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字に関するものを見に行くのが楽しみの一つです。
談山神社への参道、国の重要文化財「魔尼輪塔」をご存知の方は少ないかもしれません。
すごく重厚でそこに大きく書かれた「阿字」は見応えがあります。
談山神社は、大化の改新に際して、藤原鎌足が蘇我蝦夷、入鹿親子を打つべく談合を行ったところです。
朱色の大きな鳥居をくぐって急な階段を一段一段数えながらやっとのことで登り切ったところに神殿があります。
これまた鮮やかな朱い色の中心的建物でその中には数々の宝物が展示されてあります。
境内を歩いていますと、三重の塔に出くわします。
ここは神社のはずなのに三重の塔?
いわれによりますと、鎌足没後、長男の定慧和尚が唐より帰国したときに父を偲んで建立したと言うことです。
古来、日本には八百万の神の神話があります。
仏教が伝来する以前からあったようです。ところが、仏教が伝来すると八百万の神々は、その存在が薄くなってしまいました。
舶来のきらびやかで体系的な思想や伝来品はあっという間に日本人を魅了したと思われます。昔から日本人は舶来に弱いのです。
「日本霊異記」に、大安寺の僧・恵勝の話しがあります。
近江の国の陀我大神の社の近くで修行していたところ、突然「我が為に経を読め」という声が聞こえてきたそうです。そうして法華経を読んでくれと頼まれました。
神が仏に帰依するということが書かれています。神様が仏に隷属する話しです。
当時それだけ、仏教の威力は凄かったと言うことでしょう。
これは、「神身離脱」という現象で、特に密教などの持つ呪力霊力が神々を席巻したものと思われます。
さて、談山神社への登り道、その参道の最後に「魔尼輪塔」と呼ばれる重要文化財にも指定されている石の塔があります。
この塔には、梵字のアーク(阿字)という文字が彫られています。
アークとは、胎蔵界大日如来の種字です。
大日如来とは、密教においてもっとも中心となる最高の仏様です。
大日如来は、宇宙の真理そのものの法身なのです。法とは宇宙の真理ということです。
人間が、自分たちの都合の良いように解釈することによって出来た我々の法律とは全然ちがいます。
この塔の柱部分には、乾元二年(1303)とあります。
密教がその後、「元寇」の神風に象徴されるように、神道に巻き返されます。
反仏教の旗頭、伊勢神宮をはじめとして神祇信仰が力を盛り返して復権していきます。
こうした押したり引いたりの歴史の過程で、仏教と神道は互いに迎合しあって共存を図っていきました。
今はやりの陰陽道なども、神官の格好をしながら発想的には密教の呪術的なところが随所に認められます。
そして神仏習合の長い歴史の中で、日本人の宗教心は、イスラム教徒やキリスト教徒のような明確な意志を持たずに今日まで来ています。
この国の前の不幸な戦争では、神道が突出してしまったということはありますが、この国の歴史は総じて一神教ではありませんでした。
中東における紛争、イラク問題、これらは明らかに宗教戦争です。
一つの思想に基づく民族の抵抗です。
西欧諸国が、テロ思想対抗という大義名分で抹殺してしまえるものではありませんし、ムスリムはそもそもテロ集団ではありません。
強固な真理と信念を持つイスラム思想と、アメリカのおしつけ民主主義という思想のぶつかり合いなのです。そしてなにより、イスラエルという国の成り立ちを合法化するための方便なのでしょう。
どちらの信念をも持ち合わさない思想の脆弱な日本人が、強烈な一神教の国々の間でなにが出来るというのでしょうか。そして、こういうことを日本の宗教人達はどう考えているのでしょうか。
談山神社への参道にある魔尼輪塔や境内の三重塔は、日本では特に珍しい混在ではなく、伊勢神宮の神宮寺のようなもので日本人の折衷主義といいますか、思想的に弱い国民性の表れかもしれません。宗教は、思想ですから。
この日の目的は、この魔尼輪塔を見ることでした。想像していた以上に重厚で、700年の年月を経たとは思えない斬新なイメージの石塔です。
談山神社から西門を経て、北山、横柿、高塚の村々では、春の暖かい日差しを受けていろんな花が咲いていました。里山をぶらぶら歩くと心が洗われる思いがします。
そして、一気に香具山から八木まで歩きました。この辺りを歩いた帰りに立ち寄る行きつけの店で飲むビールはいつも格別です。
談山神社への参道、魔尼輪塔
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今年主人が定年で会社では居留されましたが、建築設計で独立することになりました。サラリーマンの妻のぬるま湯生活から一変、不安で思い悩みましたが、私流の「起業成功を祈願」で吹っ切れました。主人はただの縁起担ぎと思っていますが、「念じる」ことで安らかになる、救われることもあります。マイ信仰です。
2007/5/16(水) 午前 9:08
そうですね、アメリカのおしつけ民主主義・・・限界が見えてきているようです。でも、私たちアメリカンはこれが最高、どんな事があっても守るべきものと信じてもいますから???
2007/5/18(金) 午前 6:20
あはーー・ 〆はこの世に戻りビールでのどを潤してですか、いいですね^・^
2007/5/18(金) 午前 6:47 [ - ]
伊勢神宮は、宗教というより、何だか名物品にされていますね。宗教的な事で戦争まで起きてしまう国があるというのは、日本人にとって、宗教を益々嫌悪させる気持ちに駆り立てるのではないではないでしょうか。
2007/5/20(日) 午後 0:58
紫桜さん、起業成功お祈りしてます
2007/5/20(日) 午後 4:16
seatttleさん、民主主義も完璧じゃあないですものね。アメリカのおしつけ民主主義もむかしは人道的で紳士的だったんですがねえ・・・・。
2007/5/20(日) 午後 4:18
ammanda3さん、ビールのためにウロウロしているようなものです(笑)
2007/5/20(日) 午後 4:19
みゆきさん、そうですねえ、キリスト教は十字軍のむかしから「諍い」「争い」「殺戮」など「血」の歴史ですねえ。その点、東洋には「血」の宗教がなくて、せっかく仏教などといういい宗教があるんですがねぇ。宗教がないというのは無思想、無節操につながるようにも思います。自由放任、アナーキィーとでもいいますのでしょうか。
2007/5/20(日) 午後 4:23