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判決文 p8
衝突角度を14度とする本件事故の衝撃によっては、控訴人運転車両の上記変形具合が生じたり、控訴人運転車両左前側面ステップの前方部分に変形が認められないことの合理的な説明がつかない上、
控訴人運転車両の左前側面ステップカバーには被控訴人H運転車両の前輪タイヤ痕が中央の溝を中心にして印象されているが、衝突角度14度であれば、被控訴人H運転車両前輪が控訴人運転車両のステップカバーに鋭角に接触することになり、
被控訴人H運転車両前輪中央の溝よりも被控訴人Hから見て左側タイヤ部分が控訴人運転車両のステップカバーに印象され、控訴人運転車両前輪右側部分が印象される蓋然性は極めて低いと推認されることに照らせば、衝突角度は、 14度ではなく、本件速度鑑定のとおり、 52度と認めることに支障はない。
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同23頁10行目の「理由について」を「理由や、本件事故によって控訴人運転車両のフロントフォークが破損し、左腫骨内躁骨折、左撓骨遠位端骨折の傷害を負っているにもかかわらず、右足には本件事故による負傷がない理由について」を付加する。
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同25頁15行目の「主張するが、」を「主張する。しかし、被控訴人H自身、進行方向である山西町方面において、四輪車がいること以外に控訴人運転車両の発見が遅れた原因が他にあるかとの質問に対して、『他には考えられません。』と答え、控訴人運転車両の発見が遅れた理由は分からない、他の車両があつたか否かも覚えていない等と供述していること(甲31、原審における被控訴人H)に加えて、」と改め、 21行目の「考えられる。」を「考えられることを勘案すると、被控訴人H及び被控訴人県の上記主張はにわかに採用することができない。と改める。
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同26頁4行目の「本件速度鑑定」から「検討するまでもなく、」を削除し、5行目末尾の次に行を改め、次のとおり付加する。
以下P9
「キ、これに対して、控訴人は、本件速度鑑定の問題点として、衝突後の二輪車の速度差が考慮されておらず、控訴人運転車両側の衝突後の速度が低い
値になっている、
二輪車乗員の重量及び速度が考慮されていない等の問題点があるほか、
被控訴人H運転車両の破損状況を説明するため、衝突後に被控訴人H運転車両の後部が跳ね上がったと説明しているが、物理的に何故被控訴人H運転車両の後輪が跳ね上がったか説明がなされておらず、
被控訴人H運転車両(空車重量260キログラム)よりも軽量な控訴人運転車両(空車重量159キログラム)を跳ね飛ばし、更に衝突後も被控訴人H運転車両が前進している本件事故状況において、被控訴人H運転車両の重心が持ち上がるような物理的な力は発生していないことは明らかである旨主張し、 これに沿う証拠として、甲44、 45、 47、 48、 51、 53を提出する。
しかしながら、証拠(乙29、原審証人〇×▲■)によれば、 自動車の衝突は、弾性衝突(ゴムまりを壁にぶつけると跳ね返るような衝突)ではなく、塑性衝突(粘上のまりを壁にぶつけたように全く跳ね返らないような衝突)に近いこと(ただし、衝突速度が、例えば時速5キロメートルであるように非常に小さい場合は、弾性衝突に近くなる。)
人身事故を伴うような衝突のほとんどは塑性衝突に近いものであると認められることに照らすと、本件速度鑑定において、衝突後の双方車両の速度差を考慮する必要はないというべきであり、双方車両の速度差が考慮されていないからといって、本件速度鑑定の信用性を左右しない。
そして、証拠(原審証人古本礼慈)によれば、本件速度鑑定においては、控訴人及び被控訴人Hの体重を考慮していない理由として、本件事故の際、控訴人及び被控訴人Hは、衝突中、双方の車両シート上を移動するだけで、衝突に直接関与していないため、乗務員の体重(重量)を考慮していないことが認められることに照らすと、乗務員の重量を考慮していなかつたからといって、本件速度鑑定に問題があるということはできない。
以下P10
また、証拠(乙8の1、乙51)によれば、 1人乗りのオートバイ(重量185キログラム)を排気量1800cc級の乗用車の側面(前ドア位置)に時速50キロメートルで衝突させた実験において、
衝突後0 1秒で、オートバイのフロントフォークと前輪の変形が概ね完了し、次いで、オートバイ乗員の身体が慣性により前方へ滑り動き、下腹部でオートバイのハンドルに引っかかる状態になり、次いで、オートバイの前輪で乗用車の側面に当たりながら、ハンドルを身体で前へ押すかたちになるから、
オートバイは馬が跳ねるのと同じように後輪を持ち上げ、いったん尻跳ね状態になると、オートバイはオートバイ自身の慣性カモーメントのためさらに尻跳ねを助長することが認められ、
原審証人バス運転手の証言によれば、本件事故現場直前で、被控訴人H運転車両に追い越された路線バス運転手が、本件事故の際、被控訴人H運転車両が急ブレーキを掛けてつんのめるように、逆立ちをする格好で後輪が眺ね上がったのを目撃していることが認められることに照らすと、本件事故の際、被控訴人H運転車両が尻跳ね状態になっていたことは優に認められる。」
8
同頁21行目の「施行令14条」の次に「本文」を付加する。
9
同29頁2行目の「緊急自動車」の次に「(道路交通法施行令(昭和35年
政令第270号)14条)」を付加し、16行目の「確認せず、」の次に「先行右折車両が本件交差点を右折するのに続いて、」を付加し、
17行目の「右折しようとした」を「右折を開始した」と改め、21行目の「被告Hにも」から30頁11行目末尾までを次のとおり改める。
「被控訴人Hの過失の有無、程度について検討するに、緊急自動車に速度規制の効力が及ぶのは、
高速自動車国道の本線車線以外の道路を通行する場合の最高速度80キロメートル毎時(道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)12条3項)以上の法定速度が規制標識に示されている場合(道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(昭和35年総理府・建設省令第3号)2条、同令別表第1の規制標識の種類最高速度(番号323)、道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)12条3項)であり、
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