河信基の深読み

読者各位様:本「河信基の深読み」は順次、北朝鮮投資開発戦略研究所(2019年4月〜所長・河信基)の公式HPへ移行して参ります。

小泉→安倍“旧厚生族”負の系譜

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 たたき上げの学者出身で、石を投げれば世襲議員に当たる永田町の劣化現象に歯止めをかけるかと注目していた。一匹狼的な歯に衣着せぬ舌鋒は、90年代初めの「改革派のホープ」であった新井将敬に重なる部分もある。
 舛添要一厚生労働相のことであるが、「ないものはない」はいただけない。責任感の欠如を自ら吐露したようなものではないか。

 「宙に浮く年金記録約5000万件」について安倍前首相が「名寄せ(照合)を3月末に完了する」と豪語したのは、拉致問題で毎度お馴染みの選挙用宣伝コピーであることはすでに指摘したとおりで、当初から不可能であったことは知る人ぞ知ることであった。
 公約締め切りが近づき、これ以上隠すのは無理と判断した厚生労働省=社会保険庁は、持ち主の特定が難しい記録が全体の約39%、1975万件に達し、社保庁の入力ミスによる945万件は特定困難との調査結果をようやく明らかにした。
 デタラメなことをしておきながら、他人事のように責任を取らないで逃げようとするのは、薬害C型肝炎問題にも通底する保身的な役人体質、いい加減見飽きた光景だ。

 それを受けて舛添厚労相が11日午後、記者会見した。さぞかし怒り心頭、「社会保険庁は市町村より信用ならない」と担当者の更迭をぶち上げると思いきや、「他の方が大臣になっても結果は同じ。ないものはないんだから」と身内を庇い、「3月末までにすべてを片づけると言った覚えはない。5000万件の名寄せをやらなかったら公約違反」と、開き直った。
 確かに、公約そのものが非現実的なものであったのだから、自民党政権である限り、誰が大臣になっても結果は同じだろう。当人は嘘の上塗りがばれる前に“安部した”、つまり、病院に駆け込んでしまい、すべてが舛添さんの責任ではない。

 しかし、「社会保険庁は信用ならない。市町村はもっと信用ならない」と、市町村窓口での年金着服を告発してやんやの喝采を浴びた経緯があるだけに、「強気を助け、弱気を挫く」ではないかと、舛添氏の信義や正義感が問われるのは当然であろう。
 少なくとも、歴代担当者の告発くらいはしないと、国民の怒りは収まるまい。霞ヶ関には職務の結果に責任を問われないと言う内規が明治以来の「官尊民卑」の伝統としてあるらしいが、そろそろ官僚以外の第三者による監視機関の設置を真剣に考えてもよいのではないか。

 治安機関でもあった旧内務省の流れを受け継ぐ厚労省の闇は、深い。C型肝炎ウイルスに汚染された血液製剤の製造販売を放置した薬害C型肝炎問題も、国民の生活・健康よりも管理に重点を置く体質に根がある。
 感染の疑いがある患者リスト418人をいまだに隠蔽し、庇っている田辺三菱製薬株式会社の前身・ミドリ十字は、多数の捕虜を「マルタ」と称して生体実験に用いた“悪魔の部隊”関東軍731部隊の生き残りが作った製薬会社である。

 ミドリ十字は薬害エイズ事件にも関わっていたが、松村明仁元厚生省課長、ミドリ十字歴代三社長とともに業務上過失致死罪で起訴された安部帝京大副学長らは731部隊で生体実験を実施した日本のメンゲルであった。GHQにより実験情報提供の交換に731部隊の罪が歴史の闇に封印される中、ぬけぬけと各大学、研究機関にもぐりこんだが、その背後にいたのが旧厚生省であった。
 彼らは、マルタであろうと自国民であろうと、自己の欲望のためなら平気で犠牲にする魔性の持ち主たちである。

 C型肝炎訴訟の原告団は全感染者の救済を求めて福田首相に会見を求め、拒否された後、涙ながらに「この内閣に期待できない」と訴えたが、安部前内閣のお古の福田内閣ではやはり限界があるようだ。
 自民党の創党者である岸信介元首相がA級戦犯赦免の交換にCIAのスパイとなったことは明らかになっているが、自ら戦前を引きずった自民党政権に厚労省の闇を暴くのを期待するのは余りにお人好しと言わねばならない。

 なお、朝鮮人強制連行の記録や従軍慰安婦関連文書なども内務省は責任追及を恐れて敗戦直前に焼却処分したことが知られているが、一部はまだ旧厚生省の倉庫に眠っているとの情報もある。
 彼らが朝鮮人強制連行や従軍慰安婦を否定したがるのも同根であり、厚労省の闇はとてつもなく深い。

 舛添厚労相は市町村窓口での年金着服を告発してやんやの喝采を浴び、福田首相をしのぎかねない人気、「来る総選挙の顔に」との声が早くも自民党内から湧いている。
 深謀遠慮の舛添氏のこと、マスコミ受けする派手なパフォーマンスの裏には、あわよくばポスト福田の狙いもありそうだが、小泉型劇場政治に飽き飽きしている国民をそう簡単に乗せることができか、お手並み拝見だ。

 相手の弱みを付く切れ味良いテレビ討論で頭角を現しただけに、何を言えばマスコミに受けるか、先刻承知だ。
 年金保険料の着服問題で国民がかっかしている最中のさる9月29日、悪名高い社保庁職員による保険料着服(52件、約1億6939万円)より、市区町村職員着服(101件、約2億4383万円)だったことが分かると、舛添氏は「社会保険庁は信用ならない。市町村はもっと信用ならない」と記者団に向かって小泉流の大見得を切った。
 さらに、社会保険庁長官に自治体の着服職員の告発を指示する強い姿勢を示した。これに対して自治体側が反発すると、マスコミがやいやいと報じ、国民の関心は否応にも高まっている。
 舛添越前守は国民の怒りを背にヒーロー気取りで、他方の自治体はすっかり悪者、抵抗勢力に仕立て上げられている。

 しかし、どうだろう。枝葉末節の話ばかりに流れ、本末転倒になっていないか。
 社保庁や社保庁長官がいつのまにか告発する立場、正義の立場に入れ替わっているのは、ドサクサ紛れの巧妙なすり替えである。
 
 小役人の着服金額は確かに社保庁職員より市区町村職員の方が多いが、高々1〜2億円でしかない。
 だが、参院選の争点になった「宙に浮いた年金問題」では、明らかになっているだけでも6兆円の年金が流用され、その背後で厚生高級官僚や自民党厚生族が私服を肥やしている実態が浮き上がった。
 この巨悪を暴かない限り、年金問題は解決しない。
 舛添氏が年金問題を本当に解決する気があるなら、小役人ではなく、巨悪を告発するべきであろう。

 小役人を叩くのは簡単だ。弱いものいじめのようなものである。しかし、自民党で絶大な権力を有している巨悪に下手に触れると、舛添氏の首が飛びかねない。
 その辺をちゃっかり計算して、強きを助け、弱きを挫く処世術をしているとしたら、国民の失望は大きいだろう。
 自治体職員の着服について「泥棒はみな牢屋に入ってもらう」と啖呵を切ったが、すり替え戦術との疑惑を払拭するためにも、ここは覚悟を決めて、「巨悪はみな牢屋に入ってもらう」とやってみたらどうか。

 中越沖地震で刈羽原発から放射性物質が外部に流れ出た問題は、どこか社会保険庁の「宙に浮いた年金」と似たところがある。一部施設が宙に浮いたからではない。ずさんな管理体制がそっくりなのである。
 社保庁不祥事を暴いたのは“ミスター年金”こと長妻議員だったが、刈羽原発も地震がなかったら隠されたまま、取り返しの付かない大事故に遭うことになったかもしれない。

 何しろ、社保庁もびっくりのいい加減な管理体制が浮かび上がって来た。
 報道されたものだけピックアップしても、変圧器脇の火災は自治体消防が到着するまで手を施せず、傍観していた。7号機の排気筒から放射性物質が大気中に排出し、何日にもわたって止められない。6号機からは使用済み核燃料プールの水が海に漏れ、1号機の原子炉建屋では消火用配管損傷による水漏れ、4号機と7号機のプールでは使用済み核燃料が入った囲いの上に鉄製の作業台が落下。低レベル放射性廃棄物が入ったドラム缶数百本が倒れ、数十本のふたがはずれ・・・。

 いずれも操作手順の誤りと機器の故障が重なったという。
 「結果として大事に至らなくても、安全性の検証は必要だ」と経済産業省原子力安全・保安院関係者は役人独特の持ちまわった言い方で弁明するが、チェルノブイリをみても、「原発の大事」は「終末」とほぼ同義だから、身震いさえ覚える。

 事態は国際社会の憂慮を呼び起こし、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は調査団派遣を表明した。
 政府は「現場混乱などを理由」に受け入れ見送りを伝えたが、新潟県知事が22日、IAEA調査を受け入れるよう文書で要請した。住民の不安を考えれば、第三者に判定してもらいたいのは当然だろう。
 
 社保庁の「宙に浮いた年金」を政府は長年隠していたが、原発に関しても同じような隠蔽体質が感じられる。
 すでにIAEAは2年前に各原発に消防隊を置くように指摘していたが、今回図らずも無視されていたことが明らかになった。
 東電はコスト節約から無視し、監督官庁の経済産業省は黙認し、安全は軽視された。おなじみの官業癒着であり、背景には定番の天下りがある。
 
 政治も見て見ぬふりである。
 安倍首相は地震直後現地に飛び、刈羽原発も視察し、「問題ない」と発表していた。変圧器脇の火災を知ったのは官邸に帰った夕方と言うから、社保庁不祥事を放置した構図とそっくりではないか。東電は多額の献金をし、参院選でも自民党を支援している。政権が変わったらまずいと思っているのだろう。
 マスコミが報じ出すと、「刈羽原発はけしからん」と怒って見せるのも毎度のパターンだ。

 戦後半世紀以上も続いた自民党一党独裁体制の下で、政官業が互いにもたれあい、かばいあい、弛緩しきっているのである。
 その意味で、社保庁の「宙に浮いた年金」も刈羽原発事故も起こるべくして起きたと言える。
 抜本的解決は、風通しをよくするしかあるまい。

 なお、IAEAは04年6月に、4年にわたり日本の原子力関連の研究開発施設や資機材製造施設など170カ所、5000の建造物について検証作業を行い、「核兵器転用の疑いはない」と、日本への査察回数を年5回から半減する方針を明らかにしている。
 55の原発を有し、大量のプルトニウムを保有する日本については北朝鮮や欧米諸国が「核兵器転用の可能性」を訴え、IAEAの全査察費用の10%を投じて査察を繰り返してきた。

 安倍さんがIAEAの調査団派遣を断ったのは“他意”があっての事ではないと思うが、「自衛的核武装は憲法違反ではない」発言から、念のためと言うこともある。
 新潟知事の要望に応えるべきであろう。

 安倍首相はテレビに出まくり、ペラペラとアピールに必死だが、絶対に口にしないことがある。年金の原資問題だ。
 どうやらその多くが特別会計、特殊法人、地方公共団体に融資され、回収不能になっているらしい。また、毎年9兆円ずつ厚生族と厚生官僚らに食いつぶされているといった情報も飛び交っている。

 真偽のほどは定かでない。
 しかし、領収書を出さない赤城農水相の事務所経費付け替え疑惑と同じようなもので、隠しているのは何かやばいことがあるからであろう。

 社会保険庁解体法案を強行採決させたのも、臭いものに蓋をする狙いがあるとみられる。
 社会保険庁の民営化(特殊法人化)、つまり、看板のすげ替えで責任問題をすべて前社保庁に覆い被せ、一件落着というわけである。
 旧国鉄の債務も郵便貯金の流用疑惑も、それですべて闇に消えている。安倍さんが社保庁解体を旧国鉄や郵政民営化にたとえるのは、いみじくも狙いが一致しているからに他ならない。

 疑えばきりがないが、出来もしないことを平気で「大丈夫です。打つ手はすべて打ちました」なんて言っているのを聞くと、ますます怪しいという気になる。
 5000万件の「宙に浮いた年金」について「1年以内に全件の調査を完了させる」と啖呵を切ったが、新しいソフトウエアを導入してコンピューターシステムへの誤入力を是正するだけの話で、肝心の基本台帳との照合は後回しとなる。

 その費用も隠しているが、新ソフト開発とか何とかでかかる1000億円超は年金からの流用になりそうだ。それを一種の談合である随意契約で請け負うNTTデータなどには、これまでコンピューターシステムに民間相場の10倍になる年間維持費1000億円、総額1兆2000億円を年金原資から湯水のように注いできた。
 それが起こした記録ミスにまた巨額の費用を投じるのだから、泥棒に追い銭みたいなものではないか。

 例のグリーンピアなどへの流用も含め、そうしたでたらめが横行するのは、濡れ手に粟の利益を得るものが陰で蠢いているからだ。
 事実、NTTデータなどには関連子会社を含め11人の年金官僚が天下りし、元キャリアは年収3000万円、ノンキャリア1500万円を得ているという。
 
 かくして、年金の掛け金はシロアリに食い荒らされたようにかなり減額している。

 ある専門家の試算によると、国民が払った公的年金基積立金の累積額は約800兆円だが、原資として残っているのは、国民年金10兆円、厚生年金150兆円程度だ。政府は損金がいくらなのか全く明らかにしないという。
 日本医師会のシンクタンクによる「02年公的年金基積立金の運用実態の研究」なるレポートによると、本来あるべき年金積立金は143兆9858億円だが、多くが特別会計、特殊法人、地方公共団体に融資され、回収不能になっている。
 住宅金融公庫23兆4518億円、年金資金運用基金10兆6150億円など、特殊法人だけで約60兆円を食い潰している。

 04年に厚生労働省が国会で明らかにした2100年度までの年金財政の財源と給付の状況を示す「貸借対照表(バランスシート)」試算でも、厚生年金、国民年金は合計480兆円の債務超過になっている。
 その内訳詳細は明らかにしなかったが、消えた莫大な年金原資は、高級官僚が天下った特殊法人などが公共事業その他に湯水のようにばらまき、ファミリー企業への便宜や献金やら何やらで二重三重に厚生族に流れる仕組みになっていると思われる。
 議員歳費だけで建つはずがない豪邸や別荘を有し、贅沢三昧の蓄財術の秘訣は、恐らくその辺にある。

 その結果が、膨大な財政赤字である。
 現時点で国と地方の長期債務は778兆円、利子が毎秒20万円近く増えている。借入金・政府短期証券を含む「日本全体の債務残高」は1079兆円、利子は毎秒165万円という猛スピードだ。
 http://www.kh-web.org/fin/

 日本全体の夕張化へとカウントダウンが確実に始まっている。
 夕張は外部の支援が得られたが、日本全体が夕張化したら、どこからも支援は期待できない。国民の生活レベルは一挙に大幅ダウンするのは避けられない。

 それなのに、安倍首相や中川幹事長は「景気回復による自然増で、増税をしなくても十分な税収が確保できる可能性がある」と能天気なことを繰り返している。
 財務省が発表した昨年度の決算概要は実際の税収が見積もりを1・4兆円も下回っており、選挙目当ての無責任は嘘はいい加減やめるべきだろう。
 安倍首相はポロッと、「消費税をアップしないとは言っていない」と漏らしたが、選挙が終わったら、消えた年金原資を消費税で補填しようというつもりではないのか。

 ざるにいくら水を注いでも、無駄なことである。
 年金問題も、財政再建問題も特殊利権集団が公的資金を食いつぶす日本社会の仕組みを根底から変えない限り、解決は不可能だ。
 その意味で、地方への補助金見直し、特殊法人などの原則廃止、談合や天下りの根絶で歳出削減を徹底し、国の予算から総額15兆円余りのムダを減らすという民主党の方が、無駄の上塗りをする自民党案よりもリアリティーがある。
 より徹底しているのが、軍事費削減、法人税見直しで財源を確保するとする共産党案だ。

 いずれにしても、年金を最大の争点にして闘われている参院選後の新国会では、小手先のびぼう策ではなく、「消えた年金原資」問題を徹底的に解明し、責任の所在を明確にして財政倫理を確立するなど、抜本的な対策を立てるべきであろう。
 国民の不信を解消し、生活を守るにはそれしかない。

 戦後日本を一貫して支配してきた自民党(自由党など前身も含む)政治は事実上、バブル崩壊で賞味期限が切れたはずだが、その後もしぶとく政権に居座っている。
 それが日本の悲喜劇であり、バブル崩壊後、政治、経済、教育などあらゆる分野にわたって続出している信じがたい不祥事はその結果である。

 ある意味で、安倍政権の誕生そのものが不祥事であった。
 “変人”小泉が「自民党をぶっ壊す」と啖呵を切って総裁・首相に収まり、時ならぬ“拉致フィーバー”で長期政権化し、これといった実績のなかった当選回数5回の中堅議員・安倍晋三が小泉首相の引きで後継首相に収まる。
 “拉致フィーバー”がなかったら、言い換えれば、“将軍様”が悪役を演じてくれなかったら、ありえないハプニングであった。

 “拉致フィーバー”に乗って少し暴れた坊ちゃん議員が仲間を集めて組閣したものだから、タウンミーティングのやらせ質問、佐田・松岡・赤城の「政治とカネ」疑惑・・・ボロが次々に出てきた。
 「宙に浮いた年金問題」も出るべくして出たもので、民主党の長妻議員が今年2月に政府を突き上げなかったら、闇に葬られていたであろう。

 何しろ、今でも安倍首相は「社会保険庁解体!」などと問題をすり替え、臭いものに蓋をしようとしている。
 数十兆円もの年金原資を長年にわたって食いつぶしてきたのは、自民党厚生族、厚生官僚、その背後でうごめく業界団体であり、社保庁職員はそのおこぼれに多少与ってきた程度のことである。
 社保庁を解体してしまえば、その腐食の構図は隠され、財源問題は永久に解決しない。
 仮に参院選で野党が多数派を握った暁には、新国会でその問題を徹底的に明らかにする必要がある。

 ここまで不祥事を起こせば、韓国なら、自民党は壊滅的惨敗を喫し、即、政権交代である。
 韓国でも保守党が長く政権を保持していたが、金融危機に瀕していた10年前の大統領選で政権交代し、政官財の癒着がずたずたにされ、政治は格段に透明性を増した。大物政治家であろうと財閥の総帥であろうと、法に引っかかれば即座に監獄行きである。
 その野党政権に対しても国民は馴れ合いや弛緩、ポストのたらい回しや業者との癒着に厳しい視線を注ぎ、今年末の大統領選では再度、与野政権交代が焦点になっている。

 韓国に倣えなどという気はないが、政党・政治家は使い捨てが当たり前、不祥事を起こしたら政権交代で責任を取らせる、というケジメは、民主主義政治では常識的なことではなかろうか。
 韓国は民主化闘争の中でそれを学び、世襲など権力の既得権益化を許さない。自民党では全国会議員の4割にも達する二世、三世議員が、韓国ではほとんど見当たらない。
 稀有の例外が、金大中前大統領の二男の金弘業と、朴正煕の娘・朴槿恵(パク・クネ)前ハンナラ党代表くらいだが、「父の七光りを利用し、父の顔に泥を塗る行為」とマスコミの見方は厳しい。
 http://www.chosunonline.com/article/20070317000017

 他方の日本はというと、「まだ何も分かりませんが、これから勉強します」と言って、急逝した小渕首相の地盤を継いで当選したのが娘の優子であった。
 9000万円の事務所費付け替え疑惑の赤城農水相も官房長官を務めた祖父の代の側近に担がれていやいや議員になったそうだが、韓国なら、「何も知らんやつが議員になれるか」「いやなら止めろ」でお終いの話だ。
 自民党の世襲議員はその手が多い。坊ちゃんと甘やかされて育ち、世の中のこともろくに知らず、代が来ると周囲に担がれて地盤を世襲する。

 安倍首相が赤城農水相の付け替え疑惑について「問題ない」を繰り返しているのは、本当にそう思っているふしがある。「高々月800円のことを問題にするのですか」発言がいみじくも語るように、世間の常識というものが実感としてないのであろう。
 世間では領収書を出さなければクロだが、それがわからない。
 年金問題でも、自分の政権の不祥事なのに、社保庁に責任を押し付け、「社保庁は解体します。打つ手はすべて打ちました」と手柄話のように街頭で拳を振り上げているが、官僚に踊らされているのではないか。

 権力の世襲といえば北朝鮮だが、北朝鮮では一党独裁という権力装置の下で行われている。しかし、それとは異なり、日本の世襲は自由主義体制の下でという特徴がある。
 それだけ、長い自民党一党支配体制の下で人情、しがらみ、腐れあいが二重三重に絡んでいることを物語るが、その根底にあるのは代々受け継がれた利権である。
 坊ちゃんを担げば、既得利権を守ることが出来、事務所費付け替えなどで収入が入るというわけである。

 赤城は渋谷に高級マンションを有していながら赤坂の議員宿舎にもちゃっかりと入居し、浮いたカネで真っ赤なポルシェを乗り回しているそうだが、坊ちゃん議員の感覚はみな似たようなものだろう。
 だから、「何で赤城が問題になるのか」ということになる。何のことはない、自分を庇っているのだ。

 戦後日本が残した最大の既得権益の一つは、政治屋一家、つまり、世襲利権である。
 小泉、安倍がともに世襲3代目であるように、政治の私物化構造から生まれた政権を交代させない限り、でたらめな腐食の構造はなくならない。社保庁が日本年金機構と、看板が変わるだけのことである。

 GNPの二倍にもなろうとする巨大な財政赤字の圧力で、日本のカウントダウンが始まっている。
 自民党は「野党は無責任だ」と切り返しているが、現在の自民党以上に無責任な政党はない。
 手遅れになる前に、あるいはもう手遅れかもしれないが、自民党以外にスパッと変える時期だろう。
 その方が、日本国民のためであり、また、自民党再生のためにもよい。
 
 

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