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地元でよく行く骨董屋さんが二つある。ひとつは『古美術』という店で、「古美術○○」とか「○○古美術店」という屋号ではなく、まんまの「古美術」。飼い犬に「ドッグ」と名前を付けた同級生がいたが、まあそんなかんじか。
孫はまだいないかも…くらいのご夫妻が営んでいて、店内は玉石石石ぐらいの比率の混交。ご主人は昔のグループサウンズっぽい微妙なチャラさで、薀蓄の後に「東京で買ったら3倍はする」と必ず言い、胡散臭さは否めない。が、人当たりはすごく良くて憎めない。奥様のほうが泰然としていて値段の最終決定権もお持ちと見た。しかし夫婦のキャラはどうあれ、店の設えというか演出は他に類を見ないほど素敵で、古瓦と古木、更紗や欄干を観葉植物や水を交えてわざとらしくなく上手く配し、その上、出して下さる玉露がとびきり美味しく、隠れ家カフェのほうが流行りそうな、日がな一日、本を読んで過ごしたい空間なのだ。
ということで、なんだかんだ言ってもこの店が好きで、帰省の度に餌食になっている。ここでは自分の眼で判断すべしと分かってはいるのだが、不思議と自信満々のご主人の私見をなぜかスルーできず、…唐津の向付を買った。彼は「江戸中期ぐらいはある古唐津」と言ったが、今思うとありえない。古唐津の定義は桃山から江戸初期なんだから。で、案の定、眺めれば眺めるほど、どことなく、そこはかとなく釈然とせず、なんの根拠もなく「違う」と思う。
骨董がらみのエッセイやインタビュー記事には必ず書いてある「自腹を切って買い、痛い思いをすることで、初めて真贋が見えるようになる」という言葉を、なんとなく初めて実感したような器だった。中島誠之助さんなんかが「これはいけませんね」といっているのも、ああ、これがそういうものなんだと気が付く。私の眼は節穴なのだ。
そんな微妙な気分の唐津体験のリベンジがこの器。靖国神社の定期市で買った。私が悩んでいても、他を回って戻ってきても、別段何にも意見してくれない骨董商。これはいいのか悪いのか。一楽二萩三唐津、一井戸二楽三唐津。お茶の世界ではこんなに崇められる唐津なのに、とても分かりにくい。で、私には珍しく一週間考えた。それで忘れてしまうのが常なのだが、忘れなかったので頂いた。値下げ交渉もしなかった。した途端、おじさんはバンに積んだ段ボールに片付けてしまいそうな雰囲気だったから。
今のところは気にいっている。ベルギーの青々しいアスパラに白和えなんか、土色に活き生き映える。
唐津についてはまだ二度目。これで間違っていても三度目の正直ともいうし、ロッキーだってファイナルに至るまでに5回死闘しているし。
ちなみに、地元のもう一軒は、商店街にある『○苑』というお茶道具屋さん。GSおじさんと同世代と思しき店主は、悠然としていて、呉服屋の旦那的な風情がある。お道具屋なので現代作家の作もあり、お話全てに胡散くさいさが一切ない。そして、そこでいただいたもので変な気分になったことは一度もない。
あまりにも芸風の違うこの二軒の店。長髪裾広がりスラックスのチャラ男と歌舞伎役者っぽい物腰の七三分けの旦那。私ってどっちもイケる口だったのね。
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え〜…オカアチャンは元々のお里が唐津です。(←それがどうした?)
昨年当地で「古唐津・古武雄」をテーマとした特別展が開催されてました。
心惹かれたのは、緑や褐色の釉がたら〜りとかかった、奔放な古武雄の方であったかもしれません。
でも何れもわたくしには、ずっとガラスの向うのものかなあ…
そいえば、弓野の超かっけ〜え鉢お持ちでいらっしゃいましたよねえ。
ええですっ!アレ。
2015/4/1(水) 午前 7:25
いや〜〜 難しいのは 苦手で。 「自腹を切って買い、痛い思いをすることで、初めて真贋が見えるようになる」という言葉を、なんとなく初めて実感したような器だった。===> こんなのは 偽物売る人の言葉でしょう。 やはり わかりやすいものに手を出すわたしです。。(爆)
2015/4/1(水) 午後 0:13
りんりんの妹様へ
私は初めて買った骨董が唐津、備前でした。お茶を何も知らない男が何故か茶道具を揃えようと思った。その頃少し金があった。そこへ都合よく骨董の店が出来る。鴨がネギを背負って歩いて行ったようなものです。古唐津の茶碗、古唐津のぐい飲み、古備前の水差し、古備前の建水と次々買って行きました。自分では良い物を買ったと写真まで撮る。実際千家の方に見て頂きました。人を介して。それも千家の中では目利きの方。そのためその方が東京へ来るのを見計らって行った。茶碗は大した事は無いが水差しは絶賛と聞いておりましたが。全て偽物でした。道具屋さんに本物を触らせて頂き顔が真っ赤になった事を未だに思い出します。それ以来怖くて土物に手が出せなくなりました。遠い昔の話です(涙)。有難うございます。
2015/4/1(水) 午後 1:01
> 元単さん
え〜…オトウチャンとオカアチャンは備前で隠居です。(←え<オカアチャン違い?)
うちの弓野(銘、捨松一号、二号)のことやタニシ集めのことを覚えていてくださって、感激です。その九州陶磁美術館の特別展と同じぐらい時期にだったかな…、平太さんの嫌いな(?)日本民芸館でも唐津の展示会やってまして、見に行きました。ぜひウチに捨松三号として粗大ゴミトリオを結成してほしい甕があって、ぢっと手を見てしまいました。
2015/4/2(木) 午前 0:51
> nipponjmさん
やはり、お歴々の皆様は、ちゃんと「わかった」上で買い求められるわけですね。なんでも思いつきとかフィーリングで選ぶ癖が治りませず…(涙)
あ、そういえば!イギリスのお店でネットショップで時々お買い物するアンティークのティーandコーヒー・サービスばかりを扱うところがあるんですよ。私が買うのはもっぱら19c末-20c頭の伊万里写しですけど。で、先週の金曜も「これカワイイかもっ!」と注文したのはいいのですが、システム変更で支払い手続きにまごまごし、やっと「できた〜♪」と思った時点で、いったい何を買ったのか覚えてない…(^^;。初めてのオールド・ノリタケだったような気もするのですが…ほんっとに覚えてなくて…。小さい店なので、サイトもそんなに凝っていないため、買ってしまうともうアイテムは表示されませず、確認もできません…ってことで受けとるのがまたサプラーイズ!で楽しみです(←それでいいのか?)。
2015/4/2(木) 午前 1:01
> 不あがりさん
千家の方に見ていただく!…って、それは勇者ですね!すごい!
私もちょこっとだけお茶を習い、その時に家で先生と仲良しのお友達とを招いて家でお稽古してもらったことがありましたが、先生が「お茶は初心者なのに…なんかお道具はたくさんお持ちですね〜」と驚いておられました。しかし別に先生は「いいものをおもち」とはおっしゃらなかったですけどね(爆)。
2015/4/2(木) 午前 1:06
雰囲気いい黒唐津の向付ですね😃
遠目に見た感じですが古くて上等な金(?)直しに見えるので、良いものではないでしょうか。高取とか上野というような、唐津系の17cころのものかも?と思いました。でも、これにそっくりな形を見た事がないので確証なしです😣間違ってたらすみません😱
また調べて見てそっくりなものがあればコメントさせてもらいますね🌸
[ cre*mwa*e1*79 ]
2015/4/2(木) 午後 0:29
久しぶりの新着記事を、以前と同じく上質のエッセイみたいだと喜んで読んでいました。最近、大量の本を読むボランティアを始めたのですが、なかなか素敵な読み物も少ないです。人はいろんな事をして遊ぶもんだなあと思い、私もいっぱい遊びましょうと思ったことでした。
2015/4/2(木) 午後 1:11
りんりんの妹様へ
唐津は高台に尽きると私は思っています。私は唐津というとひっくり返して高台を見てしまいます。この高台の無骨な美しさに尽きるとまで思っています。それほど高台が素晴らしい。どうか唐津を見て良いなあと思ったら高台を見てください。これは今のどんな陶工もこの高台は作れません。有難うございます。
2015/4/2(木) 午後 1:37
> きんこさん
ありがとうございます〜♪確証がなくても、センスのよいきんこさんに「よさそうに見える」って言っていただけるだけで、激嬉しいです。
フィーリングで買ってしまう上、家にある陶磁器系の本ときたら、輸出伊万里とかジャポニズムとか浮世絵とかばかりで、他の資料があまりに薄い…。皆さんのようにもう少しお勉強してからお買い物もするべきですね。…反省…。←サル並
2015/4/2(木) 午後 7:18
> ビセリさん
ありがとうございます。上質かどうかはわかりませんが、とにかく文章が長いので、疲れずによめるようにということだけを心がけています。嬉しいです。
ところで、大量の本を読むボランティアとは!視覚障害の方のための本読み録音とかでしょうか?何かわかりませんが、当たりもハズレも含めて量を読むというのは、その後の知識量や善し悪しの判断に絶対にいいですから!いいことをなさってますね!
2015/4/2(木) 午後 7:22
> 不あがりさん
やはり高台なんですよね。ひっくり返してみなさん見ますよね。私においをかいじゃいますが(^^;。
66さんからもコメントいただいてますので、裏の写真をちょろっと期間限定でアップしようと思いますが…でも「高台」はないんですよ。だから、「古」唐津ではないでしょう(笑)
2015/4/2(木) 午後 7:24
使って、楽しめば、器は器です。
真贋なんて、野暮の真骨頂と思うんですが、・・・。
自腹を切らないで、どうするんでしょうか??
略奪、強奪は犯罪ですよ!!
[ がらくた・おやじ ]
2015/4/4(土) 午後 4:12
りんりんの妹様へ
横から失礼します。
がらくた・おやじ様の仰る事が一番です。全くその通りです。気に入って買った物です。真贋など野暮の骨頂。これは金言だと私は思います。有難うございます。
2015/4/4(土) 午後 5:17
> がらくた・おやじさん
ご無沙汰しております。骨董ハンターズ会議の活動は盛況ですか?
楽しめればいいんですよね。そこが若輩たる私の問題です。なんかはっきり「贋」とわかっちゃってると、どことなく気持ちがアップしないといいますか…。例えば、ちょっと素敵♡と思った男性が、ROLEXのイミテーションのROLAXしていたら、なんかガッカリするような。だったらスウォッチとかGショックしててほしいー!みたいな気分になっちゃうわけです。
…ということで、まだまだ真贋に振り回されない境地にいたるには修行が必要な私です。orz...
窃盗はいけませんね。自腹切らないで…あ、贈答品は断りません♪
2015/4/5(日) 午前 4:32
> 不あがりさん
さすがです。↑の通り、まだまだ修行がたりませず、見栄と欲望のかたまりです…(涙)。
でも、価格やブランドにこだわらず、良いものが自分の眼できめて選べるようになりたいです♪
2015/4/5(日) 午前 4:35
高台を見てもわからないものはわかりません!(笑)
割山椒〜有名ですがpadaは手に取って見たことがありません!
ですが、品格がありますね。
金継ぎの仕事ぶりは見事ですよ。
[ pada ]
2015/4/6(月) 午前 8:40
> padaさん
もう古陶磁蒐集のお歴々の皆様も「むずかしい」とおっしゃられてますから…、私なんぞには全く…(涙)。でも、これはいいねと言ってくださる方が多くて嬉しいです。
直しはわりと丁寧です。個人的にはもっともっちりした直しが好きなのですが(笑)。
2015/4/6(月) 午後 5:11
> 〇〇さん
そんな、お気遣いくださって「内緒」にしていただかなくても…(笑)お優しいんですね♡
ありがとうございます。なるほど「カリッ」なんですね。参考になるもの、是非拝見してお教えを請いたいですが、お送りいただくのは恐縮なので…、7月に見に伺わせてください♪ 備前焼伝統産業会館あたりのカフェかどこかでランデブー♡
唐津は、別に私は「古」までいかなくてもいいんですが…でもまた気が向いたら更なる挑戦をしましょう!エイドリアーン!(爆)
2015/4/8(水) 午前 2:00
了解しました。(笑)
2015/4/8(水) 午後 10:47