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 日喀則(シガツェ)からヤルツァンポ川にそって、峻険な谷間を拉薩(ラ

サ)に向かって延々と走ったときのことはいつまでも印象的に蘇ってきます。
 
 途中、ホテルで作ってもらった昼食のバスケットを開けて昼食。通訳、ガイ

ド、運転手達が適当なところにランドクルーザーを止めて円座に座りました。
 
彼らにチベット語を教えてもらいながら、お返しに日本語を教える。煙草は、

チベット語でタマ、いらないとは、チベット語でミゴ、という具合。でも、こ

んな会話も彼らにとっては一時の話題にすぐ忘れてしまうのでしょう。
 
 食事をしていると、どこからともなく一人の農婦(写真)と子供が現れまし

た。木の皮で編んだぼろい篭を抱えて、チベット人運転手達と話し始めまし

た。なにを言っているのかはもちろん理解できません。
 
その農婦へむかって、バスケットの中のリンゴを一つ掴んでひょいと放り投げ

ると、その表情がとてもうれしそうで純粋でした。ここでは知性などくそくら

えです。
 
結局、彼女は我々が食べ残したものを全部自分の篭に詰め込みました。空にな

ったミネラウォーターのペットボトル、食べ残りのサンドウィッチ、朝食を入

れてあったボール紙の箱。こんなものまでと思うものまで彼女は手を出しまし

た。ゆで卵の殻まで。きっと肥料にでもするのでしょうか?消費期限や賞味期

限などとわめいている日本、アホみたいです。
 
 彼女が遠慮深くも頂いていく様子、不思議なことに、それらの一部始終のこ

とがちっとも貧乏くさくないのです。こんなものが役に立つなんてと思うと嬉

しいくらいでした。
 
我々の日常では、日頃捨ててしまっているものが、全て捨てるに及ばないので

す。ものが溢れ、情報が溢れ、贅沢なのか不幸なのか・・・。

ありがたい、もったいない、それが生活そのものです。日本での生活は豊かか

もしれませんが、いやいやなにが豊かなのか、遠くの山々を見渡すばかりでし

た。

彼女は虚空に向かって祈りました。

 何を祈っているのか、と聞きました。

今ここで貰った恵みに感謝しているのだということです。

 なぜ祈るのかと聞きました。

その農婦が怪訝そうな顔をして言いました。

「私らには祈ることしかありません。ただ祈るだけです」

そのように聞いて、ここで突然、この農婦がチベット仏教かボン教の教理をの

たまわったならと思うと、よかったぁ、と言う気になりました。

 祈るしかない!!これはわたしにとっては後々までも胸に突き刺さりまし

た。

ここでは日々、神に祈ることによってのみ自分の存在を確かめながら生きてい

るのです。

便利で科学の進んだ国のことさえ知らなければ、これが自然そのものに違いあ

りません。

知ったが最後、ゲシュテルの罠に陥るのです。

羊に囲まれて、満天の星の夜空に恵まれて、大自然に怖れを抱いて生きる、そ

んな大地でした。

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