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「ところで」 「うん?」 「もう、”襲う”っていうのやめて」 「心臓に悪いから?」シヌがからかい半分で聞いた。 「笑いごとじゃないんだから。最近、過剰反応するようになっちゃって」 どういうことだ?とシヌはミニョに確かめた。 「こないだ職場で、ミニョさんはおそう…」 「襲うの?」 「そうじゃなくて!遅生まれかって聞かれたんだけど、そこでドキドキして怪しまれちゃった」 シヌがくすくすと笑った。 「そんな赤い顔して?それは怪しいな」 「もう。誰のおかげ?」 夕焼けからさらに時間が経って夜が来るころには、食事をはさんで二人はいろいろ話し合った。 二人だけで新婚らしく過ごせる時間があと数時間と実感し始めて、自然に今後の話が出たのだった。 そんな時にテレビを見る気にもなれず、お互いに口に出さないまでも、できる限り寄り添っていたいと思った。 「もう寝ようか」 シヌの一言に、ミニョは飛び上がりそうになった。 もう慣れてもいいはずなのに、昼間シヌが言った「襲う」と言う言葉が頭から離れなかった。 「え、ま、まだ起きててもいいんじゃない?」 「でも疲れてるんだし、夜更かしは美肌の敵だよ」 「そ…そうだね」 そこまで言われるとミニョも反論できなかった。 「さてと」 シヌが両手を広げて立っていた。 「?」ミニョが不思議そうな顔でいると 「新婚と言えばやっぱりお姫様抱っこがつきものだから♪」 「そんなことは…」 ミニョがごにょごにょ言っている間に近づいてきたシヌに抱き上げられ、あっという間にベッドに連れて行かれた。 「今日はもう、おそ…」 「襲わない!?」 「そんなにいやなの?」 「そうじゃないけど…心臓に悪いから。まだ慣れなくて」 「じゃあ……慣らす?」 「きゃ〜〜〜」 きゃーって…とシヌは苦笑した。「旦那さまなんだからいいじゃないか」 「それはそうだけど。結婚して日が浅いから、心の準備が」 準備ね…。シヌは笑った。 「俺は、今日はもう遅いから寝よう、って言うつもりだったんだけど」 「…あ?」 「今日はなにもしないよ。リクエストがあれば別だけど」 いたずらっぽく笑ったシヌに、ミニョの目が「ないない、リクエストしません」と言っていた。 「そ、そうだったんだ。なんだ。そうだね、早く寝ようか」 とミニョがシヌと反対の方からベッドに入った。 「ただし、何も、の中にはこういうのは入らないから」と近づいてきたシヌが腕枕をした。 ミニョの心臓が高鳴った。旦那さまなんだから、ドキドキしなくてもいいのに。 私の心臓、早く慣れて!と心の中で叫んでいた。 「シヌ。嬉しいけど、またすぐ仕事になるから、差し支えるといけないし…いいよ」 ミニョは腕枕をはずした。「嫌なんじゃなくて、シヌが大変だから、それが気になるの」 「大丈夫だよ、これくらい」とシヌは言ったものの、ミニョが気にしていたので、素直にあきらめた。 「じゃあ、こうして寝よう。これならいいだろ?」 シヌの手が、さっきハンドクリームを塗ってあげたミニョの手を握りしめていた。 「これなら寝てても、どっかに行く心配はないし」 「まるで私が夢遊病者みたい」 「そんなつもりじゃないけどね。でもつないでいたいんだよ」 シヌが耳元でこそっと言った。 「夢の中でだって、誰にも渡したくないからさ」 「シヌ…」 私はどこにも誰のところにも行かないのに。 ミニョはそう思ってシヌを見た。 「ミニョ。愛してるよ。ずっとね」 「私だって」 ミニョはつないだ手にきゅっと力を込めた。 「一緒にいい夢を見よう。これからもずっとだ」 シヌの言葉が布団のように暖かにミニョを包み込んだ。 「うん、ずっと…」 シヌの中のオオカミがその日はおとなしく一緒に眠っていたようだった。 「おはよう。本当に何もなかったね」 「ほんとは’何か’して欲しかったんだ?」 シヌがミニョを引き寄せてからかった。 「そ、そういうことじゃなくて」 「なんなら朝寝坊のオオカミを起こそうか?」 「いえ、ゆ、ゆっくり寝かせてあげといて下さい」 「そう?じゃこのくらいだ」 とシヌがミニョのおでこにキスをした。 「お早う、奥さま」 「…おはよう」 「おはようのキスは?」 結局ねだられて何度もキスをするはめになったミニョだった。 「ところで」 「うん?」 「もう、”襲う”っていうのやめて」 「心臓に悪いから?」シヌがからかい半分で聞いた。 「笑いごとじゃないんだから。最近、過剰反応するようになっちゃって」 どういうことだ?とシヌはミニョに確かめた。 「こないだ職場で、ミニョさんはおそう…」 「襲うの?」 「そうじゃなくて!遅生まれかって聞かれたんだけど、そこでドキドキして怪しまれちゃった」 シヌがくすくすと笑った。 「そんな赤い顔して?それは怪しいな」 「もう。誰のおかげ?」 夕焼けからさらに時間が経って夜が来るころには、食事をはさんで二人はいろいろ話し合った。 二人だけで新婚らしく過ごせる時間があと数時間と実感し始めて、自然に今後の話が出たのだった。 そんな時にテレビを見る気にもなれず、お互いに口に出さないまでも、できる限り寄り添っていたいと思った。 「もう寝ようか」 シヌの一言に、ミニョは飛び上がりそうになった。 もう慣れてもいいはずなのに、昼間シヌが言った「襲う」と言う言葉が頭から離れなかった。 「え、ま、まだ起きててもいいんじゃない?」 「でも疲れてるんだし、夜更かしは美肌の敵だよ」 「そ…そうだね」 そこまで言われるとミニョも反論できなかった。 「さてと」 シヌが両手を広げて立っていた。 「?」ミニョが不思議そうな顔でいると 「新婚と言えばやっぱりお姫様抱っこがつきものだから♪」 「そんなことは…」 ミニョがごにょごにょ言っている間に近づいてきたシヌに抱き上げられ、あっという間にベッドに連れて行かれた。 「今日はもう、おそ…」 「襲わない!?」 「そんなにいやなの?」 「そうじゃないけど…心臓に悪いから。まだ慣れなくて」 「じゃあ……慣らす?」 「きゃ〜〜〜」 きゃーって…とシヌは苦笑した。「旦那さまなんだからいいじゃないか」 「それはそうだけど。結婚して日が浅いから、心の準備が」 準備ね…。シヌは笑った。 「俺は、今日はもう遅いから寝よう、って言うつもりだったんだけど」 「…あ?」 「今日はなにもしないよ。リクエストがあれば別だけど」 いたずらっぽく笑ったシヌに、ミニョの目が「ないない、リクエストしません」と言っていた。 「そ、そうだったんだ。なんだ。そうだね、早く寝ようか」 とミニョがシヌと反対の方からベッドに入った。 「ただし、何も、の中にはこういうのは入らないから」と近づいてきたシヌが腕枕をした。 ミニョの心臓が高鳴った。旦那さまなんだから、ドキドキしなくてもいいのに。 私の心臓、早く慣れて!と心の中で叫んでいた。 「シヌ。嬉しいけど、またすぐ仕事になるから、差し支えるといけないし…いいよ」 ミニョは腕枕をはずした。「嫌なんじゃなくて、シヌが大変だから、それが気になるの」 「大丈夫だよ、これくらい」とシヌは言ったものの、ミニョが気にしていたので、素直にあきらめた。 「じゃあ、こうして寝よう。これならいいだろ?」 シヌの手が、さっきハンドクリームを塗ってあげたミニョの手を握りしめていた。 「これなら寝てても、どっかに行く心配はないし」 「まるで私が夢遊病者みたい」 「そんなつもりじゃないけどね。でもつないでいたいんだよ」 シヌが耳元でこそっと言った。 「夢の中でだって、誰にも渡したくないからさ」 「シヌ…」 私はどこにも誰のところにも行かないのに。 ミニョはそう思ってシヌを見た。 「ミニョ。愛してるよ。ずっとね」 「私だって」 ミニョはつないだ手にきゅっと力を込めた。 「一緒にいい夢を見よう。これからもずっとだ」 シヌの言葉が布団のように暖かにミニョを包み込んだ。 「うん、ずっと…」 シヌの中のオオカミがその日はおとなしく一緒に眠っていたようだった。 「おはよう。本当に何もなかったね」 「ほんとは’何か’して欲しかったんだ?」 シヌがミニョを引き寄せてからかった。 「そ、そういうことじゃなくて」 「なんなら朝寝坊のオオカミを起こそうか?」 「いえ、ゆ、ゆっくり寝かせてあげといて下さい」 「そう?じゃこのくらいだ」 とシヌがミニョのおでこにキスをした。 「お早う、奥さま」 「…おはよう」 「おはようのキスは?」 結局ねだられて何度もキスをするはめになったミニョだった。 |
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