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危機
朝、歩いて会社へ向かった りっぱなレンガ建ての家の前を通った 丸くて大きな窓があった 中からだれかが覗いている気配はなかった わたしはあまり気にもせず通り過ぎた 次の日も、歩いて会社に行った りっぱなレンガ建ての家の前を通った 丸くて大きかった窓は 正方形になっていて わたしはあまり興味を持てず 窓を見ずに通り過ぎた その次の日も、 りっぱなレンガ建ての家の前を通った 正方形だったあの窓は 星型に変わっていて わたしは見てみぬふりをして 世の中そんなものか、と通り過ぎた そのまた次の日も、わたしは歩いた 星型だったあの窓は 丸くて大きな目のカタチに戻っていた 目は完全に死んでいたので わたしはなるべく目を合わせずに 黙って通り過ぎようとした しかし、本当のわたしは 誰とも目を合わせず 通勤するサラリーマンなどではなく 毎朝同じ時間に歩く彼を見つめる家の窓であり 気分で窓枠を変える家の中から 窓越しに彼を見つめる 太陽の光のひとしずくの反射に過ぎない、と 言いきれる戦術も過去にはない 13-6-3 【81】
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