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コペンハーゲンから北へ50Kmほど、電車でバルト海を眺めながら小一時間でヘルシングーアという極寒の港町に着きます。海峡を挟んですぐ目の前にスウェーデンのヘルシンボリの街が見えます。
ヘルシングーアは、町はずれにクロンボー城があることで知られています。シェークスピアのハムレットの舞台として有名でもあります。
そのクロンボー城を訪れて中世の王族の暮らしぶりにふれながらハムレットを想い、厳しい冬の荒れ狂う海峡を行き交うフェリーとその先にあるスウェーデンを望み、街のシンボル聖オーライ教会の尖塔に7世紀のこの町を偲んでいると時間が止まります。
狭い町をぶらぶらと歩いていると街角に小さなレストランを見つけました。ちょうどお腹も空いてきたので昼食に入りました。
店の中は結構混み合っていて、中央に席が空いているだけです。カウンターに行ってハンバーグとビールを注文し、それらを受け取ってその席に陣取りました。
周りを見渡すと、高齢者の夫婦でいっぱいで、昼食時間に二人で出かけてきたという感じです。
見ていると、70歳あるいは80歳をこえるご老人達の立ち振る舞いは日本のそれとはだいぶ違うようです。
まず、料理は当然ながら男がカウンターに取りに行きます。女性は席に座って待っています。そして、着ている服装が、カラフルで、着こなしといいなんとも洒脱です。
赤い色のチェックのスカーフを巻いた80歳くらいと思われるご老人が、ビールを抱えて席に戻る足取りが怪しくとも、ちっともおかしくありません。どの席を見ても、夫婦でビールを飲んでいる光景は絵になっています。夫婦がいくつ何十歳になっても手に手を取り合っているのは本当に美しいことです。
時間はゆっくり流れていて、日差しは柔らかく暖かく、東洋人が紛れ込んでいるという好奇な視線もありませんでした。。
食事のあと、再び街中を歩きました。
ちいさな街は30分も歩くと突き抜けてしまいます。駅に近い中心部は商店街があってそれなりに賑わっています。商店街から一筋裏通りに入ると静かな北欧の古い建物が続いています。静かな通りを自分のこれまでの身勝手さを考えながら歩き続けました。
東洋的なにおいなど全くないのに、懐かしいたたずまいに邂逅できました。
外国の風物に接することは楽しいことです。特に、北欧の空気は、透明なアクアブルーの層をしていて、想い出としては申し分のない潤いを与えてくれます。
何気なく出会った街角の光と蔭、そういう新鮮な感動を求めて旅を続けたいものです。
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