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「Looksは、すっかりオトナの男の人っぽくなったけど、その眼差しは全然変わってない」 唐突に髪に触れ、チェギョンがそんなことを言い出すものだから、不意を突かれたシンは、 あの日のようにぎこちなく身動きが出来なくなり、固まったまま、唯々見つめ返すばかりだ。 いつもなら、ポーカーフェイスを保てた筈なのに…今夜はそうも行かないらしい。 彼女の前だと、どうしても調子が狂ってしまう…。 潤沢を帯びた黒い瞳から伸びた、くるんと長い睫毛を瞬かせる仕草から、眼が離せない。 「……」 そう云う彼女こそ、あの頃と全然変わらない。破天荒かと思えば、敏感に物事の確信を突いたり… 好奇心旺盛で天真爛漫な、偽りの無いイノセントな大粒の瞳は、いつだってシンを魅了する。 白魚のようなほっそりとした指先が動いて、滑らかな頬をスッとひと撫でして行く。 こんな些細な動作だけで、シンの心拍数はドクドクうるさい程、跳ね上がってしまう。 目の前で無邪気な笑みを浮かべる彼女は、そんな彼の心情を知る由もない。 「ずっと変わらないで居てくれて、ありがとう。シンくん」 やさしいままの、あなたで居てくれて… 真っ直ぐにやさしく自分を捉える潤んだ瞳、沁み渡るようなやわらかな声音に胸の奥が震え、 込み上げる感情を上手く言葉に出来ないシンは、頬に触れる妻の手に重ねる様に、 大きなその手で包み込む。 自分を映してどこか躊躇いがちに揺らめく、怜悧な切れ長の美しい双眸。 純粋なその瞳が、やっぱり、この上なく愛しいとチェギョンは思った。 イタズラッぽく笑って、こういうストレートな愛情表現にまだまだ巧く反応できない不器用な彼を、 これ以上困らせない様に、場の空気を変える。 「でもね、ちょっぴり変わったかな?」 「…どんな風に?」 「うんとねー、前より素直で、誠実で、凛々しくなったっていうかぁ…。 そんでもって、時々かわいかったりしてね。でも、男っぽくて、SEXYで……」 「ほぉ…SEXYねぇ。ふーん‥」 いつの間にか陶然としながら、つらつらと好きなところを指折り数え、挙げていたチェギョンに、 意味深にニヤリと嗤うシン。ハッと我に返ったチェギョンは慌ててパッと両手を引っ込めた。 「え? あ、ヤダもぉ////さっきから私ってば何言ってんの?!ギャー恥ずかしーっ!」 シンの肩口に真っ赤になった顔を埋めて、両手で顔を隠す彼女。 頭上から、彼がクククッと声を殺して笑っているのがわかる。 ついさっきまで自分の一言で、ドギマギ居心地悪そうなコドモみたいになってたくせに、 もう、いつもの様にクールで意地悪な笑い声を立てている。 そんな彼の様子すら、なんだか今夜は妙にくすぐったくて、嬉しく感じて。 もっともっと、ありのままのイ・シンの、表情豊かな姿を見せて欲しいと思う。 チェギョンは顔を隠したまま、キュンキュン、ハートからダダ漏れのその想いを伝えたくなって、 肩口に頬擦りしながら、ポソリ小声で呟いた。 「…でも、そんなシンくんが大好きだよ」 ドクリッ 心臓が大きく跳ね上がる。 今日という、この日このタイミングで、またコイツは…。 この世で最も愛しい存在に"好きだ"と告げられる歓びは、情を結び数年経た今も色褪せる事はない。 むしろ、懇々と沸き上がる熱情が、際限なく溢れんばかりだ。 妻に是程までに夢中な己に呆れ果てる。だが、そんな自分が今では満更でもない。 しかし、また無意識に煽りやがって、この代償は大きいぞ。 チッ…コイツ如何してくれよう。 両腕を振り被るように大きく広げ、シンはチェギョンを勢い良く抱きしめた。 「きゃっ!」 「相変わらず、おまえは…」 俺の心の最も中枢の最深部に、いとも簡単に入り込んで来るんだ。 胸の中で呟き、その存在をしっかり確かめたくて回した腕に力を込める。 鼻腔をくすぐる肌の香りに誘われる様に。 艶やかな黒髪を鼻先で掻き分け、首元に顔を埋めて、より強く放たれる甘い香りを深く吸込んだ。 媚薬のような彼女の甘やかな匂いと、全身に伝わるやわらかなぬくもり。 もうそれだけで、如何にかなりそうだ。 おずおずと、背中に回される華奢な指先の感触から、 愛し愛される相手が、この手中に存在する奇跡に、自分はこの上なく幸運だと歓びを噛み締める。 どれほど愛しているか、その身に今すぐ教えたい。 このまま押し倒して、一思いに貫きたい衝動が押さえ切れない。 だが、今は……。 シンは、なんとか理性を総動員して、熱い吐息を外にやり逃がした。 「……おまえこそ、変わったな。」 「え、どこどこ?イイ意味で?どんな風に?」 「こうしていると良く分かるんだが…」 「ウンウン♪」 「俺のおかげで胸のサイズが大き…」 「うぎゃーっ!////バカバカ何言い出すの?!ってか、そっち?!エロエロ殿下!」 ポカポカ胸を叩く予想通りの反応に笑い、まだブツブツ言っている妻の耳元にゆっくり唇を寄せて、 今度こそ、密やかに本音を囁く。 「あの頃よりもっと、何百倍も何万倍も、眩し過ぎる程、おまえは輝いてるよ…」 「!」 「他の誰の眼にも触れさせたく無い程にな…」 「/////」 告げると同時に、両の手で顔を仰がせる。 頬を染め潤んだ瞳で見上げて来る妻のぷるんとした唇に、そっとその唇を重ねる。 最初は、啄み軽く触れ合わす程度のかわいい口付けが。 触れ合う毎に互いの奥底に眠っていた熱情を呼び覚まし、滾る感情がプチンと弾けて、 昂るままに、やがて深く求める接吻けへと変わるのは、あっという間で。 二人の脳裏に、別離の日々から今日に至るまでの出来事が、角度を変え唇を重ね合う度に、 走馬灯の様に甦った。 淋しくて辛かった過去を埋める為に。幸せな現在を噛み締める為に。 そして、共に在りたい未来へとの祈りを込めて。 まるでそれは、年に1度の二人だけの暗黙の儀式。 何度も何度も、熱い吐息と水音が響く程に、互いが満たされ、気が遠くなるまで求め合った。 一頻り、存分に濃厚な接吻けを交わした後。 心地よい余韻に息を乱しながらコツンと額を合わせて、触れ合うちょっぴり冷たい鼻先に微笑み合う。 「エヘヘッ♡」 「なんだよ。」 「ね、私。世界一素敵なレディーには、まだまだ遠いかもしれないけど、シンくんがずっと私に メロメロで居てくれるように、もっともっとキラッキラに輝くレディー目指して頑張るからね!」 「オイ…誰がメロメロだよ。」 口をへの字に曲げたシンに、唇を尖らせるチェギョン。 「えーメロメロでしょ?こーんな激しい熱烈チューしておいて、違うとは言わせないんだからね」 「……チッ。」 「なぁに?その眼。キキキキキッ」 「五月蝿いっ。」 「んもぅ、シンくんてば、照れ屋さーん♡ ぷぷぷっ。………あっ!」 「どうした?」 急に身を起こし、真顔でお腹を見下ろすチェギョンの肩に手を添えて、シンは心配そうに様子を窺う。 「‥動いた!」 「え?」 「シンくん、動いたよ!ほら、ココ!」 肌触りの良いニット素材の、ベビーピンクのワンピース越しに。 幾分ふっくらとした下腹部へとシンの手を持ち上げ、そっとその掌を当てる。 「…あ。」 「ね?」 「本当だ‥」 チェギョンのお腹を蹴る我が子の胎動を初めて感じて、シンは不思議そうに眼を見開く。 指先から、ジワリジワリと、今まで感じた事の無い感動が込み上げて来る。 再び、くにょッ‥と、長い指先にその存在を主張する小さな命の息吹に、シンは愛し気に眼を細めた。 そんなシンの、見た事の無い優しい父親の顔をした姿を、涙ぐんでチェギョンは胸に刻みながら、 可憐な花が綻ぶように微笑む。 あの頃とは、もう違うよ… 「ねぇ、シンくん」 「ん?」 「もう絶対、孤独だなんて感じさせないんだからね?」 「!」 「これからもっともっと、私とこの子がシンくんのこと、世界一、ううん。 宇宙一シアワセにしてあげるから、覚悟しといて!」 ニッと得意げに笑うチェギョンに、不覚にも目頭が熱くなり、泣きそうになってしまう。 オイ…。その科白は、本来、夫である俺の科白だろう。 「もうすぐ、パパとママになるんだよ?独りぼっちになってる余裕なんて全然無いんだからね!」 益々心が震え、込み上げる涙を必死に堪えて、シンが胸を詰まらせ言葉に窮していると、 チェギョンの小さな両手が、お腹に当てられたままの大きな手を包み込んだ。 「家族みーんなで、いっぱいいっぱいシアワセになろうね。 親子でたくさんたくさん、HAPPYをつくって行こうね?」 「……ッ」 家族── …参ったな。母は強し…か。 降参だ。もう、コイツには一生勝てない気がする。 「‥シンくん?」 片手で顔を覆い、眼を瞑ってしまったシンの様子が気になって、不安そうな声を出すチェギョン。 フッと口許を綻ばせて、シンは妻に心から微笑んだ。 それは、俗に云うプリンススマイルではなく、本物のイ・シン個人の眩い笑顔。 「…愚問だな。宇宙征服するんだろ?」 「うん!そうよっ!これから最強ファミリーで宇宙征服目指すの!アジャッ!」 チェギョンの鮮やかなビッグスマイルは、日だまりのようにあたたかい。 心の闇の深淵まで照らしてくれる至宝だと、シンは思う。 この笑顔を守り抜きたい。 孤軍奮闘し、満身創痍だった時。 やっとのこと正気を保っていた俺を受け入れてくれたのは、おまえだった。 おまえだけが、孤独だった俺を、道を失いそうになった俺を、脆くて臆病な俺を、 まるごと受け止めてくれた。 喜びも悲しみも、全ておまえと分かち合いたい。 チェギョンに出逢わなければ、知り得なかった、穏やかで優しい、愉快で幸福なこの世界。 今、この瞬間が永遠に続いて欲しい。これからも、ずっと── だから、 おまえ達を幸せにすると、全身全霊を賭けて、誓う。 『変わらないこと、変わって行くこと』 互いに再確認して、また新たなスタート地点に立つ為に深呼吸をする、 特別な今日というこの日に。 「チェギョン。」 「ん?」 「愛してる。」 〈END〉 ♔ Happily ever after...Thank you sooooo much!! ♔ ↓Push on Play♪
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kiraraさん、こんにちは。
はじめまして。
お話読ませて頂きました。
キュンキュンしました〜♪
離れる前日の切な〜い夜。ベンチでの離れ具合がなんともいえず・・・。
でもあれから二人の未来は同じ場所で幸せオーラ全開ですね。
昨日のジフンくんの姿が重なり一人ニヤリ♪でした。
ありがとうございました。
2011/12/1(木) 午前 10:12
kilalaさん こんにちは ✿(。◕‿◕。)✿
あの辛い日々を乗り越えて今の幸せがあるんですね。
ベンチに寄り添って座っている二人は幸せそうですね。
二人の天使ちゃんもチェギョンのお腹の中で挨拶してくれたようですね。
天使ちゃんが誕生したら素敵なパパママになるんでしょうね〜。
お互いを想う気持ちは永遠に変わらないでずっと幸せで〜。
素敵なお話ありがとうございました。
PHDお疲れ様でした☆
2011/12/1(木) 午前 11:23 [ kuriko ]
kilalaさん、こんにちは。
お久し振りのお話公開ですね(^^)
シン君、チェギョンの二人に天使ちゃんが。
幸せ一杯の二人ですね。
シン君の帰りをお腹の天使チャンと待っていたのですね。
愛情表現、たっぷりの二人ですね。
離れ離れの時期が有っただけに、この幸せな時間は、良いですね。
二人で、胎動を感じていますね、至極幸せな時間。
『カワラヌオモイ』を感じていますね。
お互い好きだというこのオモイを。
PHD参加、お疲れ様でした。
久し振りにkilalaワールドを堪能です。ポチン。
2011/12/1(木) 午後 0:03
kiraraさん、こんにちは。
初コメになります。
いつまでも、変わらずシンくんを魅了し続ける、チェギョン。
母親になって国母となっても、その包み込むような温かさで、家族や国民を魅了し続けるんでしょうね。
二人の幸せそうな姿。本当に素敵♪
素敵な作品、ありがとうございました☆
2011/12/1(木) 午後 1:33 [ sunママ ]
こんにちは
変わらぬ二人に天使が舞い降りているのですね
も〜ぽかぽかの気分です。
シン君を幸せにしてあげる・・・こちらまでウルッときちゃいました・・・
永遠に変わらない想いですね
お話 ありがとうございます
2011/12/1(木) 午後 4:49
kilalaさん こんにちは
キュンキュン(´;д;`)しながら読んだ…お話…
走馬灯のように 思い出しながら・・・読ませていただきました。
あの頃と気持ちは全然変わっていないけれど…
もうすぐパパ&ママになるんですね♪
この幸せが ず〜っと続きますように!!
久しぶりのkilala World たっぷり堪能させていただきました。
ありがとうございました。
PHD お疲れさまでした。
2011/12/2(金) 午後 4:33
こんばんわ、はじめまして
前編のペタンコのシューズってとこや、暖かくしてるか気にしてるとこでもしかして…って思いつつ、後編で、チェギョンのお腹に赤ちゃんがいる事がわかってすっきりしました。
『変わることと変わらないこと』
二人、いや家族に幸せがあふれるんだろうね
PHD参加お疲れ様でした。最後ということで読み手のひとりとして、コメすることで自己満足に浸っております。
お話ありがとうございました
2011/12/2(金) 午後 11:23
アンニョン〜^^
互いが想いあう気持ちが 溢れんばかりで・・・。
愛に満ち溢れた二人は
これからも その愛を惜しむことなく
すべての人たちに 注ぐのだろうと
家族が増えることによって
今以上に優しくなっていく二人を想像するだけで
あたたかい気持ちになります〜^m^
2011/12/3(土) 午後 4:00
良かった〜。勝手に読ませていただきながらも、お話楽しみに待って・・・今日は?今日は?とのぞいていたので・・・
また、楽しみにしています。
2011/12/4(日) 午前 0:42 [ sed*gx*pp9 ]
kilala様こんにちは。ご無沙汰しています。
いつも読み逃げばかりごめんなさい。ファイナルPHDのお話ありがとうございます。
離れ離れの時間があったからこそ、2人で過す時間の大切さや幸せをとても感じるシンチェですね。これからずっと過す時の中で赤ちゃんが生まれ家族として、夫婦としてより一層絆を深め愛を育み幸せを築いていくですね。
シンチェのこの「カワラヌオモイ」が国民に愛と優しさを与え希望を与えてくれるでしょうね。
優しくてステキなお話ほんとにありがとうございました。とても読ましていただき心が和みました。
また読ましてください。宜しくお願いいたします。
2011/12/5(月) 午前 11:58 [ tosho ]
kilalaさん、あんにょん。
最後のPHDで、お久しぶりのキラッキラ☆kilalaワールド☆にあえてうれしいです。
離れ離れになる前のせつない思い出になっていたベンチが、
いまはふたりのカワラヌオモイを確かめ合うスイートな場所になったなんて素敵です☆
この画像・・・ああん距離が・・殿下の首の傾け具合にとろけます〜❤
ふたりも大人になって、またずいぶんと濃厚な・・・////と照れていたら、
おなかに既成事実まで(笑) いやー、めでたいです☆
ひたすらうっとりと読ませていただきました。ありがとうございました❤
2011/12/7(水) 午後 3:28
kilalaさん❤
最強セットのシンくんとチェギョン❤
いいわなぁ(^^)
ふふふ。やっぱりいい❤宮はいい!
ありがとうございます。
変わらないもの、変わっていくこと。うんうん。
kilalaさん、またお話、書いてね〜。ずっと待ってるよん❤
2011/12/8(木) 午前 3:16
おい、こら。
こら、kilalaさんよ。
アナタ、またウソついたわね……。
なにがなにがなにが「へっぽこ」なのかしら。
kilalaさんからはキヨブタ没収!とりあえず、おしり出して部室に集合。((o(>皿<)o)) キィィィ!!
いつもながらkilalaさんのチェギョンはキラッキラ生き生きしてますね!
そんで幸せな未来の二人にカンパイ!
一緒に過ごす為、頑張った二人は力強く成長したんですね。
頼もしくなったシンとチェギョンはこれからもどんどん魅力的になって、
ステキングな家族になっていくころでしょう!
そんな二人を垣間見せてくれてありがとうございました。
だけどね。
私を盛り上げてくれた過大な賛辞、チョコとハチミツかけて、そっくり返していいかしら……。
そんでわかった!わかりましたよ!
確かにお互い、ちっちゃいとこがいくつも一緒でしたね!
巨匠とシンクロなんて、小鳩はちょー感動ー…。(+T-T)ノ・:*.;".*・;
PHDお疲れ様でした!
2011/12/11(日) 午後 7:52
kiraraさん、すっごくすっごく良かった♡
久しぶりに作品が読めてうれしいですっ!(^^)!
もっと知りたいな・・・kiraraさんに妄想の神様が降りてきますように♡
2011/12/12(月) 午後 5:04