イタリア

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ヴィトゲンシュタインという人が、「論理哲学論考」という本の5.6に書いています。
 「私の言語の限界とは私の世界の限界を指している」と。
ここに言う「限界」とは何?どういう意味なんだろうか?
眼下に拡がる地中海のまぶしい反射光に目を細めながらその「限界」について反芻していました。
現象学の限界だとしたらどうなんだろう?と。
 
フィレンツェから空路カターニャに着いたのはよいが、そこからタオルミーナまでの足の弁がすこぶる悪い。バス停があるのだが、シチリア島の各地へ行くバスが次々と発着していてどのバスに乗ればタオルミーナへ行けるのかと必死になる。
バス停といっても、日本のように各方面行きの時刻表が整理されているわけではない。
そのあたり一帯がバス停なのだ。
到着するバスのフロントの行き先表示を探し続けるしかない。
切符売り場ではイタリア語で返事が来るばかりで英語が通じず、「タオルミーナ」とだけ聞くとバス停にバスがくるから待ってろという仕草をする。
周りの観光客も同じような様子。近くにいたアメリカ人も、この場所ででいいんだよね、という様子。お互いに苦笑し合いながら待ち続けるしかなかった。
炎天下、30分も待った頃、Taormina の行き先表示したバスがやってくるのを見つけたときは、やれやれで、まあこんなことはイタリアでは序の口だ。
 
イメージ 1
空港からタオルミーナまでは高速道路。それでも一時間半は乗った。
タオルミーナに近づくにつれて高速道路の前方に、写真でしか知らなくとも一目でそれとわかるカステルモーラが見えてくる。左にエトナ山、右にイオニア海を見ながら風光明媚なヨーロッパ
有数のリゾート地タオルミーナ、今晩のレストランが楽しみに思えてきた。
   写真上、タオルミーナの町中から見るカステルモーラ
   写真下、カステルモーラからタオルミーナの町を見下ろす。イソラ・ベッラも見える。
イメージ 2
 
メッシーナの西、ミラッツォの港まで高速道路を駆けました。
ストロンボリ島行きフェリーは思ったより小さく停泊していました。
ここから地中海のまっただ中へ4時間の航海が始まります
イメージ 1
ミラッツォ港が遠くに見えなくなって四方八方が大海原。
まだまだこれから数時間もある。
船の後方のベンチに陣取って、高速船エンジンがうるさく響く中でビールを飲みながら本を読んだ。僕は何時間でも、30cm四方のスペースがありさえすれば退屈することはない。
その時の本はなぜか「存在と時間」。難解だ。
というより、いつも旅先では難解な本を読むと不思議と視界が開ける。
だから難解な本に限る。
それと、簡単には読み切れないから本は一冊か二冊持って行くだけで十分なのだ。
目先が変わる風景の中では難解なことは要約的に考えようとするからいいのかもしれない。
いつも新しい発見がある。
 
僕のキャノンMarkⅡを見つけたおじさんが話しかけてきた。
「いいカメラだね。どこから来たんだい?ああ、日本人だろう!」
「イエス!}
で、握手。なにがいいカメラだねだ!その彼も首からMarkⅡを掛けていた。
まあ、知らない土地では、持っているカメラで相手の技量がわかり親しみが生まれることは時々あるけれど。
イメージ 2
彼はオーストラリアから来たそうだ。火山の島ストロンボリ島の写真を撮りに来たそうだ。絶海の孤島ストロンボリについてかなりロマンを感じているようだ。
「できれば、噴火があればそれを撮りたいね」
それは僕も同じだ。
でも僕は「存在と時間」の新発見で頭がいっぱいだった。
イメージ 3
 

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