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※藤崎竜先生の漫画版『封神演義』を語る記事です。
陰謀と野心が入り乱れ、多くの仙人たちを巻き込んだ「仙界大戦」――語りは尽きないですが、なんといっても太公望のリーダーシップ力がこの戦いの大きな見ドコロなのかなと個人的に思っています。
これまでにも太公望は類まれなる頭脳明晰さに加え、私心のない人柄と、弱きを憐れみ強きに屈しない人となりにより、数多の要人から一目置かれ、慕われ、着々と味方を増やしていきました。
しかしながら、太公望の周りに集まってくる心強すぎるほどに頼もしい味方の中にはたとえば天才道士の楊ぜんや、最強の宝貝人間であるナタクなど、「ん?これはひょっとしたら、太公望などよりよっぽど先頭に立つにふさわしい、優れた人物がいるんじゃないのか?」というのは読者及び、太公望の味方である取り巻きキャラですらチラリとそう思わざるを得ないほど、濃い活躍キャラたちが揃っており、太公望はイマイチ地味というかなんというか…
太公望の「上に立つべき資質」というのは元始天尊も「TEST終了」時に白鶴に言及していたように、片鱗は充分窺えるんですが、しかしやはり、どーしても楊ゼンやナタクなどのような、華麗でわかりやすい活躍をしている方につい目がいってしまうんですよね…
が、仙界大戦にて、そんな太公望のリーダーとしての資質は一気に表立ったような気がします。
仙界大戦の火蓋がきられたとき、まさに金剛島ごと攻めてきた聞仲の大胆な策に突如、全面対決を迫られた崑崙山側は充分な準備の猶予もほとんど与えられないままそれに挑む形になってしまい、まさに瞬間瞬間の判断力が強いられる戦況の中、元始天尊から「全権」を任せられた太公望の重責は筆舌に尽くしがたいものがあります。
しかしながら太公望はそれをためらいなく引き受け、その後も冷静に最善策を打ち出していきます。
…が、それでも聞仲の方が一枚も二枚も上手だったようで、崑崙山は絶体絶命の窮地に追い込まれます。
引いても、進んでも、なんらかの犠牲が出る。
「いまお前の肩に全ての責任が重くのしかかっておる」
元始天尊は、あくまで傍観者の体を崩さずして愛弟子・太公望の指揮者としての手腕を見守ります。
自分の下す判断に寸分のミスも許されない。
ここまでで太公望は、ほとんどすべて、自分の独断でことを進めております。
もちろん、取り巻きの中には、そんな太公望の独断に苦言を呈する人物もいます。「なにやってんだよ」と責める声もあります。
しかし太公望は決して、「民主的に」まわりの意見を聞きまわって舵取りの権限を分配することなどはせず、あくまで独断専行を貫きます。
それは裏を返せば太公望が、たとえ何があっても責任は自分の肩に全部背負い込む覚悟があってのことだったのでしょう。
民主主義制度は平常時においては素晴らしい制度ですが、このような有事の際においては、かえって責任をうやむやに散らし判断を鈍らせ、結局総崩れになる危険性も多く孕みます。
時間が勝負である有事の際は、1人、保身に走らないリーダーが舵を取り、権限も責任もすべてを背負うのが最善策なのだと思います。
さて、通填砲の予想以上の射程距離に万策尽きたかと思われたとき、天才道士・楊ゼンが第2射撃を食い止めるため、独断で単身、金剛島へ乗り込みます。
そして太公望はそんな楊ゼンの意図を察し、
「竜吉公主、太乙!楊ゼンがバリアを解除したら金剛島に全力で突っ込むぞ!」
「崑崙の浮力も何もかもスッカラカンになるまでエネルギーを使ってかまわぬ」
公主と太乙に、早速、全力前進の指示を飛ばす太公望。
すべてを楊ゼンに託すことにします。 「楊ゼンを信用しておるのじゃな太公望」 |
封神演義
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