてを失い、肉塊と化しながら生命維持装置で生かされ、死ぬことも許されない青年の悲劇を描いた反戦映画であったが、その時に感じた悲しみ、怒りが長い時空を超えて蘇ってきた。

 ブッシュ大統領は22日に中西部ミズーリ州カンザスシティーで、「日本の軍国主義者、朝鮮やベトナムの共産主義者は人類のあり方への無慈悲な考えに突き動かされ、イデオロギーを他者に強いるのを防ごうと立ちはだかった米国民を殺害した。創造主によって人間の心に書き込まれた自由を求める欲求だ。我々の理想に忠実であり続ける限り、我々はイラクとアフガニスタンの過激主義者を打ち負かすだろう」と演説した。
 ジョニーの悲劇をもたらした独善と狂気が、今も多くのタイを生み続けている。
 
 米国は感傷的に、泣くだけでは許されない。イラクにはさらに多くのタイがいることを知らねばならない。
 一時の感情で「ブッシュの戦争」に喝采を送ったことを反省し、断固とした怒りをテキサスの粗暴なカーボーイにぶつけるべきはないか。

 近年は東京でも、昼間から蚊に刺されることが珍しくない。
 子供たちが公園でブランコに乗っていると、傍の茂みから蚊の大群が襲う光景も、しばしば目にする。

 私の小さいころは、こんなことは無かった。
 藪に潜む蚊が出るのは暗くなってからと相場が決まっており、白昼から傍若無人に刺しまくることなど、ありえないことであった。
 
 不思議に思っていたところ、謎を解いてくれる一つの事実に遭遇した。
 ツバメの巣が、いつごろからか街から消えていたのである。
 
 それに気付いたのは、長野県飯田市に近い山荘に逗留したときである。
 小川の流れる広大な庭園には、ツバメが飛び交っていた。見ると、山荘の軒下に巣がいくつもあった。
 夕方、庭園の芝生で涼をとっていても、私も家族の誰も蚊に咬まれたことがなかったが、どうやら低空飛行を繰り返すツバメたちが守ってくれていたようだ。

 ツバメは一匹で、一日数百、数千の蚊を食べると言う。
 ツバメの巣のある半径数十メートルは、蚊取り線香を焚く必要がないほどだ。

 つまり、都会の蚊の異常な繁殖と跋扈は、天敵のツバメやトンボ、蝙蝠などがいなくなったからなのである。この単純な自然の連鎖を、都会人は忘れてしまっている。
 その付けで、樹陰での静かな読書を奪われ、蚊一匹に安眠を妨げられてしまっている。子供たちは公園でうかうかブランコにも乗れない。

 トンボや蝙蝠を、自然の少ない都会で増やすのは至難の技だ。
 ところが、幸い、ツバメは人家に巣を作る。

 ただ、幼鳥は食欲旺盛で、巣からは糞がぼとぼと落ちる。
 そのため、不衛生と嫌われ、あれほどあったツバメの巣は都会の再開発とともに、次々と取り払われてしまった。

 しかし、蚊を取るから、糞もする。
 もう少し鷹揚に、ツバメを見守ってやろうではないか。

 数年前から、私の家の近所のスーパーの入り口の上にツバメが巣を作り、通路にぼとぼと糞を落としていたが、スーパーはその部分を囲い、「糞に注意」と小さな板を立てた。
 見ていると、いやな顔をする客はいない。立ち止まって、かわいいと幼鳥を眺めたりして、結構癒しになっている。
 巣は今年三つに増え、蚊も少なくなってきた。

 蚊取り線香は人体に悪いし、環境も汚染する。
 都会人とはいえ、多少は自然の連鎖に身を任せ、昼間から蚊どもに煩わせられることなく、ゆったりと過ごせる空間を増やして行こうではないか。 


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