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上の画像は逆さで模写したもの、
下はそれを倒立して見たもの。詳しくは下の文をご覧下さい。
最近読み始めた本
「脳の右側で描け(第3版)」 ベティ・エドワーズ著 北村孝一訳 エルテ出版
初版 2002年2月1日 第3版 2004年8月20日
画家であり、教育者でもある著者は、「人はどのように絵を描くことを学ぶのか?」というテーマをライフワークとしている。この本は人間の思考の二元的性質に関するスペリー教授の先駆的洞察(いわゆる左脳、右脳の働きとその連携について)を教育実践に応用し、絵を描く技術を体系的かつ実践的に提唱している。
これは理論書であると共に、様々な演習を通じて絵を描く技術を実践的に習得する事ができるよう構成されている。著者は絵を描くのは、たとえば読書や運転、スキー、歩行などと同様いくつかの構成要素からなる包括的技能であり、その構成要素をいったん習得・統合することができれば絵を描けるようになる。またいったん基本的技能を修得すれば、新たな基本機能を付け加える必要はなく、ただ練習することによって技法を洗練させることができると説く。
また著者達は提唱しているプログラムに基づいて写実的な画を描く5日間のセミナーを開催しているそうだ。いかにもアメリカらしいことではある。でもサンプルで掲載されているセミナー前、後のポートレートはなかなか心打たれる成果を示している。
この本には様々な実習を行うようプログラムされているが、そのひとつに写真や絵をさかさまにして模写をする。というものがある。これはひとつひとつの線が何を構成するのかという事をあらかじめ理解した上で描くのではなく、パズルを埋めていくように虚心に、あるがままに線を構成していくという事でおもわぬ効果を生むという事が実感できる実習だ。この演習は意図的に左脳の働きを抑え、右脳モードで見たまま、ありのままに描いていくという訓練として非常に興味深かった。
もちろん普段絵を描く上ではモデルを反対にするわけにも行かないので、あくまで右脳モードに入るための肩慣らしのようなものだが。出来上がった絵はとてもさかさまにして描いたとは思えない仕上がりだ。
結果を意図せず、ありのままの関係性を写し取る事の大切さを学んだような気がする。
これはひとつのパラダイム転換の体験でした。
しばらくこの本とはお付き合いしていくことになりそうです。
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