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高知白バイ事件・再審請求審・高知地検最終意見書(10・31日付)を掲載していきます
今回は 最終意見書P1〜4。 今回の内容のほとんどが検察の意見ではなく、確定審の事実認定を転載したもの。
第1 意,見
本件請求は,‘理由がなく,棄却されるべきである。 第2 理 由
1 確定判決の認定した罪となるべき事実及び判決確定に至る経緯 (1)確定判決の認定した罪となるべき事実
被告人(請求人片岡晴彦,以下「請求人」という。)は,平成18年3 月3日午後2時34分ころ,業務として大型乗用自動車(スクールバス・以 下【でバス】という。)を運転し,高知県吾川郡春野町弘岡中987番地1先 の交通整理の行われていない変型四差路交差点西方に面した路外施設駐車場 から,同交差点内車道と自歩道の境界付近で一時停止した後,同車道に進出 し,右折進行するに当たり,右方道路から進行してくる車両等の有無及びそ の安全を確認して同道路に進出すべき業務上の注意義務があるのにこれを怠 り,右方道路を一瞥したのみで,右方道路から進行してくる車両等はないも のと軽信し,左方道路に注意を奪われ,右方道路から進行してくる車両の有 無及びその安全確認不十分のまま発進し,漫然と時速約5ないし10キロメ ートルで同道路に進出して進行した過失により,折から右方道路から進行し てきた高知県警察本部交通部交通機動隊員A(以下「被害者」という。) 運転の自動二輪車(以下「白バイ」という。)に全く気づかず,同車前部に 自車右側前部を衝突させて被害者を約3.6メートル前方に跳ね飛ばして転 倒さ,せ,`よって,被害者に胸部大動脈損傷の傷害を負わせ,同日午後3時4 0分ころ,高知赤十字病院において,前記傷害により死亡するに至らせた。 (2)判決確定に至る経緯
本件は,平成18年12月6日起訴されたものであるところ,請求人は, 捜査段階においては自己の過失を一応認める供述をしていたが,公判(確定 審公判)において,過失を否認し,確定審弁護人は,「被告人は,本件事故 当時,路外施設を出て右折進行するに際し,左方から来る車両をやり過ごす ため路上で停止していたところ,そこに高速度で進行してきた被害者運転車 両が衝突してきたのであって,被告人に過失はない。」旨主張した。 これに対し,確定判決(高知地方裁判所平成19年6月7日宣告)は,前
1記罪となるべき事実を認定し,請求人を禁固1年4月に処したところ,請求 人及び確定審弁護人が,事実誤認,法令違反及び量刑不当を主張して控訴し たが,控訴審判決(高松高等裁判所平成19年10月30日宣告)は,原判 決(確定判決)には事実の誤認は認められないなどと判示して控訴を棄却し, 平成20年8月20日上告棄却決定,同年9月26日異議申立て棄却決定を 経て,同月28日判決が確定した。 2 本件再審理由の要旨
請求人の弁護人(以下「再審弁護人」という。)は,再審請求書において,
確定判決の不当性・事実誤認,確定判決の認定の基礎となった証拠の不当性等 を主張した上, (1)鑑定人I作成に係る解析書5通(弁1ないし5号証),
(2)O作成に係る書面4通(弁6ないし8,18号証),
(3)M作成に係る意見書(弁9号証),
(4)本件当時バスに乗車していたK0ほか6名の陳述書及び供述調書(弁10ないし16号証,30号証),
(5)K作成に係る事故解析書及び意見書(弁17,19,32号証),
(6)三宅洋一作成に係る鑑定書及び意見書(弁2 4,31号証)等の証拠につき,
「無罪判決を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見したとき」に該当するものとして,刑事訴訟法435条6号により本件再審請求を行っている。
3 確定判決の事実認定及び証拠
(1)確定判決の認定
確定判決は,「事実認定の補足説明」において,確定審弁護人の主張及び 被告人(請求人)の供述に対し,判示のとおり認定した理由を補足して説明 するところ,その判断の骨子は,以下のとおりである。, ●ア 証拠上容易に認定できる事実(確定判決第2・1)
(ア) 請求人及び被害者の運転の状況 請求人は,路外施設から路上に進出して右折するつもりであり,被害 者は,右方から第二通行帯を進行し,緊急走行はしていなかった。 (イ)請求人の見通し状況
路上に進出しようとする際のバス運転席から右方道路の見通し状況 は,中央分離帯側において約9 8.6メートル,自歩道側において約168メート ルであった。 (ウ)スリップ痕
バスの最終停止位置I(実況見分調書〔確定審検察官請求番号甲2号証 ・以下同様に検察官請求番号を示す。〕添付の交通事故現場見取図(第 2図)の⑤地点)の左右前輪から後方に向けわずかに右側に流れるよう に,左前輪につき約1.2メートル,右前輪につき約1.0メートルの スリップ痕が存する。 (エ)路面擦過痕
最終停止位置のバス右前輪右側あたりに,アスファルト路面の表面を 硬い物で削ったような複数の路面擦過痕が存し,バスの進路と直交する 方向に短く形成されていたものが転向してバスの進路と平行する方向に 長く形成され,転倒している白バイまで伸ぴているものがある。 (オ)バスの損傷状態
前面右側が凹損し,棒の先端で突いたようにして黒色めものが点状に 付着しているが,その高さは白バイの同型車のハンドルの高さとほぽ同 じである。また,右側ヘッドライト上部には水平方向の線状の擦過痕が あり,前部バンパーは右側から左側に押し込まれたように挫屈している。 (カ)白バイの損傷状態 ・
転倒した際に下になった右側前後バンパー,排気管,マフラーには擦 過痕が存する。また,前部左側の赤色回転灯のカバーは説落し,左側バ ックミラーは本来の位置から車体中央に向いた位置に回り込んでいる。 (キ)破片の散乱状況等・
バスと白バイのいずれか又は双方から液体が漏れ出ていた。白パイか ら説落した前部左側の赤色回転灯のカバーは,バスの右前輪後方の位置 にあり,また,バスの前方に細かな破片等が散乱している。 (ク)関係者以外の者の存在
バスには学校教員や生徒らが乗車していたほか,本件現場にはいわゆ る野次馬らが参集し,報道関係者と思しき者らが現れるなどした。 また,本件現場は少なからぬ一般車両が通行する幹線道路上にあった。 (ケ)捜査の状況
本件事故の約21分後から本件現場において実況見分が行われた。請 求人は,本件事故の約30分後に逮捕され,警察署に引致された後,本 件現場に戻り,実況見分に立ち会ったが,その際には,既にバス等は現 場から撤去されていた。 以上
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