ひとり、ふらり、ぶらり。度々、旅

音楽聴きながら眺めてください。 各書庫からどうぞ。

日本の風景

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最近両親の行きたいところへ旅行します。日本もなかなかいいですね。
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長谷寺 参道 ふらり

緩やかな坂道の参道にはいろいろな店がある。

多くは土産物屋。


ふらり、ふらりと、店の軒先を覗いて歩く。



あちこちの店先で湯気が上がっている。

軒先には、なにやら山のように積まれた物が・・・。



正体はおこわのふかし饅頭。

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山菜入りと、栗入りと、

ほこほこ、ほかほか、

音がしそうな饅頭の山。

「美味しーよ、美味しーよ」と誘っている。

カイロ代わりに1個買おうか?


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「ここだけ。1個80円」の軒先看板に惹かれてやってきた店。

『井上ぼたん堂』

草餅が鉄板に並んで焼かれている。

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店主と思しき親父さんが一個づつ丁寧に並べていく。

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  美味しいで。食べていってやぁ。

  やらこぉーて(柔らかくて)、

  あんまりあもないし(あまり甘くないし)、

  こんなさぶい日は(寒い日は)体がほこほこしてきますからなぁ。




のんびりした、暖かいその口調に

思わず1個・・・。




お隣でニコニコ笑ってみていたおばちゃんが

何やらご主人につぶやいて奥へ。

・・・

しばらくして戻ってきたおばちゃんの手には

お煎茶の入ったお茶碗を載せたお盆。



  さぶいでなぁ、熱いお茶入れたんで飲んでいきなぁ。

  喉が詰まったらえらいことやしなぁ。



お茶を置くとまた椅子に座って

ニコニコ笑いながら楽しそうに見ていはる。
  


  この辺は今はさぶーてな〜〜んもあらへんけど、

  桜の頃は、そらぁきれいでぇ。

  吉野が有名やけんど、ここらも負けてへん。

  長谷寺の上の舞台から見たらそらそらきれいから、

  あったこうなって(暖かくなって)桜の頃になったらまたおいで。


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親父さんは相変わらず手を休めずにせっせとお餅を焼いている。

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   あんまり、そないによぉーけ(たくさん)写さんときぃーな。

   恥ずかしなるがな。



少しはにかんだ親父さんが草餅に見えた。

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参道のだらだら坂を登りきったところに長谷寺はあった。

「花のお寺」として親しまれているこの寺は四季折々実に美しい姿を見せてくれる。


   長谷寺はは山号を豊山( ぶさん )と称し、寺号を長谷寺( はせでら )と言い、
   正式には豊山神楽院長谷寺という。

   「こもりくの泊瀬山」と万葉集にうたわれていますように、この地を昔は豊初瀬(とよはつせ)、   泊瀬(はつせ)など美しい名でよばれていたので、初瀬寺、泊瀬寺、豊山寺とも言われていた。

   朱鳥( あかみどり )元年(686)道明(どうみょう)上人は、天武天皇のために銅板法華説相図   ( 千仏多宝仏塔 )を西の岡に安置、のち神亀四年( 727 )徳道(とくどう)上人は、聖武天皇   の勅を奉じて、衆生のために東の岡に十一面観世音菩薩をまつった。

   上人は観音信仰にあつく、西国三十三所観音霊場巡拝の開祖となった大徳であり、長谷寺を三十三   所の根本霊場と呼ぶいわれである。

   現在の長谷寺は、真言宗豊山派の総本山として、 また西国三十三観音霊場第八番札所として、 全   国に末寺三千余ヶ寺、 檀信徒はおよそ三百万人といわれ、 四季を通じ「花の御寺」として多くの   人々の信仰をあつめている。

                               == 長谷寺縁起より ==



古刹にふさわしい仁王門をくぐると、そこからは長い長い登廊が始まる。




登廊を登り始めてすぐ左手になだらかな石畳作りの階段が陀羅尼堂へと続く。




登廊の脇にはずっと寒牡丹が立ち並ぶ。

雪深いこの地方、雪ん子がかぶるような菰のように雪囲いを被せた姿が愛らしい。




  春には、こぶし、山吹、つつじ、花水木、藤、しゃくなげ、

  そして吉野より美しいといわれる桜や

  この寺の代名詞ともなっている牡丹が咲き、

  極楽浄土とはこの地かと思うほどに艶やかに咲き競う。



  夏には、みずみずしい青葉、若葉の中、

  紫陽花、芙蓉、夾竹桃涼しさを演じる。



  秋には、白・赤の萩、彼岸花、木犀、むくげ、

  そして燃えるような紅葉に境内が染まる。



  冬には、先の寒牡丹と山茶花が、雪景色を彩る。



紀貫之や松尾芭蕉など、

いにしえの文人達の魂を揺さぶった所以がここにある。

どれくらいの時間が経ったかしら?

障子の向こうから、かすかに「ことことこと」と聞こえてくる。




やがて女将さんが障子を開けて現れた。


  「はい、お待たせしましたね。
   どうぞゆっくりしていってくださいね。
   なんかあったら、呼んでください、向こうにいますから。」




藍染クロスの座卓に置かれたのは蕎麦と柿の葉寿司。

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お蕎麦は山菜蕎麦。


黒い蕎麦ではなく、少し更科風。

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柿の葉寿司は、ほんのり酢の利いた鯖押し寿司


柿の葉の風味が移っている。

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誰もいない座敷で一人蕎麦をすする。


胃に落ちる蕎麦のツユ。


寒さにかじかんだ体の隅々へ蕎麦の温かさがじんわり伝わっていく。


口に広がる寿司のほんのりした甘酸っぱさ。


時間だけが静かに過ぎてゆく。






食後のひととき、縁側に座ってみる。


今時珍しく低い軒に広い縁。

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無造作な佇まいの、


しかし、よく見ればきちんと手入れされている風情ある庭。


それをどこからでも眺められるように回廊のようにしつらえてある広縁。

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ふと見上げると、ここにもこんな張り紙が・・・

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魚板を叩くと、庭の向こうの少し離れた座敷の障子を開けて


今度はご主人が現れた。


 「はい、はい、ちょっとお待ちくださいな。」


主人は少し大柄なせいか


軒に頭が当たりそうで窮屈そうに少し背中を丸めて


庭を回る広縁伝いに足早にやってきた。





お勘定を済ませ、庭に降り立つ。



ちょうどその時一組の年配のご夫婦が

恐る恐るという風情で庭に入ってきた。
  



このご夫婦も静かな午後のひとときを過ごされるのかしら。




私は「長谷路」をあとにして参道を登っていった。
縁側から上がり、女将さんの招き入れで座敷へ。

そこには藍染のクロスが掛かった座卓、そして、椅子とテーブル。


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座敷には誰もいない。


  「きょうはえらい寒いですねぇ。」


お茶を出して女将さんは奥へ。




この座敷にはこちらの違い棚、あちらの床の間という具合に

所狭しと焼き物が置かれている。


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ふと見上げると、長押にはこんなものが・・・


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反対側にはなにやら仏様がたくさん・・・

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しかも、なんと、この仏様、みんな表情が違う

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掛け軸の床の間には美しい姿の生け花

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   この座敷だけが時間が止まったよう。

   音もしない。

   静かに柱時計が時間を刻んでいる。



   ・・・つづく・・・

長谷寺へ〜道草〜

久しぶりに、本当に久しぶりに長谷寺に行った。

高校の時以来だから、もうかれこれxx年になる。



長谷寺の駅で電車を降りた。

駅前の看板どおり長い階段を下ると、門前までだらだらと上り坂が続く。

両側は低い軒が連なる町並み。



土曜日の昼前。

土曜日だというのに、あるいは土曜日だからか、

道行く人影は少ない。

通りの店の中にも人影はない。

時折、地元の車が追い越して行く。

日差しは明るいけれど、遠くには雪雲の影。




ふとこんな看板が目に付いた。

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立派な門構えの向こうに続く庭。


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足を踏み入れて、飛び石伝いに奥へ。

・・・と、こんな張り紙が・・・。

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案内どおり銅鑼を叩くとすぐに奥から返事とともに女将さんが現れた。

  「どうぞ、そっちの奥へ。」

またまた、飛び石伝いに奥座敷へ。


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   ・・・つづく・・・

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