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米米の「浪漫飛行」がヒットチャートを上り詰めたその年に、初めて飛行機で、初めて「旅」に出た。
離陸の浮き上がる感触。それにあわせてバクバク自分の鼓動が聞こえるような恐怖感と「うっぴ〜」と湧きあがるキモチは忘れられない。洗面具や服の類以外になぜか普段は読まないような小説や、滅多に書きもしないレターセットなどを旅行鞄に詰め込んだ。うきうきするのは空間移動だけではなく、日常からの脱出だ。
ベルギーの骨董屋で見つけたこのトランクには、1919年の通関印がある。旅先でのステッカーが所狭しと貼り付けられ、ミラノやローマといった欧州都市のみならず、コロンボ、カルカッタ、ブエノス・アイレスなどのものもあるから、持ち主はグローバル・ビジネスマンだったのか。外皮は使いこまれているが、開けると中は几帳面なまでに清潔で、なんとウィスキーやブランデーのボトルやグラス、マドラーを収納するミニ・バーなのだ。
数ヶ月に及ぶ船旅。フィッツジェラルド、秋山好古なんかの時代に、デッキでマイ・バーを携えて酒を飲む男。風を感じる。この鞄は彼の子孫が売りに出したのだろう。本人が手放すはずがない。
旅は、殊に独り旅は浮き立つ喜びがある。でもそれは、往復切符を持っているとき、待っている人がいるときにだけ持てる幸せなキモチ。孤独な時に独りで飛ぶののも、独りで片道切符を握り締めるのもちょっと辛い。
岡山の親元を離れて東京の大学へ動き出した新幹線。窓際の席なのに見送りの父を見上げることもできず俯いてピーピーと泣いた18の春。成田を発つコペンハーゲン行き、離陸をした瞬間からベソベソと泣き出した私に、隣席の見知らぬデンマーク人は「Are you OK?」と何度もたずね、「大丈夫」とも答えられず頷きながらハンカチを顔に押し付けた29歳の冬。片道切符には寂しさと希望が詰まっていた。
♪はちきれるほど My Dream、トランク一つだけで浪漫飛行へ In The Sky、飛びまわれこの My Heart♪
昨夏、フランスからシンガポールへ3度目の片道切符で飛んだ時に、一切の感慨がなかったのは、ヨーロッパに残していく大切なものがなく、また、はちきれるほどのDreamなどを持たない乾いた歳になったからだろうか。ただ降り立ったチャンギ空港の張り付くようなくぐもった湿気だけが肌に残る。
最近は、日本とシンガポールをハンドバックひとつで往復することも多い。それは普通電車に乗るのと大差ない味気なさ。いつのまにかフライトは私に臨場感をくれなくなった。
気分を変えたくて、一昨日エド・ハーディのシャツを買った。昨日は12センチヒールのサボを履いて184センチになり江口洋介の視界でオーチャド通りを闊歩し、今日は美容院で「金髪にしてください」と言って止められた。
♪時が流れて誰もが行き過ぎても、トランク一つだけで浪漫飛行へ In The Sky、飛びまわれこの My Heart♪
下着の枚数を数え、天気予報をチェックし、Ipodの中身を確認し、お気に入りの服や読みかけの本をトランクに詰める。それをカチリと閉めて玄関に立てかける、その臨場感。HALCALIがカバーした「浪漫飛行」を聞きながら、そんな旅をまたしたいと空を見上げる。
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リーマンパッカーさん、お伺いしましが♪トラバさせていただきました♪
青のみならず、どんな色もつきつめると黒になるのではなでしょうかね。でもほら、青の場合は「ぬけるような青」とかって言いますでしょ。私としては「透明感のある青」い幸せがいいかなー。普段は気づかないような幸せ♪みたいなものです。でたまにクラクラするような衝撃的な幸せもほしい(←単なる強欲婆ですな)
2010/10/20(水) 午後 9:14
おけやさん、世代的にって、私たち同世代ですよね(^^;)。
その曲は・・・聴いたことないかも・・・(^^;)。それって贈る言葉の前ですか?後ですかね?私の海援隊は「贈る言葉」で始まり、「贈る言葉」で終わります(爆)
旅というのは色々な旅がありますから。海外だけが旅ではないですから。私にとっての最高の旅は、東京から秩父の山に上ったことなんです。距離より感じたことなんでしょうかね。
2010/10/20(水) 午後 9:19
母屋さん、そうなんですよ。60過ぎてキンキンもかっこいいですよね。所ジョージさんとか。
2010/10/20(水) 午後 9:20
みいちゃんさん、やはりカラーリングやパーマは髪が痛みますもんね。私も金髪は、白髪が映えてきたらもう一度マジメにお願いしようと思います。
エジプト・ギリシャ・トルコですか〜。未体験ゾーンです〜。いつか行けるかな〜。ギリシャの島の白い島に泊まってみたいです。
2010/10/20(水) 午後 9:22
りんりんの妹さんは、逞しいですね。
思い切りがよいというか、ちょっと羨ましい。
環境が変われば、また新しい人生を始められますものね。
文章を読んで思ったことは、ぼくの欠点は、思い切りの悪さかもしれないなぁ。
環境を変えたいが、老夫婦になった両親を抱えて、長男の身では、なんとも
ならず(笑)。
しかし、もう、わくわくする事は、いや、するような事はなくなりましたね。
いくつになっても、夢と希望は、大切なことだと思いますよね。
文章の上手さに、もちろんポチ♪っと。
2010/10/20(水) 午後 10:04
みやまつりさん、逞しい・・・とはよく言われます(←どちらかというと体力的に・・・(^^;)。
かつ、思い切りがいいというか、親不孝ともいいます(涙)
でもまあ、東京でお勤めしていた頃より、外国にいるほうが思いっきり長期で帰るので、よほど多くの日数を両親と過ごすようにはなりましたが、いかんせん、有事に駆けつけられないというのは、本当に親不孝です。
文章をお褒めいただいてありがとうございます♪うれしいです。
2010/10/21(木) 午後 8:58
100年前の通関印があるトランクの片道飛行・・ いい所に軟着陸しましたね。
その昔「世界の旅」を誘ってくれた兼高かほる・・・ロマン飛行でしたヨ。今の私の旅は・・・
そう!、老いとの競争で「今の内に!」が合言葉の世代です。
去年は、連れ合いが心筋梗塞の発作で救急車に乗せられ「エーゲ海に死す」なんて洒落にもならない!と青ざめたり・・・、
今年は熟年ツアーでミラノに着いた途端、仲間が「チチ シス」の連絡が入って無念のリタイア。
団体キップの他、個人の「片道キップ」も要る事もある世代です。
初めて飛行機に乗ったあの時の緊張感!・・・思い出します。
ポチ。
[ ミーコ ]
2010/10/22(金) 午後 9:37
私も初めて一人で海外に旅行したときは、期待以上に不安があったことを思い出しました。でもこの文章のように、最近では電車に乗るような感覚で海外も行けてしまいます。
最近は結婚もしたので、気楽に旅行も出来なくなりました。今度は家族旅行が中心。まずは和歌山の白浜にパンダでも見に行きたいと思います。
しかし、りんりんの妹さんって背が高いんですね。
2010/10/27(水) 午後 0:20
ミーコさん、レスが遅くなりましてすみません(汗)
ミーコさんは海外旅行の常連さんですものね。「老い」は私も感じます。最近やっと「一期一会」を通関しはじめて、いつ何があるか分からないので・・・せめて下着は上下同じ揃いをつけるようにし始めました(^^;)←今頃か?・・・っていうか、そんなことよりもっとやるべきことがありますよね。
それにしても心筋梗塞の発作の方、海外で心細かったでしょうね。それもギリシアならまだいいですが、医療のしっかりしていなさそうな場所だと顔面蒼白です。旅行はやっぱりできる限りの準備をして、それで思い切り楽しみましょうね、お互い♪
2010/10/31(日) 午前 0:06
スウィングさん、生臭坊主がパンダを見る図・・・というのは、それはそれで楽しい景観かとおもいます(^ ^)。
そうなんですよ、なれないと、海外旅行ってすごい緊張不安なんですよね。私も20代の頭ごろは、一人旅に出るときに、当時の彼氏に「遺書」を託してました(爆)
2010/10/31(日) 午前 0:08
ドキドキワクワクする訪問者数の増え方ですね〜(爆)
エロトラバが入っていないので、どうやらヤフートップページではないのかなぁ〜?
どこかに貴女のブログが紹介されているのは間違いないと思うのですが。。。
2010/10/31(日) 午前 1:27
あれっ、ホント!
今日の訪問者数4197人、、、
以前、平太さんのところでもそのようなことがありましたね(~_~;)
「ブログ炎上」とか、、。
もっとも、この程度では炎上しないんでしょうけど。。。
訪問者数は、少ないよりは多いほうがいいですよね(^_^)
[ Dr.K ]
2010/10/31(日) 午前 8:54
平太さん、こんなにアクセスがあてエロトラバもエロコメもないのが寂しい・・・(爆)
しかしまあ、問題でないのなら、よいです(^ ^)。ありがとうございました♪
2010/10/31(日) 午前 9:00
Dr Koimariさん、訪問者数は多いほうがいいのかな・・・。どちらにしても、私は趣味を同じくして、または価値観を共有できたり、教えていただけたり、エスプリのきいたコメントの応酬ができたりすることのほうが嬉しいですかねえ(^ ^)。
それよりも、いったいどういう紹介のされかたをしたのか、そちらに興味あります。女の方のアクセスもあるようなので、エロサイトとして紹介されたわけではないらしい・・・それ系の記事もたまにあるのになあ(爆)
2010/10/31(日) 午前 9:06
「浪漫飛行」出た当時、カラオケで歌おうとしてあまりに難しくって、一緒に行った連れに助けてもらいました。音痴です。
片道切符を買ったことのない、ぬるま湯京びとはあきまへんなー。
2010/10/31(日) 午後 8:28
京うさぎさん、チャレンジャーですね。あんな字余りの歌に公衆(?)の面前で挑むとわっ!
片道切符を買う気分になれないほど愛着のある場所があるということが私には羨ましいです。
2010/10/31(日) 午後 9:29
そんな素敵な旅とは私は暫く、多分更年期入る頃までオサラバな感じです。
来年の春はインドに行く予定だったんですけどね…
カワイイ子には旅させよ、っと言いますが、自分の子供が独り旅するってなったら心配で心配で今から気が狂いそうです(笑)
2010/11/17(水) 午前 1:20
イクエンジェルさん、そうおっしゃらず。ウチはメイドがいますから、シンガポールで手のかかる貴重品(?)を置いて、そこから自由に東南アジアでもインドでも旅にでてくださいよ♪貴重品預かりは経験者ですよ、彼女。
しかし、今からそんなに激しく心配して、どーすんですかっ!(爆)
2010/11/17(水) 午後 8:23
いやはや、私や私の友人が好き勝手やってたので、もし女の子が産まれたら心臓がいくつあっても足りないなと(笑)
メイドさん、羨ましい。我が家にも欲しいッス。
2010/11/17(水) 午後 9:10
いく姐さん、そ、そうだったんですね。それは遺伝しますよ、きっと(涙)。
でもね、多分女児の場合は男児ほど母親にとっては心配ではないんじゃないかと思いますよ。女児は所詮ライバルみたいですから(^ ^)。なんで女の子が生まれた暁には、一緒に好き勝手やりほうだい対抗戦してください(^ ^)。
2010/11/18(木) 午前 0:48