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漫画感想レビュー・考察など…黒バス・コナン・テニプリ・めだかボックス・Helck etc…

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こんばんわ
yukuです。
 

今回は『めだかボックス』における「弱さ」の定義について、少し語りたいとおもいます。

 
「たとえどんな理由があろうとも」
「弱い者いじめは許さんぞ!!」
(5巻めだかちゃんの台詞。ここでいう「弱い者」=阿久根高貴を指す)
 
『決めてるんだ』
『争いが起こったとき僕は善悪問わず』
『一番弱い子の味方をするって』
(14巻球磨川の台詞。ここでいう「弱い子」=喜界島もがなを指す)
 
これ以外にも、初期の頃の善吉が、アブノーマル戦において弱者扱いだったり、不知火ちゃんがかぶとむしより弱かったりなど、まあ、いわゆる戦闘力的に「弱い」という描写もままあったりするのですが、上記2つに関しては、明らかにそれらとは色合いが異なるような気がします。
 
そもそも、めだかちゃん・球磨川の2人にとっての「弱い」の定義は、その他キャラたちが表現するところの「弱い」の定義とは若干ズレがあるように感じております。
 
しかしながら、彼らのいうところの「弱さ」の定義こそが、めだかボックスにおける「弱さ」の定義の本質を突いているようにも思えたりします。
 
では、めだかちゃんや球磨川が言うところの「弱者」とはどういう人物を指すのか。
 
先に結論からいうと、ずばり、
 
「弱者」=「加害者」

ということなのかなと思っております。
 
たとえば破壊神であったころの阿久根高貴は、押しも押されぬ「加害者」キャラでした。
 
大した理由もなく道を踏み外し
大した信念もなく周囲を傷つけ
大した目的もなく苛々していた
あるがままに生きて
なすがままに暮らし
言われるがままに壊してきた
それが阿久根高貴の人生だった
 
きっと、彼がめだかボックスのキャラではなく他作品のキャラだったならば、さしずめラスボス前に立ちはだかる、血も涙もない破壊臣として無感動に正義側を痛めつけ「ちょっと手ごわかったラスボスの右腕」として同情されることなく、やがては倒されるという役回りだったかもしれません。
 
そもそも人間とは、たまたまの積み重ねでいともたやすく加害者側に立ってしまうものです。
皮肉な言い方をすれば、正義を貫く漫画のヒーローたちだって、本人の素養はあるとしても、たまたまの積み重ねで正義側に立っているに過ぎず少し立ち位置が違えば、あるいは何か一つでも踏み外せば、善良な人たちを苦しめる加害者ポジになってしまう可能性だってほんとうは十二分にあるはずなのです。
 
意せずして、無自覚のうちに、あるいはやむを得ない事情が重なって、ヒール側(加害者)に立たされてしまった者の悲哀はしかし、意外と少年漫画ではスポットが当たりづらかったりします。
 
球磨川禊は、過負荷ゆえに、自分のマイナスな部分や弱さは気前よくさらけ出しますが、絶対に、自分は被害者側であるというスタンスを崩しません。

『僕は被害者だ』

 
イメージ 1

明らかに誰が見ても、球磨川のやることは許すまじきことばかりなのに一貫して彼は『僕は悪くない』と言い続けます。
なぜなら自分は常に弱者で被害者側だから。
 
その球磨川の「弱くてもいいから加害者側には立たない」というスタンスは過負荷(マイナス)である彼らなりの「負けるが勝ち」という理論をかなりいびつなかたちで掲げた彼らなりの摂理であるような気がします。
 
そして同時に、一般には「弱者」とは受け止められづらい「加害者」こそが、実は一番「弱い者」であるということがよくわかっている球磨川だからこそ、
 
意せずして「加害者側」に立たされてしまった者には、誰よりも同情し、率先して手を差し伸べようとします。
 
めだかちゃんと善吉の決裂の際、一番、立ち位置があやふやになってしまっていた喜界島さんを「弱い子」として手を差し伸べた球磨川ですが、喜界島さんはあの場合においては、即「加害者」にはならずとも物語が進むにつれ、宙ぶらりんの立場のままだった彼女が、2人の聖戦に割って入る、いわゆる「邪魔者」役となってしまったのは時間の問題です。
 
命令されるがままに壊しまくる破壊神であった阿久根や、無差別に触れた者を腐らせてしまう江迎ちゃんに対してなど、球磨川は「偶発的加害者」に対してかなり優しい。
 
そして、カタチは違えど、めだかちゃんもまた「加害者」を重んじる傾向があることは、いわずもがなです。
 
かつて、被害者を守るため、加害者側を痛めつけていた日之影先輩と対立していためだかちゃんは「(被害者の味方をする)俺に逆らいたいだけじゃないか」と日之影先輩に問われ、こう答えます。
 
 
イメージ 2

「まあ少し違うが、ある意味そうだな」
「だって貴様が被害者を守り」
「私が加害者を守れば」
「我々は全てを守れるのだから」
 
明らかな加害者を指差すのは簡単です。

――「正義は勝つ」

世の中、そうでなければいけないのもまた揺るぎない事実です。

私自身「悪」を肯定する気はさらさらありません。
 
しかしながら「加害者」もまた、「加害者側」に立たされてしまった時点で「弱者」であるということも真実なのです。
 
無自覚のまま、
あるいは育った環境で、
あるいは属した組織に併合するため、
あるいは我が身を守るため、
あるいは愛を守るため、
「正義」を捨てざるを得なかった者たちが
やがては「弱き加害者」となる。
 

そんな「加害者」こそもまた救うべき「弱者」なのだということを訴えかけてくる『めだかボックス』という漫画はたしかにWJに連載される少年漫画としては、ちょっとばかし異色なのかもしれないなあって思ったりもしました。
 
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