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写真) 上から

      落石で道が塞がれてブルドーザー出動

      ガス欠で道を塞いでいるトラック

      シャングラ峠のレストランにて

      腰に拳銃の私設ガードマン
    

 パミール高原からクンジュラブ峠を越えて、フンザ、ギルギット、チラスの街々に泊ま

り、ベシャムのぼろいモーテルの寝苦しい夜を過ごして翌朝、カラコルムハイウェーと別

れて進路を西にとりました。
 
 落石の確率の高いカラコルムハイウェーは、茶色の瓦礫の山合いを断崖絶壁に寄り添う

ように延々と続きます。いつ落ちてくるかもしれない不安定な岩が不気味です。ニュート

ンの力学に逆らっているとしか思えないような岩がごろごろと山の斜面に引っかかってい

ます。今にも落ちてきそうな大きな岩の下を走り抜けていきます。事実、四月にはお気の

毒に日本人の乗った車に落石があってお亡くなりになっています。

 途中、やはり落石で道が塞がれていてブルドーザーが道路の岩を押しのけていました

(写真)。車を止めて道路に出て、改めて見上げると巨岩がにらみつけていました。

 あれが転がり落ちてきたら・・・・。

 こういうのを見ていますと、ぞっと身震いしてしまいます。
 
 でも、進路を西に取ったこの辺りから、山に緑が見え始めそれが次第に増えていくと、

 どこかで見慣れた懐かしい気持ちになりました。緑の木々を見るのは久しぶりです。
 
 それでも、落石の恐怖はまだまだ続く悪路です。
 
 そこからは、その日の目的地ミンゴラ目指してシャングラ峠越えです。峠まで、地図で

 見るとそれほどの距離ではなさそうなのに、悪路でなかなか前に進みません。

 そんなとき、行く手の道路に材木を満載している大きなオンボロトラックが立ち止まっ

 ていました。どうやら故障しているようです。狭い山道を塞いでしまっています。

 トラックのボンネットを開けて頭を中に突っ込んでお尻だけ出している運転手がいまし

 た。
 
 このトラックが前に進まない限り後続車は動けません。通行量の少ない山道でも、やが

 て何台かの車がつかえ出しました。わたしの車の運転手や通訳が応援に行くも原因不

 明。後ろの車から降りてきた人が集まっています。でも、みなさんそんなに怒ってい

 る風でもなく、さぁてどうしましょうか、てな感じです。日本なら、殺気だっていて怒

 鳴り散らす人がいるんでしょうね。

 そのうちに、どういう成り行きからかはわかりませんが、ガス欠ではないかということ

になりました。こんな長距離の山道でまさかガス欠はないだろうと思いましたが、聞いて

みると燃料計など壊れていて正常な計器のトラックは珍しいと言います。で、わたしにつ

いているガードマン(腰に拳銃のガードマンを雇わないと旅ができません(写真))がガ

ソリンを買いに走ることになりました。
 
 いったいどこまで走ったらガソリンスタンドがあるのだろうか?と漠然と考えながら時

 計を見ると、ここにもう一時間以上も立ち止まっていることになります。このまま動か

ないとなるとどうなるのだろうか。
 
 しかし以外と早くガードマンが戻ってきて、ポリ容器のガソリンをトラックに注入。
 
 さて、本当にガス欠?
 
 エンジンをかける。
 
 空回りするエンジン音が静かな山間に響くばかり。やはり、ガス欠ではないのか?
 
 みんなの期待はずれと落胆のため息の合唱が伝わってきます。
 
 とすると、突然大きな音を立ててエンジンがブルブルバリバリとけたたましく音を立て

 ました。
 
 信じられない!!やっぱりガス欠だったのです。
 
 エンジンのかかった瞬間、その場にいた人たちが思わずみんな拍手。そして握手をして

 喜び合いました。
 
 トラックの運転手も、我々も、後続車の人々も。みんなのその笑顔は、人間は国境を越

 えて同じ感情なんだとうれしくなりました。うれしいことは同じようにうれしいし、悲

 しいことは同じように悲しいのです。当たり前のことなのに、顔の形や風俗や宗教が違

 うだけで勘違いしている場合が多いようです。日本人は特にその傾向が強いかもしれま

せん。

 例えば宗教。パキスタンはイスラムの国ですが、一部突出した急進派に目を奪われて誤

解もあると思いますが、普通の人ははそんなことはありません。日本人に宗教心がなさ過

ぎるので、礼拝している姿が奇異に見えるかもしれませんが、実際には、敬虔な姿勢にむ

しろ頭が下がる思いがします。一日に五回も礼拝するなんて聞いただけで、大抵の日本人

はそれを素直に受け入れられないでしょう。一日五回の礼拝にしても、ケースバイケース

でいろいろなやり方があるのですが、イスラムのモスクや集会場で礼拝している姿をここ

ぞとばかりにシャッターを切るのは、やはり珍しいからでしょう。
 

 日本人は、西欧のキリスト教徒が熱心に教会に行くのをみて、むし

ろ憧れにさえ思うくせに、イスラムなど後進国の人たちが礼拝する姿を見て、キリスト教

のそれと同じように見ないことは日本人の不徳の至りだと思います。中世ヨーロッパのキ

リスト教建築を見てうーんバロック調だなぁ、とか云々言うくせに、イスラムの古いモス

クにはあまり近づきません。

 イスラム教徒もキリスト教徒も、いずれも宗教心に変わりはなく、宗教心のない日本人

こそ奇異なのだと思います。
 
 キリスト教をファッションとしてしか捉えていないのです。明治以来の西洋かぶれの名

残でしょうか。

 とにもかくにもやっとのことでシャングラ峠に到着。そこからスワート渓谷を見下ろし

ながらしばし一服。傍らに峠のレストラン(写真)が有りました。丁度昼時。レストラン

は、運転手などでごった返していました。素足で立て膝をして素手で食べているのも見慣

れた光景です。

そのレストランで買った5ルピーの焼きたてのナンはこれまで食べたナンの観念をすっか

り変えてしまいました、その塩味の効いた熱々のナンの美味しさは最高でした。

 パキスタン・シャングラ峠のレストランにて  

 (写真) 上から

      落石で道が塞がれてブルドーザー出動

      ガス欠で道を塞いでいるトラック

      シャングラ峠のレストランにて

      腰に拳銃の私設ガードマン
   

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