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その2の続きです。


ついに火口を追いつめたLと捜査本部。

そしてその情報は密かにLと繋がっていた奈南川を媒介し、他のヨツバキラメンバーの知るところとなります。

これまでのヨツバキラとしての所業が明るみになった時、これから自分たちはどうなってしまうのだろうと案ずる紙村に対し、奈南川は言います。

「三堂 紙村 ヨツバは傾くかもしれない」
「キラが捕まればまた世の中も荒れるだろう」
「しかし」
「そういう時にこそヨツバの為」
「社会の為に貢献するのが」
「本当のヨツバ社員じゃないのか」

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脅されていたとはいえ、結局はヨツバの繁栄と自分の地位のために「殺しの会議」に参加し、キラの殺人に加担してきた奈南川たちに、大手企業の社員としての矜持を全く見いだすことはできないでいたので、この局面で奈南川の口から「ヨツバ社員としての社会貢献」というワードが出てきたことに若干意外な気持ちがしました。

しかし紙村のいうように奈南川や三堂に至ってはデスノートなど使用せずとも充分に出世が望める器であり、またヨツバを繁栄させられる能力もすでに備えていたわけで、そういう意味ではもしかしたら「殺しの会議」メンバーに選出されてしまったこと、そしてキラを止める術がなかったことに忸怩たる思いを抱えながら過ごしていたのかもしれないと思うと、同情を禁じ得ません。

ところで逃走の最中に火口が「死神の眼」を得てしまったことで思いがけず虚をつかれ、追跡が後手に回ってしまったL側でしたが、そんなとき火口の逃走経路を塞ぎ見事袋のネズミに追い詰めたのが、かつて決別したはずの相沢・伊出コンビです。

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そうそう、たしか相沢さんは家族との生活を守るために、もはや日本警察とは相対する立場となってしまったL率いるキラ捜査本部から一旦は離れたんでしたね。

自らが決断したこととはいえ、これまで生活を犠牲にしてでも正義を賭けてキラ捜査に打ち込んできた相沢にとって、それを諦めるということは「生き甲斐」を奪われるに等しいことだったでしょう。

しかしそんな相沢を掬いあげたのは同じくかつてはL側と決別し、日本警察がヨツバキラに懐柔された後も独自にキラを追っていた伊出でした。

「これから先どんな事があっても」
「俺達にはキラを追い続けてきたという誇りがある」

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「地位」や「ステータス」なんかじゃない。

自分の仕事に「誇り」が持てる喜び。

仕事のやり甲斐ってきっとこーゆうとこから生まれるんだなあとしみじみ…

誇りさえ失わなければ、どんな理不尽も、困難な壁も乗り越えられるような気がします。

先般、奈南川が「ヨツバ社員としての貢献」について語ってましたが、いくらキラの力で企業繁栄に貢献したところでそうして得た自分の地位に「誇り」など持てるはずもなく、その意味で彼らはたとえキラが勝利を収めたところでやはり幸福な人生だったとは言い難いのではないでしょうか。


ワタリはすごいですよね。

決して表舞台において名を轟かせることのないLの「影的存在」ですが、その仕事ぶりはいつも素晴らしく、そしてまた、Lから絶大の信頼を置かれてるという意味で誇りとやりがいを持って自分の能力を最大限に活かしているように見えます。

相変わらず「いい仕事」するワタリ

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夜神月だって、もしデスノートを拾うことなくLと何らかの形で出逢い共に捜査するという未来があったのならば…きっとワタリに並ぶLの優秀な相棒として腕を鳴らしていたのかもしれません。

そう思うとデスノートの存在を境に月とL、2人の「正義」が真っ二つに別れてしまったことは少し悔やまれます。


かつてL自身も言及していたように、咄嗟の際の洞察力は夜神月に軍配があがっていることがよくわかる一コマ↓


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が決断力の速さでいえばLは月の比ではない。

こればかりは経験の差でしょうか…

もし2人の正義が別つことのない未来があったとするならば…ニアとメロのように、互いが互いを補い合う、あるいは刺激し合える、素晴らしい相棒関係になれていた可能性も充分にあったんじゃないのかなとすら思えたりします。








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その1の続きです。

他シリーズに比べるとやや冗長感否めないヨツバキラ編ですが、その魅力は何といっても「敵」がハッキリしている分、結託側の呉越同舟っぷりがアツかったところでしょうか。

ヨツバという巨大組織権力に懐柔される日本警察…これまでのキラとは違い、正義であるはずのL側がマイノリティな立場に立たされてしまうわけです。

そうなってくると頼るべきは、泥棒や詐欺師などといった非合法な存在になるわけで……「正義感」以外の様々な目的から利害一致を果たした彼らが「キラを捕まえる」というひとつの大きな目標に向かって一時的に手を取り合いする様が面白かったりもしました。

かつては相容れなかったさくらTVの出目川さんともこの通り

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というわけでここでは、もはやキラ捜査を断念した日本警察(正義)に反旗を翻し、独自の人脈を駆使しつつ、限られた条件下で「キラ(悪)」に立ち向かい、追い詰めていくまでの物語について、見どころをピックアップしつつ軽く語っていきたいと思います。

お付き合いいただければ幸いです。

ヨツバ編終盤の扉絵。ヒロイン風味な夜神月…

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さくらTVで火口を押えるべく待機する夜神総一郎とウェディ

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「警察官でない自分たちが銃を持つことは許されない」とこの期に及んでなお、頑なに法を遵守する元局長。

その信念については大変素晴らしいとは思うのですが今回の場合、彼が銃を持たないことで必然的に銃を構えるウェディの方が最初に標的にされるやん?矢面に立たせるわけやん?そこんとこ分かってるんかと、ちょっぴり納得できない部分もあったりしたのですが…

案の定、真っ先に銃を持つウェディを狙い撃ちにしようとする火口…!

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しかしいち早くそれを察知した総一郎が我が身を省みず盾になります。

このシーンで先ほどの「自分だけ銃を持たないことで結局ウェディを矢面に立たせているじゃないか」という考えは払拭されましたねー。

まあ、単細胞の私ですら気づくぐらいなんで…総一郎はもともとウェディに銃の所持を拒んだあの時点で、こうなることは予測済みであり、いざとなれば自分が盾になることも覚悟の上だったというわけでしょうね。

同じように正義を貫く者でも「日本の法律では本当に排除されるべき悪は裁けない→だったら自分が犠牲(キラ)となってでも世の中から悪をなくそう」という、息子・夜神月に対し、「日本の法律を遵守した上で自分が犠牲(身代わり)になることは厭わない」という夜神総一郎の信念の違いが窺えるひとコマでした。


さて、Lによる壮大なる人海戦術により見事、確保されたキラ(火口)…

そして夜神月も「計画通り」、キラであったころの記憶を取り戻します。

記憶を取り戻した夜神月の回想シーンより。レムにノートを渡す人間の条件を事細かに指示する月

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しかし夜神月もレムにここまで細かく新キラの条件出すならついでに「なるべく氏名の画数が少ない者」っていう条件も出しときゃ良かったかもしれませんね。

まあ火口卿介の「介」が「輔」とかじゃなかっただけでもよかったのかもしれないですが…

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「一生のうちで一番長い40秒だ…」by夜神月

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デスノート使用初期は1人葬っただけで「命だ。軽いはずはない」と動揺していた夜神月が火口の命のカウントダウンをするまでになるとは…

もはやデスノートに名前を書きこんでしまったあの瞬間から、確実に夜神月の「人間性」は蝕まれ、やがては「人間でない何か」に変えられていくという…それが「デスノートを使用した者に課せられる代償」というやつなのかもしれません。

「情のある人間なら」という「恋愛感情論」でLを煙に巻く月

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このやりとりはつまり実際のところ「これだけ好意的に尽くしてくれた女性」であるミサミサに対しまったく心動かされてない月自身はもはや「情を失った人間」であると無意識にであれ自覚しているということの裏返しなのしょうか…

個人的にはしかし「善悪」はともかく、情を捨ててでも自らの信じる正義を貫き通す夜神月の姿勢には尊敬の念を禁じ得なかったりします。

そして夜神月の素晴らしい点は、自らはいわゆる社会的に「勝ち組」の立場にありながら、理不尽に搾取される「弱者」を見過ごせずデスノートの筆を取り続けたことです。

そこに私怨や復讐心などはいっさい介さない…あるのはただ純粋で揺るぎない正義感――だからこそ松田もLも、キラの犯罪を憎みながらも、どこか彼にシンパシーを見出していたのではないかと思います。

さてデスノートの作品テーマともいえるべき「正義」についてですが…

そもそも「正義」とはなんなのでしょうか。

法律に違反しないことか?

人に迷惑をかけないことか?

悪を駆逐することか?

弱者を助けることか?

…僭越ながら私が考える正義とは、「常に中立の立場にあること」です。

他者に寄り添った時点で正義はそのカタチを歪にする――

まあ要するに「愛と勇気だけが友達さ♪」ってやつですよね。

…すみません話が大きく逸れました!

つまり夜神月は確かに殺人者(キラ)であり大犯罪者ではあるのですが、同時に「人間の情」に左右されない、紛うことなき「正義」であったと言えるのかもしれません。


その3へ続きます→→







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こんにちわ
yukuです。

私が個人的に漫画『デスノート』で最もアツくなれたシリーズといえば実はヨツバキラ編だったりします。

そこで今回はヨツバキラ編について色んな角度からとことん振り返りつつ、再熱していきたいと思います。

よろしければお付き合いください

※例によってダラダラ長くなりそうなので記事を分けました

上司にするなら…?

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当初はこの中だったら断然鷹橋さんだったんですが…

最近は火口以外ならもう誰でもいいやという考えにシフトされてきました。


▼鷹橋のこの…チョロい感じがよい…
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ちなみに個人的見解ですが、三堂=女性人気高そう(優しくて頼れる上司という理由から)で、奈南川=男性人気高そう(憧れの上司的な意味で)と思ってます。

尾々井・鷹橋あたりは万人受けせずとも、特定の部下にめっちゃ慕われてそうとか思ったり…

紙村さんは同僚か部下に欲しいかな

あとは…微妙ですね。

別部署にいてたまーに顔を合わせるくらいな感じで…

ネガティブ派洞察マン・紙村人事課長の孤独な闘い

▼コイルの調査報告によりLの手がかりに近づけたと皆が浮足立ってる中、1人「Lとコイルの八百長説」に思い至る紙村さん
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紙村さんのこう…あらゆる可能性をマイナス思考するところが僭越ながら自分と同じタイプすぎて、ついつい感情移入しながら読んでしまいます。

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ホント紙村のこーゆうとこまじでおま俺…

ま、脳みそのスペックは全然違うんですがね。

こういう、ネガティブな方向に洞察力が働くようないわゆる「石橋をたたいて渡る」タイプには、尾々井さんのような頼もしいけどおおざっぱすぎる同僚が案外相性抜群なのかもしれないです。

なお、尾々井さんのアドバイス通り、次の会議で自分の考えを発言してみた紙村さんですが…すでにコイルによってほかのメンバーの心はガッチリと掴まれていたあとということで当然、彼のネガティブ発言は封殺されることとなります。

しかし紙村さんは諦めません!

もはやコイルの掌の上で泳がされ、次々に事が進行していく中、密かにメンバー内で「キラではありえない者」を、持ち前の洞察力と観察眼を駆使し、「泣きつく」というカタチで内々に接触し、密談の場を作ることに成功します。

紙村が「キラではない」と目星をつけた人物…それは「キラの力なんかに頼らなくても出世する」であろう資質を備えた奈南川と三堂、そして尾々井でした。

▼1人孤独に闘ってきた紙村さんが報われた瞬間
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なお、紙村が「キラ」を7分の2に絞り込んでいたこの時にはすでに奈南川と三堂も「キラが誰なのか」おおよその目星がついていたらしいことが2人の発言からわかります(やっぱカッコイイな)
そういう意味では紙村の洞察力はこの2人よりはやや遅れをとっていたわけですが、紙村の凄いところは「かもしれない」レベルにすぎなかった仮定の段階で、自分の洞察力を信じ、実際に行動に移したという点です。
当初の「ちょっと気弱で頼りなさそう」な印象の紙村からは考えられない行動力と決断力です。
ここまで「マイナス思考洞察マン」な紙村さんに若干の感情移入をしていた私は、紙村さんの勇気ある行動、そしてそれが報われた瞬間は思わず喝采をあげましたね
社会人になって薄々わかってきたことですが、時として大切なのは「本質」を見抜く洞察力よりも「見て見ぬ振りができる鈍感力」…特にマイナス思考の洞察力なんて持ってたって損することの方が多いんだからと身に染みて感じていたわけですが、紙村さんが自分の直感を諦めなかったことでこうしてキラ逮捕までに結託できたんだし、そのことがキラ逮捕に少なからず貢献したのだと思うと、胸がすく思いがしました。
しかしながらこれほど慎重にマイナス思考を駆使し、真相を手繰り寄せた紙村さんも結局、L亡きあとの新キラ(夜神月)により「デスノートに関わった者」として抹殺されてしまうことに、忸怩たる思いを禁じ得なかったりします。

その2へ続きます→→

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