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ソウル高裁は三日、靖国神社への放火容疑で日本が身柄引渡しを求めていた中国人の劉強氏について「祖母が従軍慰安婦にされたことに抗議した政治犯である。日本への引渡しは韓国憲法の理念に反し、文明国家の普遍的価値を否認する」として、日本側の訴えを却下した。
至極妥当な決定である。 劉氏は中国に送還され、あとは日中間の交渉に委ねられることになる。 安倍政権は外交問題化しようとしているが、お門違いである。 毎日新聞によると、日本大使館の倉井総括公使が韓国外交通商省に抗議し、日本政府関係者が「韓国の司法に対する信頼が完全になくなる」と述べたという。 この時代錯誤のクレームが事実なら、国外退去を求められても文句は言えまい。 劉氏は昨年1月にソウルの日本大使館に火炎瓶を投げて逮捕され、同年11月まで服役していた。 罪は償ったとみなされる。 靖国神社への放火は一昨年12月のことであり、日本側は日韓引渡し条約に基づいて身柄引渡しを求めていた。 同条約には政治犯罪は例外とする規定があり、韓国高裁の決定は司法としての判断を下したものであり、日本政府関係者の妄言は韓国の司法、憲政秩序を否定するものである。 そもそも安倍氏は従軍慰安婦には旧日本軍による強制はなかったと言い張り、娼婦であると冒涜してきた。 河野談話の否定であるばかりか、従軍慰安婦を重大な人権侵害、人道に反する行為と糾弾する国際社会の通念に著しく反する。 安倍氏は首相に就任すると、韓国は民主主義などの価値観を共有する隣国として重視するとし、額賀特使を今日送ったが、従軍慰安婦に対する暴言はその価値観を根本的に疑わしめる。 南京大虐殺問題も含め、安倍氏の歴史認識には戦前の日本の侵略行為に対する真摯な反省が欠落している。 それでは韓国、中国など東アジア諸国との平和的な外交は難しい。 劉強引渡し問題はそれを早くも見せつけた。 前途多難である。 |
歴史認識問題(従軍慰安婦etc)
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総選挙での自民党圧勝はある意味で当然のことであった。
与党民主党への不満が巷に満ちあふれ、野党自民党がそれを怒りに変えて追い風にしたのは小選挙区制下ではごくありふれた光景であり、三年前の再現と言える。 とはいえ、不可解なのは脱原発に大半の国民が賛成しながら、原発維持推進の自民党に投票する矛盾した行動である。 争点ぼかしといった戦術問題や、景気対策に争点を奪われた点を差し引いても、民主党への不満や怒りが脱原発の大義を押しきった心理を無視できない。 つまり、理屈よりも情緒というわけである。 韓国とは似て非なる文化と言うべきであろう。 韓国なら一度政権を放り出した人物が政界で生き延びることはありえない。 しかし、日本では安倍氏が再び首相になろうとしている。 涙を流して詫びたり、土下座をすれば全て水に流す玉虫色の文化と、理由を明確にし黒白是非を問う朱子学的な儒教文化の違いとも言える。 この違いは今後とも歴史認識や島の領有問題に影を落としてこよう。 |
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昨晩、NHKが独島(竹島)を巡って日韓の識者3人による討論会を生で流したが、大変興味深かった。
従軍慰安婦問題で双方の意見が激しく衝突したことが端的に物語るように、島領有争いの背景に歴史認識問題が絡んでいることが浮き上がり、今後の課題もはっきり見えてきた。
結論から言えば、従軍慰安婦問題は日韓の棘であり、それを抜くのは第三者を交えた国際機関で決着するしかない。
その問題について世代を重ねるほど日韓ギャップは広がり、相互不信と対立の温床となっている。
早期に国連などの国際機関に上げ、客観的な結論を出すべきである。
日韓討論を観ながら、実は、強引に人の話に割り込み、自説をまくし立てる櫻井よしこ氏に韓国側が激昂しはしまいかと、ヒヤヒヤしていた。
元外務省審議官の田中均氏も心配そうな表情を浮かべていたが、桜井氏が美人でなかったら、韓国側も抑えることができなかったのではないか。
韓国側は、日本は1993年の河野談話で「日本軍の関与があった」としたが、近年、それを否定する教科書などが現れ、誠意が見られないとして真摯な謝罪を求めた。従軍慰安婦を「売春婦」と冒涜する声まで出ているとも指摘した。
それに対して桜井氏が強制性を裏付ける資料はないと、独自の解釈を並べ立てながらやや興奮気味に反論した。
韓国側がインドネシアでオランダ人に慰安婦を強制した日本軍の内部文書が発見されている事実を挙げると、桜井氏は「関係者は処刑されている」と妙な理屈を言い張る。
要するに、桜井氏は認める気がないのである。
従軍慰安婦を雑誌、講演などで「売春婦」「娼婦」と冒涜しているのは、他でもない櫻井氏だからである。
櫻井氏はさすがに隠したが、韓国側は全て知っている。
見かねた田中氏は、日本政府は公的に謝罪しており、個別の意見を気にする事はないとつくろったが、玉虫色の外交的な配慮はもう限界に来ているとみるべきであろう。
櫻井氏が、従軍慰安婦が旧日本軍による国家犯罪であることを認めたがらないのは、持論の美しい日本というイメージを壊されたくないからである。
そのイメージを壊したくないとの感情論が先走り、事実を認めようとしないし、恣意的な解釈や捏造までしている。
さらに重大なことに、そうした謬見は櫻井氏個人の域を越え、産経新聞など保守系メディアを通して歴史を知らない新世代に拡散し、歴史認識を歪め、反韓国感情の温床となっている。
韓国にはあまり知られていないが、5年前に安倍政権は「従軍慰安婦に強制性はない」と密かに閣議決定し、今、自民党総裁選候補として河野談話の見直しを公言し、存在感を示そうとしている。
事は明らかに政治問題化しているのである。
櫻井氏は女性としては従軍慰安婦に同情すると言っているが、腹の底では売春婦と侮り、偽善でしかない
櫻井よし子氏には
「美しい国とは見苦しく言い逃れする国ではなく、過ちは潔く認め、二度と繰り返さないと反省できる国のことですよ。ドイツを見習いなさい」 と言いたい。 従軍慰安婦問題は至急、国際機関で議論し、何人も覆すことができない明確な結論を得るべきである。
それが犠牲者である従軍慰安婦の人権を守る道である。
日韓の感情的対立をこれ以上拡大しないために、また、日本が真に美しい国になるためにも、必要なことである。 従軍慰安婦問題は、女性の人権の根本に関わることを忘れてはならない。
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従軍慰安婦問題が独島(竹島)問題と絡むのは、事態を複雑にさせるだけである。
糞味噌の不毛な論争はここまでにして、国連なり第三者機関で白黒の決着を付けた方が日韓双方がスッキリしよう。
従軍慰安婦問題は1993年の河野洋平・官房長官談話で旧日本軍の責任を認めて謝罪し、決着したかのように見えたが、日本側の実情は全く異なる。
産経新聞などメディアが公然と従軍慰安婦を「娼婦」「売春婦」と誹謗する記事を載せ、最近も、橋下大阪市長、松原仁国家公安委員長、安倍晋三元首相、石原慎太郎東京都知事が「強制の証拠はない」として河野談話の見直しを公言している。衆院解散を意識して存在感をアピールする狙いがあるが、人権や道徳倫理観の根本に関わる従軍慰安婦問題が弄ばれる状況にはそろそろ終止符を打つべきであろう。
過去を反省することを自虐的として拒む風潮とあいまって、河野談話を否定する気分が永田町からマスコミにまで拡がっている。
被害者の心に届く真摯な反省を伴わない談話は無意味であり、滑稽ですらある。
そもそも一官房長官の談話でお茶を濁してきたことが誤りの元であった。
これ以上放置すれば、日韓の相互不信は広がり、不必要な摩擦を生むだけである。
最近、アーミテージ元国務副長官がナイ元国防次官補と共同で発表した「第三次アーミテージ−ナイ報告」で米国がギクシャクする日韓関係修復に仲介の労を取るべきと主張して注目を集めている。
日経新聞のインタービュー(8月25日)では、従軍慰安婦問題について日米韓準政府間会合で解決することを提唱し、「事実は一つ。それは悪いことであり、実際に起こった。そして、日本人の何人かが責任を負っている。それで話は終わりだ」と歯切れ良い。
実際、日本の歴史認識問題の不明瞭さは、天皇をはじめとする戦争責任が曖昧にされたことに起因する。
責任者を明確に断罪することを考える必要があろう。
そうすれば、戦争に責任のない日本の戦後世代は「いつまで自分たちまで責任を負わせられるのか」と悩むこともなく、精神的に解放されるであろう。
言うまでもなく、戦争責任を曖昧にした張本人はGHQの実体である米軍、米政府である。
冷戦対策からA級戦犯らを無原則に釈放し、反共に利用したことに主因がある。
アーミテージ元国務副長官らがそれに触れないのは片手落ちの観もある。その点で日本側から不満が出てくる可能性もある。
日米韓準政府間会合の枠にこだわらず、国連人権機関で審理をする方が公平という見方もできる。
いずれにしても、事は日韓だけでは言葉の応酬に終わる可能性があり、第三者を踏まえて明確な、グレーゾーンのない結論を出す時期に来た。
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17日に訪日した李明博大統領が在日韓国人との懇談会で元従軍慰安婦問題について言及し、「日本の政治的決断が必要だ。この問題を解決しなければ、日本は永遠に負担を負うことになる」と述べた。 |







