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韓米が8日に高高度ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備決定を発表したことに「電撃的な発表に韓国は激浪に襲われた」(連合ニュース)と韓国マスコミは例のごとく大騒ぎし、なかなか焦点が定まらないが、十分に予想されたことである。実際、私は「中国に北朝鮮への制裁に同調することを促す外交的なカード」と繰り返し指摘してきた。
一言で言えば、中国に北朝鮮への制裁レベルを決定的に高めることを求めるメッセージである。 高度な政治的判断の余地を残すために、事は努めて実務的に発表された。韓米共同記者会見では、ハイランクの政府要人とは言えないレベルの韓国国防部の柳済昇政策室長が「在韓米軍に配備すると正式決定した。遅くとも来年末には実戦配備する計画である」と述べた。気負いもなく淡々としていたが、注目すべきは「遅くとも来年末」とわざわざ期限を明示したことである。 中国を意識していることは明らかである。「北の核と大量破壊兵器、弾道ミサイルの脅威から韓国と国民の安全を保障する自衛的な措置であり、いかなる第3国も狙わず、北の核とミサイルのみに運用される」と異例の言及をしたのも、中国の反応を見越してのことであろう。 中国が警戒するのは、ミサイル本体以上に射程距離半径1000キロのXバンドレーダーで国内の主要軍事施設が丸裸になることである。同時に配布された国防部説明資料ではその点について「レーダーの探知距離は韓半島に限られ、周辺国から米国に向かうICBMの飛行経路は探知範囲ではない(米日が構築する)MDとも関係なく、北のミサイルが韓国に向けて発射された場合にのみ適用される」と記されている。 これまでの経緯とあわせて考えると、言外に中国にある種の決断を促していることが読み取れる。 それは何か? THAAD配備の必要性について「北の核の脅威に備える」と強調するのは、反対解釈すれば、北の核さえ除去されれば必要ない、となる。 つまり、金正恩政権が核放棄せざるを得ないレベルまで中国が制裁圧力を強めることを求めているのである。 そこには朴槿恵大統領の強い意思が反映されている。 配備の時期を「遅くとも来年末」としたのは、大統領任期が切れる前に核問題に決着を付けるということであろう。 オバマ大統領との合意の下であることは言うまでもなかろう。 韓米共同記者会見には米側からはTHAADの運用にあたるベンゲル在韓米軍参謀長が出席したが、中国を刺激しないようにと「ミサイル防衛体制を向上させる」と控え目であった。 しかし、その2日前に米国務省が議会に北朝鮮の人権状況に関する報告書を送り、8万〜12万が「犬以下の虐待を受ける」政治犯収容所などの実態を暴き、金正恩委員長を含む11人と国家安全保衛部など5機関を制裁対象にくわえた。 金正恩を幼児から知り尽くした叔母の高英淑らが報告書作成に加わっており、隠すことが出来ない。因みに、諸説あった金正恩の誕生日は1984年1月8日と特定されている。 金正恩委員長を制裁対象に加えたのは、事実上、交渉の相手としないと宣言したのも同じである。 金正恩が政権トップにいる限り核問題も解決できないと判断し、その排除を視野に入れたものと見られる。 要するに、THAAD配備の期限付き決定は、韓米が金正恩排除を視野に制裁を一段と強めることを中国に求める一種の最後通諜とも言える。 制裁の効果を疑問視する声があるが、実情に無知と言わねばならない。米国の金融制裁が北朝鮮の外貨獲得に打撃を与えているのは疑う余地がない。加えて、北朝鮮が食糧、石油など戦略資源を頼る中国が国連制裁決議に同調し、北朝鮮経済は完全に行き詰まっている。 端的な例が、先の第7回党大会で決定した国家経済発展5ヶ年戦略の見通しが全く立っていないことである。先に李スヨン外相らが訪中し、習近平主席に直接経済支援を求めたが、核廃棄が前提と断られ、その後の最高人民会議で内容を具体化することに失敗した。計画経済の国が計画も決められず、鉄鉱業など基幹経済は施設の老朽化が進み、崩壊過程にある。 工業の支援を受けられなくなった農業も衰退一路であり、春窮が国民を苦しめている。WFPが先に2018年まで北朝鮮の妊婦や孤児ら170万に食糧支援を続けると発表したが、外部の支援なくしては国民を養えないのが今の北朝鮮である。 金正恩政権は恐怖政治で体制維持を図り、核をその手段にしているが、本末転倒であり、もはや限界である。 問題は中国の対応であるが、8日の外務省声明は「中国を含む地域諸国の戦略的な安全保障上の利益と地域の戦略バランスを著しく損なう。強い不満と断固として反対」とするが、自制が利いている。 北朝鮮への制裁強化を求める政治的なメッセージが込められていることを理解しているからに他ならない。韓国政府は前日に中国、ロシアに通告しており、意図は十分に伝わっている。 中国としては長い国境を接する北朝鮮の混乱は避けねばならない。金正恩が核を放棄し、改革開放へと向かうように制裁の匙加減を調整しているが、まだ時間が掛かりそうである。 期限を区切られ、中国としては悩ましいが、経済的な結び付きが強く、アジアインフラ投資銀行(AIIB)でも理事国として重要な役割を担っている韓国の意向を無下には出来ない。反中姿勢に傾斜する安倍政権を牽制する意味でも、韓国との友好関係維持は不可欠である。 今後、重要な意味を持つのが、7回の首脳会談を重ねた朴槿恵大統領と習主席の個人的な信頼関係である。 9月の中国でのG20で両首脳は会談に臨むことになるが、THAAD問題が最大の議題となろう。 なお、韓国内では野党の共に民主党が「実益がある配置には反対しない」としながらも、中国との経済関係を損なうことを警戒し、対政府批判を強めている。 外交安保まで不用意に政局に持ち込むレベルからそろそろ卒業する時期であろう。 |
南北関係・統一論
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核を巡る南北トップのつばぜり合いは、前々回、前回と私が予想したとおりに展開しているようだ。国際社会、とりわけ核安保サミット後の中国の厳しい制裁が効果を現し、客観的には、来月7日に予定された第7回労働党大会の開催は極めて難しい状況となっている。
金第1書記当人は幹部の世代交代で独裁体制を固めようと開催に固執しているが、一人相撲である。輸入に頼る食糧、燃料などの物資不足は北朝鮮当局も認めざるをえないほど深刻化し、36年ぶりの党大会を正当化する成果も名分もない。 労働新聞はしきりに核戦力を誇示し、「最後の勝利」を訴える一方で、第2の「困難の行軍」、朝鮮戦争時の「クンジャリ精神」なる極端な精神論を鼓吹しているが、一般国民は笛吹けど踊らずである。集団や党政軍幹部の脱北が相次ぎ、支配層に至るまで動揺が広がっている。 開催を強行すれば、内部の葛藤や対立が先鋭化し、政権基盤は逆に不安定化するだろう。いつ内乱や暴動が起きても不思議ではなくなる。 一見して強気の金正恩にも、よく観察すると焦りや怯えが見える。韓米合同軍事演習の「斬首作戦」に自分を狙っていると極端に神経質になり、予定行動を一切伏せた隠密行動を取っている。 今月は金正恩第1書記就任記念日(11日)だが、公式行事に姿を現さず、今後も国防委員長就任記念日(13日)、金日成生誕日(15日)など事後報道となろう。 党大会の席に公然と姿を見せられるかも保証の限りではない。かといって今さら党大会を延期すれば権威は失墜し、行くも地獄、退くも地獄である。 そうした金正恩政権の窮状を、脱北した北朝鮮高級幹部の内部情報から読み取り、朴槿恵大統領は金正恩一人に絞って圧力を一段と強め、内部の分裂、動揺を誘っている。 勝負は基本的に決まったと言っても過言ではなかろう。党大会を開こうが開くまいが、経済に展望が立たない以上、核偏重の金正恩政権の先は見えている。 決定的であったのは、ワシントンの核安保サミットでの朴槿恵・習近平会談(3月31日)であった。 習主席が「北朝鮮への制裁を強化するから、THAADの韓国配備はなしにしてほしい」と述べ、朴大統領は「THAADは中国と意思を疎通していく」と継続協議に同意し、事実上、中国の対応次第で配備の時期を送らすことに同意した。 日本、韓国のメデイアはいずれもこの肝心な点を見逃してきたが、THAADは韓米問題であると同時に韓中問題でもある。すなわち、韓国としては、北朝鮮の核ミサイルの脅威に対抗するためにTHAADが必要となる。従って、中国の協力でそれが除去されれば必要なくなる。 他方、米国には北朝鮮をダミーにしてTHAADを韓国に配置し、中国を牽制する思惑があるが、韓国はそれとは明確に一線を画する。経済関係が密な中国を無用に刺激することは、国益に反するからだ。 その意味で、朴大統領にとってTHAADは一貫して外交的なカードなのであるが、習、オバマ両首脳との首脳会談を重ね、個人的な信頼関係を築いたからこそ可能な高度なバランス外交である。 核安保サミット直前、米国務省副長官が「THAAD韓国配備は技術的な問題」と牽制球を投げ、中国外務省が「戦略的な問題。地域の均衡を崩す」と反論して火花を散らしていた。ワシントンに入るやいなや習主席は朴大統領との会談を望んだが、朴大統領は韓米首脳会談、韓米日首脳会談、韓日首脳会談を優先させ、同盟国との意見調整に努めた。 その後に習主席との会談に臨んだが、先行した諸会談が15分、70分、25分であったのに80分たっぷりと時間をとり、「無信不立(信なくば立たず)」と呼びかけ、和気藹々とした雰囲気の中で本音をぶつけ合い、習主席の言質を引き出すことに見事に成功したのである。 朴槿恵大統領は南シナ海、東シナ海問題で微妙に対立しているオバマ、習両氏を巧みにまとめ、北朝鮮核問題で共同行動をとらせることに成功した。 習主席と一度も会ったことがなく、首脳外交が不得手な金第1書記との外交力の力差は歴然であった。 また、日本国内でも強い反対論が出ている安保法制に釈迦力になり、中国包囲網を作ろうとしている安倍首相とも距離を置き、東アジアの平和と安定維持に独自の存在感を発揮している。 朴・習首脳会談の共同声明では核心の北朝鮮問題には意図的に触れなかった。THAADが関わっているため外交的配慮を利かしたのであるが、北朝鮮は敏感に反応した。 同首脳会談直後の4月1日深夜に発表された朝鮮中央通信論評は「血の友好関係を放り出し、色々な国と密室で野合」と猛烈に批判した。名指しを避けたとはいえ、公然の中国批判は異例のことであり、韓中接近と中国の制裁強化にいかに神経を尖らせているかを端的に物語る。 韓国政府は国連安保理が全会一致で決めた史上最強の対北朝鮮制裁決議2270(3月2日)発効1ヶ月を「効果が確実に出ている」と総括したが、故なしとしない。 同決議は石炭、鉄鉱石など鉱物資源の輸入禁止、航空燃料の輸出禁止、船舶寄港禁止、金融制裁など多岐にわたるが、その効果は北朝鮮の貿易の9割を占める中国にかかっている。 「民生関連は除外」との抜け穴が従来から指摘されていたが、今回は中国はいつになく厳しい。特に朴・習会談後の5日に中国は禁輸対象品目を発表し、即日から履行したことから、北朝鮮経済に深刻な打撃を与えている。 労働新聞論評が1990年代に数十万の餓死者を出した「困難の行軍」に備えよと訴え、1950年代初めの朝鮮戦争時の戦時生産の「クンジャリ精神」に繰り返し言及しているのは、生活難が引き起こす内部の動揺を押さえるのに四苦八苦しているからに他ならない。 国防委員会談話(4月3日)は従来の強気の発言を繰り返す一方で、「制裁が子供の生活まで脅かしている」と窮状を示唆し、「軍事的な圧迫よりも交渉の場を」と対話を求めたが、本音であろう。 事態は風雲急を告げている。8日に北朝鮮のレストラン従業員13人が集団脱北し、韓国入りしたが、中国外務省報道局長が「合法的な旅券を持って、6日に出国した」と認めたのである。韓国人客が途絶え、営業不振に陥ったセツ江省寧波の柳京レストラン従業員が北朝鮮の前途を悲観して脱北を決意し、バンコック、ラオス経由で仁川空港に到着したと韓国紙が報じているが、中国が第三国経由の脱北ルートを黙認しているとの見方が有力だ。 今年1〜3月の脱北者が342人に達し、前年同期比17・5%増となっている。2009年の2914人を最大に徐々に減っていたが、再び増大に転じたのは取締りが効かなくなっていることを示す。中国が容認に転じており、東ドイツ崩壊の端緒となったハンガリー国境開放による難民流出と同じ現象が始まっている可能性がある。 北朝鮮赤十字は「前代未聞の拉致」と返還を求めるが、食えなければ国民は国を棄てる。 北朝鮮権力中枢部でも金正恩離れが急速に進行している。世代交代による一時的な現象との見方があるが、権力の本質が見えていないと指摘しておく。 昨年脱北し、最近明らかにされた偵察総局大佐のケースは、金正恩の権力基盤に亀裂が広がっている具体的な証となる。 1989年の大韓航空爆破事件を起こした軍偵察局に2009年、労働党作戦部、35号室が併合されて偵察総局となり、2010年の延坪島砲撃事件、昨年9月の38度線地雷、砲撃事件を起こした破壊工作部隊である。指揮官の金英哲大将は金正恩の最側近であり、昨年暮れに党書記、統一戦線部長となった。 党、軍最高幹部を次々と粛清してきた金第1書記の恐怖政治を支える核心機関の幹部の離脱は、政権の末期症状を意味する。私の分析では、もう1つの核心機関である国家安全保衛部の金元弘部長と金英哲との主導権争いが背景にある。互いに牽制する仲であり、両者の均衡が崩れるのは時間の問題であった。韓国政府が金英哲を韓国独自の制裁対象に指定したことが影響を与えたかもしれない。 長いスイス留学から戻り、急逝した金正日の後継者に落下傘のように収まった金第1書記は、北朝鮮の実状を把握しきれておらず、裸の王様のようなところがある。 「米国が核戦争を起こそうとしている」と国民の恐怖心を煽りながら、「抑制力(抑止力)」と称して核・ミサイル開発に邁進してきたのは周知のことである。直近では9日付けの朝鮮中央通信が西海衛星発射場で大陸間弾道弾エンジン燃焼実験を現地指導したと伝え、「強力な核弾頭を搭載し、米国に核攻撃を加えられるようになった。科学者、技術者らが党大会に捧げる最大の贈り物だ」と述べたと報じた。 昨年10月の軍事パレードに現れた移動式ICBMのKN08改良型と大騒ぎする向きもあるが、飛行姿を誰も見たことがない。相手に恐怖心を植え付けるために仕掛けた金正恩一流の陽動作戦であり、北朝鮮の科学者、技術者もまともに飛ぶとは思っていないだろう。 2日の朝鮮中央通信は金第1書記が東部宣徳での新型の対空迎撃ミサイル発射実験に立ち会い、成功を祝したと伝えたが、これもこけ脅しであった。 韓国側もレーダーで実験を捕捉し、ミサイルは3発発射され、2発が数秒で消えたことが確認されている。失敗して空中爆発したと見られている。 急の実験は斬首作戦に怯えた金第1書記が強力な対空ミサイルの存在を誇示し、韓米側を牽制したと見られるが、逆に弱点をさらすことになった。 一事が万事である。金正恩が掲げた核・経済並進路線は個人の権勢を誇示せんとの非現実的な妄想でしかなく、それを論議する党大会ほど滑稽なことはない。 無駄なことをしてさらなる窮地に追い込まれるのか、現実的合理的な路線に軌道修正することが出来るのか、あと1ヶ月で結論がでよう。 朴槿恵大統領は核安保サミット前のブルームバーグとの書面インタビューで「北を変化させ、平和的統一の礎石を築いた大統領として名を残したい」と述べた。 父親の朴正煕元大統領が描いた「先建設後統一」の戦略的なビジョンを二代にわたって実現しようとしていると評価できる。 他方の金正恩第1書記には「先建設後統一」に対抗する戦略が欠けており、軍事に偏重し衝動的、場当たり的に流れ、押されるべくして押されている。 北朝鮮の核保有が経済大国の韓国、日本の核武装派を勢い付かせ、地域の核軍拡競争を誘発しかねない危険性があることも読めないようでは、一国の責任ある指導者として失格である。 くわえタバコなど礼儀をわきまえない高慢な性格が映像や写真にそのまま表れているが、権威と錯覚しているようなら前途は暗い。 |
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私が指摘した南北トップのつばぜりあいは一段と激しさを増してきた。
チキンゲームと揶揄する向きもあるが、表面的に過ぎ、事態の本質が全く見えていない。 前回、「南北の総合的な力関係からして、金正恩政権が核を放棄しないかぎり、事態の収拾は難しい」と書いたが、いよいよ佳境に入りつつある。 7日から韓米合同軍事演習が始まったが、金第1書記はその対応にあくせくし、5月に予定した第7回党大会どころではなくなっている。党大会が延期もしくは中止となったら、その政治的な打撃は大きい。権威は失墜し、内部の権力闘争に火がつくだろう。 核放棄を約束した上で南北首脳会談もしくは6ヶ国協議で和解に持ち込むか、政権交代しか選択肢は残されていないのが現実である。 朴槿恵大統領は「金正恩」と国会演説で呼び捨てし、北朝鮮の政権崩壊や交代に言及している。 また、韓国軍30万、米軍1万7千人が参加し、核搭載のB2、B22、原子力空母や原潜が動員された史上最大規模の韓米合同軍事演習では、金第1書記や北朝鮮権力中枢を標的にした「斬首作戦」やピョンヤン進攻を想定した実戦的な訓練が繰り返されている。 そこには、以前と異なる状況認識と決意が込められている。 すなわち、第4次核実験やロケット実験を強行し、核兵器開発を急ぐ金第1書記をそのままにしては地域の安全を保てないとの判断に基づく。 端的に言えば、金正恩が核弾頭兵器を完成する前に、実力でそのリスクを除去してしまおうというものである。 金第1書記もそれを感じ取り、極めて神経質になっていることが一連の行動から見てとれる。 金正恩は父の金正日から兄の正哲よりも気が強い点が評価されて後継者に収まり、労働新聞などでも「胆力」が類稀な指導者の資質として称賛されているが、ここに来て独断、虚勢が目にあまり、完全に裏目に出ている。 私が前から指摘していることであるが、金正恩発足直後から、秘密とされていた核・ミサイルを映像で公開し、「胆力」を示した。力を実態以上に誇示して韓米を威嚇し、譲歩を引き出すのが狙いであったが、その実、相手に手の内を自らさらす結果となり、経験不足と未熟さを読まれてしまっている。 敵を知り、己を知れば百戦危うからず、と教えたのは孫子であるが、この戦略戦術の要締がまるで分かっていないのである。 そもそも第3次核実験後に公然化した核・経済同時建設の並進路線そのものが、現実を全く無視した虚勢の産物であった。 非力であるにも関わらず、核さえ保有すれば「強盛大国」に成れるとの妄想に憑かれて暴走し、自分で自分の首を絞めてしまっている。 その弱点がもろに出ているのが、韓米合同軍事演習が始まった今月7日以降の一連の顛末である。 金第1書記は核ミサイルでソウルやワシントンを「火の海にする」と威嚇し、同軍事演習を中止に追い込もうとしているが、全く相手にされない。そればかりか、韓米の圧力は一段と強まり、窮地に追い込まれている。 韓米は北朝鮮が核ミサイルを実戦配備する段階には至っていないと判断している。 今年1月6日の核実験について北朝鮮は「水素爆弾」と発表したが、韓国政府は「ブースト型核分裂」であり、核融合、つまり、水素爆弾ではないと結論付けた。これが真実に最も近い。金正恩政権になってから党高級幹部らの脱北が相次ぎ、韓国の情報収集能力は米国より優れている。日朝交流が途絶えた日本は足元にも及ばない。 金第1書記は2月7日のロケット実験後、米大陸を射程内に収める大陸間弾道弾を保有したと豪語したが、韓国の韓民求国防相は「大気圏再突入に必要な技術を得ていない」と否定した。韓国軍は同ロケットの弾頭カバーを海中から回収し、アルミニウムの内部に断熱材を貼っただけの、間に合わせの材質であることを確認している。また、旧式の液体燃料ロケットなので事前に探知しやすく、先制攻撃で対処可能とする。 北朝鮮の核ミサイルが実戦化するのは早くて3、4年後であるというのが韓米政府の見解であり、その前に方をつける、が共通認識となっていると読める。 金正恩は気負いばかり先行し、しかるべき経済力、技術力がなければ核、ミサイル開発は不可能であることが理解できない。 専門知識に疎く、助言にも耳を傾けようとしないが、相手側が自分をどう評価しているかには人一倍敏感であり、手から離さないスマホでしきりに確認している。 繰り返されるミサイル発射は強迫観念のなすわざであった。15日付の労働新聞は、金第1書記が弾道ミサイルの大気圏突入実験を現地指導したと伝えた。さらに24日には固体燃料ロケットの地上噴出実験に立ち会い、「わずか6ヶ月で与えた課題を遂行した」と科学者、技術者を称えたという。 いずれも韓国が指摘した弱点を意識し、克服したというものであるが、付け焼き刃が通じるはずもない。思い付きの速度戦で解決しようという非科学的非合理的な発想が、若い指導者の限界を物語る。 核ミサイルによる威嚇が通じないと見てとると、次に登場したのがソウルを壊滅させるという触れ込みの「新型大口径長距離砲」である。 25日付労働新聞は金第1書記が前線連合部隊長距離砲兵隊による「史上最大規模の集中火力打撃演習」を現地指導したと、写真入りで報じた。翌日、同砲兵隊名で朴槿恵大統領の公開謝罪を求める「最後通諜」を発表し、「応じない場合は軍事行動に出る」と威嚇している。 現地指導記事には、随行幹部らと共に満面に笑みを浮かべている金第1書記の写真が添えられている。余裕を見せる心理戦のつもりだろうが、場違いな作り笑いなのが一目瞭然である。肥満体の金第1書記の頬が膨れて垂れ下がっているのは、ストレスからくる過食と見られる。 留意すべきは、いずれの記事にも「最高尊厳を死守」といった言辞が枕詞のように使われていることである。頻繁に行われる現地指導の狙いの一つが、軍の忠誠心を繋ぎ止めることにあることが分かる。 見る人が見れば、玄英哲人民武力相、李永吉総参謀長軍ら軍トップを無惨に粛清したことや、食糧も不十分な劣悪な状況への不満や怒りが軍内部に燻っていることが見えてくる。 他方の朴槿恵大統領に北朝鮮の恫喝に怯む気配は皆無であり、余裕の表情すら浮かべる。 天安艦事件6周年の25日、太田市の国立墓地での記念式で演説し、「無謀な挑発は自滅の道」と切り捨て、「開城工団全面中断など独自の制裁は断固とした意地を示した」と述べ、米国で開催される核安保サミットで「世界の首脳たちと北核問題解決の力と知恵を結集する」と強調した。その上で、「今が北政権を変化させることができる機会」と力を込めた。 朴大統領は、6回も首脳会談を重ね、個人的な信頼関係を築いた習近平主席が北朝鮮制裁に本腰であることに手応えを感じている。 3月2日にかつてない強力な国連安保理制裁決議が満場一致で採択されたが、鍵は中国であった。北朝鮮の対外交易は中国、韓国が大半で、開城工団閉鎖後は中国が9割を占める。朝中貿易総額は68・6億ドル(2014年)で北朝鮮は原油、食糧などの戦略物資を依存しており、事実上の生命線である。 北朝鮮の混乱を恐れる中国は、核・ミサイル開発と直接関連する取引は制裁対象としたが、石炭、鉄鉱石などに関しては民生に影響を与えるとして制裁対象から除外していた。 朴大統領はそれが外貨獲得の抜け穴となっているとして、開城工団閉鎖のように全面禁止措置を取るように求めたのである。 習主席はなかなか応じようとしなかったが、朴大統領はTHAADカードをちらつかせる。 その経緯は「韓国が米国とのミサイル防衛に参加する隠れた狙い」(上)(下)に詳しいが、北朝鮮の脅威が高まる以上、中国が嫌がる米国の高々度迎撃ミサイルTHAADを韓国に配置するしかないと、圧力をかけたのである。北朝鮮への制裁強化に踏み出せば、配置を保留するとの含みがあることは言うまでもない。 オバマ大統領、習主席双方と個人的な信頼関係を築いた朴大統領ならではの高度な外交であったが、見事に奏功する。 16日、北朝鮮の石炭輸入の主要貿易港である遼寧省の営口港に海事当局から口頭の通知がなされ、北朝鮮船舶の入港が禁止された。 同様の通知は天津、山東省の日照、蓬莱、江蘇省の南通などの港にも拡大し、北朝鮮最大の外貨獲得源である石炭、鉄鉱石などの鉱物資源は事実上、輸出の途を絶たれた。このような措置はかつてなかったことであり、北朝鮮経済に甚大な打撃を与えよう。 韓国と中国の外相や6ヶ国協議首席代表が頻繁に会合を重ねており、どこまで金正恩政権を追い込むか見極めていると思われる。 その一方で中国は北朝鮮側とも接触しており、金正恩政権が下りてくるのを待っている。核放棄が大前提であることは言うまでもないが、政権崩壊でシリアのような無用な混乱が起きることは避けようとしている。 今月下旬の核安保サミットで朴大統領はオバマ大統領、習主席と会談し、その辺りをさらに煮詰めることになろう。 金正恩政権にとっては日が経つほど状況は厳しくなるだろう。 石油枯渇、外貨枯渇がじわじわと進み、国内経済は大混乱に陥る。田植えの季節であるが、軍事動員で農作業に支障が出れば大飢饉に襲われるのは必至である。 70日戦闘で増産運動を繰り広げ、5月の7回党大会を迎えるシナリオは修正せざるをえないだろう。 ピンポイント攻撃を恐れてか、事前に予定された公式の行事は一切行わず、現地指導記事は日時、場所を伏せた事後報道である。自ら招いた準戦時体制下で金日成生誕の4月15日行事や党大会を開催できるか、疑わしい。 いよいよ正念場である。 |
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金正恩政権の核実験と弾道ミサイル実験強行で、南北関係が大きな転換点に差し掛かっている。
金正恩第1書記は軍事力を誇示して米国に譲歩を迫る正面突破の強硬路線に面舵を切ったが、朴槿恵大統領は韓国への露骨な敵意を感じ取り、16日の国会演説で金正恩体制の崩壊を視野に入れた制裁と圧力に力点を移すことを明言した。 経済力、外交力、軍事力など双方の総合的な力関係からして、金政権が核放棄を明言し、実行に移さない限り、事態の収拾は難しいだろう。 鍵を握っているのは中国である。朴槿恵大統領は中国が金正恩体制の命脈を握っていると判断し、効果的な制裁に同調するように外交資源を総動員している。 これに対して金第1書記は、米国に接近して中国を牽制し、韓国を孤立させようとしているが、自ら首を締める結果になっている。 そもそも石油や食糧などの戦略資源を中国に頼り、経済的に自立できない実情を無視して核開発に走ったことが無謀なことであった。並進路線など机上の空論であり、自滅のシナリオである。 米紙ウオールストリート・ジャーナルがさる21日、北朝鮮が米国に平和協定締結へ向けた交渉を提案し、ニューヨークにある国連代表部を通じた非公式接触をしたが、米側が非核化を議題に含めることを主張したため反発し、1月6日の核実験強行で決裂、と報じた。 これが事実なら、自称水素爆弾実験は交渉が行き詰まった挙げ句の暴走ということになるが、カービー国務省報道官は同日、報道が事実であることを認めた。「いかなる協議でも北朝鮮の非核化を議題にしなければならないとの立場を明確にした。北朝鮮に対する米政府の対応は、非核化を焦点にしている」と述べており、金第1書記の思い付き的な対米外交は完全に破綻したと言ってもよいだろう。 韓国統一部報道官は22日、「平和協定は米朝間の問題ではなく、韓国が主体にならなければならない。非核化の論議が優先される」と述べたが、それが韓米間の確固たる共有認識となっている。 とうにわかりきったことであり、北朝鮮は無謀なことをして立場を悪くしている。外交経験がほとんどない金第1書記の対外情勢認識の拙さ、独善主義の危うさがそのまま出ている。 鍵は以前として中国が握るが、王毅外相は17日、「朝鮮半島の非核化と平和協定締結を並行して進める」と提案した。 そこには対話の余地を残し、北朝鮮の不安定化は極力避けたいとの中国の本音が隠されている。 しかし、中国の北朝鮮への影響力にも限界がある。習近平主席は昨年秋、劉雲山常務委員をピョンヤンに派遣し、金第1書記に核を放棄させ、改革開放政策を採用するように誘導したいと考えたが、やはり“水素爆弾実験”により後足で砂をかけられた。 習主席は面子を潰され怒り心頭であるが、衝動的で予測不能な北朝鮮の若い指導者をいかに扱ってよいものか、匙加減に悩んでいると読める。 中国外務省は22日、王毅外相が23日から25日まで米国を訪問し、ケリー国務長官らと会談すると報じたが、狙いは、国連安保理での制裁決議を煮詰めることであろう。 華副報道局長は同日の定例会見で「新しく、効果的な安保理決議を支持する」としつつ、「半島の緊張を高める行動は控えるよう関係国に求める」とした。議長を務める6ヵ国協議の場に北朝鮮が出て来ざるをえないレベルまで制裁圧力を強めることに同意するとみられる。 中国の背中を押しているのは、朴槿恵大統領である。開城工団閉鎖に加え、中国が嫌がるTHAADの韓国配備を匂わせて圧力を加えた。 日本なり米国が同じ真似をしたら反発され、逆効果になるところであるが、習主席との6回にわたる首脳会談を通して個人的な信頼関係を築いたことが物を言っている。 何よりも習近平政権の新経済戦略の中核となるアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立に朴槿恵大統領が一貫して協力し、理事、副総裁を出していることが、相互信頼の揺るがぬ柱となっている。政権基盤を磐石とし強気でなる習主席も、「戦略的パートナー」と認めあう朴大統領だけはむげに出来ない。 自業自得であるが、金正恩第1書記はかなり厳しい局面に直面することになる。 来月7日から米原子力空母、B52、B22などの戦略的な資源を投入する史上最大規模の韓米合同軍事演習が1ヶ月以上も連続して行われるが、そこに強度の制裁が加わる。 軍トップの人民武力部長や総参謀長を次々と粛清するほど軍内部の統制が弱体化している。内閣が年間計画も立てられない経済が中国の制裁発動でさらに混乱すれば、5月に予定された第7回労働党大会も開催不能となろう。 しかし、北朝鮮のシリア化は避けねばならない。 皮肉なことであるが、金正恩第1書記には核放棄して朴槿恵大統領と和解し、支援を求めるしか生き残る道は無さそうである。 以前も指摘したが、南北は旧東西ドイツ基本条約のように暫定的に国家として相互承認して関係を安定化させ、統一の基盤作成の期間を置くしかあるまい。 それなら、核を持たなくとも北朝鮮の体制は当面、保証される。棚からぼた餅で権力を世襲した金正恩にとって核・ミサイルはほとんど保身の手段であるから、説得は一般に思われているほど難しくはなかろう。 地域は安定するから、米国は無論、中国も異存はあるまい。 |
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前回予測した通り、「遺憾」の言質を取られて矛を納めたことに、大々的に軍を動員した準戦時体制は何のためだったのかと、北朝鮮指導部内でも金正恩委員長の指導力を疑問視する声が湧き上がっている。 28日付労働新聞が、金正恩委員長が労働党中央軍事委員会拡大会議(写真)を開き、「一部委員の解任及び任命を決定し、組織問題を提議した」と報じたのは、それを示す。 具体的に誰が解任されたかは現時点で明らかでないが、前日に急遽召集されたとみられる拡大会議には38度線に展開する軍団長らも参加しており、地雷事件と砲撃事件を直接指揮したとして第2軍団長らが責任を問われた可能性がある。 しかし、金委員長自ら20日夜に中央軍事委員会非常拡大会議を緊急召集し、「48時間以内に拡声器放送を中止しないと重大な軍事行動を起こす最後通諜」を韓国側に突き付け、全軍に準戦時体制に入るように檄を飛ばしている。誰が見ても軍団長らに責任を押し付けるのは無理がある。 前線に張り付いていた李永吉総参謀長、金英徹偵察総局長らの立場は微妙にならざるをえないが、玄英哲人民武力部長の処刑に続いて軍最高幹部がまた金委員長の鶴の一声で粛清される事態にでもなれば、軍内の動揺と不満はより深まろう。 脱北団体の対北宣伝ビラや韓国軍の拡声器放送に「最高尊厳(=金正恩)を傷付ける」と過剰に反応し、自己の体面維持の為に全軍を振り回した金正恩国防委員長が、極めて厳しい状況に直面していることは間違いない。 27日の拡大会議は金正恩委員長一人が壇上に座り、訓示を与える形を取っている。一見、権威が確立しているかのようであるが、一人浮き上がっているとも解釈出来る。朝鮮では古来、それを「トクプル将軍」と戒めてきた。 金正恩が金正日時代にはほとんど開かれず、有名無実の存在であった党中央軍事委員会を頻繁に開催するのは、2010年9月の党代表者会議で党中央軍事委員会副委員長に選出され、後継者としてデビューした経緯があるからである。 自己の最大の権力基盤と心得て来たが、叔父の張成沢国防委員会副委員長粛清後、何かとギクシャクしている。昨年中頃まで二人の副委員長は崔龍海軍総政治局長、玄英哲人民武力部長が務めたが、崔は総政治局長から退き、玄は今年4月に粛清されるなど、16名の委員に大きな変動がある。 副委員長の補充が成されるとの見方も出来ないではないが、事態はそれほど単純ではない。党中央軍事委員の出入りが激しいことは、金正恩の有力な側近が消え去り、権力中枢が揺らいでいる証左と言える。 今回の軍事委拡大会議はピョンヤンテレビでも伝えられた。 唐突に発令された準戦時体制に翻弄された多くの北朝鮮国民が見守ったが、若い指導者の説明に納得したであろうか? 金委員長は拡大会議で「北南共同報道文は和解と信頼の転換的な契機」と評価した上で、「自衛的な核抑制力を軸にした軍力と一心団結の隊伍が危機を解消し、平定をもたらした成果」と強調した。 これを聞いた北朝鮮国民は共同報道文で北が表明した「遺憾」は何だったのかと疑問に思うだろう。南が表明したのなら北の勝利であるが、逆ではないかと感じるであろう。 実際、軍事力に物言わす方式は今回、完全に失敗した。韓国国論の分裂を誘発し、朴槿恵大統領を孤立させ、譲歩を引き出す事も出来なかった。2010年10月の延坪島砲撃事件と決定的に異なる点である。 金委員長は拡大会議で強気に軍事優先路線の堅持を訴えたが、限界を露呈した以上、今後、修正を迫られざるを得なくなる。 金正恩は核兵器を保有していればどうにかなるといった幻想に憑かれた並進路線を捨てる時である。 同日掲載された労働新聞論評「情勢論解説」は「核保有国対核保有国の戦争がどんなものか、米国が一番よく知っている」と、依然として米国に譲歩を迫る旧態依然とした論陣を張ったが、肝心なことを見忘れている。 私がかねてから指摘している事であるが、北朝鮮のような防空、防衛能力のない国が核を有することは核先制攻撃を受ける危険性を高める自殺行為である。 現に、金委員長が並進路線を公然化した直後の2013年10月、韓米は核先制攻撃を組み入れた新抑止戦略で合意している。 ソ連のような核大国が消滅したのは核軍拡競争に疲弊した結果であり、北朝鮮のような小国が米国相手に核軍拡競争を挑むなど、愚の骨頂以外の何物でもない。 今回、北朝鮮は38度線に軍事力を動員し、威力を誇示しようとしたが、部隊展開、旧式化した装備、兵站などの弱点を逆に韓国側に読まれている。潜水艦隊などは3日間しか継戦能力がないことを露呈した。 経験不足のワンマン軍指導者が露呈しがちな欠点であるが、金正恩も例外ではなかったということである。 金委員長は拡大会議で北朝鮮北東部の港湾都市の羅先の水害被害に言及し、10月10日の労働党創建記念日までに軍が総力を挙げて復旧する最高司令官命令を発した。 政務院を飛び越した唐突な措置は、傷付いた威信を取り戻そうと焦っているからとみられるが、思い付きで周囲を振り回していると足元をさらに堀崩す結果となろう。 金委員長は今回、朴槿恵大統領の「挑発には断固として対応」する原則論に屈したことになるが、偶然ではない。 私が『韓国を強国に変えた男 朴正煕』で明かした「先建設後統一」という、父娘二代の統一論に押されているのである。 金正恩は祖父金日成の並進路線を真似たアナクロニズムに陥り、ますます立場を悪くしている。盟友の中国からも見限られている。 南北の経済規模は50対1以上に開いている。今回の「遺憾」はその反映である。 しかるべき教訓を得て、経済優先に舵を切る。その意味で北朝鮮再生の最後の機会と言えよう。 |







