亜鉛って毒ではないの?
今ではサプリメントとして普通に見かけるようになった亜鉛ですが、私が大学時代に始めたときには、患者さんに鉛などと間違えられたりしたものでした。
皮膚科では以前から亜鉛の含まれていない赤ちゃん用のミルクでトラブルをおこしたり、高カロリー輸液の時の皮膚炎の原因が亜鉛不足であることが分かっていました。
亜鉛は皮膚に大切なミネラルなのです。
そもそも日本の土は亜鉛や鉄、ミネラルの少ない土壌です。もともと不足が指摘されてきました。しかもアトピー性皮膚炎等慢性の炎症で亜鉛はどんどん消費されますし、ストレスでも消費されます。また、皮膚に多く含まれるため、皮膚がはがれている皮膚炎の方はますます不足してくのです。
亜鉛を処方しますと、劇的に良くなる方も、あまり効果を感じない方もありました。当時はまだ総合的に指導をしていなかったため、亜鉛だけでは解決出来ない方がおられては当然ですが、良くなった方に関しては共通して過食傾向が治まっていました。
日本では一日15mgが必要量とされていますが、例えばラットやペットの餌には私達の体重に換算すると90mg位の量が入っています。実際、亜鉛の量を変えた餌でラットの飼育の実験をしたとき、亜鉛の量に比例して、毛並みが美しくなりました。
亜鉛はミネラルの中でもその安全性の高さは一番です。実際は50mg程度は安全量で長年服用が可能です。
亜鉛の働きです。
細胞の形成や代謝に深く関与 細胞分裂の酵素が亜鉛酵素です
性腺分泌の活性化 アメリカではセックスミネラルといわれます。
細胞膜の安定化
活性酸素の分解 SOD(活性酸素消去酵素)は亜鉛やマンガン、銅が必要です。
創傷治癒を高める 傷が治りにくい方は亜鉛不足の可能性
妊娠の維持 妊娠時にはとても大切です。きれいな赤ちゃんのために必要です。
皮膚の安定性保持 皮膚が弱くなっていませんか?
アルコールの分解 お酒に悪酔いするようになった・弱くなった方も亜鉛が不足しています。
有害なミネラルの排出
ホルモン分泌の活性化
糖・脂質代謝の正常性保持
免疫の活性化 風邪をひきやすい方も不足の可能性
血中コレステロールの調整
唾液の分泌
味覚臭覚の保持 濃い味を好む方は味覚障害で、亜鉛の不足かもしれません。
特にトラブルの無い女性(当医院のスタッフ)で一番感じる効果は美白です。透明感のある美白が得られます。
お話は前後していますが、私の栄養療法はこの亜鉛補充療法からはじまりました。鉄やタンパク、ビタミン等は分子整合栄養学で目を開かされるのです。
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