パキスタン

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「パキスタンを歩いていたときに、「イン・シャー・アッラー 」という言葉をよく耳にしました。「アッラーの思し召しによって」とか「神様がお望みになるなら」といった意味です。

 パキスタンの古都ペシャワールの街角で、約束したタクシーが約束の時間にやって来ず、待ちに待ったあげくやっとやってきた時、いらいらして運転手に苦情を言うと、約束したときに「イン・シャー・アッラー」と言っただろうと平然としたものだったという話しを聞いたことを思い出しました。
 
時間を約束はしたけれど、イン・シャー・アッラー、神様の思し召しがそうなら、つまりその時間に迎えに来ることを神様が望んだなら、その時間に迎えに来たでしょう。
 遅れたのは神様がそうさせたのだから、仕方がない、と言うわけです。
 イスラマバードでも、ラワルピンディでも、この呪文の重しが街々を覆っている気配の中で、時間が悠々と流れていました。
 これは、日本人にとってはとても冗談だとしか思えませんが、事実、根底はそういう国だと思います。 すべてがこの調子なら、契約社会は成り立ちません。そもそもイスラム教徒の彼らにとっての契約は神様との契約が最優先です。神様との契約で始まった「出エジプト記」を忠実に守っていると言えばそうなのですが、同じユダヤ教を始まりとするキリスト教ではそんなことはありません。

 キリスト教は、パウロによって人間の内面と外面の使い分けを認められました。原始キリスト教は、当時のローマの法律と相容れなかったので、ローマから厳しく弾圧されていました。その時、生きんがため、パウロが表面はローマ法を守り、内面は信仰を守れと言いました。
イスラム教には、このようなパウロが現れなかったので、「イン・シャー・アッラー」が今日まで色濃く残っているのです。
 このことは、イスラム圏が資本主義に大きく後れを取っていることの大きな要因であると思います。資本主義社会の契約より、神様との契約が優先されるのなら、当然資本主義的契約は忌避されてしまいます。
 イスラムのサラリーマンは、上司の命令に対してもイン・シャー・アッラーなのでしょうか。 
 ただし、キリスト教とて、方便として資本主義を利用していますが、人の心の根底には、神様が唯一絶対であることにはなんら代わりのあるものではありません。
日本以外の国、それもユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの国々を理解するとき、この神の存在を理解出来なくては、国の成り立ち、国民の考え方を理解することは出来ません。
 信仰ということについて言えば、むしろ信仰を失った珍しい国としての日本の特殊性が問題で、世界でも珍しい民族です。おそらく、ここまで信仰のない民族は世界ナンバーワンじゃないでしょうか。これがいいとか、悪いとかじゃなくて、外国との大きな相違点で、外国を旅するときの要注意点です。

 島国の無神教的多神教で狭い世間と経験しか持たない日本から見て、笑い事に見えるようなことが、そうではなくて他国では真剣な問題であることが多いものです。イラクやイラン、イスラエルなどはもとより、ヨーロッパ、アフリカなどの諸紛争は全部信仰の問題です。
 むしろ、日本人の信仰について考えるべきことが多々ありそうです。

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 私たちは、科学の進歩ということについて盲目的に信仰しすぎているように思います。科学の歴史は、自然を客体化して、人間が自然を支配しようとすることに専心してきましたが、今そのしっぺ返しに少しは立ち止まる必要が有るのではないでしょうか。
 そして、近代科学の考え方はそのしっぺ返しとして人間疎外を生みました。人間本位主義が人間同士をも差別化してしまいました。
 ガンダーラの仏跡を前にして想います。
 灼熱の太陽がギラギラするこの地に、石と泥で作った廃墟を前にして当時の人々や修行者は何を考えていたのでしょうか、と思い込まされてしまいます。
 水さえ充分でなく、作物だってそんなに豊かだったとは思えないこの瓦礫の乾燥した大地にあって、今日でいう「文明」とはほど遠い生活の中で、科学など知るよしもない時代、人々はなにを瞑想し、何に祈っていたのだろうか?
 近代科学は、確かに、自然の法則の因果や現象を実証し追求する知的な行為です。近代科学技術は、確かに、生活の利便さや病気に対して人々に計り知れない恩恵をもたらしています。
 多くの現代人は、そんな科学というものの持つ合理性に偉大なイデオロギーを認め、知らず知らずのうちに科学教とでもいうべき宗教に盲目的に隷属しているように見えます。
 科学こそが、人類の絶対的な真理をあらわし、結果として科学の持つ価値観から抜け出すことが出来なくなってしまっています。ゲームに驚喜する子ども達をも食い物にしています。
 そうではない、もっと他に価値観はあるのだと、なんとなくへんだなと科学の価値観を認めようとしない人たちでも、冷蔵庫の無い生活、テレビのない生活、自動車のない生活、外科手術の無い生活・・・、そのようなことはもはや、できっこありません。冷蔵庫や、テレビや、自動車や外科手術を悪いとは申しませんし今更否定する意味もありません。
 でも、そんなものを持ち合わせない古代の人々は、それではどんな価値観を持って生きていたのでしょうか?
 あるいはテレビや冷蔵庫のもたらすものより、人間としてもっと深い生き方があったのかもしれません。そう考えてみる必要はあると思います。
 昔の人々にも、それなりの小さな科学的?発見はあったでしょうが、それがイデオロギーとして確立されていたはずがありません。ということは、別の価値観があって、ひょっとしたらその価値観は現代人のものと変わらないものなのかもしれませんし、もっと素晴らしいものであった可能性があるということです。価値観が入れ替わったのです。
 たぶん、彼らは、人間がこの地球に登場して以来の宿命、つまり生と死について思いめぐらすことが多かったのではないでしょうか。死は今以上に身近なものであったでしょうから。近代科学は、死ということに対しても、人々の気を紛らわせてくれています。それはいいことなのか疑問に思うことがあります。
 死後の世界はどうなっているのだろうか。そして、有限の生の営みを、生と死との連続性を考え、生と死を精神的に超越出来ないものかと考えていたに違いありません。その精神性がいかにも疎んじられているこのごろです。
 そこに「祈り」が生じるのでしょう。
 ガンダーラの廃墟に立つと、物事をとにかく対象的に捉えようとする科学ではなく、理性と自然あるいは心と身体の相対性を乗り越えようとした先人達の息づかいを感じます。
 自分以外のことは、対象として冷ややかな扱いをする現代社会、そのために知識をひけらかすことに熱心な人々、そして差別化することによって自分を顕示しようとする現代社会のイデオロギーに対して、宇宙にとけ込み、対象事と同化しようとした東洋の古代人に息づく智慧の気配に改めて畏怖の念すら抱くのです。
 タクティ・バイの仏教遺跡は、暑い山の上にありました。ふき溢れる自分の汗が大地に染み込んでいくのを見て、わたしは何かしら宇宙との同化という感動を覚えました。
       ミンゴーラからペシャワールヘ タクティ・バイ遺跡
 

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ガンダーラのシルカップ遺跡は平たく大きく拡がっていて、整然とした都市があったことを思わせます。
 そのメインストリートと思わしき大きな通りを歩いていますと、有名な「双頭鷲の仏塔基壇」があります。
 右端の形が日本の鳥居に似ているので鳥居の起源をここに見る意見がありますが、さあてどうなのでしょうか。
 真ん中や左の屋根の形の変形にすぎないといえばそういうことです。
 これらはトラーナといわれる塔門としては既によく知られたことで、トラーナが日本の鳥居であるという説は根強いようです。ただ、日本の武家屋敷や京都の二条城に見られる冠木門にもみられ、また西洋でも同じような形があってい一概に鳥居の起源としてみるには疑問が多いようです。
 トラーナは、我々の身近に見る「曼荼羅」のなかにも描かれています。そう、真言宗などで最も大切なものとして扱われている「曼荼羅」です。東寺の「伝真言院曼荼羅」がわかりやすいのですが、中央から真上に二つめの外枠、そこに釈迦牟尼がいらっしゃいますが、釈迦牟尼は門相(壇門)の中に描かれています。その上の文殊師利もそうです。
 この門がトラーナといわれる形式の門です。また、曼荼羅の一番下中央、外金剛部院といわれるところですがそこにもあります。また曼荼羅の南北にも描かれています。
 いずれにしても、鳥居の起源と断定はできなくとも、「門」という意味では鳥居の起源に近いように思います。おかしなもので、そうだとしますと、仏教を起源とするものが日本の神様を祀る鳥居に変遷しているということになります。
http://www4.kcn.ne.jp/~kgh00670/tabisaki/2006.11.20.htm

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